わたしの苦手なあの子 (ノベルズ・エクスプレス 35)

著者 :
  • ポプラ社
4.14
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本棚登録 : 266
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591155189

作品紹介・あらすじ

思い切って飛び込めば、新しい景色が見えてくる。

泳げないミヒロは、6年生になっても苦手なことからは逃げてばかり。
転校生の本間リサは、ツンとすましていてだれとも仲良くなろうとしない。プールはいつも見学。でもある日、ミヒロは、リサの秘密を知ってしまった。
仲良くなりたいと思うのに、話しかけてもリサは冷たいまま。小学校最後の夏休み、ミヒロは、苦手なリサを克服することに決めた──。
二人の女の子の、友情と成長の物語。



「あら、どこでそんな味おぼえたの?」
 わたしはふかく息をすって、呼吸をととのえた。
「友だちのおじいさんの家で、友だちがいれてくれたの。とってもおいしかった」
 わたしに、勇気とやさしさを教えてくれたの。
 わたしは、言葉にしないでつぶやいた。
(本文より)

感想・レビュー・書評

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  • 小学6年生の女子2人の成長の物語でした。
    リサとミヒロの思いが交互に書かれています。
    お互いの気持ちをたどることができ、読みやすかったです。家庭環境の違いや抱えている悩みがありつつ、お互いを思い、解決しようと向き合うところが良かったです。
    徐々に友情が芽生えていきますが、高学年女子の素直になれなれないところや一筋縄ではいかない態度や言葉もわかりやすく表現されていると思いました。こういった友情ストーリーを疑似体験でもできるっていいなぁ。

    他の作品も読んでみたくなりました。

    本文から〜心に響いたことば〜
    克服したいことーありのままの自分を受け入れること。
    明日からも、きっといろんなことがある。でも、私には、そこに向かって踏みだす勇気がある。胸の中に、オレンジ色の光が満ちてくるのを感じた。新しい夏が始まった。

  • 夏休み小学生たちの物語

    夏休みの宿題で出されたのは苦手なことに克服すること
    果たして2人は克服できるのか?

  • 二人の女の子の友情と成長の物語

    夏休みに出された宿題は「自分の苦手なものを克服すること」だった。ミヒロは克服したいことを「本間リサさん」に、リサは「ありのままの自分を受け入れること」に決めて、用紙を提出したーー。お互いが、少しずつ大切な存在となっていく様子に心が温かくなる作品です。2人の視点が交互に入れ替わりながら物語が進むところも面白いよ。

    「一番の苦手は、本間リサだ。
     気になるけど、近寄りにくい。」

    先生は、二人をつなぐ存在であるミヒロのおじいちゃんが大好きです! 言葉一つ一つに深みと優しさが感じられます。

    ーーーーーー

    いちばん好きな登場人物は、ミヒロのおじいちゃん。言葉がけ一つ一つに深みと優しさがあり、この物語全体に安心感を与える大切な存在。二人をつなぐきっかけも作る。

    おじいちゃんの家でともに過ごし、友情を深めていくリサとミヒロたちの様子を読みながら、リサにこんな居場所ができてよかったなあと、すごくうれしかった。

  • 表紙の通り、主人公は女の子が二人。
    タイトルの通り、お互いがちょっと苦手な関係。

    二人のひたむきな姿に、最後はぽろっと泣いてしまった。

  • 足の怪我がコンプレックスの女の子と、母親が再婚しそうで戸惑う女の子の話。仲良くなったり、ケンカしたり、いろんな経験をたくさん積み重ねて成長する二人。
    現実はなかなかこううまくいかないこともあるだろうけど。

  • 心に傷を負った転校生の本間リサ。友達なんかいらないと、頑なに他人を拒む理由は、足に負った火傷の痕のことを知られたくないから。
    ひょんなことから、リサの火傷の痕を目撃してしまう椎名ヒロミ。
    小学校最後の夏休みの宿題は、苦手なことを克服すること。ヒロミが克服したいことは「本間リサ」。リサが克服したいことは「ありのままの自分を受け入れること」。

    二人の女の子の視点や気持ちが交互に描かれ、それぞれ成長してるのもわかりやすくて読みやすい。おじいちゃん達の名言も心に響く。
    人との繋がり、交友ってタイミングが大切だと改めて思う作品だった。

  • 「泳げないミヒロは、6年生になっても苦手なことからは逃げてばかり。
    転校生の本間リサは、ツンとすましていてだれとも仲良くなろうとしない。プールはいつも見学。でもある日、ミヒロは、リサの秘密を知ってしまった。
    仲良くなりたいと思うのに、話しかけてもリサは冷たいまま。小学校最後の夏休み、ミヒロは、苦手なリサを克服することに決めた──。
    二人の女の子の、友情と成長の物語。」

  • 私はは物語が好きだからこの本を読もうと思った
    この本は、友達とどうすれば仲良くするにはどうすれば良いかな?そんな時に読むのがオススメで「読んだ人を元気付けてくれる」そんな感じの本。でも、物語が苦手そんな人はあまりオススメ出来ない
    だから、ちょっと友達と仲良く関係で迷っていて、物語を読みたいそんな人にオススメ!!

  • 母子家庭で育ったミヒロと、足にやけどをして、いじめをされたリサの二人の女の子の成長と友情ものストーリーです。最初はツンとすまして誰とも仲良くなろうとしなかったリサだけれど、ミヒロに足のやけどを見られてしまった。すると、ミヒロはリサと仲良くなりたいと思い、夏休みにおじいさんの家で心の距離を縮めていく。そしてリサは、傷跡を隠している自分を変えたいと思い、今まで出来なかった水泳をミヒロに助けてもらいながら、泳ぐことに成功した。

  • リサの秘密を知っても虐げたり遠ざけたりすることなく、向き合えるミヒロは素敵な女の子だと思う。なかなかみんなができることではない。

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著者プロフィール

児童文学作家

「2018年 『もう逃げない!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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