かがみの孤城

  • 1259人登録
  • 4.31評価
    • (141)
    • (109)
    • (34)
    • (3)
    • (4)
  • 127レビュー
著者 : 辻村深月
  • ポプラ社 (2017年5月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (554ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591153321

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

かがみの孤城の感想・レビュー・書評

  • 正直、展開は読めてしまって驚きはない。
    でも確かに救いがあるし、未来があった。
    どんな時代に生きていたってこの年頃の世界は厳しい。

    次は私の番、と言い切って、こころに手を差し伸べるアキを抱きしめてあげたくなりました。

    みんな、幸せになれ。
    がんばれ。

  • おおよその結末はなんとなく察してしまった部分があったので驚きとかはあまりなかったのだけれど、それでもとても心がぎゅっと締め付けられる物語だった。
    ああそうなのか、そうだね、やっぱり!と読む手が止められなかった。

    これからも、みんなはそれぞれ戦ったり戦わなかったりしながら素敵な大人に成長していくんだろう。
    そう信じられるラストだった。

    喜多嶋先生や、お母さんがとてもあたたかかったなぁ。大人の私も、きっと怖かったよ、こころちゃん。

  • 心に傷を負い、不登校となってしまった中学生のこころは家に引きこもる様に。ある日突然、部屋の鏡が光りだし、潜り抜けられるように。着いた先は城の中で、そこには同じような境遇の7人の中学生が。なぜ彼女達が集められたのか、そして学校には・・・
    時間軸に関してはなんとなく分かるような。かなりファンタジーな設定だが、現実的ないじめに関しては、希望が持てる終わり方。心温まる話。

  • 自分の居場所を求めて悩み苦しんでいる中学生の男女7人が、光り出す鏡を通って孤城で出会う。そこには"オオカミさま"がいて、期限内に「願いの部屋」の鍵を見つけると、扉を開けて一つだけ願いを叶えることができるという。またこの世界のルールを守らなければ、食べられてしまうというペナルティもある。
    パラレルワールドだと思っていたけど、時間がズレた同じ世界にいるとわかってからの展開は、一気読み。"オオカミさま"の正体からエピローグにかけては、もう涙涙…
    喜多嶋先生の「闘わなくてもいいよ」が、心に響く。
    この本、中学生の時に読みたかったなあ。もちろん大人が読んでも十分おもしろいけど。

  • 辻村さんの原点回帰とも言われ、評価が高いこの作品、さすがです!

    それぞれの事情を抱えた中学生たちの生きづらさが痛すぎます。
    確かにあの頃って、学校が世界の全てみたいなところがあって、そこで居場所をなくすと、行き場がない。。

    違うんだよ、たかが学校!
    居場所は他にもあるんだよ!
    闘わなくていいんだよ!
    と、教えてあげたい。
    そんな、辻村さんの温かい眼差しが感じられる物語でした。
    暖かい春の陽射しが感じられるようなラストは、思わず微笑みがこぼれました←ラシクナイ

    作者インタビューで、中学生の自分に自分の作品を1つだけ渡すとしたら、この作品だと答えたように、かなりの自信作のようです。

  • 久しぶりに一気読み。
    どの部分も丁寧に書かれていて
    作者の力量を痛感する。

    最後の数十ページ
    電車の中で読まない方が良いよ!
    涙が・・・

  •  学校での居場所をなくし、閉じこもっていた女子中学生、こころ。 ある日突然こころの部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた。
     という設定から始まる作品。その後のミステリアスな展開といい、最終盤の落とし処といい、読んで損はない作品。

     主人公こころと6人の中学生と彼らの居る環境が記述される序盤。
     中盤以降のミステリアスな展開を読み進めるうちに「縁」 ―― 因を助けて果を生じさせる間接的な要因(≒トリガー) ―― というものを感じた。

     主人公はこころであるが、最終盤では他の中学生やその家族が縁として、トリガーが双方向に働きあう姿が明らかになる。

     「あなたを、助けたい。」
     救いを求めている限り、トリガーは現れないし、救われることもない。
     自らが他者を救う主体となったとき、自らと相手が相互にトリガーとして影響しあい、互いに救われるということが確認できる作品だ。

    (内容紹介)
     あなたを、助けたい。
     学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――
     なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
     生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。

