誰も知らない東京スカイツリー 選定・交渉・開業・放送開始…10年間の全記録

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著者 : 根岸豊明
  • ポプラ社 (2015年10月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591145180

誰も知らない東京スカイツリー 選定・交渉・開業・放送開始…10年間の全記録の感想・レビュー・書評

  • スカイツリーを建設し、放送塔として機能させるまでの様々な問題と解決を教えてくれる。候補地の絞り込みが大変だっただろうことは想像できていたが、それ以外はわかっていなかった。
    大前提として、テレビ放送のデジタル化が先に済んでしまっていて、受信設備の更新が完了した後で放送塔を移動するという順序になっていたことがあった。そのため、移動によって受信側に発生する作業を最小限にすることが重要だった。
    その前提にも関わらず、発信点を移動した試験の結果、シミュレーションを大きく超える受信不能が発生した。その中で、電波強度が上がったことに受信側ブースターが対応できなかった事例が予想をはるかに超えて多かった。スカイツリーは、展望塔としての開業から一年遅れて放送塔として本放送を始めたが、その時点に放送を始めるために、放送時間内の試験電波発射、受信できない世帯からの連絡受け、対処、役所との折衝を繰り返す必要があった。
    一方、タワーの事業主体が東武鉄道に決まった時点では、放送側との契約条件は固まっておらず、その交渉も紆余曲折があった。著者は放送側の人だが、両者の文化差が大きく、言葉遣い一つで亀裂が生じる過程が見えて興味深い。

    部外者の私には、業平橋に塔が立って繁盛し、放送塔が東京タワーから移動したとしか見えていなかったが、その背後にあった様々な課題を知ることができてよかった。

  • 日本経済新聞社


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    あとがきのあと「誰も知らない東京スカイツリー」 根岸豊明氏 綱渡り、テレビマンの記録
    2015/11/22付日本経済新聞 朝刊

     世界一のテレビ塔を見上げるたび、今も「誇らしい気持ちになります」。新タワーの建設地に決まったのは、なんと自分の生まれ育った町。数ある候補地からなぜ東武鉄道の貨物線跡地が選ばれ、いかにして東京スカイツリーが生まれたのか。実際に交渉・調整に当たった、主に報道記者を務めてきたテレビマンによる10年の記録である。







     2004年6月、東京・六本木のテレビ朝日本社の会議室に、在京テレビ6局からメディア・技術部門の幹部15人が集まった。「新タワー推進プロジェクト」会議に日本テレビのメディア戦略部長として初めて出席し、記者魂がうずいた。会議室内に、記録を残しそうな人は見あたらない。「新電波塔への切り替えという大事業に貢献した人たちの姿を記録したい」とメモを残す日々が始まった。


     15の候補地からの選定作業に、一時は決裂寸前までいった東武鉄道との交渉、東日本大震災による工事の遅れ、タワー完成後に明らかになった想定外の電波受信障害。障害は自らが住むマンションでさえ起きた。想定以上だった受信障害の存在をある新聞にスクープされ対応に追われた際は、「よく調べるものだと感心しました」と苦笑する。


     12年冬の野田佳彦首相による衆院解散で選挙期間中はスカイツリーからの試験放送を凍結せざるを得ず、電波塔切り替えのスケジュールが遅れるなど「綱渡りで乗り切った」大変な事業だった。「どこかでドラマ化してくれませんかね。『半沢直樹』と違って悪役はいませんが」。冗談めかして野望を語る。


     6月からは取締役として報道を担当、さすがに自分で取材する機会はなくなった。記者人生の中でも「10年という長い時間をかけた取材テーマはなかなかない」だけに、「一生忘れない一冊になりそうです」。(ポプラ社・1400円)




    (ねぎし・とよあき)1957年東京都墨田区押上生まれ。81年早大卒、日本テレビ入社。報道局社会部、政治部などを経て、2013年取締役執行役員。著書に『昭和最後の日』など。


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誰も知らない東京スカイツリー 選定・交渉・開業・放送開始…10年間の全記録の作品紹介

初公開!
東京スカイツリー
驚愕の真実!!

最終的に東京スカイツリー建設を
射止めた東武鉄道。
だが、関係者の間では
「遅れてきた花婿候補」と呼ばれ、
15の候補地のしんがりだった…。

交渉難航、決裂危機、そして合意。
震災、想定外、総力戦…。
現場の最前線にいたテレビマンが
生々しいエピソードが初めて明かす。

(15の候補地)
1、 芝公園(港区芝公園4丁目)
2、 さいたま新都心(さいたま市中央区)
3、 造幣局東京敷地内(豊島区東池袋4丁目)
4、 業平橋・押上(墨田区押上1丁目)
5、 隅田公園(台東区浅草7丁目)
6、 舎人公園(足立区)
7、 東六月(足立区)
8、 としまえん(練馬区春日町1丁目)
9、 南池袋(豊島区南池袋1丁目)
10、日本テレビ・ゴルフ練習場跡地(新宿区新宿6丁目)
11、神宮外苑(新宿区霞ヶ丘)
12、入谷南小学校跡地(足立区)
13、光が丘公園(練馬区光が丘4丁目)
14、練馬駅北口(練馬区練馬1丁目)
15、礫川公園(文京区春日1丁目)

(プロローグより)
本書はスカイツリー誕生に関わったテレビマンの視点で、
テレビ塔「東京スカイツリー」実現の経緯が書かれている。

スカイツリーは何故、「墨田区押上」に出来たのか。
候補地の中からどんな選考を経てこの地に決まったのか。
NHKと民放キー5局は何故、巨大鉄塔を求めたのか。
日本有数の鉄道会社・東武鉄道も何故、
ここに東京スカイツリーを建てたのか。
テレビ局と東武鉄道という一見、関わりの薄い両者の間に
どのようなやりとりがあったのか。
その関係はどんなものだったのか。

スカイツリー着工から開業までの約4年間。
世の中はどう動いたか。
そして、スカイツリー開業後1年間、
我々テレビ局はここから放送電波を発射できなかった。
それは何故か。

こうした素朴な疑問や謎に
本書は「事実」で応えたい。
そして、ここにある「井戸を掘ったひとたち」の
知られざる努力や確執、
ドラマやエピソードの数々を
書き記したいと思う。
その中には、本書で初めて明らかになる
出来事もいくつかあるだろう。

(目次より)
第1章……新・東京タワー候補地選定 2004
第2章……東

誰も知らない東京スカイツリー 選定・交渉・開業・放送開始…10年間の全記録はこんな本です

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