(091)超少子化 (ポプラ新書)

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  • ポプラ社 (2016年4月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591149959

(091)超少子化 (ポプラ新書)の感想・レビュー・書評

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  • 女性が生きやすい社会、女性が活躍しやすい社会にしなくてはいけないのは当然のこと。ただ、子供を持つかどうかは個人の価値観の問題もあるから、女性全体ではなく子供を持つ女性だけを手厚く援助するような制度は違うと思う。

  • ■一番の問題は人口が減ることではなく,人口構成がアンバランスになること。
    ・今後30年でその歪さはさらに極端になる
    ・高齢者は現在の3395万人から3767万人に増える一方,働く世代は7681万人から5001万人となり4割も減少
    ■1992年の「国民生活白書」で「少子社会」という言葉が初めて取り上げられたがここで提示された内容は現在の少子化対策と瓜二つ。
    ・背景として,若者の結婚観の変化,女性の職場進出と家族の在り方の変化,子供の教育の問題,住宅を始め居住環境の立ち遅れを指摘
    ・出生率の低下を止めるための分析として,女性が仕事と出産・育児を両立しやすくするための制度の整備及び家庭内における男女の役割分担の意識改革が必要と指摘
    ■1994年少子化対策の基本方針として「今後の子育て支援のための施策の基本的方向について(エンゼルプラン)」が打ち出される。
    (少子化の原因と背景)
    ・夫婦や家庭の問題ではなく国や自治体,企業を巻き込むことが必要
    ・晩婚化により若年層の未婚率が増加
    ・女性にとって仕事と子育ての両立が容易でない
    ・我が国の子育てには心理的・肉体的負担感あり
    ・教育費など子育てコストの増大も少子化を招いた原因の一つ
    (子育て支援のための基本的方向)
    ・育児休業制度の充実や労働時間の短縮など雇用環境の整備を進める
    ・核家族の進行に伴った育児の孤立感・不安感を防ぐ
    ・子育ての不安を取り除けるよう地域社会と連携して豊かな人間性を育む
    ・子育てに伴う家計の負担を軽減,社会全体の支援方策を講じる
    ■エンゼルプラン施行後も予算はほとんど増えず,出生率は下がり続けた。
    ・第2次ベビーブームの世代が晩婚化しただけで,いずれ彼らが結婚するので第3次ベビーブームが来るだろうという楽観的予測があった
    ■結婚したくてもできない若者の急増
    ・90年代後半若者を取り巻く雇用情勢が激変し,多くの若者が賃金の低い非正規雇用で働かざるを得なくなる
    ・就職難に遭った若者層が結婚・出産から遠ざかった
    ・一人暮らしでも生活していくのが精一杯の低い賃金
    ・20年前と比べ,若い世代の収入が激減している
    ・1997年の30代は年収500~699万円,2012年は300万円台
    ・1999年から2004年の間に15~24歳の非正規雇用労働者の割合が20.7%から33.3%に急増,2014年は雇用者全体の37.4%
    ・非正規雇用者への積極的な支援はされることなく結婚したくでもできない若者は増加の一途
    ■「平成27年版少子化社会対策白書」では収入の低さが若者の非婚化・晩婚化に拍車をかける一因と分析した。
    ・30代前半の男性では正規雇用の場合60.1%に配偶者がいるが,非正規雇用の場合,27.1%に留まる
    ■2000年代に労働市場が変化し,非正規雇用が拡大。
    ・今は労働者の3分の1は非正規雇用
    ・2005年日本の出生率はついに1.26
    ・結婚を実現できない理由として40%近くが「資金が足りない」
    ・「平成27年版厚生労働白書」における「30代前半の独身男性が結婚について不安に思うこと」では,非正規雇用者のうち63.1%が経済的に十分な生活ができるかどうか不安とした
    ■日本では幼稚園から大学まですべて公立に通っても1000万円近くかかり,私立に通わせたなら2000万円を超える。
