名古屋16話

著者 :
  • ポプラ社
3.14
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本棚登録 : 136
感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591146101

感想・レビュー・書評

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  • 名古屋市16区、及び東海・中部地方の8都市を舞台にしたショートストーリー集。トリコさんは勿論、かつては堀田あけみさんの作品で、いまだ訪れたことのない名古屋を知ることが多かった。本作はトリコさんの真骨頂!と思いながらも…小説ではお馴染みとはいえ見知らぬ土地にどこまでハマれるかなと心配であった。が、まったくの杞憂でした。
    名駅、ナゴヤドーム、熱田神宮…名古屋の名所や名物を絡めながら紡がれる物語は、短いながらもほんのり切なくて、だからこそ沁みる沁みる!トリコさんといえば小ネタ満載のスピード感あるストーリー展開が得意な印象だったが、ここ最近陰のある、ときに濃厚な側面を垣間見せるようになってきた。今回は今まで見せてきた作風が絶妙に混ざり合い、短いからこそ余韻を残しながらの物語がどれも好きだ。人によっては物足りなく感じるかもだけど、さらっとしてるくらいが丁度いいんじゃないかなぁ。ふんだんに挿入された三浦知也さんによる写真もまた素敵!名古屋及び近隣地域の名所等についてはマップ付の解説ありで安心して読めます。
    中でも好きなのは、ショートショートとして完成度の高い「今池ハードコア」。オチにびっくりしました。基本どの話も独立してはいるが、いくつかは登場人物がリンクしているものもあり、「あ、あいつがまた出てきたな。」という楽しみ方ができるのもまたよし。いくつもの人生が交錯して物語を作っているんだな…ということが改めてわかる。個人的にはトリコ作品の中でもお気に入り上位の一冊です。全て知らない土地だからこそ、旅人気分で読めるかも。

  • なぜうちの学校はこの本を買おうと思ったのか…よくわからん。

  • たまたま見かけたので読んでみた。
    名古屋出身なので、馴染みのある地名やスポットが登場して、あるある〜と思いながら読み進めた。
    でも名古屋弁が少しオーバーすぎるような?
    悲しいかな、今は若い人はそんなに名古屋弁使っていない気がする…

    どれも読み始めれば、面白いし短くて読みやすいんだけ、一冊読み終えるのに数ヶ月と、すごく時間がかかった。
    文体が合わなかったのかも?

    余韻を残しながら終わる話が多かった。

  • 名古屋に住む人々のオムニバス。ごりっごりの名古屋弁の会話、名古屋在住の自分には脳内再生余裕だけど他県の人には通じるのだろうか。
    東京出身、名古屋市在住の自分は、なんとなくそれを言いたくなくて愛知に住んでます、なんてぼやかして言ったりする。
    いつか胸を張って、喜んで名古屋在住を名乗れるようになりたい。イメージアップがんばってほしい。無理かなあ…

    吉川トリコさんの書く、アクの強い女性が面白くて好き。いいぞ!もっとやれ!ってなる。

  • 名古屋16区と近隣8県を舞台にした24の短編集で、いくつかの登場人物は重なっている。装丁から感じる雰囲気と違って全体的に重く、ゾッとするようなオチもあり、できれば体調が良い時に読むことをすすめます。
    美空ひばりの東京キッドという曲は、空が見えないなら見える所に行けばいいというポジティブな面と、同時に何もかもシャットアウトしたいならマンホールに潜ったっていいんだよとも言っており、そこが好きです。パッとしない小説家が母校の中学で講演をする21話を読んでいたら聴こえてきました。

  • 名古屋市の16区それぞれを舞台にした短編が収められている。(後半は、名古屋以外の土地をタイトルにしてやはりそこを舞台にした短編集になっている)
    共通で登場する人物などもおり、微妙な相関関係があるのがおもしろい。
    残念ながら名古屋には一度しか行ったことがなく、区の位置関係や特徴がぱっと頭に思い浮かばず、16区の物語を読み終えた後にある紹介ページで、こういうところなのか・・・と知ったくらいなので、もしかしたら自分が名古屋に詳しければもっと楽しめたのではないかと思う。

