花咲小路三丁目のナイト

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591152775

作品紹介・あらすじ

眠れない人も、まだ眠りたくない人も、どうぞ。
ここなら朝までやってます。(でも眠くなったら閉店)


たくさんのユニークな人々が暮らし、日々大小さまざまな事件が起こる花咲小路商店街。今回の舞台は商店街唯一の深夜営業店。すっかり夜ならではの相談所になっている店を手伝いながら、その相談事を店主の仁太が突拍子もない方法で何とかする様子を、居候の甥っ子・望が語っていく。
前三巻でおなじみの人物も多数登場!
ますます楽しい花咲小路シリーズ第四弾。

感想・レビュー・書評

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  • 元「怪盗紳士」も、若手刑事も、ちょっと不思議な花屋さんもいる花咲小路商店街。次の舞台は喫茶ナイト。
    夜という意味ではなく、KNIGHT騎士。でも夜っぽいせいか、読んでると眠たくなるのは気のせい?
    みだしは映画のタイトルにかけてるのかな。
    なんとなくな解決かと思っていたけれど、仁太さんの過去もわかり、それぞれ跡継ぎが決まったところでめでたしめでたし。

  • 「花咲小路商店街」シリーズ4作目。
    舞台になっている喫茶店が素敵で、そこに集まってくる人たちもとても良い関係。こんなお店が近くにあったら、私も行ってみたい。
    各章のタイトルが映画のタイトルになっていて、ストーリーにも何気なく絡んでいるのが面白かった。見たことがない映画は見たくなったし、見たことがある映画もまた見たくなった。

  • 世界中を旅した、喫茶ナイトの年中着流しで若白髪長髪の仁太叔父さん。謎の男。
    商店街の悩みを聞いてくれる人。そしてまるーくおさめてくれる。

    最後の最後に、その謎が…。
    ささやか謎なんだろうなと、思ってたんだけどそうでもないんだなぁ。

    それにしても毎回、こんな商店街に行ってみたいな、って気持ちになります。

  • いろいろ繋がっていく。このシリーズの醍醐味だ。

  • 花咲小路商店街。4作目らしい。今回の舞台は商店街唯一の深夜営業店<喫茶ナイト>。喫茶店よりも 希少なビデオ、DVDの貸し出し、販売が飯のタネらしい。語るのはナイトの店主仁太の甥っ子望。訳あって会社を辞めナイトを手伝っている。ナイトは夜のナイトではなく騎士の方のナイトとのこと。商店街の人たちを守る役目なのか、夜ならではの相談所になっていて店主仁太が突拍子もない方法で相談事を解決して行く。

  • ★ご近所さんなんだ。できれば、信じていたいだろ? お互いにさ(p.151)
    ▶語り手は望。▶「喫茶ナイト」の仁太が商店街の「相談事」を解決していく。▶年上で元ホステスの女性に恋した青年。▶父の幽霊を待つ少女。▶仁太をときおり追いかけてる短大生は誰でなぜ。▶すべてを解決するために? 「喫茶ナイト」を模様替え。

    ▼花咲小路についての簡単なメモ(読んだ分を累積/一部分欠損あり/引用は校正してないのでミスあると思います)

    【あかさか】和食処あかさか。淳ちゃん刑事の祖父母である辰さんと梅さんは「商店街の仁義」と呼ばれている。閉店後の時間帯、ミケさんが店の前で弾き語りをやっている。
    【赤坂梅】→梅さん
    【赤坂淳/あかさか・じゅん】→淳ちゃん
    【赤坂辰】→辰さん
    【秋山隆昭】ラーメン屋「南龍」の息子で今の主人の隆美さんの兄。古いダットサンに乗っている。放蕩息子だったが今は陶芸をやってる。
    【飽きる】仁太《映画を見飽きるというのはストーリーしか追っていないからだ。ワンシーンワンシーンに詰められたすべてのものを観ていけば、何百回観たって新しい発見がある》ナイトp.81
    【あきら】→ミケさん
    【アモーレ】純喫茶。喫煙OK。親父クサイと評判の店。
    【亜弥さん】矢車亜弥。「聖人」の語り手。セイさんの娘。矢車英数塾をやってる。「聖人」時点で二十五歳。高校のときは「正義の味方」と呼ばれていたらしく、ちとお堅い。「花のにらやま」の双子とは同級生で仲がよかった。柾は亜弥に告白してフラれたらしい。
    【綾乃先生/あやのせんせい】松崎綾乃。榛学園(はしばがくえん)の名物教師。光枝さんいわく名物どころか学園の魂だと。すごく厳しくてすごく優しい。美術部の顧問をしていた。二十五歳から勤務し今年六十八歳で退職することになった。ずっと独身だった。《野に咲けど街に咲けど花は花。芽を出したその場で美しく咲き誇ることこそが花。花の散るときは死ぬとき。死ぬまであなた方は美しく咲き誇るのです。そう思って、生き続けるのです》花乃子さんp.190
    【杏】駿一が好きになった女性の娘。「ナイト」時点で八歳。

