- Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591146958
作品紹介・あらすじ
僕は遥さんに、一つ嘘を吐いている――
「数学」を使ってお悩みを解決するお店「数学屋」。
店長の神之内宙は相変わらずアメリカに行ったままだが、大の数学嫌いだった店長代理・天野遥はめきめきと数学の成績を伸ばしていた。
中学三年の夏を迎え、ソフトボール部は負ければ引退となる最後の地区大会。
大一番の試合に突然現れたのは、なんと一時帰国した神之内宙と、謎の女子中学生・佐伯明日菜だった。彼女はどうやら、宙の過去を知る人物のようだが……。
****話題の青春数学小説、感動の卒業編! ! ****
感想・レビュー・書評
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シリーズ第3弾。第2弾から1年後、3年生になった遥たちのもとへアメリカに行った宙が一時帰国し、仲間たちの日常の悩みを数学で解決していく・・・その合間に、宙の過去が明日菜の目線で描かれ、宙の謎も解決していく。と言うことは、シリーズもこれで最後なのかな?第2弾よりは、少し使われる数式が難しいが、人間像を描いている分、話は読みやすい。もう少し、大人になった宙や遥も見てみたい。
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図書館で見かけて、そういえば2巻までは読んだけど3巻読んでないなと思ったので借りて読んでみた。
2巻を読んだのは2015年1月とだいぶどんな内容だったか忘れてしまってる部分もあるけど、今回も面白かった。
今回はシリーズ全体の主人公、遥と、遥が出会うまでの宙を知る女の子、明日菜が裏主人公として話がすすんでいった。
具体的には、現在の遥視点と、1年半前の明日菜視点が交互に展開されていく感じで、ちょっとしたミステリー者っぽかった(そんなに謎解き要素はないのだけど)。
それにしても、面倒くさい性格の登場人物が多いなと思った。前から登場していたキャラがほとんどだけど、こんな感じだったのか。ストーリーの流れはなんとなく覚えてるけど、登場人物の性格までは忘れてた。
そういえば、この本を読んでソフトボールの試合は7回までということを初めて知った。基本、野球と同じだと思ってたけど、細かい違いがあるんだなぁ。
数学の話だと、オイラーの予想というのも初めて知った。あのオイラーが予想したことだから正しいのだろうなと思ったら、200年後に反例が発見されて正しくないと分かったのだとか。やっぱ、偉大な数学者の予想でも外れることはあるんだなぁ。
そういえば、最後のほうに期待値が無限になる話をだしてきたけど、期待値が無限って期待値として役にたたないと思う。昔聞いた話だけど、ダーツの的の半分(1/2)に当たれば2円もらえ、残りの半分(1/4)にあたれば4円、残りの半分(1/8)にあたれば8円、残りの半分(1/16)にあたれば16円、残りの半分……というように無限にゾーンがある場合、期待値は無限大になるけど、だからといってそんなダーツに何万円も賭ける人はいないという話を思い出した。 -
あれっ?今回はいつもと何か違う?( ゜o゜)と思っていたら、宙が一時帰国して重い過去が明らかに( ̄~ ̄;)でも最後、みんな前向きに頑張っている姿に「うんうん♪若者はそうでなくちゃいかんよ!」と思った(^o^)
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数学屋さんシリーズも一つの区切りと言ったところか。数学要素は若干薄めだった気がしないでもないけど、その分青春してるなぁと。物事に絶対はないからこそそれを信じることもできる、というのは真理を突いていると思う
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学校で会った、見知らぬ女の子。
次に会ったのは、一時帰宅した彼の隣、だった。
通常と違う思考回路、とは思っていましたが
そこはちゃんと説明しましょう。
それはそれはもう、やきもきしてしまいますから!
しかし、そこを分からないからこそ
この2人は面白い?w
約束を次々を回収していく彼。
会えて嬉しいけれど、もやもやしている彼女。
何故数学屋を始めたのか。
何故黒い服ばかりなのか。
彼の過去やら女の子との関係やら、眼鏡の事やら
完全に分かるのは最後。
それまでは、ちらほらと材料が落ちている、感じです。
そんな最後は、やはりちょっと
にやにやしてしまいます。 -
僕は遥さんに、一つ嘘を吐いている――
「数学」を使ってお悩みを解決するお店「数学屋」。
店長の神之内宙は相変わらずアメリカに行ったままだが、大の数学嫌いだった店長代理・天野遥はめきめきと数学の成績を伸ばしていた。
中学三年の夏を迎え、ソフトボール部は負ければ引退となる最後の地区大会。
大一番の試合に突然現れたのは、なんと一時帰国した神之内宙と、謎の女子中学生・佐伯明日菜だった。彼女はどうやら、宙の過去を知る人物のようだが……。 -
3で完結してたので、せっかくだから読んでみた。期待してたよりずっとおもしろくて、さくっと読了。
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宙くんの過去意外だったなー
みんな本当に中学生?ってくらい大人な考えもってる気がしたけど実際の中学生もこんな感じなのかな -
いよいよ、遥と宙が中学を卒業する。
二人の関係も一歩進み......?
今回はなんとアメリカに行った宙が日本に一時帰国。
そして遥の前には謎のライバルが。
「あなたは宙のことを何にも知らないんだね」なんて宣戦布告に等しい言葉を投げかけられたら、こちとら黙っちゃあいられねえ!(遥は江戸っ子ではなく大磯っ子)
おまけに宙の嘘、そして宙の過去も明らかになって、切ない思いが交錯する。
見所は文学VS数学。
心を豊かにし、人が人として生きるために必要なものか、それとも社会の根幹を動かす実用的なものか?
どっちも大事、どっちもロマンチック。
学問とは根幹で大きくつながっており、「無駄」と言えるものなどない。
自分があ大事にしているものと相手が大事にしているものを認め合えたら、きっとそこには一人では開けなかった未来がある。
宙のいう「『占いが間違っている』ということを、僕は数学的に証明したことがない」。
オイラーの予想、x4+y4+z4=w4には自然数解がない、とされたのに、解が見つかった。
これに絡めて物事を語るとは、数学恐るべし。
だからと言って占いを盲信してはいけないが、何事も決めつけをせず、柔軟に考えていくことの重要性を認識する。
宙は数学が世界を救うと本気で信じている。
いや、信じたいと思っている。
成長し、経験し、親友や想い人と関わるうちに、自分が信じるものの弱さも知る。
しかし、不十分で、弱さがあるから、他を受け入れる余地があるのだ。
自分が大切にするものの不足分を埋めるのは、自分ではなく、他人や他の世界の一部なのだ。
そうすることで、不十分な世界は強く、しなやかに、完璧に近づいていく。
世界は数学でできている。
だから、彼らは、それ以外の世界を知り、受け入れ、前進することができるのだ。