お化けの愛し方: なぜ人は怪談が好きなのか (ポプラ新書 あ 4-1)
- ポプラ社 (2017年7月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591150948
感想・レビュー・書評
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荒俣宏先生による最後となるかもしれない「お化け学」の本です。お化けを愛するという最高の愛情表現について、中国や日本の文化・文学を中心に東南アジアやヨーロッパにまで視野を広げて書かれています。「ゴースト/ニューヨークの幻」や「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」など死を乗り越えた男女の恋愛を描いた作品の源流といえるだろう中国や日本の古典を紐解きながら触れているうちに、だんだんあの世も良いところなんではないかと思うようになってきます。最近流行りのゾンビも実は昔から脈々と受け継がれてきているんですね。
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古くは中国の怪奇譚から、それがいかに日本に伝わり、怪談として人の心をひいたのかを教えてくれる。怪談の原型もおもしろい。
現実が満たされないから、幻想の世界で夢を見たいと思うのは、今も昔も変わらなぬ人の性なのだろうな。
お化けを愛するものに悪い人はおるまいって気持ちになる。 -
まえがき
第1章 お化け愛の始まりー日本に登場した新しい怪談
第2章 馮夢龍と「解放の怪談」
第3章 怖い怪談の呪縛ー日本の場合
第4章 お化けとの恋愛が認められるまで
第5章 日本に広がった「牡丹燈記」
第6章 町人文学の大暴れー『牡丹灯篭』から『聊斎志異』
第7章 怪談愛の至高点ー『雨月物語』
第8章 アジアへヨーロッパへ―『メー・ナーク』と『レノーレ』
第9章 西洋でも、生死を越えた恋が成就した!
第10章 圓朝版『牡丹燈籠』と文章変革 第11章駒下駄の音と新しい演出
おわりに 霊との共同生活、ついに実現