かがみの孤城

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著者 : 辻村深月
  • ポプラ社 (2017年5月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (554ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591153321

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かがみの孤城の感想・レビュー・書評

  • 長尺でしたがほぼ一気読みでした。
    謎解き要素もあり、ものがたりとしては楽しんだのですが。
    それぞれの事情。今の自分の立場だと子どもがこういう事に巻き込まれないで欲しいと思う。どこに行ってもこういう人はいるのだろうけど。言葉が通じない人。そういう時にどうやって寄り添えるのだろうなどとつらつら考えてしまう。

  •  突然光り出す自室の鏡、手を触れれば彼らの集う「孤城」へ行ける――。学校へ通えなくなってしまった中学1年生・安西こころは、鏡の中の城で自分と同じように集められた同世代の中学生たちと出会う。城にいるのは自分を含めた7人の「不登校」の男女、そして彼らをいざなった「オオカミさま」と呼ばれる少女。
    「お前たちには今日から3月まで、この城の中で〝願いの部屋″に入る鍵探しをしてもらう。」
     城にいれるのは9時から17時まで。願いを叶えられるのは一人だけ。
     居場所を持たない7人の中学生による鍵探し。それぞれが見えない何かを背負っていると感じながらも、けん制し合い、すれ違い、ぶつかり合う。そしていつしか「鏡の孤城」が彼らの居場所となった時、終わりが訪れ、彼らの心の傷と共に全ての謎が明かされる…。
     直木賞受賞作家・辻村深月による、2004年出版のデビュー作『冷たい校舎の時は止まる』への原点回帰を思わせる珠玉の密室青春ミステリー。

     間違いなく2017年最高の一冊。550ページを一気読み、中だるみなく、飽きることなく、最後まで読むことをやめられない。この世界観から、登場人物たちから、目が離せなくなってしまった。
     辻村さんは思春期特有の不安や脆さを描くのが本当にうまい。自分でもわけがわからず負の感情を膨張させ、少しの未来に爪の先ほどの希望も見いだせず悲観し、そして心の片隅には「助け欲しい」という言葉すら吞み込んで蹲る自分がいる…。『冷たい校舎』の時もそうだったが、読んでいる時私の中に常にあるイメージは「斜陽」だ。山の端や都会のビルの陰、または水平線に沈もうとする夕陽。空がトーンを落とす一方で茜色は強さを増していく。そのコントラストは見る者の心に如何ともし難い切なさを思い起こさせ、胸をギュッと締め付ける。掻き立てられるような形容しがたい哀切の一方で、そんな世界に溶けゆく自分に酔う。そんな思春期独特の雰囲気を、辻村さんは本当に丁寧に描き切る。
     最近は女性心理や家族をテーマに書いていた印象だったが、本作は『冷たい校舎』を思わせる青春ミステリーである。そのことが本当に嬉しい。登場人物のキャラ立ちが本当に巧みで、いつまでもこの世界に浸っていたいと思わせる筆力は健在だった。むしろ『冷たい校舎』は冬と雪と校舎の世界観を描き出すことに力を注ぎ多少難しい表現が見られることもあったが(そこも好きだったが…)、本作は全体的に柔らかい描写が多い印象で、小中学生でもすんなりと読めるようになっている。そこにも辻村さんの作家として歩んできた道が見えるような気がして、ファンとしては思わず綻んでしまう。
     辻村さんの描く世界を「斜陽」と前述したが、落ちる夕陽と思春期にはひとつだけ違いがある。それは、夕暮れを見る者はその時間がそのうち必ず終わることを知っているが、思春期を過ごす本人はその哀切や絶望が永遠のものだと思っているということだ。それがそのうち必ず終わるものだということを知っているのは、思春期を過ごしてきた全ての大人たちである。今の苦しみを永遠の苦しみのように感じて学校へ行けないすべての子どもたちへ、本作は強いメッセージを送る。

    「大丈夫。大丈夫だから、大人になって。」

     夕陽は必ず沈む。そして明るい朝が必ずやってくる。悲しい茜色に染まった思春期を今過ごしている全ての子どもたちに、そしてコントラストの弱まった現実に疲れ茜色の美しさを思い出したい全ての大人たちに、本書を強く薦めたい。
     私達は皆、かがみの孤城で過ごした過去が本当はあるのかもしれない。ただ、忘れてしまっているだけで――。私を支えてくれているあの人は、あの時の仲間の一人なのかもしれない。

  • 学校で嫌な目に遭い学校へ行けなくなった、こころ。
    ある日自分の部屋の鏡が虹色に光り、こころは鏡の中へ入ってしまう。
    そこにいたのは、狼面の少女と自分と同じ、何らかの理由で学校へ行けていない中学生6人。
    狼面の少女は言う。この「鏡の城」には鍵が隠されている。それを見つけ、願いの部屋を開けることができた者の願いを叶えてやる、と。