    【石田貴恵】ハイツ花咲の四号室に住んでいる三十五歳くらいの独身女性。工場の事務職。映画好き。
    【井筒めい】→めいちゃん
    【稲垣信哉】→信哉

    【ヴァーベナ】花乃子さんが花束のアレンジに入れたいと思いダンデライオンに赴いた。「魔女の薬草」という意味。ケルト民族が利用していたらしい。別名「錠前外し」、人の心の錠前を外してくれる。花言葉は「家族の和合」。花乃子さんがお節介でなにかしかけるつもりらしい。
    【海の将軍】三丁目にある像。制作者はマルイーズ・ブルメル。愛の守り神らしいので人前結婚式をおこなうことになって第一号が克己と亜弥。
    【梅さん】淳ちゃんの祖母。辰の妻。元花咲小路小町。今でも可愛らしい。が、にこにこしながらぐいぐい押しが強い。雰囲気としてはバンドワゴンのばあちゃん。「和食処あかさか」で今も元気に働いている。
    【恨み】《人間の感情の中でも相当に強いものなのよ。》《引き出したのなら、それはそのまま、引き出されたまま何かを引き起こしてしまうかもしれないでしょう?》花乃子さんp.228

    【映画】仁太は《マニアの域を超えた神にも近い存在》(ナイトp.43)だと自分で言う。映画で使われているものなどを突き詰めていけばこの世のあらゆるものに精通してしまう。登場人物の演技を見れば人相だけでどんな人物かわかってしまうとかいろいろあるらしい。
    【栄光の五人】約三十年ほど前、綾乃先生率いる榛学園美術部で数々の賞を獲得した五人。恩師の綾乃先生が退職するので感謝の会を開きたいからと大量の花を「にらやま」に予約してくれた。商店街では宝飯のおかみさんの光枝さんが卒業生らしく、生徒会長だった中野理恵さんは同級生で親友だったらしい。あとのメンバーは同級生の山ちゃん(山田萌子)、香代子ちゃん(西谷香代子)、二年後輩のぷーちゃん(唐沢ひふみ)と、一つ上の百代先輩(八田百代)。
    【円藤仁太】→仁太
    【円藤治樹/えんどう・はるき】仁太の父。望の祖父。辰さんとは親しい。ずっと市役所に勤務していた。堅物。季節の変わり目には風邪をひきやすい。

    【岡田大介】元三丁目の「岡そば」の息子で今はニューヨークで大学教授をしている。
    【岡村】会社経営者。「喫茶ナイト」の常連で古い映画好き。
    【オブザーバー】探偵の一種で日本では少ないが海外にはいるらしい。対象をじっくり観察したり見守ったりする。普通の探偵のように聞き込みなどはしない。ミケさんがどうやらこれらしい。

    【カーポート・ウィート】商店街唯一の駐車場。すばるちゃんが管理人(経営)をしている。
    【角倉】四丁目の花咲小路駐在所の警察官。名前はよく出てくる。
    【海斗/かいと】フランス家庭料理の「ラ・フランセ」の息子。めいちゃんと同じ年で「花乃子さん」時点では高校生で常に成績ナンバーワン。「すばるちゃん」時では大学生。ものに動じない鋼のハートを持つ。
    【一成】内田刃物の三代目。浩美さんの夫。
    【克己】三丁目、白銀皮革店の息子。一時グレてたが今は腕のいい職人。ルックスはいい。亜弥より四歳年下。亜弥に惚れていることを公言しているが幼馴染みのマイナス部分が出て年下の男の子にしか見てもらえない。セイさんの協力者。掃除好き。「すばるちゃん」時には三十前にして商店街の商店会会長。
    【花乃子さん】韮山花乃子。「花の店にらやま」をやってる女性。既婚ではあるが商店街一の美人と言われている。「花乃子さん」の時点で二十九歳。双子の弟の柾(まさき)と柊(ひいらぎ)は二十五歳でかなりのイケメン。車に乗るときは大音量のロックを鳴らし大声で歌う。花の注文をした人の気持ちがわかってしまう特技を持つ。ミケさんとは友人。

