- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591152751
感想・レビュー・書評
-
子育てにまつわる様々な悩みを科学の立場から解明する。発想が理系だなあ(しかも、さすがにダーウィンが来たの担当だと思わされる見事な動物との比較)と感心するとともに、現代の母親が理詰めで子育てに立ち向かわないとやっていけない辛さを表すようでもあり、なんとも微妙ではあるが、色々な悩みが科学的に証明される様は面白い。
人見知りやイヤイヤ期の謎が脳科学から明かされる。抑制能力(我慢できる力)が将来の犯罪防止に役立つかもというアプローチは面白くもあり、グリッド云々同様、アメリカ的なアプローチだなあと。それだけ貧困格差と犯罪率が高いということなんだろうなあ。
個人的には、「妻のトリセツ」の筆者も述べていた、女性に特有だと言う「女性同士の経験の共有」(=井戸端会議)が非常に苦手で、産後女性の「ママ友を求める気持ち」はそこまで共感できるものではなかったので、自分はチンパンジーから分岐できていないのではないかと危惧を覚えた。が、たしかに自分でコントロールできない子供の時間軸に振り回されることからくる焦燥感や社会からの孤立感、疎外されている感、強い感情の発生を思い出すときに、その裏に複雑なホルモンと脳の働きがあったのかと思うと、なんとも感慨深い。
最終的には、種によって固定されているはずの子育て方法が、現代の人間だけは柔軟なのだから頑張ろうという前向きな結論。動物との比較ではまさにそうで面白いのだが、これを最近読んでいるフェミニスト的な著者たちの視点を借りて読むならば、だからこそ現代女性の苦悩が増長されている気もする。
大半が農業や狩猟という第一次産業で生計を立てていたならばいいのだろうが(しかも男子に狩猟等を教えるという点で、教育=父親という流れがあった)、現代は男女どちらでもできる仕事がメイン。子育ても小中高大と男女の差もない→実質全て母親の負担。共働きが過半数の状態の中、「科学的に男性脳に母脳を求めることはできないので、男性が女性と同等に子育てできないのは男性が悪いわけではないですが、共働きでいっしょに子育てしていきましょう」というのでは、結局常に母親がストレスを溜めながら、「これは科学だ」と自分にマントラを唱えながら耐える状態が続くのではないかと思ってしまう。いっそここまで科学科学というのなら、育児をする男性には男性脳を母脳に変えるホルモン治療とか脳手術とか「科学的な」方法はないものかと思ってしまう。いずれにせよ、育児問題を脳科学的アプローチとフェミニズム的アプローチ両方から考える機会になって面白かったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「育児不安」「ママ友現象」「夜泣き」「イヤイヤ期」「夫へのイライラ」などの原因を科学的に説明してくれている。純粋に知識として面白い。子育て中の夫婦には必見。ストレスを低減させ、前向きに子育てに取り組めるのではないかと思う。良書。
-
子育てが楽しくない
育児に孤独と不安を感じる
わが子がかわいく思えない
赤ちゃんの夜泣きの理由
人見知りと脳の発達の関係
イヤイヤ期はなぜ起こるか
日本の母親たちが直面する子育ての苦難を「非常事態」ととらえ
経験則では解決できない問題点を最新科学の目で読み解く
ママたちへ。
子育てがつらいのは、決してあなたのせいではありません。
2016年1月と3月に放送された番組のエッセンスと裏話で構成 -
自分のイライラや不安の理由がわかってすごく楽になった。
-
科学的根拠に基づいた子育てのお話。
人間の子育ては、なぜ難しいのか。納得した。
男性も変われる。 -
最新の研究を多く載せてもらえていて説得力がありました
-
育児を科学することで、産後うつやイヤイヤ期が起きる理屈が見えてくる。ただイライラするのではなくて、どう解決すればいいか。夫婦以外にも是非読んで欲しい!NHKスペシャルの名著。
-
出産前に読みたかった。
ホルモンの影響だとわかってたら、もう少しだんなさんを大切にできたかも(ごめん)