コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味いのか (ポプラ新書)

  • 199人登録
  • 3.45評価
    • (8)
    • (18)
    • (20)
    • (4)
    • (3)
  • 27レビュー
著者 : 川島良彰
  • ポプラ社 (2015年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591146927

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
百田尚樹
村田 沙耶香
又吉 直樹
宮下 奈都
有効な右矢印 無効な右矢印

コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味いのか (ポプラ新書)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • ブルー・ボトル・コーヒーが日本上陸、などのニュースが出ていた頃この本のタイトルと触りを読み、興味があって今般手に取りました。
    川島さんのお名前をよく知らず、西洋至上主義を批判するような内容なのかなと思っていましたが
    コーヒーに対する愛情、現在の日本のコーヒー業界への疑念など
    兎に角コーヒーへの愛情に溢れた本でした。
    今までコーヒーに興味がなかったこともあり、
    日本は世界第4位の消費量を誇るコーヒー大国だということを知りませんでした。


    ミカフェートは知っていたので、プロフィールを見てなるほどと思いましたが、この本を読んで川島さんというのは
    本当に凄まじい人だなと感服しました。

    自分はコーヒーより紅茶派で、その理由は正に
    飲めないほどまずいコーヒーはあるけれど飲めないほどまずい紅茶は無いから。
    普段は勿論、お店に行ってもコーヒーを頼むことはありませんでした。
    苦くて渋いもの、酸っぱいもの、砂糖やミルクを入れないと味がしないもの、まずいもの、そうしたイメージだったからです。

    おわりに に書いてあった通り、この本のお蔭でコーヒーについて知ることができましたし、
    自分は恐らく本当においしいコーヒーを飲んだことがないし、
    是非とも飲んでみたいと思いました。


    コーヒーの抽出の仕方をYoutubeを見て覚えたとか
    売れさえすればいいから抽出器具のメーカーも正しいやり方を教えない
    というエピソードは驚きでした。
    商習慣で、豆の契約をしてくれたら器具を無料貸出というのが普通になっていて、納入される豆は会社任せというのも驚きでしたが
    そんな状況ではこれまでコーヒー豆にこだわろうというお店が出てこなかったのも納得です。

    抽出後20分以内でないと美味しくないという話は、
    確かに以前某ドーナツ屋さんでバイトしていたとき、コーヒーは抽出して30分保温したら全て捨てて新しく入れ直していたことを思い出しました。

    コーヒーはフルーツであるという感覚、確かに今までありませんでした。そう聞けば、鮮度や輸送、保管、パッキングの方法など全てが大切になってくること、容易に理解できました。
    コーヒーといえば麻袋というイメージ、確かに持っていましたが、まさか軽くて安いから、というだけの理由とは。

    焙煎は料理というのもなるほどと思いました。料理の技ももちろん大切ですが、普通なら素材も吟味するでしょう。

    コーヒーの価格が飲食店の格で設定されていて、本当の意味では適性価格ではないのに
    それが普通になってしまっているコーヒー業界にも消費者にも問題があったのだと思います。
    ホテルやレストランで食後のコーヒーにがっかりしたこと、
    確かにあるのですが、そんなものだと思っていましたし、
    だから自分はコーヒーは好きではないのだと思ってもいました。
    酸味と酸化は違うという言葉に、多分自分はそれを混同していただろうと思います。

    欠点豆を取り除くだけで変わるというのは、以前別の本でも読んだことがあります。
    知識がないと、袋で買ってきたらそのまま使えるものだと思いがちです。
    安い豆を買ってまずいまま飲むか、たくさんの欠点豆を取り除くかと、高いけれど欠点豆が入っていない豆を買って飲むかでは
    多分後者の方がいろんな意味でお得なのだと思います。


    何品種も同じ畑で育てていては交雑してしまうし、
    土地に合わない品種を無理に育てても良いものは育ちません。
    知識がなくて「これが◯◯種の苗」と嘘をつかれても信じてしまうというのは
    嘘をつく方がもちろん悪いのですが、知識が無いということの問題を感じます。

    プロジェクトの話で、
    おいしくないコーヒーを可哀想だから買ってあげるというのではなく
    本当に美味しいコーヒーを育ててもらうというスタンス、とても尊敬できます。
    MUJIcafeが賛同してその豆を使うというのも流石です。