    【喫茶ナイト】→ナイト
    【桔平】一丁目の「バーバーひしおか」の一人息子なのに革製品の職人をやっておりずっと外国にいる。製品は白銀皮革店で扱っている。

    【グージョンの五つの翼】二丁目にある像。制作者は「ジョン・グージョン」。
    【クサイもの】ミケさん《なんだかんだ言ってね、そういうクサイものをきちんと、大切にしなきゃダメなのよ。》花乃子さんp.307
    【苦悩する戦士】別名「ピュウナドの剣闘士」、作者は「イプソズの息子アリトゥズのエンガシア」。花咲小路一丁目のど真ん中に突然現れた石像。商店街の福の神となった。

    【刑事の離婚率】淳ちゃんの課の離婚率は五割くらいあるらしい。
    【芸術】綾乃先生《美術、芸術という分野においては、才能こそが正義であると》花乃子さんp.283
    【ゲラン】紅茶。ミケさんちとセイさんちで同じ紅茶の香りをめいちゃんは感じた。
    【弦さん】名字は清水。高校を卒業したすばるちゃんと瑠夏にカレッジリングを作ってくれた。白髪で髭面。元はすばるちゃんの祖父と一緒に整備工や板金工をやっていたが工場がなくなってからは「GEN」という名義でアクセサリーを作っていろいろな店に卸している。わりと評判がよく海外からも注文がある。

    【小岩さん】すばるちゃんの駐車場にときどき車を停めに来る人。まるいち弁当のオーナー。
    【ゴースト ニューヨークの幻】映画。留依ちゃんのできごとのときたまたま観ていた。
    【こずえちゃん】内藤こずえ。すばるちゃんと同じ年。高校は違うが瑠夏の親友。浜崎浩輔さんの娘の佐奈のいちばんの友人でもあるらしい。めいちゃんとも親しい。映画好き。高校卒業後は美術系の専門学校に入学したらしい。「喫茶ナイト」でアルバイトしていたことがある。接客がとても上手だった。ミケさんと出会ってやりたいことを見つけたのだとか。
    【ゴンドさん】権藤隆文(ごんどう・たかふみ)。刑事課盗犯係の刑事。淳ちゃん刑事とは同じ署だが違う部署で主に窃盗を担当する。以前から和食処あかさかの常連。すごく古いトヨタのランドクルーザーに乗っている。使っている革の鞄もすごく古い。「喫茶ナイト」の仁太の高校の先輩だがこれは偶然でニューヨークにいたとき知り合ったらしい。日本語を含めて四か国語を流暢にあやつる。英語、フランス語、ドイツ語。離婚しており妻のもとに娘がいる。

    【才能】綾乃先生《どんな生徒でも生きる力としての才能を持っているのですよ。たとえば、他の人より明るいとか、笑顔が良いとか、ほんの些細なものであったとしても、それは苑子の才能なのですよ。それが、生きる力になるのです。ですから、何が出来ない、ではなくて、何が得意か、というのを見つけなさいといつも言っていたのです》花乃子さんp.282
    【サエさん】田沼質店の主人。瑠夏の祖母。
    【桜山】町外れにある山。天辺には「花の店にらやま」のお得意さんである観桜寺(かんおうじ)という寺がある。桜山公園という遊園地もある。桜の名所。
    【佐藤家】たちばな荘住人。建設会社勤務の俊之さんと・・・。
    【サミュエル・デラグシタン】印象派の、日本ではあまり知られていない画家。後期の作品「慕情」は名画で、突如現れた芸術作品たちの最初のひとつ。

