コンビニたそがれ堂 セレクション (一般書)

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591144831

感想・レビュー・書評

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  • 既読のお話もいくつかありましたが、さすがセレクション、とても良かったです。

    #星に願いを
    春には中学生になる愛、
    ずっと大好きだったお隣のお兄ちゃんがもうすぐ引っ越してしまう。
    一緒に流星群を見るのも今宵限り、
    美味しいお弁当を作って、お兄ちゃんに想いを伝えたい。
    そう決意し「たそがれ堂」で買ってきた可愛いお弁当箱、
    それが突然しゃべりだした───

    古い物や、大切にされていた品物には、魂が宿ることがあり、
    それを”つくも神”というのだそうです。
    好きだと言えなかったこと、伝えられなかったこと、
    無念の思いが”つくも神”になる。
    せつないですよね…

    そして、昔お別れしたはずの、はつかねずみの「ぴーちゃん」も会いに来てくれた。
    「ぼくね、愛ちゃんに言いたいことがあったの。」
    その言葉を聞いたら、もう涙がぽろぽろ止まらなくて…

    流星の降りしきる夜、こんな”奇跡”が起きてくれたらいいのになぁ…


    #天使の絵本
    終戦の混乱の中、焼け跡の廃屋で、
    盗みやひったくりをして生きのびていた三太郎。
    心の拠り所は白い子猫だけ。
    猫を連れ、盗みに入ったお屋敷のお嬢さまにサンタさんと間違われてしまいます。
    三太郎は目を患っている彼女に、
    「この世界に存在するはずのない絵本」を読んであげるのです───

    もうね、すごく良かったです。
    無くしてしまったもの、壊れてしまったもの、
    それはいつか取り戻すことができるのだと。
    負けずに生きてさえいれば…


    #花明かりの夜に
    十代のころに災害で、大切な妹と、かわいがっていた猫と子犬を失い、
    それがきっかけで医師の道を志した女医。
    妹にいつか読んでね…と言われていた本、救えなかった命。
    自分に差し出される小さな手、決して離さないようにしていても、
    それでもこぼれ落ちて行ってしまう命。
    何もかもがむなしくなっていたとき、奇跡のような出来事が…

    「またね」

    そんな”奇跡”がもしかしたら私にも…と信じていたくなる。

    最後の章で「たそがれ堂」の謎のお兄さんの真実がわかったのも嬉しかったです。

    • 杜のうさこさん
      ortieortieさん、こんにちは~♪
      コメントありがとうございました!
      おひさしぶりですね!おげんきですか?

      お返事が遅れてし...
      ortieortieさん、こんにちは~♪
      コメントありがとうございました!
      おひさしぶりですね!おげんきですか?

      お返事が遅れてしまい、申し訳ありません。
      このところ少し体調を崩してしまって、しばらくブクログから遠ざかっていました。
      そろそろ再開しようと思っていたところの、ortieortieさんからの嬉しいコメントでした。

      拙いながらもこの感動をお伝えしたくて、一生懸命書いた感想でした。
      本当に嬉しいです!
      こちらこそ「ありがとう」をありがとうございます!

      本当に温かな気持ちがぎゅっと詰まった素敵な本ですよね(*^-^*)
      「心の栄養剤」まさに!
      私も同じく#天使の絵本が一番好きです♪
      私はもう十分すぎるくらい大人なのですが、いまだに魔法とか奇跡とかを信じていたい方なので、
      自分では気づいてなくても、奇跡に守られながら生きているのかな?などと思ったりもします。

      これはセレクションですが、このシリーズの他作品も大好きなのです。
      特に『空の童話』とか、おススメです(^^♪

      では、また遊びに行かせて下さいね(^^)/
      2018/05/22
    • ortieortieさん
      コメント返しありがとうございます(^^)

      体調大丈夫ですか⁇
      コメントまで至りませんが、いつも本棚参考にさせて頂いています♡
      特に、心が疲...
      コメント返しありがとうございます(^^)

      体調大丈夫ですか⁇
      コメントまで至りませんが、いつも本棚参考にさせて頂いています♡
      特に、心が疲れたなぁーって思う時はうさこさんの本棚を参考に図書館に向かいます 笑
      そうすると探していたものに出逢えます‼︎
      あら、たそがれ堂みたい 笑

