([は]9-1)翔ぶ少女 (ポプラ文庫 は 9-1)

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  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591149966

感想・レビュー・書評

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  • 阪神淡路大震災で両親を失った3兄妹が、町医者のゼロ先生に支えられ、明るく前向きに生きていく復興・再生の物語。
    原田さんの作品といえば、アート小説や旅小説が多く、本作のような震災・復興を題材とした作品も書かれていたというのは意外だった。
    震災テーマというと、暗いイメージを想像したが、ゼロ先生の前向きな言葉と、その言葉を信じて懸命に生きる子供たちの姿には、むしろ読んでいるこちら側が元気をもらえた。関西弁のトーンも物語を和らげている要素の一つかもしれない。

  • 面白かった!けど、ちょっと違和感
    感動作ということですが、正直ファンタジー要素はいらなかった(笑)

    1995年の阪神淡路大震災をベースに描かれた作品。
    震災で両親を失った少女丹華(ニケ)は兄の逸騎(イッキ)と妹の燦空(サンク)とともに、医師の佐元良是朗(サモトラ コレアキ)先生、通称ゼロ先生に助けられます。
    ゼロ先生も震災で奥さんを助けられず、それがもとで息子から恨まれることに。
    そして、子供たちはゼロ先生の養子として育てられていくことになります。
    ニケは足に障害が残りながらも前向きに生きていきます。学校では孤立してしまう中、ゼロ先生を含む周りの人たちの関係があたたかい。
    復興が進む中、子供たちの成長、この新たな家族の絆が描かれます。
    そんなかなゼロ先生が...
    といった展開

    で、途中からのファンタジー的な展開が入ってくるのですが、うーん、これはいらなかったと思う!
    けどそれがないと翔ぶ少女にならないか...

    ニケがゼロ先生の養子となることで、まさにルーブル美術館にあるサモトラケのニケとなり、勝利の女神となります。
    違和感のある名字や名前の狙いはここね(笑)
    しかし、そこまでして、原田マハがサモトラケのニケとして語らせたかったのは勝利の女神なのか?それとも翔べることなのか?
    家族の絆だったのでは?

    ということで、ちょっと技巧にはまりすぎのところが残念。

  • 原田さんは絵画ものしか読んでなかったが、色々なものを書かれるって事で、違う作品にトライした。
    阪神淡路大震災を扱った作品だけど、後半ファンタジー??
    肉親を震災で亡くすと一口に言っても、綺麗事だけじゃない。もっともっと口に出せないような場面だってあるはず。だからこそファンタジーの味付けになったのかな。
    被害に遭われた方達の事を思うと胸が痛む。

  • 震災の中で両親を失った3人の幼い兄弟と、同じく妻を失った医師の親子を超えた絆を描いた物語。

    震災での、家族が目の前で亡くなっていく悲しみや、その家族を助けられなかった自責の念。その中で、生き残った人々がお互い支え合って立ち上がり復興に向かって進んでいく、、。
    言葉では簡単に表現できるが、実際には一人ひとりの震災の状況があり、どんなカタチで生き進んでいくのかはいく通りもあるのだろう。
    街は復興しても、心の復興はなかなか追いつかなかったり、人々感情の描写が、胸に刺さり痛かった。
    ゼロ先生の子供たちに対する愛の深さや兄弟愛の健気さ、お互いを思いやる気持ちに涙が止まらなかった。

    何があっても前を向く。
    生命の強さを改めて考えさせられた。

  • みんな良い人で、ハッピーエンドで、心温かくなりました

  • 読みやすい。
    原田マハさん、ますます好きになりました。

  • 阪神・淡路大震災、両親を亡くす三兄弟が、医師ゼロ先生に救われ、絆を育み共に歩んでいく物語。   
    三兄弟の、中間子丹華(ニケ)の目線で書かれている。

    羽が生える、翔ぶと言うファンタジー要素が出てきて、それが震災のリアリティに対して違和感があったけど、それはそれで誰かに思いを馳せるということを表現しているのかなと思った。

    先生と三兄弟の絆がとても心に響いた。
    特に私自身が男女女の3兄弟だからなおさら。

    大震災がいつまた起きてもおかしくない今、心にぐっとくるものがあった。

  • 震災のことを思い出して、途中読めなかった。
    勇気がないと読めないけど
    最後まで読んでよかった。震災後も強く生きる3人の兄弟とお医者さんの物語。

  • 図書館本。
    まさかの阪神淡路震災話。読んでてつらかった。

  • 阪神大震災で両親を亡くした幼い3人の兄弟と、それを救った医者のお話。

    きれいにまとまったいい作品だと思います。

著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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