かがみの孤城

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著者 : 辻村深月
  • ポプラ社 (2017年5月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (554ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591153321

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かがみの孤城の感想・レビュー・書評

  • アキ、そう来たか。既に出会っていたとは。
    政宗とスバル、フウカとウレシノの番外編も読みたいな。

  •  中学入学早々、クラスの女子のいじめに遭い引きこもってしまったこころは、母親にも心の内を話せないでいた。
     ある日、自室の鏡が光るのを不思議に思い手を伸ばしてみたら、こころの体は鏡の中の不思議な空間に吸い込まれてしまった。

     気がつくと目の前には、狼のお面をつけた女の子がいて、こころが城に招待されたのだと言った。
     怖くなったこころは逃げ出したが、翌日も光った鏡に好奇心がわき、おそるおそる入ってみた。

     そこにはこころと同じぐらいの年齢の男女6人が、狼のお面をつけた少女とともに、こころのことを待っていた。少女が言うには、願いが叶う部屋の鍵を城の中から探し出せば、探し出した人の願いを1つだけ叶えてくれるのだそうだ。
     
     集められたメンバーは、どうやら皆学校に行っていないようだったが、誰もお互いのことを詳しく話そうとはしなかった。
     こころは両親が出かけている間に、この城に行くようになり、少しずつ皆と交流し、居心地の良さを感じ始めていた。

  • 「一気読み必至!」ってタイトルでしたが、前半の7人の学校に行けない中学生の話あたりが、なかなかのめり込めずに苦しんでいましたが、中盤から後半にかけては本当に一気読みでした。7人の居場所を失った中学生が、鏡の中の世界で出会う不思議な城、そこに住む狼顔の少女「オオカミさま」。最後にその少女の正体と、現実の世界を知るところで最高潮に達するいい本でした。

  • それぞれの理由で学校に通えない中学生7人が、鏡の中のお城に集められ、何でも一つだけ願いが叶うという鍵を探す。

    現実離れしたファンタジーな設定の中に、イジメや家庭環境、同級生や親との関係に悩む思春期の少年少女のリアルな現実が描かれる。
    私が中学生だった頃と比べると、色んな事が複雑になり、本当に生きづらいだろうなと思う今の子どもたち。
    子どもでも大人でも、頑張ることに疲れてしまうことはあると思う。そんな時「闘わなくていいよ」という言葉に救われる人も多いはず。

    色々と辻村さんらしい仕掛けがあり、細かい伏線を回収しつつ、終盤の畳み掛ける展開はいつもながらお見事。
    個人的には初期の作品のほうが好きなので、『冷たい校舎〜』や『名前探しの放課後』を彷彿とさせるこの作品は、どストライク。

  • 不登校の中学生たちが招待された鏡の中の城。
    現実となじめない彼らは、城の中でおそるおそる友情を築いていく。
    やがて7人すべてが同じ中学の生徒だということがわかり、お互い助け合えば登校してそれぞれの問題に立ち向かえるのでは?という期待が芽生えるが、現実世界での彼らはそれぞれ違う時代に生きていた。
    そして城が閉鎖される前日、彼らのうちの一人が禁忌を犯し、鏡は割れて狼がやってくる…

    時間枠のトリックはすぐにネタバレするが、それでもリーダビリティにあふれている小説。

  • 少しミステリ要素もあるファンタジー。ファンタジーではあるけれど、読み心地はそれほど甘くありません。傷ついた登場人物たち、謎めいた異空間。つらい現実と、それに立ち向かうための勇気。辻村さんの初期作品の味わいがまた復活したなあ、という印象。
    それぞれの理由で学校に行けない子供たちが集められた「鏡の城」。そこに隠された「願いの鍵」を見つければ願いが叶う、という夢物語だけれど。そのことよりも、集まった子供たちの友情と連帯感のほうが得難いとても大切なもので。あたたかな気持ちになれて、少し切ない物語でした。たとえ覚えていなくても、きちんと繋がってるんだなあ、ってのにも感動。
    ミステリ的なあの要素には案外気づいたけれど。「オオカミさま」の正体と城が生まれた理由までは読めなかったなあ。「フェイク」にも騙されました。

  • 相変わらず途中の展開の持って行き方や最後の伏線回収が素晴らしかった。
    今回はそれぞれの理由で学校に行けなくなった子達の物語で、私は不登校になったことはないけれど、どこか“普通”とのズレを感じながら生きてきたので、すごく共感できた。
    社会人になれば世界はもっと広くて、それこそたかが学校にこだわる必要はないということが分かるけれど、学生の頃の世界はもっと狭くて、学校が唯一の世界であり社会であると錯覚してしまう子が多いのが現実だろう。
    だからこそ、理不尽に対して戦わずに逃げてもいいのだというメッセージに救われる子は多いだろうし、この物語に登場するようなそれぞれの理由で学校に行けていない子達に読んでほしい物語である。