      おススメありがとうございます!「空の童話」読んでみます(^^)

      本棚、これからも楽しみにしていますね♩
      2018/05/22
    • 杜のうさこさん
      ortieortieさん、こんばんは~♪

      温かいお気遣い、ありがとうございます。
      持病があるもので、この季節の変わり目は何かと大変で...
      ortieortieさん、こんばんは~♪

      温かいお気遣い、ありがとうございます。
      持病があるもので、この季節の変わり目は何かと大変で(^_^;)
      それにしても今年のこの気温の変化は何でしょうね?
      ortieortieさんも、お身体おいといくださいね。

      心が疲れた時に、私の本棚を訪ねて下さるなんて、すごく嬉しいです!
      たそがれ堂みたい。私もそうです!
      たしか、初めましては『花桃実桃』でしたよね^^。
      これからもお互い「たそがれ堂」で行きましょう(^^♪
      『空の童話』またいつか読まれたときに感想聞かせて下さいね~

      ではでは~(^^)/
      2018/05/24
  • 仕事の昼休みの休憩時間に読みました。すっかりこの温かい世界観に入り込み午後穏やかな気持ちで過ごせました。
    失ったものも生きてさえいればまた取り戻せます。無くしたものは作ればいい。
    こんな言葉を聞くだけで過去の後悔も消えていきます。
    「天使の絵本」のお話が好きです。

  • 物語がとても綺麗。
    優しくってホッコリするお話。
    とても読みやすかったです。

  • ブグログの方の本棚を拝見して図書館にて捜索。

    個人的な星の基準があって、
    ★5つは自分の手元に置きたい本、再読したい本

    誰かを想う気持ちがぎゅーっと詰まっている。
    奇跡や魔法を、目に見えないものを、
    ほんのちょっと心の拠り所にしてもいいんじゃないのかなって。こんな奇跡があってもいいんじゃないかなって。
    純粋にとても純粋にただ誰かを想う気持ち。
    それはきっと誰にでもあるはず。

    ズーニーさんが、おとなの小論文教室lesson862の中で、「心に非常食を」と書いていた。まさに。そんな1冊。

    装幀も素敵。
    装丁:bookwall
    ポプラ社

  • 図書館より。

    ようやく読了。
    セレクションとだけあって、うち二つは読了済みの物語。でも、泣けるんだよね。
    個人的には未読だった女医さんものと、書きおろしに涙。やっぱり泣ける。
    結局全部読んで泣いてる(笑)セレクションは伊達じゃないか。

  • ゆっくり時間をかけて楽しんで来た1冊。
    ああ、もう、どうしてこんなに美しい世界があるのだろう。
    何度も涙腺が崩壊して、温かい気持ちでいっぱいになる。
    店長さんが店長さんになったお話も読めて、なんだか嬉しい。
    書き下ろしの1編も、とっても素敵。

    きっと、何度でも読み返してしまう、そんな1冊。

    ページの隅(時にはど真ん中にも)にも素敵なイラストがあるのも嬉しい。

  • 大事な探し物を必ず見つけることができる、不思議なコンビニが舞台のお話。猫が人間になるお話「あんず」で出てきたセリフが印象的でした。「見えなくなっても、会えなくなっても、きっと、『どこか』には、みんな、ちゃんといるっていうことさ。消えてしまうわけじゃない。誰の魂も、どんな想いもね。」家族や友達を大切にしたいと思える本でした。

  • 「人魚姫」が特によかった。

  • まず表紙の装丁のかれんさにときめいた。読んでみたら、中の紙にも絵が印刷されているページがあって驚いた。
    この時点でだいぶ好きになった。

    優しくて、穏やかで、童話のような話ばかりだった。

  • ひとつひとつのお話が読んでいてほんのり心温まる、ちょっと涙ぐんでしまうような素敵な本でした。文体が読みやすく、ティーンエイジャーにも馴染みやすい感じ。絵本的な。これ、絵本にしても素敵だとおもいます。
    あまり立て続けに何話も読むのではなく、心を休めたい時とかにページを開いて1話読むみたいな読み方が良さそう。私は他のハードな本を並行して読みつつ、この本を時々読んではささくれ立ってきた気持ちをを癒していました。
    セレクションだから元々が沢山あるんですね。ちゃんと読んでみたいです。

