淵に立つ

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 62
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591151457

感想・レビュー・書評

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  • 夫の利雄は無口だったけれど、娘の蛍と家族3人での生活に章江は何の不満もなかった。

    夫の古い知り合いだという八坂という男が住み込みで働くようになってから、すでに壊れていた家族の影が徐々に浮き上がってきた。

    人を殺して服役していた過去を持つ八坂。
    八坂の人殺しに共犯していた夫。
    オルガンの発表会を控えていた蛍。

    クリスチャンで信仰深い章江に跳ね返された八坂の欲望は、
    まだ子供の蛍へと向かって行き、結果的に蛍は障害をおい、八坂はそのまま姿を消した。

    生活の自由を奪われた蛍の介護に潔癖なまでにやりとげる章江と夫との生活。
    八坂の息子だというのちに知ることになる貴史との出会い。

    数年越しに行方を突き止めた八坂の、自殺。

    誰も幸せにならない、静かで暗い話。。。

  • 引き込まれる。
    しかし、なにも救いがないし、ただ苦しいだけ。
    読まなければよかった。

  • 映画「淵に立つ」 世界が絶賛した傑作映画と書かれており、監督が小説化した本である。

    期待して読んでみた。
    町の小さな金属加工工場を営む利雄夫婦と娘の3人家族の所に利雄の旧友が、次の仕事の期間だけ一緒に共同生活をすることになる。
    ぎくしゃくしてた家族に会話も増えてきたのだが、その旧友の八坂は仲良しになった幼い娘を公園で突き飛ばし、植物人間にしてしまう。
    八坂は逃亡し、行方不明になるのだが、ひょんなことで、昔八坂と一緒になる女の息子が成長して、この工場へ働きに来る。
    1枚の写真が、共同生活していた時を思い出させ、家族ともども、八坂を見つけ出す。
    八坂とやっと出会えたが、八坂は自ら、命を絶つのであった。

    何処が、この本を絶賛するところがあるのだろうか?
    不合理な、結果をもたらす事件と、精神的に参っている夫婦へ、これでもか、、、と、その息子まで登場する。
    その息子には罪はないが、息子も、顔を見たこともない父親が、どのようなことをしたのか、、、
    そして、利雄も、今まで黙っていた秘密を妻に言って、何が救われるのであろうか?

    この頃の映画の趣旨が、理解できないし、これが本になって読んでみても、後味の良いものではなかった。

  • 郊外で小さな金属加工工場を営む利雄は、妻の章江と娘の蛍の三人家族。夫婦の間に会話はほとんどないが、平穏な時間が流れていた。ある日、利雄の旧い知人で八坂という男が現れ、八坂を交えた奇妙な共同生活が始まる。「すでに崩壊していた家族」が徐々に露になり始めて…。

  • 映画「淵に立つ」の原作

    映画ではみられなかった描写もあり、映画の疑問を埋めることができた。
    また結末は映画と違う。
    本の方が納得できるかも。

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著者プロフィール

映画監督。1980年生まれ。大学在学時より映画美学校にて映画制作を学ぶ。2006年、中編『ざくろ屋敷』でデビュー。2005年、平田オリザ主宰・劇団青年団に演出部として入団。代表作に2013年二階堂ふみ主演『ほとりの朔子』(ナント三大陸映画祭グランプリ受賞)、2015年『さようなら』(東京国際映画祭メインコンペティション選出、脚本が第18回菊島隆三賞ノミネート、マドリッド国際映画祭ディアス・デ・シネ最優秀作品賞受賞)がある。2016年『淵に立つ』が第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞。

「2019年 『よこがお』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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