    【幸せ】ミケさん《不幸だって悩める人は何て幸せなんだろうって思わない? 生きてるだけで。悩めるだけで》花乃子さんp.88
    【仕事】めいちゃん「どんな悩みが考え事があっても仕事は始まって、そして誰かが働かないと困る誰かがいるんだなって思って」花乃子さんp.108
    【柴田家】洋食屋「バークレー」を経営している。ご主人の隆志さんは淳ちゃん刑事の母の弟。娘は奈緒ちゃん。
    【渋沢ユイ】榛学園女子短期大学部の学生。存在自体がキレイな感じがする女性と望は思った。なぜか仁太を追っかけてる。実はゴンドさんの娘。
    【ジャーキー】国道沿いの小さなハンバーグレストラン。味は絶品。
    【淳ちゃん】「刑事」の主人公。よその町での交番勤務から刑事になって久しぶりに戻ってきた。奈緒の従兄。鼻がムズムズすると厄介なことが起きる。仁太いわく《自分は闇を照らす明かりである、という掟を本能的に持ってる男だ。》ナイトp.282
    【駿一】轟クリーニング店の一人息子。二十歳くらい。八歳年上の子連れの元ホステスに恋をした。
    【商売】《商売においてもっとも大事なのは〈人との縁〉。それを感じない商売人はいつかダメになるんだって。》花乃子さんp.132。花乃子さん《最後まで、譲れない一線まではとことん人を信じる。それが商売の基本ね》花乃子さんp.170
    【錠前外し】→ヴァーベナ
    【ショーヤ】たちばな荘に住んでいる小学六年生。「ナイト」時点では中学生。たぶん亜弥の塾に通っている。商店街の子どもたちのリーダー格。
    【白銀皮革店/しろがねひかくてん】三丁目。息子の克己はなんとか亜弥と結婚できた。
    【シンゴ】亜弥の塾の生徒。小学生。騒ぐときは騒ぎ、集中すべきときは集中できる子。南龍さんとこの真吾くんと同一人物か?
    【仁太さん】円藤仁太。「ナイト」時点でおそらく四十六歳。「喫茶ナイト」をやっていた商店街の名物男。主な収入源はVHSビデオの販売だった。四十代だが総白髪の長髪を後ろで束ねている。普段は着流しのようだ。放浪癖があった。唯一の特技は声の良さだと言う。ニューヨークで射撃の教官をしていてハシタンの射撃部の監督になった。卵かけご飯をとんでもなく美味しく作れる。カニは苦手。父親は円藤治樹(はるき)、母親は円藤圭子(けいこ)でともに七十三歳。セイさんのことが小さい頃から苦手。花乃子さんのことも苦手。
    【信哉/しんや】「花乃子さん」時点では観桜寺の若いお坊さん。花乃子さんの結婚相手となり大学の農学部で働くことになる。すばるちゃんの父さんの教え子。

    【鈴木美波/すずき・みなみ】→美波
    【ストック】花言葉は「永遠の美」「求愛」だが他に絶対に浮気しないという意味がある。
    【すばるちゃん】高校を卒業して花咲小路商店街唯一の駐車場、三丁目の「カーポート・ウィート」の管理人になる。小柄でかわいい顔立ち。ある意味商店街のみんなで育てた子ども。ゆえにとってもいい人。二センチの隙間で車を並べることができる超絶技巧の持ち主。駐車場は祖父の史郎が麦屋車体工場を潰してすばるちゃんのために作ってくれた。赤いシトロエンのバンが看板代わりでかつすばるちゃんの住居かつ、実は父親の魂が残っていてラジオを通じて話もできる。知っているのは瑠夏と弦さんだけ。瑠夏とは当然のように結婚するだろうと双方とも思っているようだ。
    【すばるちゃんの父】司という名前で生前は中学校の国語の先生。淳ちゃん刑事も教え子。今はすばるちゃんの住居にもなっている赤いシトロエンに魂だけが残りラジオを通じて会話ができる。「すばるちゃん」での探偵役かな。シトロエンはまだ車としても現役だが駐車場にはもう一台祖父の遺品でガンガン走る深緑色のミニクーパーも置いてあり営業時間中だったりするとそちらを使う。

    【セイさん】矢車聖人。英国人の老紳士。本名ドネィタス・ウィリアム・スティヴンソン。じつは伝説のシーフ「セイント」と思われる。かつ世界的なプロモデラー。作者は怪盗セイント(サイモン・テンプラー)を知ってるでしょうがわざわざ「セイント」という名前にしたのならその人なのでしょうか? 青少年育成相談会とやらの会長もやってる。
    【セント・エルモス・ファイアー】映画。辰さんが倒れたとき見舞いに行った仁太がプレイヤーにかけた。青春映画の傑作なんだとか。