    カバーデザインに惹かれて読んでみたが、一気読みしてしまった。心理描写が丁寧で、この気持ちわかる、と思う部分がたくさんあった。
    中学生くらいまではどうしても「学校」と「家」だけが世界の全てになってしまい、その中の常識に縛られてしまうが、価値観の違う人たちに出会って、「学校」と「家」から世界を広げられた経験は大きな価値があると思う。

    ラストの続きも気になる。

  • 一括りにされがちな『不登校』の子供達には、それぞれに学校に行けない理由があって、傷がある。そんな子供達に寄り添ってメッセージを送っているかのようなお話でした。物語の構造は『冷たい校舎の時は止まる』みたいな感じで、色々な仕掛けがあって、異世界のお城に集められた子供達は〇〇じゃないのかな?というところまでは気付いた。でも、オオカミ様の正体やら二重、三重に仕掛けがあって、エピローグでは「あ~そうだったのか」と、でも騙されて悔しいじゃなく、胸が温かくなるような終わり方でした。

  • この人は人間のヒリヒリした気持ちを書くのがとても上手いと思う。上手すぎるせいで、大人になった女性が主人公だと逆に読む気がせず、最近は離れていたのだが、新刊は中学生の女子が主人公だと知って買ってしまった。

    学校に行けない子どもたちが、謎の「オオカミさま」に集められて、一緒に過ごす。鏡の国のアリスのように、鏡を通って現実とお城を行き来する。最初はみんなぎこちないけれど、だんだんとお城が彼らにとっての居場所になっていく。

    自分の若い頃にも鏡が光ってくれれば良かったのに。昔から人生には逃げ出したいことばかりだ。いまも、逃げ出したくてたまらない。

    大人側から見た押し売りかも知れないけど、主人公のこころちゃんと同じように悩んでいる子がいるなら、是非読んでみてほしいなと思う一冊だった。

  • 友人からのプレゼント
    サイン本だよ!
    好きだなあ 辻村深月さん
    装丁もすてき カバーをめくってもすてき
    題名からパラレルワールドかなあって思っていたけれど こんな仕掛けがあるとは!
    さすがです
    ラストがなんともいい
    単なる種明かしではなくてあったかい

    ≪ お城には 七つの孤独 重なって ≫

  • 一気読みしてしまった!!
    不登校になってしまった子が鏡の中の世界へ…ベタな展開やけど、不登校になった原因に対して、立場の違いからの見方の違いとか、思春期の気持ちと親の気持ちとかが、分かり易く描かれてました。
    先が気になってしょうがなくて1日で読み切ってしまったw
    大好きな辻村さんの本やし、もっと時間をかけて大事に読みたかったんやけど…面白すぎました⭐︎
    最後までドキドキワクワクの楽しい時間を過ごせました( ´艸`)

  • 辻村さんの原点回帰とも言われ、評価が高いこの作品、さすがです!

    それぞれの事情を抱えた中学生たちの生きづらさが痛すぎます。
    確かにあの頃って、学校が世界の全てみたいなところがあって、そこで居場所をなくすと、行き場がない。。

    違うんだよ、たかが学校!
    居場所は他にもあるんだよ!
    闘わなくていいんだよ!
    と、教えてあげたい。
    そんな、辻村さんの温かい眼差しが感じられる物語でした。
    暖かい春の陽射しが感じられるようなラストは、思わず微笑みがこぼれました←ラシクナイ

    作者インタビューで、中学生の自分に自分の作品を1つだけ渡すとしたら、この作品だと答えたように、かなりの自信作のようです。

  • 読み進めていくと、こうなんじゃないかなと展開が読めたんだけれど、最後まで読んで素晴らしさを感じた。主人公こころの心情がよく描かれて深く読ませる文章。中学生のお話でファンタジーの部分があるけれど、親だけのくくりでなく大人でも子供でも読める。
    そんなの服装とかどうなのよ、不思議と感じたことでわかるんでないかいとかも思ったけれど、予想以上の読み応えでした。
    辻村さんの作品では、今のところ『東京會舘と私』の次かな。

  • 請求記号:913.6/Tsu
    資料ID:50087359
    配架場所:図書館1階東館 め・く~る

  • 表紙にひかれて。

    学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――
    9時~17時の間は好きなだけこちらの世界にいられる。それを過ぎてしまうと狼に食われてしまうよ・・・・。

    一年後の3/30までに鍵を見つけた人が願いを叶えられる。一人ずつ部屋も与えられているし、ゲームもできる。周りに集まるのは同じ境遇の同年代の子供ばかり。現実から逃げてくるにはこの上ない場所だ。大人用はないのだろうか。

    ラストどうなるの?どうするの?真相は?と久しぶりに寝る間を惜しんで読み進めた。厚いけど中学生の会話が中心なので全然苦にならない。
    真相については、服装でわからなかったか?話し言葉とか会話の中でおかしいな?と思わなかったか?と突っ込みたくなる箇所もあるけど、それを抜きにして楽しめる作品。
    いろいろあるよね、中学生時代・・・・。
    表紙カバーを外しても、かわいいぞ!!