  • 中途半端に登場人物がかぶったり
    全然関係なかったり
    一貫性がなくて好きじゃなかった。
    あと、作者の前に出る感じがいらない。
    名古屋懐かしくてかりてみたけど
    期待外れだった。
    名古屋弁、おばあちゃんくらいじゃない
    こんな使い方するの…

  • おばあちゃんが死んだらどうしよう

  • 恵那から電車で1時間少々にある街、名古屋。なじみのある場所でのショートストーリーです。名古屋には16の区があります。それぞれの区の風景と生活を物語にしています。自分がそこで主人公になったような感覚にとらわれます。

  • 名古屋を舞台にして描かれた短編集です。知っている地名がでてくるとなんだか嬉しくなりますし、知らない場所がでてきても実際に行ってみたくなって楽しめました。
    一つ一つの物語は10ページもないような短いものが多いのですが、短いなかでもそれぞれの世界観がしっかりとありました。登場人物はみんな決して不幸ではないけれど、話から少し陰を感じてしまうこともあり、そこが好きです。

  • 名古屋に住んでいたのでとても懐かしく楽しく読めました。

  • 16区のショートストーリーと名古屋近郊の話。それぞれの話に子のみが分かれるところではあるが名古屋が地元の人間なので楽しく読めた。

  • ☆2つ

    名古屋だから尾張だから☆2つ。
    でなきゃ☆は1つ以下。
    河村せんせい、せいぜいまあ頑張ってくらさい。

  • 猫町倶楽部トリコ組「名古屋16話」ツアーズの課題本です。

  • この作品は山内マリコさんの東京23話とカップリングでリリースされた。数ページの超短編が24話(16話ではない)詰まってて、ちょっとした空き時間を見つけながら読める。限りあるページに短い物語をサラリと完結してしまう力技、ますます筆力がきれてきたような。
    登場人物がオーバーラップしたりして読み返したりする事で深まる話もある。特に気に入ったのは、6、16、18、24話。21話は著者自身のことを語っているはず。

  • 山内マリコの『東京23話』の姉妹作品。名古屋在住、愛知で育ったトリコさんならではの名古屋愛にあふれる1冊。

  • 山内マリコさんの「東京23話」とは違い、普通の、ごく普通のショートショートです。特筆することがないような、作品。名古屋に旅行は行ったことあるけれどそこまで知らないわたしにはそこまでおもしろいと思うことはできなかったかな。

  • 残念

  • 私のなかの名古屋は通過駅でしかなくて、一度それこそアイドルのコンサートに行っただけだった。

    でもこの本を読んで、片手に名古屋行きたい! って思った。ガイドブックよりずっと頼りになる感じがした。

    近隣県を舞台にした8話も読みごたえある。

  • 名古屋在住の著者による、名古屋16区の作品+愛知県の2地方と他6県の作品集。5話と12話に中日ドラゴンズのマスコットキャラクターである、ドアラが登場しており、ドラゴンズファンでもあり、ドアラファンの私は歓喜。帯にはドアラからのコメントも!ファンとしては非常に嬉しい。名古屋という地は新幹線で通り過ぎただけでまだ、行った事がないため、どんな場所なのかは想像ができなかったのだが作品を読む事によって名古屋像が見えてきた気がする。

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著者プロフィール

1977年生まれ。2004年「ねむりひめ」で<女による女のためのR-18文学賞>第三回大賞および読者賞を受賞、同作収録の『しゃぼん』でデビュー。著書に『グッモーエビアン!』『戦場のガールズライフ』『ミドリのミ』『ずっと名古屋』『マリー・アントワネットの日記 Rose』『女優の娘』『夢で逢えたら』『あわのまにまに』など多数。2022年『余命一年、男をかう』で第28回島清恋愛文学賞を受賞。エッセイ『おんなのじかん』所収「流産あるあるすごく言いたい」で第1回PEPジャーナリズム大賞2021オピニオン部門受賞。

「2023年 『コンビニエンス・ラブ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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