  • 辻村さんの書く中学生の子たちが出てくるお話が本当に好きだと改めて実感しました。

    毎日学校に通う「普通のこと」ができなくて、つらくて苦しくてわかってもらえなくて、何も出来なくて。でも、作中の台詞にもある通り、確かに闘っている毎日なんだと…私は不登校になったこともひどいいじめにあったこともないけれど、こころと同じ中学生だった当時を思い出しました。

    辻村さんは本当に、思春期のあの何もかもうまく行かなくて息苦しくて…っていう時期に寄り添ってくれるような登場人物や物語を書くのが本当にうまいですよね。

    時代が違うことには割と最初の段階で気づきましたが、それでも仕掛けが畳み掛けるかのように用意されてるクライマックス。
    そして、何度が登場したこころのモノローグが現実になるラスト…に加えて先生の正体…わかっていても、ページの分厚さ分だけ登場人物に感情移入していたのかぼろぼろ泣けてしょうがなかったです。
    ああ、冷たい校舎や、ぼくのメジャースプーン、名前探しの放課後の頃と一緒だという思いと、そこからいろんな物語を書いてきていい方向に変わり続ける辻村さんにまた出会えた気がして、これからも応援し続けたい作家さんだなと思いました。

  • お城に集められた学校に行けなくなった子どもたち7人。
    狼の仮面をつけた少女。
    願いが叶う鍵を探す。
    期限は3月30日まで。

    設定は途中で気づいたけど、他の細かいところは全然分からなかった…
    最後は涙して読んだ。
    途中説明が長くて、読みづらさと不自然な感じがしたけど、でもやっぱり辻村深月はいい!
    他の作品の方が好きだけど、これも面白かった。

  • 読んでいてなんとなく先生のメフィスト賞受賞作「冷たい~」を思い出しました。
    やはりこの手のSF(すこし不思議)小説を書かせると上手い人だなぁと感心してしまいます。

    ただ残念な点がひとつ。
    喜多嶋先生に誰かの面影を見たという文章を読んだ時点で明らかに「生きている時代が違う7人」ではないかということが想像できてしまう.....
    (この文章をもう少しぼかすことができればその後の展開が楽しめたんですが....)

    わくわく、時には涙しながら一気読みしてしまったので十分楽しませていただけたのですが、やはり個人的には初期の「スロウハイツ」「凍りの」「メジャースプーン」にはちょっと及ばなかった感じでしょうか。

    まぁ当然「先生の次回作にも期待!」なんですけどもねw

  • うまいなー、と感慨深く、思う。

    ああ、そういえば、教育学部出身だったな、こういう話をずっと書きたくていたんだろうな、と思う。

    鏡の中、という異世界ではあるけど、青春小説?と思いながら読んでたけど、ミステリー要素もあり、孤城の秘密が明かされていく終盤は、お見事!!胸に沁みる展開。

    オチは読めちゃうけど、救いに心が揺さぶられる。

    いい小説だったなぁ~~~。

  • 仕掛けがいっぱいの素晴らしい話
    辻村さんらしく適度に湿度がある
    他の人に親切にしたくなる

  • 作られた城、呼ばれた子。あるといいね、本当に。

  • 少し重いかな。

    とある中学校に通うというか、馴染めなくて通えなくなった7人の子供たちが、鏡の中の不思議な世界に迷い込む。
    ほぼ1年の期限以内に鍵を見つければ、なんでも願いが叶うというが…

    前半は、イジメというか学校に行けなくなった話が結構重くて、ちょっとウンザリ。

    作者は結構この手の経験があったのだろうか?

    私はそれほど過酷なイジメにあったことがないし、もうオッサンなので大丈夫だが、こういう話が長く続くと結構気が滅入るなー。

    後半は、似た者同士が少しずつコミュニケーションの取り方を覚えて明るい方向へ向かうし、前半の伏線が回収されて上手いこと出来ているのだが、いかんせん前半が長すぎたせいかスカッとしない。

    話としては悪くないが、ちょっと暗いという感想。

    いま現在イジメられてない人は読んでもOK。
    いじめられてる人は暗くなるので止めましょう。

  • そうだ、辻村さんの物語はこうだったな。そう思わせる何かがある。
    一番多感な、「学校」という社会の中に生きている少年少女を描くことに本当に長けていると思う。最後のすべてがつながってゆく感覚も好きだ。

