- Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591152768
感想・レビュー・書評
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オードリー・若林正恭と作家二名との鼎談13回分が収められた本。テレビ番組で放映されていたことは知らなかったが、とても面白く読めた。作品からは分からない作家の素顔が知られて良かった。「○○にオススメの一冊」のなかで、『シェア』、『変愛小説集』、『ライン』を読んでみたいと思った。
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オードリー若林さんによる作家2名との鼎談集。2017年に放送されたBS東京の番組を本にしたもの。実は、ここに登場する作家さんで実際に作品を読んだことがある方は片手で数えるくらい(西加奈子さん、角田光代さん、光浦靖子さん、村田沙耶香さん)しかいないのだが、若林さんのエッセイが面白かったので、その若林さんが作家の人たちとどのような遣り取りを繰り広げるのかに興味があった。番組は視聴したことがなかったが、作品を読んだことのない作家さんの鼎談を含めとても楽しめた。毎回、それぞれのマイルールや、回ごとにテーマを決めたおすすめ本の紹介もあり、若林さんの話術で個性豊かな作家さんたちの味がよく引き出されていて面白かった。
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コロナで部屋から出られないわ、母親は意外な重病で手術待ちだわ、10年前に別れた人から難しい電話がかかるわ…。自分の耳は昨日の夜からひどい耳鳴りでろくに聞こえないわ。まあ怒涛のようでこのひと月、大学の勉強どころではなく、さりとて本もろくに手に取れず、コミックを読んでばかりだったが、やはり紙の本を読みたくなって、体調を見ながらゆるゆる読んでいた。2020年、5月の1冊目の読了本。
本を読むのが好きとあらば、書評やブックガイドの本も、当然大好物。なのに私はこの番組を知らなかった。人気漫才コンビ『オードリー』の若林さんがホスト役で、小説家の方を招いてトークをなさっていた、同名の番組を文字に起こした本だ。最近人気の作家さんのお名前がずらりと並ぶ。私が読んだことがある方って、どなただろう。
朝井リョウさん
西加奈子さん
角田光代さん
このお三方は拝読したことがある。でも皆さん、ブクログでもよくお名前を拝見する人気作家さんばかり。本当ならちゃんと予習をしてから読めばよかったのかもしれないが…。知らないなら知らないで、興味持ったら読めばいいよね、と、さっさとページを開いてしまった。のっけからエッジの利いた対談が面白い。
若林さんは、『感じのいい人』『頭が良くて』『いい人だけど結構冷たいところは冷たい』という印象が、やっぱり今回も強まった。本を、大事に『ご本』と呼ぶ、この番組の感じに、すごくそういう側面が出ていると思う。好きな芸人さんのお一人なので、終始気持ちよく拝読しつつ。流石に売れっ子の芸人さん。言うところははっきり仰るし、マイルドにしなければいけないところは、丁寧に舵を取る。プロのお仕事を感じてしまった。彼が人気者なのも、きっと落ち着いて読書をする時間に、色々考えているからだろうと勝手に想像する。
各回最後に、ゲストの作家さんからお勧めの一冊が紹介され、それを若林さんが、視聴者、ないし読者に出してきてくださる、というスタイル。忘れると惜しいので、書き留めておく。
『シェア』加藤秀行 文藝春秋
『エドウィン・マルハウス』
スティーブン・ミルハウザー 河出書房新社
『あなたを選んでくれるもの』
ミランダ・ジュライ 新潮クレスト・ブックス
『恋愛小説集』(無印/日本作家編)岸本佐知子 講談社
『高瀬舟』森鴎外 集英社文庫
『死の棘』島尾敏雄 新潮文庫
『辻』古井由吉 新潮文庫
『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』桜庭一樹 角川文庫
『きりぎりす』太宰治 新潮文庫
『村に火をつけ白痴になれ』栗原康 岩波書店
『輝ける闇』開高健 新潮文庫
『ライン』村上龍 幻冬舎文庫
