([お]5-4)リボン (ポプラ文庫 お 5-4)

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  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591144879

感想・レビュー・書評

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  • オカメインコの「リボン」が生まれるところから、その後出会った人々の話。同じ家族のもとでずっと過ごす話ではなく、意外にも色々な家族の元を訪れていて、それぞれのストーリーがあったのが面白かった。

    「魂とはイチゴ大福のイチゴのようなもの」という、すみれちゃんの言葉が印象に残った。イチゴ大福のイチゴがなくなったらただの大福になってしまう。魂は心に守られ、心は身体に守られている。イチゴが魂、あんこが心、皮が身体。とても腑に落ちる例えだと思った。

  • コンディションのせいだとは思うが、没入できず。比喩や言い回しに引っかかってしまう...。いや、いい話なんですよ! 後半の歴史的な内容も含めて。またいつか再読したときの自身の心境の変化を楽しみたい。

  • おかめインコの話からまさかベルリンの壁に繋がるとは。籠のなかの鳥と壁のなかに閉鎖された人々を比喩的に表現したかったのかな。
    自由であることのありがたさを思い出させてくれた作品。

  • リボンは最初に出てくる女の子とおばあちゃんが育てるインコの名前です。登場人物が繰り返しでてきて、それぞれの家庭の目線で人間関係が描かれていますが、それこそリボンのように繋がっています。ちょっと、絡まってややこしいところはあるかも知れませんが、独立したお話としても読めるので心配ありません。
    何羽かの鳥が出てきますが、それぞれ名付けが独特で面白いです。

  • ひばりは風変わりで大好きなおばあちゃんすみれちゃんと一緒に卵を温め一羽のオカメインコを誕生させる。リボンと名付け一緒に過ごした時間は宝物のよう。美しくて幸福な蜜のような時間。
    連作短編集のように物語は進む。リボンがつなぐ物語。リボンは出会った人たちに小さな幸せや奇跡をもたらしていきます。そして最後の章ですみれちゃんとひばりの話に戻る。すみれちゃんが衰えていくのが切なく、でも暖かい。すみれちゃんとひばりの絆。ベルリンでのすみれちゃんの過去の話は急にテイストが変わってちょっとびっくりしたけど、ここにすみれちゃんの根源があるんだろうな。
    すみれちゃんとひばりの話をはじめ、他のいくつものお話も心の暖かく救われる気持ちになれるものでした。メインの話ではなく短い話だったけど、2話目のお腹の中の赤ちゃんを失ってしまう女性のお話が個人的に心に響きました。

  • 『お嬢様がそのままばーさんになった』ような風変りなおばあちゃん“すみれちゃん”と、孫娘のひばり。
    巣箱に取り残された卵を頭の上で温めて孵す…という突拍子もない始まりにびっくりしたが…

    連作短編集のような作りだが、章ごとにタイトルがつけられていないので、まぎれもなく一つの物語なのだ。

    リボンは『幸せの黄色い鳥』?
    飛び立ってしまいたくても翼を持たない人間は、苦しくても悲しくても、頑張って足で立って生きて行くしかない。
    そんな、あちこちに散らばった、見知らぬ人間同士の様々な人生を、リボンがそっと繋いでいく。
    最後は大きく結ばれて、輪っかになった。

    表紙のインコの刺繍が、とっても可愛いです。

  • すみれちゃんとひばりさんのお話がいちばんすき。
    でも、p250「姉と妹には、他人が立ち入ることの出来ない濃密な結束があるのかもしれない。もしかすると彼女たちの実の両親ですら足を踏み込めない領域が存在するのかもしれない」の一文はそうそう!って声出しそうになった。わたしは妹だいすきだし妹にしか言えないことがたくさんあるから。

  • 序盤のひばりさん(少女)とすみれちゃん(おばあさん)のやりとりで、多感な年頃の少女の、大げさな比喩表現満載の文章がちょっと苦手で飽きてしまった頃、すみれちゃんとひばりさんが卵から孵化させたオカメインコが逃げてしまい、様々な人の間を転々としだしたことで、なるほど、これはオムニバスな展開になる小説なんだなと仕切り直して読み進められた。
    小川糸さんの小説は初読なので、最初の文体だけ見たらこんな大げさな文章を羅列するタイプの人?って思ってしまったけど、あれはそういう年頃の女の子らしさを出したのかな。赤毛のアンも丁度そのくらいの年だしね。
    元々オムニバスな話が好きなので楽しく読めた。
    特に余命宣告を受けた画家さんと若い出版者の女性の話が好きだけど、寂しい結末なのがちょっとね。急に自分と同じ病名が出てくると、ウッてなるな。
    後半はすみれちゃんの話がもう一度丁寧に描かれて、今度は現実の歴史の事柄もリンクして、グッと現実的に思えた。まぁ全体的にはファンタジックだったけれど。
    ただどうしても元鳥飼いとしては、戸外の巣箱で産卵するオカメインコってどういうこと?とか、そんなに何度も外に逃げちゃって丈夫すぎない?とか、終始気になって仕方なかった。挙句に最後に奇跡的に会えたひばりさんのところからも飛び立ってしまって…いってらっしゃい!じゃねーんだわ!保護してやってくれや!と思わずにはいられなくて、どうにもそこだけは腑に落ちない。

  • ちょっと情報量が多すぎて頭の中で整理が必要…

    すみれちゃんとひばりさんが大切に孵した一羽のインコがあるとき飛んで行ってしまって、その後いろいろな人達のもとへ… そしてまたすみれちゃんとひばりさんの話しにもどり、ひばりさんは今まで知らなかったすみれちゃんの過去を知り、最後にはリボンと再会し生きる希望を取り戻す。
    良いことばかり続くわけでないいろんな人達の人生を、一羽の小鳥を通してみる長い長い年月の温かいストーリー。

    わたしもいつか孫ができたらこんなふうに2人で何かしたりたくさん話しをしてリボンをつなげたいなぁ〜

  • インコを中心に繰り広げられる様々な人のストーリーに、ジンと心が温まる一冊でした。

    でも、インコが外の世界で無事に過ごせるのが
    インコを飼っている身からすると非現実的過ぎて、最後まで違和感を拭えなかったです…
    ストーリー自体は私たちの人生に寄り添う流れ(現実的)な展開なので、この違和感をうまく消化できずにいます。

    メダカを海に放すようなもの…

    ファインディングニモみたいにファンタジー的な世界観なら違和感なかったかも…でもそう言う話じゃないし…

    医療従事者が医療ドラマに感じる違和感と似た感じなのかなと思います

著者プロフィール

作家。デビュー作『食堂かたつむり』が、大ベストセラーとなる。その他に、『喋々喃々』『にじいろガーデン』『サーカスの夜に』『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』『ミ・ト・ン』『ライオンのおやつ』『とわの庭』など著書多数。

「2023年 『昨日のパスタ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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