    ・フランスでは乳児期の保育費用が補助
    ・3歳以上になるとほとんどの子供が公立の幼稚園に入り費用が無料
    ・大学の学費は年間2万円程度で済む
    ・家庭教師を雇ったり学習塾に通わせたりする文化は日本ほど一般的でない
    ・フランスの仕組みは「産めば産むほど得をする」
    ・フランスでは親の状況によって支援の内容が左右されない
    ■日本の(子育て・少子化対策等)家族関係社会支出のGDP比は約1.0%でフランスは3.0%。
    ・国民一人当たりの負担率も低く,38.3%でフランスは60%を超える
    ・2015年度の日本の年金関係支出のGDP比は11.1%で医療関係支出は7.4%
    ■フランスでは人口が減ることで国力が低下し国の存亡に関わるということを歴史が証明し,国民が充分に理解していると言われている。
    ・1870年代普仏戦争でドイツに負けたとき「フランス人が少ないせいで負けたのではないか」という議論が起こり20世紀初頭の出産奨励につながった
    ■国の直近の目標である「1.8」(1億人維持)の達成には今の年間5.5兆円の給付では大幅に足りず新たに8兆円を追加する必要がある。
    ■子育て支援策の拡充によるメリット
    ①子供の貧困を減らせる
    ②経済成長が見込める
    ■再配分から事前配分へ。
    ・今の日本の社会保障は生活保護など大人になってからの格差を埋めるための「再配分」が中心になっているが,格差が生まれる前(子供のうちに)お金やサービスとして配分しようとするのが「事前配分」の考え方。
    ・特に注目されているのは幼児期教育(0~6歳までの教育に圧倒的に投資)
    ■雇用全体の改革が必要。
    ・週49時間以上働く長時間労働者の割合はフランス10.8%,スウェーデン7.6%に対し,日本は21.6%
    ・日本は年間1900時間も働いているのに経済成長率が0.1%
    ・スウェーデンしっかり育休を取得(男性育休取得率9割)して2%
    ・長く働くことに意味はない
    ■日本が長時間労働の働き方らか抜け出せない背景には高度経済成長期に確立された日本の雇用システムがある。
    ・日本は「メンバーシップ型」で「職」に人がつくのではなく「社」に人がつく
    ・海外は「ジョブ型」で特定の仕事・職務に人がつく
    ■フランスでは「少子化対策」と言わず,「家族政策」として捉えているが日本も見習うべき。
    ■現代は父親は長時間労働を強いられ,母親は仕事も家事も子育ても一人で担わされ,その上,保育サービスが足りなくて働き続けることさえ大変という状況になっている。
    ・このままでは女性の労働参加が進まず少子化がますます加速
    ・日本全体を「共働き・共子育て」ができるよう変化させることが大切
    ■このままでは労働人口・納税人口が急に減り税収が急減し,いずれ国の税収が足りなくなり公共サービスも維持できず自滅の道を辿る。
    ■これからの日本を考える上で「男性の育児参加」や「働き方改革」の先に日本社会全体が子育て支援をするよう変化させる「子育てシフト」に舵を切ることが必要。

  • もっともな事しか書いてないのに、何も改善されないこの国を憂う。

  • 日本が少子化した理由が、すごく多面的だということがよくわかり勉強になった。

  • ああ、しんどそうだな、処方箋は飲み込んでもらいにくいんだろうな。

  • 日本では、「超少子化」(出生率1.5以下)と呼ばれる状態が20年以上も続く。このままでは国内市場の縮小、社会保障費の負担増、公共サービスの劣化などが避けられず、現在の安全で便利な暮らしは維持できなくなってゆく。では、「超少子化」はどうすれば打開できるのか?  フランスや岡山県奈義町など、深刻な少子化から脱却した例を紐解きながら、具体的な処方箋を提案する。


    第1章 日本がじんわり滅びている
    第2章 なぜ少子化に陥ってしまったのか
    第3章 少子化を打開したフランス
    第4章 日本でもできる! 岡山県奈義町
    第5章 〈財源〉と〈合意形成〉をどうつくるか
    第6章 日本社会を「子育てシフト」に

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