こうみると、皆さん歯ごたえのある本を読破しておられる。『あなたを選んでくれるもの』の訳者は岸本佐知子さんだが、岸本さんの携わった本が2冊入っているのも面白いところだ。島尾ミホさん関係の本は、近年の大ベストセラーになったし…。本に対する嗅覚が鋭いのだろうな…。知らない本がいっぱいあって、かえっていい感じにワクワクした。どんな気持ちの時に読もうか。それにしてもこの番組、もう一度観ることは出来ないのかな。是非再放送なり、新たな番組として放映して欲しい。 -
この番組、見ててとっても面白かったんですよね~
いろんな作家さんの話が聞けるし、しかもみんな面白い。
若林さんも、そんな作家さんの魅力を凄く引き出してくれて、凄い人だな~って好きになったし。
それが本でまた読めて、いろいろ思い出しながら楽しく読む事が出来ました。
朝井リョウさんが特に面白い(笑)
またやってくれればいいのにな。 -
小説を書くひとたちの話が、どうして若林さんが間に入るとこんなに興味深く面白くなるのか、不思議です。
ある意味「へんなひとたち」の話なのですが、才能を持ったほんのひとにぎりの人たちを、取り立てて際立った才能のない人間の側から見ると、何が「ふつう」なのかよくわからなくなってきます。
こういう企画をもちかけた若林さんも、
それを実現した佐久間プロデューサーもすごい。
単なる本の紹介本でもなく、
宣伝本でもありません。
本好きの方、必読、かも。 -
BSジャパンで放送していた番組だそうで。
これ、TVで見たかったなぁ。
村田沙耶香さんを知りたくて読んでみたこの本。
お噂はかねがね…って感じで。
本当にちょっと変わった人だった。
今後、村田さんの本を読むのが楽しみになった。
窪美澄さんと柴崎友香さんの回が面白かったな。
やっぱり作家さんって不思議な人が多い印象。 -
こんな番組があると知っていたら観たかった。
作家さんの世界ではデビューした年が同じだと「同期」というくくりになるんだなということがわかったり、年齢が離れた作家さん同士が仲の良い友達であるところがいいなと思ったり、とても面白かった。
ちょっと同じ作家さんに出演が偏り過ぎている点で星ひとつマイナス。
もし今後またこのテレビ番組をやるなら、こちらが気付くほどに告知して欲しいものだ。 -
ここ最近うつがひどく、全く本に手を出せる状況で無かった。
久しぶりに少し気分が上向き、小説でなければ読めそう、それにこの本なら番組で見たし、ということで、とても久しぶりに本を読むことができた。
テレビ番組も、佐藤友哉が夫婦で出るという情報をキャッチして初めてやっていることを知ったので、それ以前の回に関しては全く知らなかったので大変楽しむことができた。
村田沙耶香が想像以上だ。けど、それ以外のメンバーも皆どっかしらネジがぶっ飛んでて非常に楽しかった。
図書館で借りようかなと思ったけど、これは買って大正解。
できれば番組のDVD化をしてほしいところだが、それは厳しいだろうな…。
今年の正月にやっていた特別番組も見損ねてしまって、残念ながらそれは収録されていなかったのと、せっかく書籍化記念で鼎談を組んでるのに、メンバーが尾崎世界観と光浦靖子では、「作家」と呼ぶには弱いのではないか、という感じで、やりとりも本業のことばかりだったので正直なんでこのメンバーかな、というので星マイナス一。 -
作家さんの内面を知る事ができて面白いし、読んでみようとなる。
「この人こんな考え方なんだ」「こんな思いで本を書いてるんだ」とか…
作家さんによって考え方が違うのもとても面白い。
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オードリー若林さんと作家さんの鼎談を書籍化したもの。
最初の西さんと朝井さんのやり取りは鉄板の面白さで声出して笑ってしまったし、他の回も読んでいる間ずっとニヤけていたと思う。
皆キャラがぶっとんでいるうえに話が面白く、若林さんも作家さん自身も本当に楽しそうでお互いに興味津々なのも伝わってきた。
いい番組だったんだろうな。放送見たかったなー!と思いつつ、元々作家さんにはあまり顔を出してほしくないほうなので、本として読めてよかった。
(普段活字でしか知らない人は、活字以外の情報を知りたくないと思ってしまうのだ…。中には見慣れちゃってもう気にならない人もいるけど。)
それにしても作家って完全に個人作業だし、ここまで横のつながりがあると思わなかった。まぁここに登場するのは元々仲の良い人たちのようだし、業界全体からすると偏ったメンバーなんだろうけど。
またこんな企画の本を出してほしい。