  • 大事な探し物がある人だけたどり着くことのできるコンビニ。そこにはありとあらゆる物が揃っている。ネコのあんずの願いや引きこもりの真衣など、少し空恐ろしい感じる物も含めて、優しくて前向きになれる物語だった。

  • ★2016年12月30日『コンビニたそがれ堂 セレクション』村山早紀著 評価A
    あったかくて、ほんのり悲しいショートストーリーが村上さんの持ち味。
    いつも行けるわけではないけれど、本当にそこに行きたいもしくは欲しいと思うものがあれば、いつの間にかたどり着いてしまうコンビニたそがれ堂。そこでは、その人が強く思えば、世の中には無いはずのものも手に入れる事ができてしまう便利なコンビニなのだ。どの作品も心温かくさせてくれる良いテイストのものばかりである。

    あんず
    人の家に拾われて暮らしてきた猫が、人になりたいと願ってコンビニたそがれ堂で手に入れたのは、人間になれる魔法のキャンディ。そして少女になって家に帰ってみるものの、猫のあんずの想い人は、どうしても可愛い妹扱いしかしてくれない。しかしそれは、その男の子が必死にお父さんお代わりに頑張る支えに子猫のあんずにたよっていたからだった。

    人魚姫
     引っ込み思案で友達の出来ない真衣は、ゲーマーの間では神のような存在。ところが現実ではありますがただの引きこもり。いとこの秋姫は明るくて勉学優秀でスポーツも万能の明るい美人な女の子。なぜかそんな二人が知り合ってみたい意気投合するも、久しぶりに会う前に台風の濁流に飲まれてしまう秋姫。その原因は真衣に渡そうとしたお土産にあると知ってますます落ち込む真衣。コンビニたそがれ堂に行って、秋姫の好きなモンブランを買って、死んだ秋姫を招待する真衣。海から現れた死体の秋姫を一旦は怖くて拒否するも、結局反省をして受け入れて秋姫と思い出を語る真衣。

    星に願いを
     憧れの人と見る天体観測に綺麗なおべんとうばこをもっていきたいと願う愛。コンビニたそがれ堂でようやく願いのお弁当箱を手に入れて、その夜にお弁当を持って臨むも、彼は彼女をやはり天体観測に誘っており、愛は振られてしまうも、好きですと告白はする。

    天使の絵本
     ある日三太郎がクリスマスの夜に忍び入った金持ちの家で会った赤井美桜子は目が見えなかった。そこでひょんな事から、彼女が大切にしまっていた金庫の中の絵本を読む羽目に陥るのだが、その絵本はすでに空襲のために中は綺麗に焼け落ちてしまっていた。そこで三太郎はその絵本を読むふりをして、創作童話を読み聞かせたのだった。その後、彼女の目は奇跡的なおり、ゆうめいな女優になって大活躍をしたのだった。その彼女は歳をとってから、そのサンタクロースが読んでくれた話をして懐かしんでいることを知る。三太郎は、コンビニたそがれ堂でその絵本を願い、死の間際にいる彼女へプレゼントするのだった。

    花明かりの夜に
     若い女医だった頃に、急患の女の子を救う為に、町の大きな病院に向かって村の診療所を出たものの途中で山崩れにあって、車を出て女の子を抱いて歩いた。そのうちにコンビニたそがれ堂が現れて、美味しいコーヒーを飲んで再出発、桜の花の光を頼りに、不思議と簡単に病院へたどり着けて助かったことが過去にあった。

  • 恒川光太郎さん、梨木香歩さんが好きな人にオススメ。作者さんは童話作家出身で、この作品は大人向けに書かれたそうですが、美しくとてもきれいな作品です。こういった光に満ちた本に子供の頃に触れておくことは周囲に愛されて育つことと同様に性善説を発動させるのに欠かせないと思います。大人になるとこういった救いのある話を無条件に受け入れるのが難しくなると思うので。

  • 綺麗な話でした。
    綺麗な話過ぎて、どこかでひどいどんでん返しがあるに違いない!と、最悪の想像をしながら読んでいたのですが、最後まで綺麗な話でした。
    自分の心の汚さを知って地味に凹みました。