  • 中学校に行けなくなってしまった主人公の安西こころ。鏡の誘いで城に集まった7人の子供達。
    最初は中学生の「学校にいけない」心情が丁寧に描かれています。共感できる箇所も多いです。

    物語は、学期が進むにつれて核心に迫ってきます。
    最初の章割りでもわかるとおり、山場は3月です。
    今まで、いろいろちりばめられていたヒントがうまく解決できていると思いました。

    人が生きるというのはこういう事なのだ。というヒントや生きる力をもらえる本でもあります。

    様々な理由で学校に行けなくなる。それを共感したり、理解したりするにもこの本は役に立ちます。

    全ての中学生とその親に特におすすめの一冊です。

  • 辻村深月にハズレなし!

  • (/ー ̄;)シクシク
    最後のほうは
    めちゃめちゃ泣けた~
    こんな終わり方を
    待って行ったんだって

    最初は物語と本が重くて
    読み進めるペースが
    遅かったけどね

    久々にちょっと不思議な物語
    生きていれば良いこともあるよね
    って感じた

  • 部屋に閉じこもっていたこころの目の前で、
    鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先の
    世界には、似た境遇の7人が。秘めた願いを
    叶えるため、7人は城で隠された鍵を探す。

  • 学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた。読み始めると、止まらずに最後まで読んでしまいます。涙なしには読めません。

  • 伏線が多すぎて、先がかなり前から読めてしまったのは残念だった。

  • 久しぶりに文句なしの星5つ。
    めちゃくちゃ良かったです!
    5月から始まり、月ごとに章が変わり、翌年の3月で終わる本書。
    とにかくラストが怒涛で、3月のインパクトがすごい。
    エピローグもまたすごく良くて…
    ページをめくる手が止まらないとはこうゆうことかと思いました。
    トリックは途中で読めたけど、"オオカミさま"と喜多嶋先生の正体には驚きと感動。
    読後感と余韻が最高です。
    全貌が分かったところで、もう一回読み返したい。

  • 購入日:2017/6/12
    購入者:kdm

  • ある事が原因で学校に行けなくなったこころ。それは行かないのではなく、行けないのだ。母親とは気まずくなり、人目が気になり外にも出られなくなる。こころの居場所はどんどんなくなっていった。
    そんなある日部屋の鏡が光り、こころは中に吸い込まれていく。鏡の中には城があり、オオカミさまがこころを迎えてくれた。そこには、こころの他に6人の中学生がいた。共通点はみんな学校に行けていない事とそれと…。

    それぞれ色々な事情があって辛い思いをしている子供たちがいる。「あなたを、助けたい」帯の言葉が胸に響く。

    どうして鏡のお城ができたのかがわかった時涙が出た。全てが綺麗に繋がり読み終わった時には色んな想いが込み上げてきて胸がいっぱいに。
    あの子たちはこれからを空想する。もちろん幸せな未来を空想をする。

    悩んでいる人たちにも読んでもらいたい。我が子にはたくさんの選択肢があるということを伝えてほしい。自分が今どうしたいのか、それを聞いてあげる事が何より大事。選ぶ事は逃げではない。

    こころのウジウジが私に似ていてわかる、わかる〜と何度も思った。親の立場としてはお母さんの気持ちもよくわかって苦しい時もあった。

  • この本に出会えてよかったと、本当に思いました。
    序盤で、「これは、いじめの話なのか」と
    思って読んでいた自分を殴りたいです。
    これは、「生きる」ための物語でした。
    後半の流れは読んでいてとても鳥肌がたちました。
    "オオカミ様"のこともそうだし、城のメンバーのことも
    知れば知るほど好きになりました。
    生きてれば、きっとなにかに出会えるし
    なにかを見つけることが出来るんだ。
    誰かに誇るような
    何か特別な「才能」がなくてもいい、
    誰かに急かされて
    「生きること」を焦る必要なんてない、
    だってこれは、「君」の人生なんだから_
    そう思えるような素敵なおはなしでした。
    私は辻村さんのオーダーメイド殺人クラブも読んだことがあるのですが、いじめの描写が上手いというか
    そういう心象とか心の情景とか感情とかがとても
    リアリティがあって辻村さんは、もしかしたらそういう
    体験をしたことがあるのかなと思います。
    単なる私の勝手な想像なのですが…
    学生の方にぜひとも読んでいただきたいお話です!



  • 早く続きが読みたくて仕事も手につきませんでした(笑)
    謎が解かれて行くたび何度ページを戻って確認したことか。
    最後はえ、そうだったのっ?!と驚きの連続で、もう一度最初から読み返しても楽しく読める本かと思います。

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かがみの孤城の作品紹介

不登校の少女が鏡の向こうの世界で出会ったのは――生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。

あなたを、助けたい。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――
なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。

かがみの孤城のKindle版

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