    【葬式】葬儀での花の注文は難しいらしい。宗派とか方法とかによっていろいろ細かな違いが発生するのでめいちゃんではまだ注文を受けられない。

    【大学前書店】すばるちゃんがいつも本を買っている本屋。ご主人は鈴木吉尾さん。秋山隆昭さんの同級生。娘は美波となっちゃん。元は大学があったらしくそれでこの名前になった。近所の本屋はここだけ。
    【滝川正和/たきがわ・まさかず】「花の店にらやま」に注文に来た男性。発注書を見て花乃子さんの瞳にガーベラが咲いた。届ける相手は新島佐代子さん。
    【たちばな荘】和食処あかさかの裏手にある古くて素敵なアパート。しっかりした造り。洋館のようで両開きの玄関扉にはすりガラス、小さなホールのようにになっている壁にはステンドグラス。全部で八部屋。ミケさん、ショーヤくん、前田家、佐藤さん、服部美代子さん、西原さん、野崎栄美子(のざき・えみこ)さん、そして大家の蜂屋さんが暮らす。
    【辰さん】赤坂辰。「和食処あかさか」のあるじ。義理と人情の男。淳ちゃん刑事の祖父。
    【種田】八百平。
    【ダンデライオン】花屋さんの花屋さん。花の栽培や研究をしている農家。ご主人は千木庭《ちきば》さん。

    【千木庭さん/ちきばさん】ダンデライオンの経営者。
    【駐在所】四丁目。角倉さんがいる。

    【堂本望】→望さん
    【堂本真樹/どうもと・まき】望の母、仁太の姉。男勝りで元気で無敵らしい。
    【轟クリーニング店】一人息子の駿一くんがいる。おかみさんの邦子さんは映画好き。昼ご飯はいつも本玉にて。
    【轟駿一】→駿一
    【友達】花乃子さん「お互いに、お互いの信用をそれぞれに重ねていくことで関係は重くなっていくと思うんだ。でもね、それが積み重なっていくとあるときにふっとそれが消えちゃう。積もった雪が春になって解けるみたいに、軽くなる。そうするとね、とても良い関係が築けると思うんだ。一生の友達みたいに」花乃子さんp.240

    【ナイト】喫茶ナイト。「夜」ではなく「騎士」。一九五〇年に円藤譲治(えんどう・じょうじ)が開店してから六十三年。譲治の孫の仁太が受け継いで「ナイト」時点で十六年を経る。午後四時頃から店を開き商店街で唯一深夜営業をしている。メニューはあまり多くなかったが望が来て工夫するようになった。他に「夜中の相談事=人に聞かせられないような秘密の悩み」解決も営業品目のひとつなのだとか。初代は「商店街を護る騎士」という意味でこの名前にしたのかもしれない。映画のレンタルなんかもやってるらしい。今度ミケさんが経営することになった。
    【内藤家】矢車マンション二〇四号室の住人。母子家庭。母は亜紀子、娘はこずえ。入居して十五年。最初は三人家族だったが離婚して夫は出ていった。
    【内藤こずえ】→こずえちゃん
    【奈緒】一丁目のカレーハウス「バークレー」の可愛らしい看板娘。色白で巨乳。亜弥の五歳下で、同じ高校出身。北斗の彼女というウワサ。淳ちゃん刑事の従妹。おっとりした「不思議ちゃん」だが、記憶力抜群でスイッチが入ると口調も行動も豹変する。
    【なっちゃん】奈津埜(なつの)。大学前書店の次女。美波の妹。小学六年生。ショーヤくんと仲がいい。
    【奈津埜/なつの】→なっちゃん
    【撫子】花言葉は「思慕」「一途な愛」。
    【名取靴店】一丁目。息子は弘樹。
    【南龍】醤油ラーメンの美味しいラーメン屋さん。創業六十年くらい。今は二代目の隆美さんと奥さんの雅子さんが店をやっていて中学生の真吾くんや小学生で双子の萌絵ちゃんと佳恵ちゃんが手伝うこともある。

    【西原家】たちばな荘で夫婦で暮らす。ご主人はは和彦さん、奥さんは詠美さん。
    【二宮一家】フランス料理店「ラ・フランセ」をやってる。主人は康敏(やすとし)。その妻は江見(えみ)。娘は美海(よしみ)。息子は海斗(かいと)。
    【韮山家】朝はパン食。→花のにらやま、花乃子さん、柾、柊。めいちゃん。

