洗礼ダイアリー

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著者 : 文月悠光
  • ポプラ社 (2016年9月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591151471

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洗礼ダイアリーの感想・レビュー・書評

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  • 確か雑誌のダ・ヴィンチで紹介されていて目に留まって予約してみたんだと思う。この作品を読みながら小池昌代さん、川上弘美さん、穂村弘さん、あと『永い言い訳』を読んだ。そしたらみんなじわっとつながっていて、そのリンクっぷりにこわくなったくらいだった。

    初の「ふづきゆみ」さん。詩人。青くてとても瑞々しくて双葉みたいに繊細。鋭くて手が切れそう。刺さりそう…と思った。エッセイを読んでいるとマジメ。本当にマジメ。生徒会やってます、みたいなマジメさじゃなくて、きちんと自分の意見を持っている強さが光っている。孤独ときちんと向き合って逃げていない。自分が同じ年の頃はこんなにきちんと(心の中でも)自己主張はなかったと思う。

    ちょっと変わっているけど面白いお母さんのエッセイ。そのお母さんが祖母を介護する様子をえがいたエッセイはじわっと泣けた。うちの子なんて高齢者におやつをあげる面倒をみるなんてできないよ。たいしたもんだなぁ…としみじみ思った。芯がしっかりしている。


    脳みそはみんな同じ
    いらっしゃいませの日々
    セックスすれば詩が書けるのか問題
    トラウマの花
    山手線号泣
    自撮り流星群
    スクールカーストのち、雪
    朗読少女のたましい
    パラレルワールドの恋人たち
    布団のドーム
    「かわいい」は疑え!
    世にも奇妙な母物語
    人間スイッチ
    日記帳のわたしへ
    祖母の膝
    あとがき 洗礼前夜

    これを読んだら、あ…私も手帳に日々のことをこうだった…って記入するんじゃなくて、昔みたいに「日記帳」に自分の思っていること、(ブログとかじゃなくて)書いて、あとで読み返したいなぁ…と思った。昔の自分なら共感できる部分がもっと多かった。10代、20代におススメ。これからの期待もこめて星4つ。

  • 名前はずっと知っていた
    最年少で賞を受賞した詩人という新聞記事はあまりに衝撃的だった

    当時自分は詩を書き始めていた頃のような気がする

    「すごい人がいるなぁ」と
    海の向こうを見るような気持ちだったことを覚えている

    ――それから

    いくら歩いても 眩しさと同時に影も濃くなって
    喜びが増えた分 痛みも深くなった

    詩集を何冊か出版して
    自分は詩を書く人ではなくて 詩人なんだなって 思うようになって

    自分が信じた言葉は 決して間違っていなかったのだと
    受け取った人が 教えてくれた

    そうして出会った 詩人の物語

    海の向こうにいる どこか遠い人の理想ではなく
    きっと同じ思いを持って どこかで戦っている
    同じ風景を見た人なのだと 思った

    同志と言うには 大げさかもしれない
    仲間と言うほどの ものではないかもしれない
    でも、ちゃんと そういう人がいるんだって 安心した

    詩人という生き物は 言葉にならないものを背負うから
    きっと わけ隔てられることのない世界で 息をするのだろう

    人から見たら なんだか子供みたいで 可笑しくて 滑稽で
    時には呆れるかもしれないし 世間知らずって 責めるかもしれなくて

    圧倒的な孤独感と 触れるか触れないかの微かな温度差で
    言葉にしたもので この世界と繋がれるのなら

    それはきっと 救いのように 眩しかったから

    言葉に恋をしたように
    言葉というものが生きているこの世界が とても 愛しいのだと 思う

  • 前々から気になっていた文月さんのエッセイ集。
    確かWebで何話か読んだような記憶があるけれど、この本の挿絵が可愛くて、詩人の方の言葉はやはり紙で読んでみたいなと思いました。
    「スクールカーストのち、雪」では自分自身の高校時代の周りへの馴染めなさを思い出しながら読んだ。
    そしてとても瑞々しい文章を書く人だなぁと思うと同時に、同世代だからこそ分かるワード(前略プロフとか懐かしい…!)だったり価値観、生き辛さなどすごく親近感を感じたエッセイだった。

  • そんなに共感できず。
    できる人にとっては面白いかも。

  • エッセイの中に出てくる詩も
    挿絵も想定も全部がとっても素敵だなー。
    1冊の作品として、所有したくなる感じ!

