摩利と新吾 6 (花とゆめCOMICS)

著者 :
  • 白泉社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (185ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592112068

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  • 篝が触れた肩を汚らしいものに触れられたかのようにハンカチで拭き、そのハンカチをゴミ箱に捨てる摩利。この場面がどれだけ強烈に記憶に残った事か。大人の世界に出ると、こう言う行為は「子供っぽい幼稚な行為」とされる。人に対する好き嫌いは秘するが美徳、と言われる。子供の世界でも、集団対個人ではこう言う目に見える嫌悪感を表現するが、自分自身の責任に於いて自分一人で行動に出来る人間は実は殆どいない。摩利の個人主義がずば抜けているこの行為は私にとっては目の前が開ける瞬間だった。敵を作るも自分の意思で自分の責任、と言う心の強さ。人に対して全く構えてない新吾がいてこそ、摩利のキツさが緩和されていたんだ、と周囲が解る場面でもあったが、思えばこの頃読んだ漫画には「孤立を恐れず自分を曲げない意志の強い人間」と言うのが描かれていた気がする。『カリフォルニア物語』のヒース然り。

著者プロフィール

木原敏江

1948年(昭和23年)、東京生まれ。1969年「別冊マーガレット」に掲載された『こっち向いてママ!』でデビュー。77年、旧制高等学校に通うふたりの少年を描いた『摩利と新吾』を発表する。この作品は、その後7年間にわたって描き継がれ、明治末から大正、昭和と、三つの時代を舞台に展開する一大大河ロマンに結実した。84年『桜の森の桜の闇』『とりかえばや異聞』の発表で始まった連作「夢の碑」シリーズも、97年まで執筆が続いた大作。85年、同シリーズにより第30回小学館漫画賞を受賞。『アンジェリク』『大江山花伝』『紫子―ゆかりこ―』は宝塚歌劇団で舞台化された。そのほかの作品に『どうしたのデイジー?』『エメラルドの海賊』『銀河荘なの!』『天まであがれ!』『杖と翼』などがある。

「2021年 『ワイド版 マンガ日本の古典28 雨月物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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