  • 不登校になった中学生が、鏡の中にある城に入り込む。そこには同じような境遇の子どもたちがいて、城に隠された鍵を見つけ出せば、願い事が叶うと言われ…。

    ファンタジー的な設定といい、いじめに悩むガラスの心の女の子に寄り添った語り口調といい、中高生向けの本かなと思いながら読み進める。
    が、主人公を始め、それぞれの子どもが抱える悩みの深刻さが明らかになるにつれ、思春期の未熟で行き場のない息苦しさがひしひしと伝わってきて、一気に読んだ。

    いじめのリーダー格のクラスメートだけでなく、理解のない担任の言動にも苦しめられる主人公は、同世代だけでなく大人でも言葉が通じない人がいることに気づき愕然とする。なるほど、自分が正しいことをしていると信じて疑わない人ほど厄介なものはなく、そこに気付くことが大人への一歩とも言えるかも。

    読み終えると、思った以上にたくさんの伏線が散りばめられていたことがわかる。
    とくに、童話の使い方や第1部が始まる前のプロローグが、ただの添え物ではなかったことで、読後の余韻もいっそう深くなった。

  • それぞれの事情で学校に通えない子ども7人が、光る鏡の中にあるお城で過ごす、ファンタジー。学校が全てじゃない。たかが学校。闘わなくていい。どこかに、あなたを助けてくれる人がいる。私たちは、助け合える。そんなメッセージが伝わってくる。自分の居場所がなくて辛く悩んでいる人にすすめたい。 ラストのまとめ方がとっても良かった!!

  • 10年ぐらい前に辻村美月が好きで好きで、最近はイマイチ…と思ってたけどこれは良かった。冷たい校舎とか子供たちが好きな人にはオススメ。

  • 生きづらさを覚えているYA世代に、温かいファンタジー。

  • 2年生に進級した後のこころの生活が気になります。

  • 鏡の世界で出会う不登校児7人が、たった1つの「願いを叶える鍵」を追いながら成長する物語。

  • 学校に行けなくなった七人の子供達は鏡を通して別の世界へと招かれる.おおかみの少女を案内役に.お城の中に隠された見つけると願いが叶うという鍵を探す.ファンタジーにお約束の冒険があるのではないが,現実のいじめ,学校生活の生きにくさなどでどんどん読ませる.最後のカラクリがわかった時,せつなくてたまらなかった.

  • 『冷たい校舎の時は止まる』に似た、ちょっと不思議で、ちょっと残酷で、すごく優しい物語。
    著者が年をとったのか、読者である私が年をとったのか、それとも子どもができたことが影響しているのか、『冷たい…』と比べると、子どもの目線ではなく、子供を見る大人の目線で物語に接する感覚があり、その変化が面白い。

    序盤はじわじわと絶望的な気持ちも追体験しながら、後半の救い、あたたかさには本当に優しい気持ちになれる。
    自分自身を愛せない子どもたちが、「誰かを愛せる人たち」になっていく様がすごく誇らしく感じられた。

    ”ミステリー”要素に対してヒントが出過ぎていて、わかりやすすぎる点が完全にハマれなかった点。
    とはいえ全部のオチに気づけたわけではなく、”オオカミさま”の存在の謎には気づかなかった。なんだけど、この設定がちょっと後付け感というか、物語全体の中では浮いている気がして、これもちょっとモヤッとしてしまった。

    まあ、でもそれは些末なこと。

    「誰かに優しくされた人は、他の誰かに優しくすることができる」
    前提を満たせない人も世界にはたくさんいて、ちょっと残酷なんだけど、それでも人ってそういうこと。
    子ども達に対して、その「優しさ」を提供できるように、そして親からは与えることのできない「優しさ」に出会えることを祈りながら、大人として親として、生きていかなくちゃな、なんてことを考えさせられた。

  • 部屋に閉じこもっていたこころの目の前で、鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先の世界には、似た境遇の7人が。秘めた願いを叶えるため、7人は城で隠された鍵を探す-。

    序盤はデビュー作「冷たい校舎の~」と似た雰囲気を感じ、中盤からは「スロウハイツ~」を思いこさせ、終盤は「なるほどそういう仕組か」と…飽きずに読み進めることができた。
    (B)

  • ラストの展開が響きました。幸せになってほしい、と心から思えました。こころのお母さんの気持ちが本当によくわかって、たいへん胸が痛みました。こういう世界、おとぎ話の世界じゃなくてほんとにあれば、救われる子たちがたくさんいるのにな、オオカミさま。

