ミナトホテルの裏庭には

  • 313人登録
  • 3.63評価
    • (13)
    • (38)
    • (35)
    • (1)
    • (3)
  • 36レビュー
著者 : 寺地はるな
  • ポプラ社 (2016年2月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591149102

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

ミナトホテルの裏庭にはの感想・レビュー・書評

  • 何といっても、装丁がかわいいです!

    <我儘を言い合い、聞き合うための互助会>の我儘書道。いいなぁ。
    いくつになっても、なんの気兼ねもなく、弱音や愚痴をこぼせる関係ってありがたいですよね。

    世の中から取り残されたように感じるときも、
    誰か気にかけてくれる人がいるだけで救われる。
    ひとりぼっちじゃない。それだけで心強くなれる。
    我慢することもいいけれど、肩ひじ張らずに甘えることがあってもいいんですね。

    平田カラメルちゃん失踪事件で、
    常に猫成分が不足しているという女性登場に、私も~!(笑)

    残念だったのは、ようやく鍵が見つかった裏庭の花園の描写が少なかったこと。
    『秘密の花園』みたいでわくわくしてたんですが…。

    きれいな花は、地上のいたるところに咲いている。
    でも咲くのは花だけではない。
    世の中のどんな花より美しい”笑顔”の花。
    優しく心にしみる一冊でした。

  • 『手の中にある』を読んでぽろぽろ泣いた。

    『咲くのは花だけではない』を読んだ後、湊さんの優しい言葉で心が溢れ感想は湊さんでいっぱいになるだろうと思った。だけど『手の中にある』を読んだ後では湊さんや芯が若造、坊やに思えてしまう(笑)
    じいちゃんたちの深さに比べたら…。『手の中にある』でわかる陽子さんという人、陽子さんの書いた半紙の我儘に込めた思い、木山くん、福田くん、美千代さんの言葉の重み。あぁだから、だからみんなあんなに一生懸命にと切なく思った。

    陽子さんはみんな自分の事をわかっていないというけど、みんなわかっていたんだよ。だからこその「我儘を言い合い、聞き合う互助会」の発足だった。素敵な優しい人たちだね。そして誰かを喜ばせたい気持ちを最大の我儘と思う陽子さんもやっぱり優しい人なのです。

    大切なものを亡くした人に、うまく眠れていない人に、疲れている人に、悩んでいる人に、そして誰かに悩みを相談されてる人にも読んでもらいたい作品。きっと、あっと思う優しい言葉が見つかるはず。

    時系列でいうと『手の中にある』が先なのに『咲くのは花だけではない』を最初に持ってきたのがうまいなぁ。物語がぐっと良くなっている。

  • 訳ありの人がやってくるミナトホテル。
    経営者の1周忌に向け、主人公は裏庭の鍵探しを頼まれる。
    何気ない日常の中に見え隠れする限界。
    気に食わないからと簡単に辞めてはいけないが、死ぬほどつらい場所で我慢する必要もない。
    頑張らなければいけないが、頑張りどころを間違えてはいけないのだ。
    泣けた。

  • やさしいお話だった。互助会って素敵。
    年をとって、互助会を作りたくなる友達がいてくれたらとても素敵だろう。
    最後にみんなで希望を書くところが一番好きだった。

  • 人生に疲れて眠れなかったり食欲がない時には、ミナトホテルに行くといい。
    そんな不快もきっと解消されるはずだ。
    ストレスを抱えてヘトヘトに疲れた心も軟らかくほぐしてくれる。

    「死ぬほど辛い場所で、青筋立ててがんばる必要もない。がんばりどころと、そうでないところを間違えてはいけないよ」
    もうこれ以上は無理な位がんばった人には「休めばいい」と優しく諭してくれる、そんな言霊を沢山貰えた。
    ぐっすり眠れば自然と食欲も出てくるはず。
    たっぷり眠って美味しいものを沢山食べたら、きっと元気も出てくる!