    流石と言えば、フレンチの料理長やジャンポールエヴァンが川島さんのコーヒーを認めるというのもすごいエピソード。
    やはり本物の味が分かる人には分かるということなのでしょう。

    ホテルニューオータニのグランシェフ、パティシエの中島さんが
    自分が作ったスイーツを6種持ってきて、一緒に食べてから
    合うコーヒーについて話し合うというのも素敵なエピソードでした。

    JALのコーヒー開発のエピソードには感動しました。
    みんなが本気で向き合ったからこそ、本物は完成するのですね。

    それにしても、川島さんのやり方は他の業者のように
    無償で機械を提供しないのは良いとしても
    こうしてそれぞれのクライアントの為に開発やトレーニングまで
    行ってしまうというのが凄いです。

    品質の高いコーヒーだから売れると思うなよとコーヒー関係者に言われたとのことですが、
    この本の中でもご本人が仰っているとおり
    高いコーヒーを売ればいいというのではなくて、
    包装の方法や輸送方法などケースバイケースで柔軟に対応し
    案件に対してベストな方法、商品をプロデュースしているという
    誠実さが実際に認められてきたのだと思います。

    本来の美味しさを発揮できない環境、輸送方法、管理方法下の豆を
    いくら焙煎や淹れ方に拘って淹れたところで
    本来の美味しさにはならないでしょう。
    これは根深い問題で、
    消費者は「高いのに美味しくない」と思い豆の評価が下がり、
    「高くてもおいしくないなら、安いもので十分だ」となって
    業界全体の質が低下していくことになるのですが、
    その深刻さを業界や消費者が把握していなかったように思います。

    川島さんのやり方を最初に認めてくれたのはワイン愛好家、
    次がシガー愛好家というのはなんだか面白いです。
    逆に言えば、今まではそうした違いがわかる、こだわりがある
    コーヒー愛好家が少なかったということなのでしょう。

    ボトル詰めコーヒーについて、採算が取れなければ普通はやめてしまうものを、
    川島さんは実現したというのがすごいです。

    コストがかかるのも詰めにくいのも売る側の都合
    そんなことでやめていたらコーヒーの価値を上げることはできない
    というコメントも、川島さんの情熱がうかがい知れます。

    生産者は自分たちの作った豆がどんなコーヒーになるのか知らない、
    飲んだことがないというのは、意外なようでよく考えれば当たり前のことでしょう。
    生産者に川島さんが作ったコーヒーを持参するという気遣い、なかなかできることではない気がします。

    日本流を押し付けるのはもってのほか、他の産地と同じことをやってもだめ
    その土地に古くから伝わってきたやり方や流儀を、尊重しつつ新しい技術を受け入れてもらう
    やって見せて納得してもらう、
    そうした地道で誠実な努力が実を結ぶのは、傍から見ていても気持ち良いことです。

    コーヒーのピラミッドという言葉にあるように
    ワインのように様々な場面でそれに見合ったコーヒーを選ぶというのは
    多分ハレとケを意識してきた日本人としては本来一番しっくり来る
    コーヒーの飲み方だと思います。
    スペシャルティだけがコーヒーではないのだと、コーヒーの専門家が言うことに意味があると思いました。

    今のコーヒー業界では、「こだわりのコーヒー」と謳っていても
    そのこだわり時代が間違いだったり思い込みだったりすることもままあるのでしょう。

    スタバやコンビニコーヒーを馬鹿にするのではなく
    それぞれの良さを認めつつ、それとは別にハレの日のちょっと良いコーヒーを飲もうと思った時
    それができる場所を提供してくださるというのは
    実はとてもすごいことあり、ありがたいことです。

    今まで価格しかコーヒーのものさしがなかったところに、
    セブンカフェというものが新たなものさしとして登場しました。
    消費者が美味しいコーヒーを意識し、様々なものさしを持つことで
    コーヒーの世界がより活発になれば良いなと思いました。

