まちの本屋

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著者 : 田口幹人
  • ポプラ社 (2015年11月13日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591147399

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まちの本屋の感想・レビュー・書評

  • この本、とても好きです。まだ2月だけどMy2016年トップ10に必ず入ると思う。


    静かだけど読んでいると感動と幸福で胸が熱くなる。同じ東北人として誇れる人達だと涙が出た。


    岩手は昔から色々な偉人を輩出している。村や地域で「この子は神童だ!」と、世のためになることが出来る人物だと思うと、貧しい村でも地域一体となってお金をかき集めて、学校に入れたり大学に入れたり…、そのかわりしっかりと技術を身につけて、故郷のために貢献するんだよ的な県民性だと、うちの祖母世代が話していたのを覚えている。


    よい意味で「かだっぱり」。頑固一徹。実直。震災で甚大な被害を受けたけど釜石店は津波には襲われなかった。地震から1週間後に書店を再開したら、人々が本を求めてなだれ込んできたという…。冒頭の「本は嗜好品などではかった。必需品だった」(はじめに)を読んだ時点で涙があふれてきて仕方がありませんでした。


    “本という「知」の結晶を「血」にたとえるなら、大型書店は静脈と動脈であり、まちの本屋は毛細血管です。どちらの血管が優れているということを論じる人はいないでしょう。”=50ページ=


    もう↑このあたりまで読んだら、…私この本読むのやめて、本屋に行って買って来ようかな…と本気で思いました。(結局最後まで読んでしまったけど。)


    毛細血管で、田んぼの堰みたいに田畑の隅々まで水を行き渡らせる町の土台。土壌。地域を支える縁の下の力持ち。高齢者から子供まで集う憩いの場。こういう本屋さんが今も機能していて、地域力のもとになっているんだと思うとわくわくしました。


    本屋や書店の未来は決して明るくないと言われている。それはさわや書店も同じだけど、皆いい意味でじたばたしている。そのじたばたが私はとても好きです。


    「知を編み、血を継ぎ、地を耕す」。宮澤賢治の魂が今でもきちんと受け継がれている。生きている。鼓動を感じるとても丁寧な本で石割桜を思い出しました。

  • 一読目は付箋など貼らずにひたすら読もうと思っていたのに、気付けば付箋だらけ。
    いろいろなことが頭とこころに浮かんできて収拾がつかなくなってしまう。
    いろんな街にいろんな本屋があっていろんな書店員がいて。誰も田口さんにはなれないけど、田口さんと同じものを見ることはできるし見ないこともできる。なんていうか、田口さんは毎日棚を耕しているけれど、この本は私たちのこころを耕してくれるんだな。

  • 本が好きです。これだけ読んでるのだから胸を張って言ってもいいと思う唯一の事です。常に本が無いと落ち着かない。読んでいる本の他にもう一冊鞄に入っていないと不安で不安で。
    岩手のさわや書店の店長の本です。本を売る事に対しての情熱がじんわりと伝わってくる名著です。
    ガツガツと売るというより、色々な人々と関わって結果的に1冊の本がより輝きを増して売れて行くというようなイメージを感じました。
    よく「棚を耕す」という言葉が本業界で出て来ますが、これは面積の狭い店で余計に感じます。大型店だと面積広いのでなんでも置けますのでそれほど躍起にならなくとも成り立つのだと思います。
    最近は地方の中型店に行くのが密かな楽しみで、嫁とも書店ツアーなどと称して旅と書店めぐりをセットにしたりしています。最近は群馬にあるブックマンズアカデミーがお気に入りです。カフェも併設されていて、本を買うとコーヒー50円引き券が貰えるので真剣に本を選びます。しかも結構マニアックな本も有って飽きないのです。ちなみにこの本もそこで買いました。
    昔育った街の、幼馴染の実家の本屋に行ったとき、あまりの棚の寂れっぷりに胸が痛みました。結構お客は居るのですが、買いたいと思える本は皆無で、棚に刺さった本はどれも陽に焼けて古本以下になっていました。本好きじゃなかったのかな・・・。となんだか悲しい気持ちになりました。
    大型店でも小型店でも僕のようなベストセラーに興味の無い人間は、その本屋の空気を買っていくような気持で本を選びます。同じ本を買うのでも価値が全く違うんです。本に付加価値を生むような魅力的な書店がこれからもっともっと増えて行ってくれることを心の底から願っています。

