([む]2-1)お任せ! 数学屋さん (ポプラ文庫 日本文学)

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著者 : 向井湘吾
  • ポプラ社 (2015年4月3日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591144886

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([む]2-1)お任せ! 数学屋さん (ポプラ文庫 日本文学)の感想・レビュー・書評

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  • 数学が大の苦手なヒロインがひょんなことから天才数学少年の転校生と「なんでも数学で解決する」数学屋を始めるお話。
    ヒロインが数学嫌いなので、数学なんて嫌いだ!という人でも読みやすいと思う。
    グローブを買うための節約術から部員のやる気を出させる方法、そしてあんなもの?まで数学で解明しようとする最後までとにかく徹底している天才数学少年のキャラクターが愛おしい。

  • 何を血迷ったのか、数学嫌いの私が数学をモチーフにした小説を買ってしまいました。
    当作は表紙やノリがライトノベルっぽいので、とっつきやすいと思います。
    それでも数式が出ると、胃の辺りがキリキリしてきました。
    明らかに、数学に対する拒否反応だわ。

    主人公は、数学が苦手なソフトボール部の少女・遥ちゃん。
    如何に数学が苦手かを説明する件には、大きく頷いて同意したくなる程です。

    遥のクラスに中途半端な時期の転校生・宙(そら)がやってくる。
    はじめの挨拶で、「将来の夢は数学で世界を救うことだ」と言った。
    しかも、「数学屋」というものをはじめる。
    隣の席である遥は巻き込まれて、当初は迷惑がっていたが、宙と数学に興味を示すようになる。

    ◆数学が生活に役立つことを示せ
    話の流れで、遥が「数学屋」の初めてのお客さんになります。
    「素数」や「因数分解」という字を見ただけで吐き気がしそうです。
    それでも、階乗などの説明は分かりやすいかしら。

    遥は新しいグローブが欲しいが、ナカナカお金が溜まらない。
    貯金や節約はしているが、週に二回、ハンバーガーショップに寄り道をしていた。
    「寄り道をしなければお金を使わなくて済む」と分かっていても、友達付き合いは大事なのでパスすることは出来ない。

    宙は数式を使って、「新人戦までにグローブが買えるようにする為のプラン」を立ててくれます。
    遥は「目玉焼きの乗ったハンバーガーが好きだ」と文句を言いますが、結局は宙のプランを実行します。

    部活に必要なものならば、親が買ってくれそうだけどね。
    遥は熱心に、部活に励んでいそうだもん。
    「自分でグローブを買う」という辺りに感心してしまう私はズレていますかね。

    ◆グラウンドを二等分しなさい
    昼休みになると、ソフトボール部と野球部の場所取り合戦が白熱していた。
    「先にメンバーが全員揃った方がグラウンドの広い方を使える」というルールがあるからだ。
    制服の下にTシャツなどを着込んでお昼ご飯を抜いてダッシュしたり早弁をしたりと、「そこまでするか」という感じです。

    宙が「グラウンドを二等分すればいいのではないか」と提案し、数式を使って問題を解決しようとします。
    宙は変わり者扱いをされているので当初はブーイングが出ますが、遥や親友・真希のフォローと野球部のリーダー格・翔が聞く姿勢のなったので話を進めることになります。
    翔の第一印象は「偉そうな野球バカ」でしたが、実は頭が良いのよね。

    宙が二等分する方法を出しましたが、結局は「野球部とソフトボール部が一緒に練習する」ということで落ち着きました。
    宙が出した提案が使われなかったので遥は申し訳なく思いますが、宙は争いがなくなったことを満足しています。

    「数学で世界を救える可能性がある」と思えた遥は、「数学屋」の手伝いを申し出ます。
    宙は数学の知識はズバ抜けていますが一般常識がズレているので、「助かる」と大歓迎してくれます。

    ◆部員たちのやる気を向上させなさい
    「数学屋」にお客さんが来ないので、遥はポスターを貼ったり投書箱を作ったりする。
    閑古鳥状態のところに来たお客さんは翔だった。

    翔の兄はとても優秀で、現野球部のキャプテンである。
    翔は次期キャプテンだが、よく兄と比較されて一部の人間にナメられていた。
    練習メニューを与えても、翔を馬鹿にして走り込みをサボってしまう。

    「そんな怠けた奴は放置しろよ」と思いますが、それではお話になりません。
    宙はサボる部員でも積極的にやりたい練習を聞き出して、「囚人のジレンマ」を応用した練習メニューを提案する。
    「二人組でお互いを監視させて、片方が走り込みをサボったらペナルティとして打撃練習の量を減らす」といった内容である。

    実行してみると、思っていた通りにはいかなかった。
    それでも、少しずつ部員の態度が改まってきているらしい。

    この辺りから、宙の家庭環境が普通ではないことが明らかになります。
    父親は数学者で、宙は強く影響を受けていた。
    父親が「空気の綺麗な場所で研究をしたい」という理由で転校してきたらしい。

    学校に宙の母親が来て、不穏な空気が流れます。
    前の学校でも、何度も母親は来ていたようです。
    「大した理由ではなくても来る」って逆に怖いわ。

    ◆恋愛不等式を解きなさい
    「数学屋」に相談をするお客さんが増えてきたようです。
    遥は常識知らずの宙にツッコミを入れながら、お手伝いをしています。

    知識が偏っている宙にトウモロコシの説明をする遥のやり取りにホッコリします。
    ただ、宙が遠くに行くようなニュアンスを漂わせているんだよね。

    宙と遥は、とある相談に頭を悩ませる。
    「気になる女のコがいるが、それが恋なのかは分からない」という内容だった。
    宙は勿論、遥も恋について詳しく知らない上、相談がフワッとしているので、どうやって数式に当て嵌めればいいか分からない。