    最近ぐっすり眠れていない私も、ミナトホテルのベットで爆睡して、綺麗な花が沢山咲いている裏庭をのんびり眺めていたい。
    我儘を言い合い、聞き合う互助会に私も参加したいな。

  • よみやすくて、するする読めました。
    私にとってはこのお話に出てくるキャラクターは、どのキャラもとても魅力的で、湊さんと桐子さんと葵くんにはにやにやさせられました(笑)

    主人公がたまに頓珍漢なことを言い出すので、何度か「え?」と苛立ちを覚えたりもしたのですが、もしかして世間一般の多くの人の意見って、こんな感じなのかしら。
    ex.)
    ●「ほんとうに勉強を教わる必要のある子どもが、塾に行けるほどの金が家にないとか、金はあっても親がその必要性を理解していない等の理由で塾に来られないんだと思った」という湊に対して「え、そんな家、いまどき日本にあります?」という発言
    ●「ていうか自分で産んだのに、そんなに(赤ちゃんの)世話するのってしんどいものなんですか?」という発言
    ---

    最初に目次を見たときに、二本立てなのかな?とも思ったのですがそうではなくて、本編と番外編(過去/陽子と篤彦編)でした。それがまたいい具合のバランスで。
    じんわりじんわりあたたかく、しつこさのない丁寧な描写がとてもよかったです。

  • ミナトホテルには、
    心を休めるための静かな部屋と
    ゆっく眠れるベッドがある。
    裏を返せば、それしかない。
    看板もなくひっそりとたたずむこのホテルに
    それでも客たちはつかの間の休息を求めてやってくるのだ。
    今の自分にはまだ、このホテルが必要なかったとしても
    こんなホテルがどこかにあるんだと思うだけで
    なんだか安心していられそうな気がする。

    心が疲れて、
    もうこれ以上1mmだってがんばれない・・・なんて時が来たら
    またこの本を手に取ってみようと思う。

  • 疲れた人が休むための場所。逃げ場としてのホテル。
    読みながら、「ああ、こんなホテルがあったら、自分も弱った時に行きたいなぁ」と思いました。

    疲れたら休むのが一番。そして、休むことは悪いことじゃない。
    そう思える、優しいお話でした。

  • 大通りから入った閑静な地に佇む通称「ミナトホテル」は、大正末期に建てられたキャラメルのような見た目の宿泊施設だ。館内には四季折々美しい花が飾られ、骨董家具が設えられた六つの客室は防音仕様。看板を出していないのに、人知れず「眠れない」「食べられない」お客が集い、時には長期で滞在する者たちも―。誰かと繋がりあうことのよろこびを、やさしく温かく力強く紡ぎ出した、心に響く物語。

  • 素直な物語だと思った。優しいひとが多くて好きなひとを思う気持ちがぎゅっと詰まっている。外側から見えている姿と自分で押し込めている内側は違うものだと思ってしまうけど、実は全部透けてみえているものかもしれないと読みながら思った。周りにいてくれるひとを大事にしたいと思わせてくれた。
    装丁が可愛らしくてそこもすごく良かった。

  • あらすじ
    芯は祖父に頼まれ、知人の湊篤彦の猫を捜し、夜にはホテルのフロント係を勤め、湊の養母の遺言(我儘の互助会)のためにミナトホテル裏庭の鍵を探す・・・。

    看板を掛けず、ひっそりとたたずむホテル。登場人物が少し変で、静かなのがよかった。あんまり客のエピソードがなくて、ホテルってところはあんまり出てない。

  • 今時の若者が、祖父たちに頼まれてミナトホテルの裏庭の鍵を探すというお話。

    何となく、主人公の青年がいい人過ぎるような気がして、入り込めなかった。ミナトホテルと我儘書道には興味あるけど。


    …33

  • 芯は、税理士の仕事を「よその会社の面倒ごとを引き受けている」と説明する。国家資格を取れば給料も増えるが責任も増すので、積極的に受けようと思っていない。
    ある日、亡くなった祖父の友人、陽子の一周忌を、陽子の遺言どおりに執り行うため、ミナトホテルへ行って息子の湊を手伝うことになる。(金のため)
    それは、一周忌を行う場所、裏庭への扉の鍵を探すこと。
    ミナトホテルがどういう場所であるか、陽子さんのことなどが、巻末の短編で明かされるが、それまではちょこっとわかりにくかった。(私の理解度の問題かも)

    殴られたのに酒の上のことで覚えていないといけしゃあしゃあと行ってのける渡部の元で、仕事を続けることにする芯と、花岡さんを好きなのかどうかわからない、もどかしさ。これって今風の男の子なのかな?次々と現れる人物には、とても魅力的に表現されていると思った。
    勝手に頭の中でキャスティングしてみると、テレビの連続ドラマ向けかもしれない。
    他の作品にも興味が湧きました。