  • あることがあり、学校に行かず、家に引きこもっている中学一年生のこころ。ある日、部屋の鏡が光だし、異世界へ…そこで待っていたのはオオカミのお面を被った少女。自分のことをオオカミさまと呼ぶようにいい、同じく中学生の6人と一緒に願いが叶う鍵を探すように言われる。
    それぞれ訳あって学校には行かず、この城に集められた7人。学年はバラバラ、個性も様々で、初めはぎこちない関係だったのが、長い時間一緒に過ごすうち、打ち解けていく。なかなか自分の思いを話せなかったこころも、そんな仲間のよさが解ってくる。そして、いろんな秘密が解ってくるのだが、ラスト、こんな風に繋がるんだと感心。エピローグまで一気に読みました。
    中学時代って、まだ学校という狭い世界の中で生きている自分が全て。そこしか居場所が無いと思っているのにそこで躓いたら、絶望してしまいたくなるが、この本を読んで、そうじゃない、いろんな世界があって、『たがが学校』と割りきれれば、未来は誰にもやってくると思った。

  •  中学入学早々、クラスの女子のいじめに遭い引きこもってしまったこころは、母親にも心の内を話せないでいた。
     ある日、自室の鏡が光るのを不思議に思い手を伸ばしてみたら、こころの体は鏡の中の不思議な空間に吸い込まれてしまった。

     気がつくと目の前には、狼のお面をつけた女の子がいて、こころが城に招待されたのだと言った。
     怖くなったこころは逃げ出したが、翌日も光った鏡に好奇心がわき、おそるおそる入ってみた。

     そこにはこころと同じぐらいの年齢の男女6人が、狼のお面をつけた少女とともに、こころのことを待っていた。少女が言うには、願いが叶う部屋の鍵を城の中から探し出せば、探し出した人の願いを1つだけ叶えてくれるのだそうだ。
     
     集められたメンバーは、どうやら皆学校に行っていないようだったが、誰もお互いのことを詳しく話そうとはしなかった。
     こころは両親が出かけている間に、この城に行くようになり、少しずつ皆と交流し、居心地の良さを感じ始めていた。

  • 不登校の中学生たちが招待された鏡の中の城。
    現実となじめない彼らは、城の中でおそるおそる友情を築いていく。
    やがて7人すべてが同じ中学の生徒だということがわかり、お互い助け合えば登校してそれぞれの問題に立ち向かえるのでは?という期待が芽生えるが、現実世界での彼らはそれぞれ違う時代に生きていた。
    そして城が閉鎖される前日、彼らのうちの一人が禁忌を犯し、鏡は割れて狼がやってくる…

    時間枠のトリックはすぐにネタバレするが、それでもリーダビリティにあふれている小説。

  • お城に集められた学校に行けなくなった子どもたち7人。
    狼の仮面をつけた少女。
    願いが叶う鍵を探す。
    期限は3月30日まで。

    設定は途中で気づいたけど、他の細かいところは全然分からなかった…
    最後は涙して読んだ。
    途中説明が長くて、読みづらさと不自然な感じがしたけど、でもやっぱり辻村深月はいい!
    他の作品の方が好きだけど、これも面白かった。

  • 読んでいてなんとなく先生のメフィスト賞受賞作「冷たい~」を思い出しました。
    やはりこの手のSF(すこし不思議)小説を書かせると上手い人だなぁと感心してしまいます。

    ただ残念な点がひとつ。
    喜多嶋先生に誰かの面影を見たという文章を読んだ時点で明らかに「生きている時代が違う7人」ではないかということが想像できてしまう.....
    (この文章をもう少しぼかすことができればその後の展開が楽しめたんですが....)

    わくわく、時には涙しながら一気読みしてしまったので十分楽しませていただけたのですが、やはり個人的には初期の「スロウハイツ」「凍りの」「メジャースプーン」にはちょっと及ばなかった感じでしょうか。

    まぁ当然「先生の次回作にも期待!」なんですけどもねw

  • うまいなー、と感慨深く、思う。

    ああ、そういえば、教育学部出身だったな、こういう話をずっと書きたくていたんだろうな、と思う。

    鏡の中、という異世界ではあるけど、青春小説?と思いながら読んでたけど、ミステリー要素もあり、孤城の秘密が明かされていく終盤は、お見事!!胸に沁みる展開。

    オチは読めちゃうけど、救いに心が揺さぶられる。

    いい小説だったなぁ~~~。

  • 「一気読み必至」との帯に偽りなし。真田のような娘はどこにでもいる、と達観した言葉もあったけど彼女も彼女に同調する仲間も気持ち悪い。真田の心の闇こそどうにかならないものなんだろうか。ミラクルではなくリアルにしたい物語。装丁も良。

かがみの孤城のKindle版

ツイートする