  • 世界的な「コーヒーハンター」がコーヒーの最新事情を説く一冊。
    著者の川島良彰氏はエルサルバドルの大学に留学し、エルサルバドル国立コーヒー研究所に入所。その後UCCに入社し、ジャマイカやインドネシアなどでコーヒー農園の開発を行った日本人です。
    その川島良彰氏が、昨今話題になっているコンビニコーヒーを解説する。なぜ100円でおいしいコーヒーが提供できるのか。どうしてホテルのコーヒーは1000円もするのにコンビニコーヒーよりもおいしくないのか。おいしいコーヒーはどのようにして栽培され、私達消費者の手元に届くのか。そんな疑問に応える一冊となっています。

  • 著者は上島珈琲の元重役をつとめあげ
    日本のコーヒーを変えたいと一念発起し
    様々な珈琲のプロデュース業をなりわいとして
    今日に至るというのが簡単なプロフィールです。

    要するに元大手の告発本です。

    コンビニコーヒーで何が変わったかというと
    結論は見出せてません。
    ただ商社先導の輸入に一石を投じたのがコンビニコーヒーだということです。

    日本のコーヒーの多くはブレンドという名前をつけて採算から逆算した豆の選定をしています。
    だからこそブルーボトルが流行ったのは豆が1つの種類である事も関係しています。

    でも総合商社を悪者だけにするのは
    あまり賛同できません。
    日本というシステムは
    極論を言えば総合商社の奴隷です。

    奴隷制度だけを批判していい人になるのは……

    ただ日本のコーヒーの歴史が
    元大手のコーヒーマンの
    職歴の自慢と見事に重なっていくのは興味深かった。

  • 低価格から最高級まで、グレードの中でより良いコーヒーを目指す筆者の熱意が伝わる一冊。
    コーヒーにおいて、文化・商習慣的に価格と味が必ずしも一致しない現状が生まれた経緯と、目指すべき理想形が示されてて、美味しいコーヒーが飲みたくなった。

  • 今までのコーヒーとは消費者軽視で、たとえ値段が高いコーヒーでも良い豆(新鮮で温度管理が行き届いてる)、挽きたて、淹れたてとは限らなかった。
    それがコンビニコーヒーの襲来で、値段の割に美味しいコーヒーが生まれたということで、コーヒー業界にも変化が起こり始めている(と筆者は期待している)。
    消費者が出す値段に比例して、良いコーヒーを提供する流れを作っていきたいとのこと。

    美味しいコーヒーの挽き方、淹れ方は下記の通り。
    ・欠点豆の少ない鮮度の良い豆を選ぶ
    ・できれば真空パックでないものを選ぶ
    ・豆を買ってきたら、形の悪いなどの欠点豆を全て取り除く(苦味雑味えぐみの原因)
    ・粉よりも豆を選ぶ
    ・必要量のみ購入し、開封後は1週間以内に飲みきる
    ・開封後は密閉容器に移し替え、高温で質を避け冷暗所で保存
    ・豆を挽くのは抽出する直前
    ・挽いた粉を茶こしに入れ、軽く微粉をふるい落とすとなお良い
    ・粗く引くとさっぱりとした味、細かく挽くと濃さが増す
    ・コーヒー豆は計量カップではなく、キッチンスケールなどのばかりで重さを量る
    ・1杯(150ml)20g,2杯で36g,3杯で48g
    ・お湯の温度は85-90度
    ・最初にお湯をさしてコーヒー全体が濡れたら30秒ほど蒸らす
    ・コーヒーメーカーを使う場合は、セットしてスイッチを入れてから10-15秒後、一旦スイッチを切り、30秒後再びスイッチを入れると蒸らしたようになる
    ・コーヒーメーカーの保温機能は使わず、事前に湯煎した保温ポットに入れておく

  • ただ、ひたすら著者の珈琲への愛情、熱が伝わってきました。この想いに共感した人が増えれば、珈琲に対する理解も変わってくるのかもしれません。

  • タイトルに書いてあることが本書のメインではないけど、それは新書のタイトルの定番なので、気にしたらダメ。
    でも、コンビニコーヒーは確かにコーヒーの基準になってしまった。100円よりも高いコーヒー飲んで、セブンイレブンより美味しくなかったらちょっと不機嫌になってしまう自分がいる。
    家で飲むコーヒーも値段と味のバランスを考えながら選ぶようになった。
    こんな風に消費者がコーヒーを選ぶようになれば、筆者の言う通りにワインと同じようになるかもしれない。

