- Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784592126553
感想・レビュー・書評
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「ミノタウルスの皿」「22XX」「不思議の国のアリス」は私の中で近い。シナプスが強固。それぞれ別個の話でそれぞれに凄い魅力があるが、ひと言で言うと”eat me” 繋がり。
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食べることは生きること、生命を受け取り繋ぐこと。そこには「生命」への深い感謝と敬意がある。食べることに神聖な意識を持つルビィと、食べることに罪悪感を抱くジャックの悲恋は、飽食の時代に生きる僕らが忘れてしまっている「食」への意識を切なく残酷に揺さぶります。エピローグのパーティーの、哀しさと居心地の悪さよ…。読むにも元気が必要な作品ですね
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帰省中に再読。エレナと出会う前のジャックの物語。クリーグランドの王女がテロ組織に誘拐され、王女を救出したものには莫大な報奨金が支払われるという。賞金稼ぎたちが集まるが、その惑星は凶暴な野生動物や、人喰い人種フォトゥリス人がいる未開のジャングル。ジャックも賞金稼ぎのため参加するが、偶然助けたフォトゥリス人のルヴィという少女に想定外のプロポーズをしてしまい彼女と行動を共にするはめに。
フォトゥリス人が人間を食べるのには神聖な理由があり、彼らは人間に限らず動物の「命をいただく」食事という行為に大変な重きをおいている。愛する相手に食べられることは相手の生命となりともに生きる名誉なことで、罪人や裏切り者のことは「食べてやらない」ことで相手に対する懲罰とする。彼らにとって誰にも食べてもらえずに死ぬことは、永遠の命を失うということなのだ。
ジャックは、かつて自分を人間だと信じていたほど精巧なロボットゆえ空腹を感じるように作られているが、食したものが彼自身の血肉となることはないため、食べることに罪悪感を感じている。しかし食べなければ飢餓感に襲われる(死ぬことはないのに)。ジャックを恨んでいるフレディという男はジャックのその弱点につけこみ彼を飢餓状態に陥れるが・・・。
今読むと『ワンピース』のサンジとゼフのエピソードを思い出す。ジャックを人間だと信じているルヴィは、自らの手を切り落としてジャックに食べろと与えるのだ。ジャックはそれを「人間的な理由で」食べることができない。
『竜の眠る星』含めそれ以降のジャックとエレナのシリーズは、実は重いテーマのものが多く、過去編とはいえアンハッピーエンドのものが多いんだよなあ。今回のジャックにしても、「千の夜」「月下美人」でのエレナにしても、そして「竜の眠る星」でも、結局彼らは、大切だと思った相手を守ることができなかった後悔を抱えてしまうことになる。今のところこれがジャックとエレナシリーズの最後の作品(発表順では)になっているけれど、無性にハッピーエンドの話が読みたいよう!と思った。 -
清水玲子作品の中で一番好きです。
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私の心から尊敬する先生は何人かいる
そのうちのひとりが清水玲子先生だ。
今作品は清水先生の作品の中でも、最高レベルの完成度を誇る作品である。と私は考えている。
清水先生の作品群のなかのジャックとエレナというアンドロイドを描いたシリーズのひとつで、今回はジャックがエレナに出会う前のことを描いたものである。
人間の業としての「食べること」。
それは命をいただくことである。
食肉人種であるフォトリス人の少女ルヴィの愛のかたち。
生涯忘れえない名作。
大好きな一冊である。
そんな尊敬に値するこの本が古本屋で30円で売られていたので、今日うっかり救出してしまった。
もう既に一冊持ってるよ!!
だって可哀想やん。こんな偉大な本が30円て! -
清水玲子作品のなかでダントツいちばん好きです。
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◆22XX 完全版
◆ほんのちょっとバレエ -
家。ジャックの話。テーマは、食べる。
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もっとも好きな短編のひとつ。
事あるごとに引っ張り出して熟読します。
食べ物を残す事がひどくつらくなる・・・
米粒ひとつぶ残さず、かみ締めて食べて生きたいです