  • 最近は、街の書店が元気がないと言われています。
    この「まちの本屋 知を編み、血を継ぎ、地を耕す」は、盛岡の街の本屋「さわや書店」フェザン店店長の田口幹人さんが街の書店員として、書店がまだできることやお客さん目線で本屋・棚づくりを語った一冊です。
    この田口さん自身、書店員として何カ所かの書店で働いていましたが、ご自身の実家の本屋を引き継いだあと、書店を閉じないといけないというつらい経験もされています。そうした経験からくる、これからどうシビアに考えて生き抜いていけないか、その目指す先が示されている一冊だと思います。

  • みなさんはどこで本を買いますか?
    実はワタクシ、近年はめっきりAからZまで何でも揃うという、大河の名前でおなじみの、あのネットショップのヘビーユーザーございます。
    翌日届くもんで、、、つい、ポチッと。
    翌日までも待てないときは電子書籍で購入、ということも少なくありません。
    まぁ、とにかく便利っちゃ便利なんですが、イマイチ「本買ったーーー!」感が薄いのです。
    しかし、どんどん減っていく書店に、毎日忙しく、どんどん減っていく自由時間。
    今や、本を探して店内をぶらぶらするのは、私にとってかなり贅沢な時間になってしまいました。
    そんな貴重なひととき、「書店パトロール」略して書パト中に見つけたこの1冊。
    盛岡市にある「さわや書店フェザン店」店長が本を売ること、書店員として働くこと、の悲喜こもごもをリアルに綴った著書。
    読み終わった後には本屋さんに行きたくなること間違いなし!
    陳列棚と書店員さんの手書きのポップをじっくり眺めつつ、「まちの本屋」さんを隅から隅まで楽しみたくなります。
    何よりも、本だけではなく「買う」ということを深く深く考えるきっかけになりました。
    「少しでも安く買いたい!」時代は卒業し、「少しでも応援したい!」という買い方にシフトチェンジする時期に来たのだと思います。
    本も花もパンもコーヒーも、身近にお気に入り店があれば、日々の暮らしがグッと豊かになるはず、、、と、本も花もパンもコーヒーも、ぜーんぶ揃った理想の本屋さんを妄想するのもまた楽し。
    そうそう、一箱古本市も、誰かの人生に種を蒔くチャンスです。
    1日古本屋さんに興味のある方、ぜひご参加ください!
    (M.I)

  • きょういく書店と、きょうようの書店。
    この語呂に含む意味が、小型書店と大型書店の違いがでてるんだろうなー
    お店の心意気を感じる爽やかな一冊でした。

  • これは盛岡に行くしかないな。

  • 本屋さんの息子さんに生まれた著者、その体験はいかに・・

    かつてあった史実の蓄積を表に出す・・本屋さんには郷土書をアピールすることが可能です。
    実際、岩手に原発がないのかという本が売れたそうです。
    私は今、図書館活用が多くなっています。
    昔、なにかというと覗いていた地元や旅先の本やさんのことを思い出しました。
    本との関わりを深めていけそうです。

  • 本屋としての矜持がひしひしと伝わってくる本だった。本屋としてもだけど、どんな仕事をしている人にも通じるような働き方として学ぶべきことがたくさん提示されていた。

