([ほ]4-1)活版印刷三日月堂 (ポプラ文庫 ほ 4-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591150412

感想・レビュー・書評

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  • 1話ごとに涙が溢れました。
    温かいいい話。
    活版印刷の温かみも感じられ、とても素晴らしかったです!

  • 大好きな物語。
    活版印刷のことを色々調べて興味をもった。
    味のある古きよきものを大切にする人に
    出会いたい。

  • 「コンピュータの中では文字には重さがない。厚みもない。『もの』じゃない。」”重厚長大”——、活版印刷には、そんなイメージが漂う。

    活版印刷と聞くと、『銀河鉄道の夜』でジョバンニが活字を拾う場面しか知らない。活字をピンセットで拾うかどうか話題になったらしい程度。「男はつらいよ」で、寅さんの義弟が印刷屋さんで、古い映画では活版印刷機を使用していたと聞いたことがあるが、残念ながら見たことがない。亡くなる時は速いものです。

    従来は、チラシとかポスターが中心だったでしょうが、さすがにそんなニーズは今はない。本書で紹介されたような、”物珍しさ”で扱うのがやっとでしょうか。でも、通常の印刷では体験できない”味”のある栞やコースター、名刺(カード)を作ってみたいと思わせられる。
    活版印刷の持つ魅力もあるでしょうが、主人公・弓子さんがもつ「作りたい形を一緒に探してくれる」姿勢に心奪われるからかもしれません。

    街の印刷所の変遷を考えると、未来がある話ではないだけに、”やるせなさ”を感じる。道楽にならなければいいけれど、と。

    版も活字もないけれど、印刷された文字はこうして残っている。実体が消えても、影は残る。弓子さんが語るように、印刷物って、考えてみたら不思議です。そんな不思議さの世界を、道案内されているようです。そして、いつまでもその中にいたいって思わせてくれる、優しい物語です。

    「カムパネルラ、僕たち一緒に行こうねえ。」
    こんな、栞があったら、最高ですね。しかも活版で。

  • 昔ながらの活版印刷所「三日月堂」を舞台に、色々な悩みを抱えたお客さんの心を活字の温かさがじんわり癒やしていく物語。
    店主の弓子さんとお客さんのほどよい距離感、お話の空気が好みだった。作中に出てきたコースターと栞、私もほしいな。活版印刷について、ほとんど知らなかったので色々と知れてよかった。読後感がよく、楽しめました。続きも読みたい。

  • 良い本に出会えた。
    連作短編集の形式。一話一話、涙は流れないが、心臓をグッと掴まれるように、感情の変化が起こる。
    目の前にあることに対応するだけで精一杯の毎日。それでも、心を動かす時間は大切にしたい、と改めて思えた。

  • 今の自分の境遇に合う小説だった。
    作中では、肉親の死と向き合う人々のことが複数場面で描かれていたが、著者も若い頃にそのような経験があったのだろうか。
    特に、弓子さんのお父さんが癌の闘病生活の末に亡くなったという設定だったが、癌は自分自身(自身の細胞の突然変異)であり、それも含めて父なのだという受け止め方もあるのだなと感じた。

  • 三日月堂を中心にして人々が様々な思いに気づいていく作品。活版印刷を見たことはないがとても興味が湧いた。印刷の歴史を垣間見たようで面白かった。

  • 自分が活版印刷が好きなのもありそれ以外でも共感することが多かった。じんわり泣きそうになったシーンも(電車内で読んでいたので耐える)。ただ肝心の部分についての表現に繰り返しが多いのが気になる

  • 川越にある活版印刷所「三日月堂」のお話。文字や言葉への愛情が感じられる。
    2019/12/21

  • 心が温まる本、とはまさにこの事。会話が多く読みやすい。

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著者プロフィール

1964年東京都生まれ。作家・詩人。95年「影をめくるとき」が第38回群像新人文学賞優秀作受賞。2002年『ヘビイチゴ・サナトリウム』が、第12回鮎川哲也賞最終候補作となる。16年から刊行された「活版印刷三日月堂」シリーズが話題を呼び、第5回静岡書店大賞(映像化したい文庫部門)を受賞するなど人気となる。主な作品に「菓子屋横丁月光荘」シリーズ、『三ノ池植物園標本室(上・下)』など。

「2021年 『東京のぼる坂くだる坂』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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