真夜中のパン屋さん 午前5時の朝告鳥 (ポプラ文庫) (ポプラ文庫 お 7-9)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591154823

作品紹介・あらすじ

真夜中に開店する不思議なパン屋「ブランジェリークレバヤシ」。希実の母・律子の死から五年の月日が経ち、暮林や弘基の周辺には様々な変化の波が訪れていた。それは、常連客である斑目やソフィアやこだま、美作親子や多賀田たちにとっても同様だった。そしてもちろん、希実にとっても……。累計140万部突破のベストセラー「まよパン」シリーズ、ついに完結!!

感想・レビュー・書評

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  • ついに『まよパン』完結。
    前作から5年後の「ブランジェリークレバヤシ」では──

    ハワイ、フランス、シンガポール──
    マタニティブルーあり、引きこもりあり、思わず笑っちゃう人質事件あり、
    ムズムズしちゃう恋のお話もあり♪

    そしてまさか、まさかの新展開!
    なんとあの班目氏が結婚!(それはそれでおめでとう♪なんだけど、彼にはずっとひとりを謳歌する変人でいてほしかったような気も…笑)
    それに、あの美作医師がパンを捏ねる日がやってくるとはね~と、しみじみ。

    弘基の作る見事なパンはもちろんだけど、
    暮林の作る少し不格好なパンも食べてみたい。
    それぞれに味があって、どちらもホンワカおいしいんだろうなぁ。

    美和子が真夜中にパン屋さんを開いた理由って、
    「暮林と同じ時間で一緒に生きていたかったから?」なんて、
    かつての希なら、そんなことは思いもしなかっただろうと…

    前の巻が、かなり辛い事実が明らかになる長編で重かったんですが、
    今回それぞれの道を歩き出した姿を見ることができて、ホッと本を閉じました。
    皆こうして折り合いを付けながら進んでいくんですね。
    そう簡単に心の闇や傷は消えるものではないだろうし…
    ここにいていいんだと思える安心できる居場所がある。
    それが一番幸せなことなんですよね。


    今、シリーズ全巻を前に置いて、あらためて時の流れを感じています。
    気づかないうちに、自分の周りも少しずつ何かが変化していたのだということも…。
    この本を読むと、必ずと言っていいほどパン屋さんに直行したっけ。
    この巻の時は、メロンパンを買いました♪

    焼きたてのパンの匂い、それだけで幸せ~と満足しながら、
    「桜の花びらをつかまえることができると幸せになれる。」と知って、
    つかまえたい!と思う欲深さ(笑)

    ちなみに最近知ったんですが、ドラマのソフィア役がムロツヨシさんだったなんて!
    NHKさん、続編作って欲しいなぁ。

  • シリーズ最終話。時は前回から5年後に。
    クレバヤシファミリーもそれぞれ生活が変わり。
    暮林、弘基、希実もまた…。
    「午前4時の共犯者」までが一区切り。
    今作は壮大なエピローグといったかたち。
    表紙から想像した結末とはまた違っていて。
    少し寂しい感じもしたけど。
    前向きに捉えられるいい終わり方だと思いました。
    楽しいシリーズでした。

  • シリーズ6作目。読んだ感じまだ続きそうな気もしたけど、完結編とのこと。
    前作から結構時間が経っている設定で、色々思ってもみなかった変化が起きていて驚いた。一巻読み飛ばしたかと思ったほど。
    登場人物それぞれが次のステージに進んで終わる。希実が社会人として働いている姿も見たかったな。

  • シリーズ最終巻。ラストはそれぞれのその後を丁寧にかいてくれて、そこには希実がちゃんと全部出演してて、テレビのような雰囲気がとてもよかった。
    恋人としての距離感や、人間関係に相変わらずの屈託を抱えてて、でも少し大人になった希実にとても優しい気持ちになれた。
    シリーズ通して、このラストが一番良く思えて、ほんとに素敵な物語だった。

  • 午前五時はもう真夜中ではないだろうと悪態をつきつつ、発売と同時に買ってしまうのだから、好きなのは隠せそうもない。物語としては前巻で完結しているが今作は彼らのその後の物語である。驚きと喜びの連続で読み応え満載。読んで良かった。
    あらすじ(背表紙より)
    真夜中に開店する不思議なパン屋「ブランジェリークレバヤシ」。あれから五年の歳月が経ち、暮林や弘基には様々な変化の波が訪れていた。それは常連客である斑目やソフィアたちにとっても同様だった。そしてもちろん、希実にとっても…。「まよパン」シリーズ、ついに完結!!

  • 真夜中に開店する不思議なパン屋「ブランジェリークレバヤシ」。あれから五年の歳月が経ち、暮林や弘基には様々な変化の波が訪れていた。それは常連客である斑目やソフィアたちにとっても同様だった。そしてもちろん、希実にとっても…。「まよパン」シリーズ、ついに完結!!

  • 前作の後日譚的な形式で、淡々と班目、ソフィア、弘基、希美の視点で語られる最終巻。

    なんだか外伝的な短編集のように、一歩も二歩も本編から距離を置かれた冷めた感のある内容に少し戸惑いました。もっと大団円的な、大仰なラストシーンを期待していたので……。

    正直、班目とソフィアの話は取って付けたような内容だし、弘樹と希美が付き合いだすとかもピンとこなくて、ずいぶんと雑な畳み方するなぁ、とすら思っていました。

    しかし、エピローグの暮林の話がそうした微妙な印象をすべてひっくり返してくれました。

    真夜中にパン屋を営業する理由。それが明らかになった瞬間、真夜中に開業しているという設定が単なる物珍しさではなく必然だったことを知った瞬間。

    それが本シリーズ通しての印象を決定づけた瞬間でした。いろんなエピソードがありましたが、自分としてはこのシリーズは結局のところ、暮林陽介と美和子のお話だったんだなぁ、と。彼らの優しさに雨宿りする形で、希美を含むいろんな人たちが救われてきた、そんなお話だったのかと思った次第。

    若干寂しくはありますが、かつてのこだまに似た少年が登場するエピローグを読んで、多分これからはすでに幸せになった人以外の、語られることのない人たちが幸せになっていくターンなのかなと思いました。

  • 何回でも読み直す。ラストの愛おしさ。

  • 読了。まよパン完結です。第6弾は、本編というよりも、番外編という感じでした。その後の話は、特典みたいで、ドキドキほっこりでした。

    #読了
    #読書好きな人と繋がりたい

  • まよぱんシリーズ6冊目。最終巻。
    帯に「ついに完結!」とあるのが、読む前から寂しい。

    本作は前作の午前4時から5年が経過している設定になっている。
    前作からの仲間たちのその後、という感じ。
    みんなのことを知ることができて嬉しい反面、なかなか希美が出てこないので、希美はどうなっているのだろう?と気がせいてしまった。

    子供の頃から様々な我慢をし、悟りを開いたかのような少女だった希美。
    その彼女がブランジェリークレバヤシへ転がりこんだことで、クレさんやヒロキはもちろん、集まったみんなに優しくされる事を受け入れ、自分も誰かに優しくしたいと思うようになった集大成が本作には描かれているように思う。

    托卵先は正しかった。

    ヒロキと希美の2人なら、常識に囚われることなく、自分たちの意思で幸せになると思う。

    2人のそれからも知りたいなあ。

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著者プロフィール

1975年、岐阜県生まれ。2005年に「ゆくとし くるとし」で第9回坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、小説家としてデビュー。『真夜中のパン屋さん』で注目を集める。

「2019年 『路地裏のほたる食堂 3つの嘘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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