  • 盛岡のさわや書店フェザン店長の田口幹人さんが書かれた、本屋さん目線で語る一冊。
    いまどき、まちの本屋さんが減り、ネット書店や大規模書店が中心になり、本を読まない日本人も増えていると言われながら、新刊本は発行は止まらない。しかも、電子書籍まで増えてくると、本屋さんの役割は何なのか?という疑問は残る。

    本屋の役割を本を売ることである!という基本を忘れずに、来店される、お客様の目線・立場を意識すること。本屋と関わる出版社、著者、取次などとの接点や外商の役割も重要であることがわかります。
    一冊の本をベストセラーとしてたくさん売ることと、その人にとって大切な一冊を見つける手伝いを続ける姿勢。

    現場の本屋さんが現実を見つめ、本屋の現実から未来まで、真摯にまとめただけに、心地よさが残りました。

    まちの本屋さんに行き、書店員さんと話をしてみよう!!そんな気持ちを感じられる素敵な一冊です。

  • 大型書店が大動脈なら町の書店は毛細血管。
    どちらも必要だし、食べ物と同じでその土地土地で売れるモノは違っていいはず。

    全国どこに行っても同じサービスを提供するチェーン店が多い中、人を呼ぶ個性的な作りはそれだけで本好きの興味をくすぐる。
    (何とかフェアだけで、何だか嬉し楽しくなってしまう)

    攻めてる本屋さん。

  • 本屋の役割、本屋の仕事、本屋の楽しみ…。
    田口さんの本と本屋に向ける愛情がつまっている。
    同業に身を置く者として尊敬するし、読んで勇気づけられる。
    端くれだけど、頑張ろうと思う。

  • 読みながら、ここ半年くらいの自分の働き方を猛省。人やまちのこと、ちゃんと見れていなかったなと…。
    書店員だけではなく、まちの「商い」関わる人なら誰でも響くものがある内容でした。
    身の丈にあった商売、地域全体のことを考える姿勢は、どの業種にもあてはまる課題。ぶれない立ち位置が、さわや書店というお店を作っているんだろうなあ。こういう風に根を張ったお店って素敵。

    文化や教養を盾にした、本屋の変なプライドが苦手なので、本への熱い思いは物凄いけど、商売の部分を忘れないというスタンスが共感できました。

  • 書店さん、本屋さんだけでなく全ての小売業、町に根づき息づく商売の方に読んで欲しい! 

  •  紹介されていた本を読んでみたくなった。『動物哀歌』『吾が住み処ここより外になし』…
     最近、本屋さんで本を買わなくなった。本屋さんに行く頻度もめっきり減った。本屋さんに行ってみたくなった。

  • やる気のある本屋さんの矜持を感じる一冊。

  • 盛岡にある、さわや書店フェザン店の店長による本。
    中堅規模の本屋にできること、あるべき姿。
    経営との両立を図りながら、
    地域と繋がり本屋を超えて場を作っていく醍醐味。
    本屋の棚から発されるメッセージ、個性がある。
    本の付録のロボットを代わりに組み立ててあげるエピソードは
    しみじみと感動的だった。
    本は決め打ちで読めば済むものでも、似たような本ばかり読めばいいものではなく
    思いがけない発見があるから面白いもの。
    本屋や図書館に紛れ込んで物色する楽しさこそ、
    なににも代えがたいと思う。

  • 著者の勤務するさわや書店フェザン店は、高校生の頃、通学の帰り道にいつもフラリと入る本屋さんでした。何か目新しいものはないかな〜、集めてる漫画の新刊そろそろ出てないかな〜、と。友達との待ち合わせ場所にもしていました。
    本書の中で、お客さんにとってそういうお店になったらいい旨を語っていて、驚きました。まさに自分が店長さんの企み(?)通りに来店しているお客でした…。
    大人になって生活スタイルも変わったので、フェザン店には行く機会は減ってしまいましたが、フェザン周辺に用事があって行くときは大抵立ち寄ります。