  •  不味いコーヒーがなぜ蔓延するのか。10円余分にかければ劇的改善するはずなのに、とは著者の言。
     さらには、コーヒーはワインと同じフルーツに源を発しているというのは意識すべき視座。
     すなわち、ワイン・ソムリエと同じく、コーヒー・ソムリエが居てもいいし、かようなソムリエが評価基準の客観化と更新に意義あるのは当然予想されうる。

     もっとも、アルコール飲料で、夜の似合うワインやウイスキーと、昼の似合うコーヒー・紅茶と完全に同一視はできまい。
     コーヒー豆にウイスキーボトルの如く1〜2万円をかけられる人がどれほどいるか?。少なくとも私は無理だ。

  • 世界的な「コーヒーハンター」がコーヒーの最新事情を説く一冊。
    著者の川島良彰氏はエルサルバドルの大学に留学し、エルサルバドル国立コーヒー研究所に入所。その後UCCに入社し、ジャマイカやインドネシアなどでコーヒー農園の開発を行った日本人です。
    その川島良彰氏が、昨今話題になっているコンビニコーヒーを解説する。なぜ100円でおいしいコーヒーが提供できるのか。どうしてホテルのコーヒーは1000円もするのにコンビニコーヒーよりもおいしくないのか。おいしいコーヒーはどのようにして栽培され、私達消費者の手元に届くのか。そんな疑問に応える一冊となっています。

  • コーヒーを取り巻く世界の状況から日本独特の「コーヒー進化」、そしてコーヒーの美味しい淹れ方まで、世界的な「コーヒーハンター」が、コーヒーの最新事情と奥深き世界を説く。

    仙台でもコーヒー屋が増えてきた。
    コーヒーのイベントも。
    興味深い。

全27件中 1 - 10件を表示

コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味いのか (ポプラ新書)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味いのか (ポプラ新書)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味いのか (ポプラ新書)を本棚に「積読」で登録しているひと

コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味いのか (ポプラ新書)の作品紹介

世界的な「コーヒーハンター」が説く
コーヒーの最新事情と奥深き世界!

コンビニコーヒーと
高級ホテルや高級レストランのコーヒーでは、
なぜ約10倍もの価格差が生まれるのか。

そこに日本のコーヒー業界が長年抱える
大きな課題があった。

コーヒーを取り巻く世界の状況から
日本独特の「コーヒー進化」、
そしてコーヒーの美味しい淹れ方まで、
その魅力をまるごと一冊に!

(はじめにより)

世界中に、日本ほど抽出方法が豊富な市場は
見たことがありません。

10年ほど前、アメリカのコーヒー関係者に
サイフォンでコーヒーを抽出して見せたところ、
これは科学だと驚いていたほどです。

アメリカで人気のサードウェーブですが、
それはまだまだ大都市に限定されています。
日本のように、各地で本格的な
サイフォンやネルドリップの専門店が
あるのとはわけが違います。

他方、日本でもいくつかの
大きな波がありました。

まずは、ファーストウェーブ。
これは、1950年代に戦中から止まっていた
コーヒーの輸入が再開され、
日本のコーヒー市場が活性化した1960年代。

そして、1970年代から始まった
喫茶店ブームがセカンドウェーブ。
こだわりのコーヒーを淹れるマスターがいる
コーヒー専門店が日本の随所に見られました。

しかし、バブルによる家賃高騰で
喫茶店文化は終焉を迎え、
取って代わったのが1990年代のチェーン店の展開と
シアトル系の日本上陸、そして自家焙煎ブーム。
これが、日本のサードウェーブです。

そして、ここ数年、活況を呈しているのが、
コンビニコーヒーです。
これがフォースウェーブと
言えるのではないでしょうか。

今、コンビニコーヒーは、
日本のコーヒーのトレンドを読む上で、
見逃せない存在になっています。

こうして、コーヒーがより身近になり、
コーヒーを飲む人が増えるのは実に嬉しいことです。
しかし、まだまだ本当のコーヒーの
おいしさが伝わっているとは言いかねます。
原料の重要さ、正しい豆の選び方、
抽出方法が広く伝わっていないとも感じています。

本書では、日本のコーヒーの現状と
どのように変わっているのかを
述べていきます。

コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味いのか (ポプラ新書)はこんな本です

コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味いのか (ポプラ新書)のKindle版

ツイートする