美雨13歳のしあわせレシピ (teens’ best selections 37)
- ポプラ社 (2015年6月3日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591145470
感想・レビュー・書評
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表紙はふんわりほんわかとした感じだが、内容はなかなかどうして、今時の中学生や家庭の悩みがかなり盛り込まれている。
美雨は、6月生まれ。ピアノ教室を開いている大好きなお母さんが名付けてくれた。しかし、中学入学二カ月後に、そのお母さんが家出をしてしまう。
普段あまり話すことのない、お父さんと二人の生活が始まった。ぎこちない対話を通して段々とお父さんとの距離が縮まり、どうしてお母さんが出て行ってしまったのかも分かるようになる美雨。
お父さんはお母さんにピアノの先生を続けて欲しかった。
お母さんはお父さんに料理人の道を諦めて欲しくなかった。
まるで「賢者の贈り物」のすれ違いのような両親の仲を、少し大人になった美雨がなんとかしようと立ち上がる。
学校のクラスでは、お互いよく知らない内にできてしまった女子グループの中で、居心地の悪さを感じながらも流されてしまう美雨。そしてあるきっかけから、本当に仲良くなりたい人、守りたい友情に目覚める。
こう書いてしまうと、お決まりな感じなのだが、普段目立たない美雨の心情がよく分かる。意地悪をしてしまう子にもその子なりの心理があったことも書かれていて良かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「気持ちを伝える」
簡単なようでサボってしまいがちなその大切さを改めて考えた。
悩み多き中学生に贈りたい一冊。 -
中学1年の6月
雨の季節になっても教室の居場所も部活も定まらない美雨
家に帰ると父が料理をつくっていた
《ひとりになって、これからのことを、考えさせてください。》
置手紙を残し、母が家出したのだった
料理人になることに挫折した父
そんな父がきらいになった母
二人のあいだで悩む美雨には友だち関係でもトラブルが
《何かを言いたくて、でも言えなくて...》
父に、母に、友だちに、美雨が思いをことばにする
ポプラ社 teens' best selections シリーズからおとどけする少女の“おいしい”成長物語
ショパンの「雨だれ前奏曲」をBGMにどうぞ -
ある日出て行ってしまったお母さん。お父さんが食事作りを担当してくれるようになり、主人公はお父さんが元料理人だったことを知る。料理を通じて家族の絆が取り戻されていく。
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第2章まで、主人公の美雨ちゃんがうじうじぐちぐちしていて気に入らず、読むのをやめようかと思った。
でも、お父さんがなかなか面白く、朴訥ながらも芯が通っていてかっこよかったので先を読み進めることができた。
家族も友達も、よく知っているつもりでも、本当はよく知らないのかもしれない。
ちゃんとコミュニケーションがとれているかしら。
自分に余裕がなければ誰かのことを気にかけてあげられないのかもしれない…。
そんなことを思いました。
普段の暮らしの中で見過ごしてしまいそうな誰かとのつながりって実はすごく大切なことなんだよって気付かせてくれるような本でした。 -
ある日突然家を出て行ってしまったお母さん
家に帰ると仕事ばかりで家事なんてできないはずのお父さんが料理を作っていて…
両親の離婚の危機、友達との微妙な関係、中学生の美雨がいろんなことに悩みながらもお父さんとのなれない生活の中で成長していく姿に応援したくなりました
お父さんのごはんおいしそうだったー -
特に何もない毎日を過ごしていた美雨に、突然母親が家出をするという衝撃的な出来事がおきた。
美雨は、話のかみ合わない父親に苛立ち、母親のいない淋しさに打ちひしがれていた。
学校では、友だちに悩みを相談できない自分に、嫌気がさしていた。
ある日、グループ内でちょっとしたいじめが勃発するが、美雨は「やめて」と言う勇気が出せなかった。
父親の料理と会話の中で、言わなければ伝わらないということに気付いていく美雨。