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- Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591154205
感想・レビュー・書評
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読みやすく一気読み。楽しめた。
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東京の下町にある銭湯「明日の湯」の三代目三助の元に起こる騒動。
今流行りの「お仕事小説+日常の謎+恋愛要素」という作品のひとつでしょうが、実はお仕事小説としてもミステリとしても恋愛要素も今ひとつ中途半端な感じがするのです。だからと言って面白くなかったかというとそうではなく、とても居心地のいい作品だったのです。それは明日の湯という銭湯の心地好さに通じるものなのでしょう。
銭湯も斜陽産業の代表格のひとつです。だから現実として廃業する所も多くあります。存続を賭けて新しいアイデアやサービスを投入する所もあります。でもここで描かれる明日の湯は(もちろん経営が厳しいという描写があるけれども)そこをメインとしていないのですね。日々の営みとしての銭湯が描かれています。その中で起こる騒動と謎。まずは何をともあれ明日の湯自身の魅力を前面に書かれていたからこそ、居心地がよかったのかも知れません。
ばあちゃんが急に店を畳むと言い出した理由、不登校となった女子高生の気持ち、母の元に現れた謎の女性、脱衣所に忘れられた海外の少年、不意に戻ってきた父親。三助はその騒動にてんてこ舞いになりながらも、自分と明日の湯の関係を見出していきます。 -
2017.3.5.