  • 祖父の古くからの友人陽子さんの一周忌を行うために、裏庭の鍵を探すミッションを課せられた芯。
    裏庭のあるミナトホテルは、休む場所を探している人を休ませてくれる優しいホテルだった。
    それぞれの登場人物に、深いエピソードがあり、退屈することなく、一気に読みました。
    芯のおじいさん達の関係性が素晴らしい。
    短編のサイドストーリーで語られる陽子さんを知ると、更にその気持ちが強くなります。
    主人公の芯もとても魅力的。
    決して押しの強いタイプではないけれど、心にあるものに共感できるいい奴でした。

    著者の作品3冊目。
    ストーリーだけでは語り尽くせない、大切にしたい言葉の詰まった素敵な話でした。


  • 家でも会社でも、友達の家でもなく一人でゆっくり休める場所が必要・・・
    ゆっくり眠れる場所を提供するために営業を続けているミナトホテル。

    祖父の友達であった陽子さんの十周忌をホテルの裏庭で執り行うために鍵をさがす役目を引き受けた芯。
    陽子さんの息子の湊さん、ホテルの長期宿泊者、桐子さん、祖父の友人たち、芯の同僚。
    みんな一生懸命生きてます。

    たまにはゆっくり休めばいいです。

  • がんばるところは、しっかりがんばる。
    休むところは、しっかり休む。
    ダメだと思ったら、ちゃっかり周りを頼っちゃおう。
    ひとりでがんばらなくてもいいんだよ、というメッセージが聞こえた気がした。

  • 淡々としているんだけど、あたたかい文章に癒された。

  • 図書館で借りたもの。

    本編よりアナザーストーリーのが良かった。
    装丁の可愛さに読んでみたけど、本編は期待外れ…。私には合わなかった。

  • 2017年3月西宮図書館

  • 装丁がかわいくて。内容的にはまぁ、こんなもんかなぁっと。次作が出たら読むかどうか迷う。

  • 「芯くん、きれいな花が咲いている、って言ってみなさい」
    「きれいな花が咲いている、って声に出して言うと、笑ったみたいな顔になるの。しかめ面しては、言えない言葉なの」

  • 著者の文章が好みで、以前からブログを読んでいました。
    ミナトホテルは2作目でしたよね。1作目から読むつもりが、順番が逆になってしまいました。

    登場人物が結構多い上に、文章自体が淡々としているので一度時間があいてしまうと、「あれ?これ誰だっけ?」となってしまうかも…(単純に私の記憶力に問題があるのかもしれません。笑)

    日常生活にあるほんの少しの凹凸を切り抜いたような話だと思いました。ここは結局どうなったの?これからここはどうなるの?という要素もたくさんあります。これを想像の余白と思うか、回収されない伏線と思うかで評価が変わってきそうかなー。

    映画のかもめ食堂とかめがねとかが好きな人にはわりと好まれそうな小説だな、という個人的な印象。私は、好きでした(ただ1年後に問われても詳細な内容は語れないかも…)

  • ミナトホテルの裏庭の鍵を見つけるように祖父から依頼された芯。ミナトホテルの元オーナーの女性の1周忌を裏庭でするために。ミナトホテルは不思議なホテルだ。オーナーの湊も風変りなせいか、ミナトホテルの雰囲気のせいか、様々な事情を抱えた人たちが訪れては、しばしの滞在をして去ってゆく。だが、寂しさは無い。温もりを残して自分の居場所に戻ってゆくのだ。元オーナーだった陽子さんの人柄が随所にちりばめられていて、心の緊張がほぐれる。鍵の入った小箱の暗唱番号に隠された「母」としての愛。「大切なものは、手の中にある」のだ。

  • とても良かったです。
    私も今ヘロヘロなので、ミナトホテルで休みたい…

  • とても良かったです。苦しくて、辛くて、少し休みたい。ミナトホテルには、そんな人たちがやってくる。もう限界、と思ったときに行く場所があれば、人はなんとかやっていける。 すべての人を、「大丈夫だよ」と優しく包み込むような、温かい本でした。また読み返したいです。

全36件中 1 - 25件を表示

ミナトホテルの裏庭にはを本棚に「読み終わった」で登録しているひと

ツイートする