    【猫】たちばな荘の屋根が猫の通り道になっているのでミケさんの部屋にはよく猫が立ち寄る。ノラも半ノラも。

    【野崎栄美子/のざき・えみこ】たちばな荘住人。大学職員。
    【望さん】「和食処あかさか」の辰さんが働けなくなったので望さんが引き継ぐことになった。「喫茶ナイト」をやっていた仁太の甥(姉の息子)。開店した円藤譲治は曾祖父。ゲイ。建設会社不動産部門の営業マンだったこともある。

    【バークレー】花咲小路の洋食屋。柴田さんちが営んでいる。和食処あかさかの向かいにある。今はほとんどカレー屋になっている。
    【ハイツ花咲】独り暮らし向けのアパート。四号室に石田貴恵さん。
    【化ける】仁太《覚えとけ。女は化粧で化けるが、男は服で化けるんだ》ナイトp.35
    【ハシタン】榛学園女子短期大学部の略称。
    【榛学園/はしばがくえん】町で一番古い中高一貫の私立のお嬢様学校。制服はクラシックな感じのセーラー服。商店街では宝飯のおかみさんである光枝さんが卒業生らしい。恩師の綾乃先生が退職するので感謝の会を開きたいからと大量の花を「にらやま」に予約してくれた。花乃子さんは特殊能力で何かあると思った。
    【蜂屋】たちばな荘の大家。
    【服部美代子】たちばな荘住人。スーパーでバイト。
    【花】花乃子《人の物語のあるところに、花は、必ず一緒にそこに咲いていたの。》花乃子さんp.49
    【花売り娘】売れ残りそうな切り花を抱えてめいちゃんが商店街を回り一本十円とか安価に買ってもらう。もちろん原価割れしているけど捨てるよりマシだし宣伝にもなる。めいちゃんも楽しい。
    【花言葉】ミケさん《花言葉の魔法はすぐに解けてしまう。》花乃子さんp.105。めいちゃんの誕生日は六月十八日で誕生花は「木立百里香(きだちひゃくりこう)」別名「木立麝香草」別名「タイム」で花言葉は「勇気」。花乃子さんは三月十七日生まれで誕生花は「豆の花」、花言葉は「必ず来る幸福」。柊と柾の誕生日は十一月三十日で誕生花は「枯れ草」で花言葉は「新春を待つ」。姉弟は花言葉についての話題を避けている。ミケさんは二月十四日(仮)でかみつれ(カモミール)で花言葉は逆境に負けぬ強さ。
    【花咲小路 一丁目】苦悩する戦士、別名ピュウナドの剣闘士像がある。刑事の淳ちゃんが暮らす「和食処あかさか」、カレーハウス「バークレー」、「名取靴店」などがある。
    【花咲小路 二丁目】グージョンの五つの翼の像がある。花乃子さんがいる「花の店にらやま」、向かい側は「松宮電子堂」、隣には美味しいたい焼きの「波平」、斜め向かいには中華料理の「宝飯/ほうはん」、フランス料理の「ラ・フランセ」などがある。
    【花咲小路 三丁目】海の将軍像がある。商店街唯一の駐車場「カーポート・ウィート」、「白銀皮革店」、「喫茶ナイト」、八百屋の「八百平」、うどん屋の「本玉」などがある。
    【花咲小路 四丁目】アーケードは火事かなにかでなくなっている。矢車マンション、駐在所、万屋洋装店などがある。
    【花咲小路商店街】舞台。少しずつ衰退していってる、よくある商店街。実はすべてセイさんち=矢車家の私道。
    【花咲小路商店街の解決人】セイさん、淳ちゃん刑事、ミケさん、花乃子さん、仁太さんなど。めいちゃんや望さんなんかも素質あり。
    【花咲小路商店街美女三人娘】「花の店にらやま」の花乃子さん、「バークレー」の奈緒ちゃん、「ミュージック国元」の美代ちゃん。花乃子さんは結婚したので名誉看板娘となり代わりは同じ「花の店にらやま」のめいちゃんが候補らしい。
    【花の店にらやま】二丁目の三丁目寄りの角にある。花乃子さん、柾、柊、めいちゃんがいる。元は小児科医で西洋館風の建物だったものを花乃子さんたちの父が買い取った。二階と三階には小さな部屋が三部屋すつある。三階には花乃子さんとめいちゃんの、二階には柾と柊の部屋がある。三階の一室は花乃子さんが趣味で育てている珍しい花の温室になっている。屋根の一部がガラス張りで星を眺めるのにもちょうどいい感じ。店の車はフォルクスワーゲンのクラシックカーで緑色の小さいバスみたいなタイプ。他に黄色の三輪スクーターもある。
    【浜崎浩輔/はまさき・こうすけ】仁太の知人。公務員。かつては映画配給会社にいた。娘の佐奈(さな)は高校生。その友人に追いかけられているらしい。