    いや、ほら、綺麗な話だと思っていたけど、嫌なイベントがあることもあるではないですか。
    そういうものに当たってしまうと、私とてもショックを受けてしまうので、それを少しでも軽減させるためにそういうことしていたのですよ。
    注射の時に、ものすごい痛みがある、と考えると、実際打った時に「あれ、こんなもんなのか」という、ショック療法(?)。
    あれを素でやっていました…

    元が児童書って知っていたら、もう少し素直に読めたかもしれない…

  • 大好きなコンビニたそがれ堂シリーズの愛蔵版。ほっこり、やさしい気持ちになれる文章に癒されます。

  • コンビニたそがれ堂のセレクション。1作目しか読んでいないので楽しめた。大好きな「あんず」が収録されている。どこかにたそがれ堂があったらいいのに、とほんの少し夢を見たくなる。

  • 【収録作品】あんず/人魚姫/星に願いを/天使の絵本/花明かりの夜に/エピローグ/風早の伝説

  • 『コンビニたそがれ堂』シリーズの愛蔵版。
    装丁もとても綺麗だし、ページのところどころに描かれているイラストも素敵です。

    読んでいると、登場人物と一緒に風早の街を歩いているような気持ちになり、心の中で、「ただいま、風早!」と思ってしまいます。

    愛蔵版ということで、
    ・『あんず』
    ・『人魚姫』
    ・『星に願いを』
    ・『天使の絵本』(書き下ろし)
    ・『花明かりの夜に』
    ・『エピローグ 風早の伝説』(書き下ろし)
    が収録されています。

    『コンビニたそがれ堂』のお話は、どれも好きなのですが、中でも特にお気に入りの『あんず』が最初だったので、いきなり涙が。
    あんずちゃんには、長生きをして欲しかったけれど、でも、幸せな一生で、良かった・・・。

    『人魚姫』も、少し怖いけれど、好きなお話です。
    ネトゲにはまった事のある人なら、「うんうん」と頷きたくなる所が色々あります。
    真衣が、少しずつ回復していく過程が、とても丁寧に描かれていて、重めの話なのに、最後は何だか元気が出てきます。

    『星に願いを』は、頑張る愛ちゃんがとても可愛い!
    最後に登場する男女は、お弁当箱の元の持ち主と、万年筆の元の持ち主ですよね。

    そして、書き下ろしの『天使の絵本』!
    村山早紀さんの書かれるクリスマスのお話って、どれも秀逸だと思うのですが、このお話にも泣かされました。
    風早三郎の力だけではなく、色んな思いが、奇跡を起こしたんでしょうね。
    そして、風早三郎は、あの日からずーっと、三太郎さんを待ち続けていたんですね。

    『花明かりの夜に』は、『海馬亭通信』の千鶴ちゃんが登場するお話。
    千鶴ちゃん、というより、もう、千鶴先生、と呼んだ方が良いのかな。
    『人魚姫』で、真衣が子供の頃、抱きしめてくれた、優しい女医さんは、ひょっとしたら、院長先生なのかな・・・?

    エピローグも良かったです。
    1月に、伏見稲荷大社の天辺まで登ったところなので、大小さまざまなお狐さまがぎっしりお祀りされている光景がすぐに浮かびました。
    風早三郎は、本当に、風早の街と、そこに暮らす人々が大好きなのですね。

  • 温かくて綺麗で柔らかい世界観好き

  • 優しい物語だった、人生にひとつは忘れられない、ちょっとだけ後悔のある思い出が、幸せに生きるスパイスなのかも

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著者プロフィール

1963年長崎県生まれ。『ちいさいえりちゃん』で毎日童話新人賞最優秀賞、第4回椋鳩十児童文学賞を受賞。著書に『シェーラ姫の冒険』(童心社)、『コンビニたそがれ堂』『百貨の魔法』(以上、ポプラ社)、『アカネヒメ物語』『花咲家の人々』『竜宮ホテル』(以上、徳間書店)、『桜風堂ものがたり』『星をつなぐ手』『かなりや荘浪漫』(以上、PHP研究所)、げみ氏との共著に『春の旅人』『トロイメライ』(以上、立東舎)、エッセイ『心にいつも猫をかかえて』(エクスナレッジ)などがある。

「2022年 『魔女たちは眠りを守る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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