([む]2-1)お任せ! 数学屋さん (ポプラ文庫 日本文学)

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591144886

作品紹介・あらすじ

第2回ポプラ社小説新人賞受賞作
デビュー作ながら各誌書評で大絶賛された青春数学小説、おまたせ文庫化!

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数学が苦手な中学二年生の遥の前に、不思議な転校生・宙がやってきた。
「数学で世界を救うこと」が将来の夢だと語る彼は、ある日突然、
どんな悩みでも、数学の力で必ず解決してくれるという、
「数学屋」なる謎の店を教室内で開店する。
はじめは遠巻きに見ていた遥も、店を手伝いはじめることに……。
どんな相談事も華麗に解決していくふたりだが、投書箱に届けられた
ある一通の悩み相談の手紙から、数学では解けそうにない「人の感情」という、
超難問にぶつかることに。
彼らは果たしてどんな答えを導くのか!?

感想・レビュー・書評

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  • 「数式は謎めいた暗号」くらいの気持ちで、むしろ数学嫌いのオトナに手にとって欲しい本。

    この小説の主人公は数学好きでちょっと世間にうとい中学生男子と数学はニガテなソフトボール部中学生女子。その2人がなぜか、数学であなたの問題を解決しますという数学屋さんをやることになって…。

    様々な問題を数学で解決していくのだが、第4章(問)の恋の悩みすら数式として組み立ててしまうアイデアがすごい。
    そこからは典型的な青春小説となり、イッキに最後まで読めてしまう。
    この恋?どうなるの。
    続編も読んでみたい。

  • 私は、数学が苦手です。
    なので題名を見て、ちょっと怯んだけ、
    この本を読んでいたら、
    数学が得意になっていき
    私もこの本に相談された質問を解決したような
    そんな誇らしいような嬉しいような感じがしました。
    なので、数学が苦手な人も、
    最後まで楽しく読めると思います。

  • 宙くんの最後の手紙と遥のその返事が大好きです。

  • 「将来の夢は、数学で世界を救うことです」

    転校生の宙は、そう自己紹介した。

    数学で世界を救うために、中学校で数学屋をひらいた。身の回りの問題を数学を使って助けてくれるという。隣の席の遥を巻き込んで。

    数学が生活に役立つには?

    グラウンドを二等分して野球部とソフトボール部が仲良く使うには?

    部員のやる気を向上するには?

    恋愛不等式を解くには?

    数値化して、公式を使って、身の回りの問題を解いていく宙。問題もかわいいし、解決も思わぬ方向に行ったりする。

    私は数学は特に好きじゃない。
    けど、中学生ぐらいのときに
    こんなふうに数学を日常に使えることがわかれば、もっと好きになったかなー

    真面目で本ばかり読んでいる、学ランのボタンをきっちりしめている宙くんは、コミュニケーション下手。そこを、遥がサポートする。

    そんな、かわいらしい数学で世界を救う物語で
    まさか、泣くとは思ってなかった(笑)

    y-x=0

  • 数学が苦手な女子に数学の面白い世界を見せた少年がすごい。数学の理解はさることながら日常に活かすといった応用力には舌を巻いた。それと同時に女子との関係も相まって面白かった。

  • 数学苦手な私にも、きっと楽しく読めるでしょうとお勧めされた本。
    多分中高生向きの本だと思うのですが、ごめんなさい、やっぱり数式の辺りは全然頭に入ってきませんでした。

    でも、「数学で世界を救う」と大真面目に言う宙には好感を持ちました。
    私も虚数が何の役に立つ?などと学生時代に言ったものですが(ほかにも言ったと思うけど、すっかり忘れました)、数学に限らず、学問は生活の役に立ってこそ、と思います。
    生活の役に立つことから始めて、最終的には世界を救う。
    いいじゃありませんか。

    けれど、やっぱり机上の論理ではいかんともしがたいものもあります。
    台形のグラウンドを、野球(男子)用とソフトボール(女子)用に二等分する。
    計算によってそれは解決しましたが、二等分された小さなグラウンドではなく、男女で野球とソフトを交互にやることに。
    野球部員のやる気すら、「囚人のジレンマ」を利用して解決できる…はずなんだけど、人の心はそう計算通りにはいかないのだ。

    何しろ宙の興味は数学に特化していて、一般常識に欠ける。
    そんな宙を支えるのが、たまたま隣の席だった数学嫌いの遥だ。

    大人の書き方があまり上手くないと思いましたが、中学2年生の、まだ子どもの尻尾がついた思春期の不安や真直ぐさなどがとてもよくかけていたと思いました。
    この終わり方は続編を想定していないものだと思いますが、実は全3巻のようです。
    表紙を見ると少しずつ宙と遥の距離が近づいているようで、読むのが楽しみです。

  • 私は数学が得意ではないが、数学の「理解はできないけどなんか美しい」みたいなものが好きで興味はある。なのでその美しさに沢山触れられるかと思っていたら、数式が出てくるまでのストーリーが長すぎて退屈に感じてしまった。
    『フェルマーの最終定理』をもう一度読みたいと思った。

  • 数学が苦手な女の子の前に、凄い数学少年が現れ価値観が変わっていく物語。
    シリーズになっているので、高校生になった2人の物語が楽しみである。

  • 数学を題材にした可愛らしいお話
    素数、台形の加重平均、囚人のジレンマ、ガウス記号あたりが題材
    数値を集めて立式して考察しよう!という姿勢が一貫している点好感が持てる

  • 数値や式で表せると安心する。
    数学で世界を救うという発想が、とてもすき。

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著者プロフィール

一九八九年、神奈川県生まれ。東京大学教養学部卒業。『お任せ!数学屋さん』で第2回ポプラ社小説新人賞受賞。著書に「トリプル・ゼロの算数事件簿」「算額タイムトンネル」シリーズ、『ショダチ!藤沢神明高校 でこぼこ剣士会』『リケイ文芸同盟』などがある。剣道五段。将棋アマチュア三段。

「2021年 『われら滅亡地球学クラブ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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