あずかりやさん (ポプラ文庫 お 15-1)

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  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591145272

感想・レビュー・書評

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  • どんなものでも一日百円であずかります。
    ただし期限を過ぎても受け取りにこない場合は店のものとなります。

    そんなお店があったら、あなたは何か預けたいものはありますか?

    幼い頃に目が見えなくなり、いつも点字本を読んで過ごす店主と訳あって様々なものを預けにくるお客さんたちとの日々を、店ののれんやショーケース、預かり物たちの目線で語られる。
    視覚に障がいのある店主は電気をつけないのだが、ハッとさせられた一文。目が見える、光を感じる、は当たり前ではないのだなと改めて感じた。

    ものにも気持ちがあったら、使う人間が私で良かったと思っていてほしい。
    大切に長く長く使ってあげたいなと。

    預かったものにもよるが、基本的には店主の誠実な手によって奥の部屋へと入れられるのだが、どんな部屋だろうとワクワクもドキドキもする。そこは私も猫と一緒だった。

    個人的には店主の初恋の話が切なくて温かくて好き。
    シリーズ出ているようなので読んでみる。

  • 1日100円でなんでも預かってくれるお店。
    お店の暖簾やショーケースの視点で語られるお話でした。
    語り口に男性的、女性的な使い分けがされていた事で親しみを持って読み進められました。

    他人から見ると平和で穏やかな人たちですが皆それぞれ事情があって、、、切なさが少しだけでもずっと続いているといった印象を受けました。
    相沢さんという女性のお話が私は好きでした。

  • 少し前に読んだアンソロジー、『明日町こんぺいとう商店街』のなかで印象に残った作品、「あずかりやさん」を舞台にした連作短編集。

    盲目の青年が店主の「あずかりやさん」は、一日100円でお客さんのものを大切にあずかってくれる店。
    約束の日に受け取りに来なければ、そのものは店主が引き取る決まり。
    さて、今日持ち込まれるものは…


    店主の口から語られるのではなく、店ののれんや猫が語り手となるあたりがファンタジーっぽいが、物語そのものは、モノに託されたり隠されたりした静かであたたかい人々の心の物語。
    重苦しくなることなく、やわらかにのれんを揺らす風のような読み心地が良かった。

  • ゆっくり進んでいく物語に癒されました。

    店主の優しくてしっかりと芯の強い心を持った人柄。優しい言葉、背中を押してくれる言葉に癒されました。

    そして、猫や暖簾。いろんな物たちが心を持って暖かく店主や持ち主を見守るストーリーもすごく良かった。感動したり、くすっとする場面もあり、本当にほっこりとゆったりと読了。

    次のストーリーも読みたいな。また優しい店主に逢いたいですね。

  • 東京の下町にひっそり存在するあずかり屋さん
    に荷物を預けにくるいろいろな事情があるお客さんのお話です。
    主人公の周りのいろいろな物や動物が
    エピソードごとに、解説してくれる
    不思議なお話で、毎回はじめ今回は誰が
    お話してくれているんだろうと
    わくわくしながら読み進める感じもすごく好きです。
    すべてに命を吹き込みながら、主人公や
    預けにこられた人を見守る感じが素敵で
    どれも温かいストーリーで
    ほっこりしました。

  • 人だけではなく、物や動物の思いも書かれた本。
    人にはそれぞれ思いがあるよね、そして物にも動物にも。続編が楽しみで、大切にしたい本の1つになりました。

  • 連作短編集。
    1編目が『明日町こんぺいとう商店街1』に収められていた。
    それを読んで、こちらも読んでみようと手にした本。

    1日100円で何でも預かる「あずかりやさとう」
    お店を営むのは盲目の青年桐島くん。
    桐島くんの元を訪れ、預け物をしていく人たちには、それぞれの事情があり…

    ちょっと切なくなったり…
    心が温かくなったり…

    続編も読んでみよう。

  • 誰が話してるの?と
    不思議な気持ちになりながら読み進めていた。

    一種のファンタジー❤️

    優しい気持ちにさせてくれる一冊。
    謎のものたちも

    ずっと主人を見ていたと思うと優しくなれる^_^

  • 醜さ、切なさ、悲しさがたくさん書いてるのに、どれもこれも根本と表現がとにかく優しくて
    1話読み終わるごとにふわふわとあったかい気持ちになる本でした。
    すごく好きな文章と表現の感じ、ずっとずっと読んでいられるような触れ合っていたいやさしい文章。
    人間側の気持ちだけじゃなくてものの感情、人間以外の感情が描かれてるのがおもしろかった、、

  • 穏やかな店主に会ってみたくなりました。
    優しくてファンタジーな物語。

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著者プロフィール

東京都出身。2006年、『三日月夜話』で城戸賞入選。2008年、『通夜女』で函館港イルミナシオン映画祭シナリオ大賞グランプリ。2011年、『猫弁~死体の身代金~』にて第三回TBS・講談社ドラマ原作大賞を受賞しデビュー、TBSでドラマ化もされた。著書に『赤い靴』、『通夜女』などがあり、「猫弁」「あずかりやさん」など発行部数が数十万部を超える人気シリーズを持つ。

「2022年 『犬小屋アットホーム!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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