    詩や詩人に対しては、描かれているような感じ方や
    態度で接したことはないつもりだけれど
    きっと、他の分野の人やことにそういう態度を
    とってしまっていることはあるのだろうな。
    もっと、いろんなものに寛容で、
    強い人になれるといいなと思う。

    恋愛っぽいものに対して、文月さんのような反応(向かい合い方)はしないけれど、文月さんのようにちゃんと踏み込んで、もがいているのは、いいなって思う。

  • 言葉があふれてくる文体が好き。
    こんな風に言葉があふれるように書きたい。

  • 文月悠光『洗礼ダイアリー』ポプラ社, 2016年 読了。
    最年少・18歳で中原中也賞を受賞した、詩人・文月悠光初のエッセイ集。
    *
    スクールカーストの違うサッカー部男子と近づいた時の、周りの女子からの冷笑や蔑み、
    知人や友人との飲み会で、お会計を切り出すタイミングを計りかねるぎくしゃく感…etc.
    10代前半〜20代前半特有の自意識と、
    詩人である著者ならではの、世に言う「詩人キャラ」がもたらす自意識という、
    二重の自意識との間で生じる軋轢や、自意識との葛藤を描いています。
    こういった感情を文章にすることは、相当しんどい作業だと思う。
    自意識からいったん自分を解放して、自分を俯瞰する視点を持たないと描けない。
    それを、齢24にして、しかも本業の詩作ではなく、エッセイという新たな表現手段を通して、試みる著者の姿勢に敬服します。
    *
    著者はこのエッセイを、下記の文章で締めくくっています。
    ”人は一人では生きられない。一人で生きさせてはもらえない。
    周りの手を煩わせ、周りに絶えず煩わされる。そのことを苦痛にも歓びにも感じながら、人は悠々と生きるのだ。”
    (P.200 L.9-11より引用)
    「あぁ、わかるなぁ…」と共感し、過去の古傷が疼くのを感じると共に、
    それを受け入れた上で、ぐっと踏ん張って生きていこうと、勇気をもらえるようなエッセイ集でした。

  • とても女の子的なエッセイだと思った。著者はこう言われるのを嫌うかもしれないのだけど。

    全編著者の葛藤を眺める内容だったように思う。ただその世代、年まわりに独特な青春の葛藤もあるかと思われ、どこかキラキラと爆ぜる感じがある。落ちたトーンの中にもちょっとした眩しさがある。それは女の子の眩しさ。きっと著者はいつかこのキラキラを思い出し、そして振り返ればあんなに大きかった葛藤も点になっているのではないかなと思う。

    自分の過ぎ去ったあの頃を振り返ることが出来るエッセイ集だった。あの頃は悶々としていたけど、今は懐かしさしかない。でも戻りたいとは思わないなぁ、絶対に。悶々とするのはただただ疲れるからね(笑)

  • エッセイを読んでて1番危ないのは
    自分が賢くなったつもり、
    自分が何かを簡単に手に入れたと
    思ってしまうことだ。
    ただそれは諸刃の剣で(つもり)なだけで
    私は何も変わってない焦燥がある。

    その感覚がこの本にはある。
    プラスもマイナスもひっくるめて

    自分の事を詩人の感性なんてない
    垢抜けない普通の私の
    さして変わらない日常と言っているが

    現代において天然記念物の「生きる詩人」であることの難しさ、楽しさを
    ジップロックして凝縮してある。

    鮮度がいいうちに味わって欲しいので
    是非同じ時代に生まれた事を感謝して
    お早めにお召し上がりください。

  • 夢見がちな詩人のエッセー.15編
    案外普通な事を普通にいう感性が,瑞々しくて素敵でした.朝顔の水やりなど,何でもないことが面白いです.

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洗礼ダイアリーの作品紹介

現代詩人の登竜門「中原中也賞」を18歳で受賞した、詩人・文月悠光さん(@luna_yumi)が〈生きづらさ〉を研ぎ澄まされた言葉で解き放つ初のエッセイ集。ポプラ社のウェブマガジン「WEB asta*」の大人気連載、待望の書籍化。

言葉の繭の中に住んでる文月さん。
時々手を伸ばしては、外の世界にこわごわ触れる。
その姿が滑稽で痛くて愛おしい。
───瀧波ユカリ(帯コメントより)

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