    【柊/ひいらぎ】花乃子さんの弟。一人称は「僕」。二十五歳でイケメン。くるくるの天然パーマで大人しくて接客もあまりしない。双子の柾がいる。手先が器用で店内の備品やフラワーベースもすべて柊が手作りしている。書道四段。
    【日高くん】駿一くんの友人。
    【人伝】仁太《人伝に聞いた話はただのデータだ。》ナイトp.34
    【秘密】仁太が望に《秘密は男の魅力になるぞ。お前もたくさん増やしとけ。》ナイトp.79
    【弘樹】名取靴店の息子。からだが大きい。淳ちゃんの中学剣道部の先輩で五段。独身の頃の花乃子さんのことが好きだった。小学校から高校まで同じだった。
    【浩美】内田刃物の奥さん。猫好きで猫地図を作っている。

    【ヘリオトロープ】花言葉は「愛よ永遠なれ」。

    【宝飯/ほうはん】「花のにらやま」の斜め向かいにあるクマの看板がある美味しい中華料理店。おかみさんは光枝さん。
    【北斗】松宮電子堂の息子。かつて柊くんに輪をかけた引きこもりだった。ハッカースキルあり。克己とともにセイさんの協力者。
    【菩提樹】花言葉は「夫婦愛」。花乃子《大きなものは、それだけで大きな力を持つの。》花乃子さんp.102
    【本条美和子】すばるちゃんの同級生。とあるサラリーマン風の男が運転してきた古いクラウンのトランクに入っていた。大人しくて控えめで優等生だった。はず。
    【本玉/ほんたま】うどん屋。二丁目と三丁目の境の角にある。通りをはさんだ隣は「花の店にらやま」。

    【前田家】母の美登里、娘は留依。美登里の夫の憲仁(のりひと)は交通事故で亡くなっている。たちばな荘住人。
    【柾/まさき】花乃子さんの弟。二十五歳でイケメン。一人称は「俺」。双子の柊がいる。
    【政田】ラーメン政。味噌ラーメンがメイン。
    【松崎綾乃/まつざき・あやの】→綾乃先生
    【まるいち弁当】美味しい弁当屋さん。商店街の店ではないがカーポートウィートからは道路をはさんだ向かいで最近準加盟した。薄いピンク色の看板が目印。小岩さんがやっている店。
    【マルバノホロシ】花言葉は「騙されない」。
    【マロンちゃん】橋本さんちのネコ。近頃よその家で食事してるみたい。

    【三恵子】淳ちゃんの母。
    【ミケさん】三家あきら(みつや・あきら)。一丁目の和食処あかさかの前でギターの弾き語りしてるストリートミュージシャン。美女っぽい。非常勤で専門学校で美術を教えているらしい。どことなく謎の人でもある。「一丁目の刑事」のキーになるか? どうやら裏の仕事は「オブザーバー」らしい。淳と結婚したのち「喫茶ナイト」をやることになっている。花乃子さんとは友人。「花乃子さん」時点でたぶん二十五歳。孤児で施設にやって来たひの二月十四日を誕生日とした。仁太いわく《闇の中にも溶け込み光の中でも輝ける自由自在な存在であるという掟を持ってる。》ナイトp.282
    【道】セイさん《正直なところ人の進む道など他人が示せるものでもない。》花乃子さんp.263
    【光枝さん/みつえ】宝飯のおかみさん。四十八歳。意外なことにお嬢様学校の榛学園出身。
    【美登里】前田美登里。留依の母。背が高い。外川銀座で働いている。
    【三峰里奈子/みつみね・りなこ】駿一くんが好きになった女性。八歳年上の二十九歳。近くのお弁当屋さんで働いている。元ホステス。娘は杏ちゃん八歳。
    【三家あきら/みつや・あきら】→ミケさん
    【美波/みなみ】鈴木美波。大学前書店の娘。なっちゃんの姉。
    【ミュージック国元】一丁目のCD、DVD、楽器の店。一人娘は美代。
    【美代】国元美代。一丁目の「ミュージック国元」の一人娘。望と小学校の同級生。