    途方に暮れていると、真希、葵、翔が協力してくれる。
    ソフトボール部のお友達である葵ちゃんは唯一の彼氏持ちなので、彼女の話を参考にします。
    あれこれと自分の恋愛を語らせるなんて、とんだ羞恥プレイだよ。
    葵ちゃんは積極的に恋バナをするタイプじゃないのに。

    「恋愛不等式を完成させて一件落着」と思っていたら、宙は学校に来なくなってしまいます。

    衣替えになっても学ラン姿の宙に不安を覚えたわ。
    宙は「気にしていなかった」と言っていましたが、いつもの一般常識の欠落なのかしら。
    「実は虐待されていて傷を隠しているのか」と思ってしまったわ。

    ◆二人のグラフを書きなさい
    宙の母親が学校に来た理由は、父親の都合でアメリカに向かうことになったからだ。
    黙って旅立ったのは宙の意思らしい。

    恋愛相談の手紙を出したのは宙だった。
    つまり、気になる女のコとは遥である。

    恋愛不等式には致命的な欠陥があった。
    宙が出した答えは=(イコール)で、「告白しても、しなくてもいけない」だった。

    宙は朝、学校に寄ってから空港に向かったので、今から追えば間に合うかもしれない。
    真希達の応援を受けて、担任の制止を振り切りながら遥はダッシュする。
    うわ、青春しているなあ。

    空港までまっしぐらすることなく、家に寄ってグローブを買う資金を調達する辺りは意外と冷静です。
    母親に事情を説明して、タクシーで向かうことは考えなかったのかな。

    遥は電車に滑り込みます。
    危ないなあ、ドアに指を挟んで発車を阻止したのかよ。

    普通、旅立つ相手を追い掛けるのは男性なんだけどね。
    ということは、宙がヒロインだったのか。

    空港に到着して宙を見つけると、遥は答えを書いた紙切れを放ります。
    ソフトボール部のスキルが遺憾なく発揮されています。

    ◆数学で世界を救いなさい
    遥は高校生になっていた。
    学校が別々になっても、時折、真希達と喫茶店で数学の勉強をしている。

    「リーマン」という言葉で連想するのは、「リーマンショック」か「リーマンBL特集」だよ。

    「ここに宙はいないけど、数学で繋がっている」というオチになりました。
    遥と宙が再会してラブラブEDとならなかった辺りは評価していいと思います。
    それでは陳腐なラブストーリーだもんね。

  • NHKの高校講座なんかで数学探偵なんてものが放送されていましたが
    リーマン予想なんてちょっと複雑な数式がでてきて面白かった。
    X-Y=0
    の公式で愛の告白?というのは数学屋さんらしくてほっこりしました。

  • 中高生向けって感じの話でした。数学が大の苦手な私でも、数学って面白い!と思えたけど、登場人物達の青春が高校をとうの昔に卒業した私には、少し気恥ずかしかったです。学生の皆さん、青春が憧れのうちにぜひ読んでください

  • 450

    2017年では84冊目

  • 数学を使ったちょっとした問題解決.数学をわかりやすく説明してあって楽しめたし,中学生の青春ものとしても微笑ましかった.

  • 学生の時に泣いてまで苦しめられた数学で悩み事を解決する「数学屋」の連作短編集。 数学が嫌い、見たくない!という人でも楽しく読める一冊だと思う。宙くんの手が生み出す数式を美しいと思えるはず。 第五話、六話はちょっとドラマチックに過ぎるけれども、宙くんの恋文に思わずときめいてしまった。

  • 人の心の問題等、数学だけでは上手くいかない事もあるけど、得意な事でなんとかしようと二人で頑張っている姿が微笑ましい。

  • 「数学と関係がないことなんて、この世界に存在しないよ」
    (P.202)

  • 数学が得意な転校生の高校生男子が始めたのは数学で人助けすることを目的にした「数学屋」。たまたま隣の席になったソフトボール部の主人公は、変わり者の彼に戸惑いながらも新しいグローブを買うための節約を相談したことから数学屋を手伝うように。
    途中で出てくる数学の理論が図もあまりなく、言葉だけで進められるのでわかりにくかったりします。

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第2回ポプラ社小説新人賞受賞作
デビュー作ながら各誌書評で大絶賛された青春数学小説、おまたせ文庫化!

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数学が苦手な中学二年生の遥の前に、不思議な転校生・宙がやってきた。
「数学で世界を救うこと」が将来の夢だと語る彼は、ある日突然、
どんな悩みでも、数学の力で必ず解決してくれるという、
「数学屋」なる謎の店を教室内で開店する。
はじめは遠巻きに見ていた遥も、店を手伝いはじめることに……。
どんな相談事も華麗に解決していくふたりだが、投書箱に届けられた
ある一通の悩み相談の手紙から、数学では解けそうにない「人の感情」という、
超難問にぶつかることに。
彼らは果たしてどんな答えを導くのか!?

([む]2-1)お任せ! 数学屋さん (ポプラ文庫 日本文学)の単行本

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