  • 多くのベストセラーを出したさわや書店の書店員、田口さんが書いた本。東日本大震災をきっかけに本に対する意識が変わったという田口さん。本が売れないと言われている現在の状況を冷静に見て、出版業界への希望を決して捨てていない姿に、同じ本を扱う者として励まされた。

  • 東北で本屋に勤める著者。実家も町の本屋だったが、著者が引き継いだあと、ご多分にもれず閉店に追い込まれる。
    それでも、見込まれて書店員として働く。本が好き、本屋が好きな人の本に対する愛情がうかがえる。

  • 自分の勤務先。
    そこは、まさしく まちの本屋。
    この本を読んで。
    悩んだり迷いながら働いています。
    何度も開いて読みながら。

  • 1973年生まれ、田口幹人さんの「まちの本屋」、2015.11発行です。一冊一冊にこだわりを持って売るという情熱が伝わってまいります。「大型店は動脈・静脈、まちの本屋は毛細血管、優劣ではない」同感です。私が子供の頃は、確かに本は置けば売れる・・・、そんな時代だったように思います。本屋の驕りも垣間見た気がしました。著者の本を売るための様々な努力、そして本屋が町の中心・コミュニティの場になるための努力、素晴らしいと思います。郷土棚の充実による「地産地消」、著者の講演などによる地域の声への対応、いいですね。

  • 本屋さんの奥深さを感じて、書店員さんは改めて、憧れの仕事だなぁ。しかし、契約社員から始まったり、販売の仕事だから夜遅かったりシフトだったり、若者が続けられない現実もわかるなぁ。仕事のためにプライベートの時間を本に注ぎ込める人ばかりではない。書店員をしている人は、すごいなぁと思う。本って、大事だと思う。いろんなことを知ることができるから、数ある本を見るだけで自分が圧倒的に小さいと気づけるから。これからも本とともに生きていく。本屋さんで、吟味して本を買う。小さい本屋さんも、その店の独自性を見つけられたら面白そう。いいお客さんでいよう。

  • 本に携わる者として、読んで良かった一冊でした。
    本屋の関わりをよく理解出来ました。ありがとうございます。

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まちの本屋の作品紹介

ネット書店の台頭、市場の縮小、「書店空白地域」の急増──。
この時代における、リアルな本屋の存在価値とは?
「まちの本屋」の活路はどこにあるのか?

新たな本屋の息吹が聴こえる。
注目の書店員、初の著書!


【著者プロフィール】
田口幹人(たぐち・みきと)

さわや書店フェザン店(岩手県盛岡)店長。1973年、岩手県西和賀町(旧・湯田町)の本屋の息子として生まれる。幼少時代から店頭に立ち、読みたい本を読み、小学生の頃にはレジ打ちや配達などもしていた。古本屋に入り浸る学生時代の後、盛岡の第一書店に就職。5年半の勤務を経て、実家のまりや書店を継ぐ。7年間の苦闘の末、店を閉じ、さわや書店に再就職。2011年より現職。地域の中にいかに本を根づかせるかをテーマに、中学校での読書教育や、職場体験の中学生の受け入れ、イベントの企画、図書館と書店との協働など積極的に行う。「売る」と決めた本は、あらゆる工夫をして徹底的に売ることでも有名で、さわや書店から生まれたベストセラーは数多い。


【帯コメント】 

ここに本屋の未来がある。
この国の商いの希望がある。
受け取ってください、いち書店人の本気を。

髙田 郁(作家)

        *

「硬直的」「先細り」と嘆く様々な業界人よ、
これは必読のビジネス書だ。
結果を出し続ける書店員の言葉に?はない。

相場英雄(作家)

        *

「まちの本屋」さんとしてあり続ける
本の目利きの田口幹人店長。
本の存在が問われる時代の「本の未来」が、
具体的な声として聴こえてくる。
売った本の数だけ、出会いがあり、何かが起きる。

角川春樹(角川春樹事務所代表取締役社長)

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