    【めいちゃん】井筒めい。花乃子の従妹で「花の店にらやま」で働く。誕生日は六月十八日。「花乃子さん」開始時点であと一か月で十七歳。誕生花は木立百里香(きだちひゃくりこう)ないしは木立麝香草、タイムのこと。花言葉は勇気。書道二段。元テニス部。《たぶん、たぶんだけど、わたしは町の中に住むより田舎に住んだ方が気持ち良いタイプの人間なんだと思う。》花乃子さんp.60。両親の結婚記念日は十月三十一日。
    【巡矢/めぐりや】仁太の友人。ニューヨーク在住。コンピュータに強い。

    【森川家】たちばな荘住人。お父さんの森川さんとお母さんの歩(あゆむ)さんと息子の翔也(ショーヤ)くん。

    【八百平】三丁目。品揃えがいい。ご主人は種田さん。
    【矢車亜弥】→亜弥
    【矢車英数塾】亜弥のやっている塾。矢車マンションの一階にある。
    【矢車志津】亜弥の母。亡くなっている。幽霊でそこらへんにいるかもね?
    【矢車聖人】→セイさん
    【矢車マンション】四丁目。セイさんがオーナーのようで最上階で暮らしている。亜弥さんと白銀克己さんは結婚後もこのマンションで暮らすことになったらしい。一階には亜弥さんの矢車英数塾がある。二階に内藤こずえちゃんの内藤家。

    【勇人】ラーメン政の息子。小学五年生。

    【美海/よしみ】フランス料理の「ラ・フランセ」主人二宮の娘。「花乃子さん」時点で二十一歳。「花のにらやま」の柊のことが好き。
    【万屋洋装店】四丁目にあるテーラーメイド専門の店。お祖父さんの伸一さんは辰じいちゃんの竹馬の友。娘のあゆみさんは淳ちゃんの剣道部の後輩(五歳下なのでほとんど面識はない)。セイさん一家とも仲がいい。

    【ラ・フランセ】二宮さん一家の店。庶民的なフランス料理店。商店街ナンバーワンの売り上げを誇る。
    【LOVE】めいちゃん《誰かが言ってたような気がするけど、そういうのを治せるのは、きっと愛だよね。LOVEだよね。》花乃子さんp.178。誰でしょね。

    【留依/るい】前田留依。十歳前後。外川銀座で働いている母とともにたちばな荘に住んでいる。
    【瑠夏】すばるちゃんといっしょに高校を卒業して田沼質店を継ぐ。仲がよくずっといっしょにいるのでこれからもいっしょにいるんだろうなとたぶん二人とも思ってる。

    【レオン】映画。渋沢ユイと仁太のかかわりを望が聞いたときに仁太がプレイヤーに入れた。

    【ローマの休日】轟クリーニング店のおかみさん、邦子さんの思い出の映画。
    【ローリング・ストーンズ】花乃子さんが車の中でかけていた。めいちゃんによると《なんか、すっごいベテランのおじいさんたちのバンドだよね。》花乃子さんp.41

    【和食処あかさか】→あかさか

  • 花咲小路商店街を守る人々がどんどんつながっていく。それぞれがみんなのことを考えあって、幸せになっていることが明かされていく。

  • シリーズ物とは知らなかった。基本、悪い人はひとりも出てこない。ファンタジー。

  • シリーズ第4弾。今作の主人公は、花咲小路商店街で唯一深夜営業しているお店「喫茶ナイト」に住み込んでいる叔父の仁太と甥の望。「喫茶」とは言いながら、主たる営業品目は、ビデオレンタルと悩み相談。で、持ち込まれた相談事を仁太が解決していくのだけど、この人何でもお見通し^^。今作は、店の雰囲気、映画、バーボンなどアメリカンテイストが漂う。うどん好きとしては、前作で表紙に描かれていながらも本編に登場しなかったうどん屋が今回出てきてたのが嬉しかった^^。

  • シリーズ4作目

    夜中に開く喫茶ナイト。
    悩み事を聞いてくれる。
    解決までしてくれる。
    1人の女の子をアパートの皆んなで暖かく見守っている話はとても良かった。

    私も喫茶ナイト行ってみたいな。

    このシリーズは、一旦区切りなのかな。
    美男美女が多い不思議な商店街でした。

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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