  • 自分の居場所を求めて悩み苦しんでいる中学生の男女7人が、光り出す鏡を通って孤城で出会う。そこには"オオカミさま"がいて、期限内に「願いの部屋」の鍵を見つけると、扉を開けて一つだけ願いを叶えることができるという。またこの世界のルールを守らなければ、食べられてしまうというペナルティもある。
    パラレルワールドだと思っていたけど、時間がズレた同じ世界にいるとわかってからの展開は、一気読み。"オオカミさま"の正体からエピローグにかけては、もう涙涙…
    喜多嶋先生の「闘わなくてもいいよ」が、心に響く。
    この本、中学生の時に読みたかったなあ。もちろん大人が読んでも十分おもしろいけど。

  • 正直、展開は読めてしまって驚きはない。
    でも確かに救いがあるし、未来があった。
    どんな時代に生きていたってこの年頃の世界は厳しい。

    次は私の番、と言い切って、こころに手を差し伸べるアキを抱きしめてあげたくなりました。

    みんな、幸せになれ。
    がんばれ。

  • こんな奇跡あったらいいな、あるかもしれないと信じたくなります。当初はこの設定に子供向けなのかと思いましたが、中高生が読んでも大人が読んでも楽しめるのでは。
    辻村さんの、SFは S=少し f=不思議でしたね。
    この作品も少し不思議ながら、人の縁を感じられる温かな作品です。

    あなたを助けたい、その気持ちが、心に沁みました。

  • 素晴らしい傑作です。月初めの幸せな読書体験でした。学校に行けなくなってしまった少女こころが、鏡の中で出会う仲間たちとの幻想の世界。でもその謎が解けたとき、目まぐるしい感動が押し寄せました。多感な年頃を辛く苦しい日々に押しつぶされてしまうのは珍しいことじゃない。最初はそんな子供たちの逃避の物語かと思っていたけれど、これは逃避ではなく前進の物語でした。最後は涙が止まりませんでした。とても面白かった。辻村さんありがとう。

  • 「一気読み必至」との帯に偽りなし。真田のような娘はどこにでもいる、と達観した言葉もあったけど彼女も彼女に同調する仲間も気持ち悪い。真田の心の闇こそどうにかならないものなんだろうか。ミラクルではなくリアルにしたい物語。装丁も良。

  • 自宅の鏡を通り抜けると別世界というナルニアを思い起こすようなファンタジー要素。さらに中学校内でのいじめなどに悩み学校に通えないというリアルな状況。その二つが見事に両立して混ざり合って、すっと頭に入ってくる。終わり方も心地よく綺麗な感じ。いろんな人に感情移入してしまうのが良い。

  • ある理由から学校に行けなくなってしまった中学一年生のこころ。
    ある日、突然、彼女の部屋の姿見が光りだす。
    輝く鏡の先には別の世界があった。
    エメラルドグリーンの床に大きな城門。
    別の日には、左右対称の絨毯敷きの階段に大広間のホール、大時計。
    映画やアニメの中で見るようなお屋敷の中にいる。
    そして、狼のお面を被り、お人形のようなドレスを着た女の子。

    そこには、同じような境遇の、たぶん学校に行けてない子たちが集められていた。

    お城が開くのは9時から17時まで。
    時間を破ると狼に食べられてしまうと言う。
    今は5月。これから来年3月30日までの間に隠されている鍵を探し出せば、一つだけ願いが叶うという。集められた7人は、それぞれの苦しみや悩みを抱えながら、お互いを知り、鍵を探すことになる。



    クラスという社会にどうしても溶け込めないこと。
    話が通じない人がいることを知ること。
    剥き出しの悪意に初めて出会うこと。
    最も信頼したい人なのに、そうできないこと。


    彼らはみんな中学生。
    この時期って最初にくるサバイバルの時期だと思う。少なくとも私にとっては。
    彼らはみんな不器用だ。自分の中に溜め込んでどう助けを求めていいのかもわからない。
    大人は、自分たちがそうだった頃のことは忘れて何でもいいから助けを求めて欲しいと願う。でも、彼らにとって大人は正しすぎる…。

    この年代の彼らに、この本を読んで欲しいと思った。もし、今苦しんでいることがあるのなら、この本が彼らのかがみの孤城になるかもしれない。または、それを見つける勇気をもらえるかもしれない。そんな風に思った一冊だった。

  • こんな話も書くのね。
    でも読みやすく(内容は〝やすく”なかったけど)、一気読みでした。
    ひっくりかえるところがいいね。
    もう一度読みたくなる。

  • 久しぶりに世界に入ってどきどきしながら一気読み。中学生以上におすすめ。

  • 部屋に閉じこもっていたこころの目の前で、
    鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先の
    世界には、似た境遇の7人が。秘めた願いを
    叶えるため、7人は城で隠された鍵を探す。

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かがみの孤城の作品紹介

不登校の少女が鏡の向こうの世界で出会ったのは――生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。

あなたを、助けたい。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――
なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。

かがみの孤城のKindle版

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