愛すべき娘たち (Jets comics)

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  • 白泉社 (2003年12月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・マンガ (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592132950

愛すべき娘たち (Jets comics)の感想・レビュー・書評

  • やっぱり、よしながふみさんの絵は綺麗ですね。一番最初の話が好き。
    そりゃ、元ホストで年下の男の子が義父になったら戸惑うと思うけど、相手が誰だろうがずっと独り占めしてたお母さんを取られるとなったら辛すぎるよね。
    もし自分の母親がああなったらきっと、正気でいられなくなるんじゃないかな。
    ずっと先の話になるけど、娘ができたら読ませたいな。

  • 母娘を中心として、女を描いたよしながふみさんの代表作。第1〜最終(5)話を収録、ただし3話は前編後編なので話数は6つ。
    ずっと前から表紙だけは知っていたが、主催の漫画オフ会で紹介されたことをきっかけに購読。″母の存在は子どもの絶対的守護者″としてよく描かれるが、ただの人間で我儘なところもあることを表現したことに納得。当初この作品をどう受け止めるか難しく感じたが、自身の母と重ねてみるとそのことを容易に理解できた。女が皆、良妻賢母だなんてことあり得ないし、むしろそんな存在は数少ないものだと思う。

  • いくら客観的に見て綺麗であっても、自分で綺麗と思っていなければ、綺麗ではない。逆もまたしかり。
    一話めと最終わで母親はいつまでもたっても「女」であるし、親の言うことは子供にとって絶対というセリフが的を得ているな。
    三話めの爽子の好い人が必ずしも好い恋人になれるわけではないのね。それに莢子が気づいだけでも幸せになんだろうなぁ。

    仕事、恋愛、親子関係についてこの本は腑におちる答えを描いています。
    女性は必読です。

  • 私の人生の一冊と言っても過言ではない作品です。"フツーの人間"を包む深い謎と魅力を再確認させられました。よしなが先生はほんとうにすごい!

  • よしながさんの作品の中でも、名作と評判の一冊。ようやく読んでみて、たくさんの読者に支持されるのも納得の、大変素晴らしい作品でした。
    母子家庭で生きてきた、娘の雪子と母の麻里。彼女達を軸に展開される様々な愛の形を描いた連作短編集。1話目は大病から生還した母が、よりによってアラサーの娘より年下の、駆け出しの俳優(元ホスト)・健と再婚を決める。当然ながら複雑な心境の雪子。展開的にはそう珍しい話ではない、と思いながらも、ラストシーンに涙がぶわっとあふれました。
    2話以降は健の友人、雪子の友人やかつての同級生がメインとなるが、それぞれ描かれる恋愛模様は、どこかいびつなようだけど、不器用で、自分や相手に真摯であろうとする…それゆえ導かれた結果にどきっとさせられる。その手法が鮮やか。登場時は一瞬ぎょっとするけれど、次第に愛おしく感じられるキャラクターの描写も秀逸で、彼ら彼女らの生き方にどんどん引き込まれていく…その過程もお見事。
    最終話は再び母娘の話だが、今度は母:麻里と祖母の「母娘」関係。美しい母の麻里が長年抱く外見のコンプレックスの理由など、いくつかの伏線が回収される最終話もまたお見事!麻里の再婚相手の健が、実にいい味出している。
    どのエピソードも印象的で、モノローグのひとつひとつが心に深く刻まれる。もう素晴らしすぎて、読了後すぐにはレビューを書けなかった。こうやって言葉にしてみても、本書の素晴らしさをうまく表現できてないなぁと若干歯がゆいくらい。
    文学的な抒情性をマンガで表現できる人は本当に一握りだと思う。よしながさんの振り幅の広さを再確認しました。

  • 30歳くらいの娘(まあ一応、主人公か)がいて、市役所に勤めている。独身で実家暮らし。

    50歳くらいの母が居て、大病をしたが無事に退院してきた。

    父(というか夫)は、10年以上前に死別してしまっていて、母娘のふたり暮らし。

    50歳くらいの母が、再婚する。
    再婚相手は、20代の若いイケメンの、まだそんなに売れていない俳優さんだった...。

    ということから話は動き出します。

    #

    母娘モノ、ですね。

    読書会の課題図書。
    「愛すべき娘たち」よしながふみさん。
    2002年から2003年くらいにかけて書かれた、連作短編みたいな漫画です。

    #

    なんのかんの憎まれ口をききあいながらも、とってもお母さんに依存していた娘は、母の再婚が幸せであることと向き合って、親離れして家を出る。
    良い恋人さんがいて、結婚を前提の同棲を始める。

    ...一種、小津安二郎、「秋日和」の現代版、とも言えます。

    #

    という1篇を皮切りに、主人公の友だちや知人、などが次々に1篇の主人公となって短編が続きます。
    ロンド(輪舞)形式。備忘録。

    ●大学講師の男性。教え子女子大生に迫られ、H関係に。だが、相手は「被DV体質」とでも言うべき面倒な娘で…。

    ●バリバリ共産主義学者の父に薫陶を受けて育った30代の働く女性。
    結婚しようと色々試みるが、「誰とも分け隔てなくする」という打ち込まれた意識と矛盾を来たして混乱。結局、良い相手がいたのに、「愛せない」と修道院に入る。

    ●中学生の頃に、それぞれに社会の中で働く女性としてがんばろう、みたいな誓いをしていた三人娘。
    だが、そのうち一人は、恐らくは家庭の事情で徐々に転落していく。三人も疎遠になっていく。
    30歳を過ぎて再会。

    ●最終話。主人公と母親と、母親の母親つまり、祖母。
    母娘三代の関係。母は、「自分の母から受けた仕打ちを自分の娘にしたくない」一心で暮らしてきた。
    だが、祖母には祖母なりの事情と気持ちがあって...という。

    #

    やはり面白かったのは、読ませたのは、冒頭の1篇と、ラストの1篇。
    一見平和な母娘、親子関係。
    だけれども、互いに依存度が、重要度が高い関係であるがゆえに、
    誤解も歪みもあるし、なにより、お互いに「自分」であることがまず、第一に浮かび上がってしまうので、「母」という役割に収まらない悪意やイライラや、自分のコンプレックスなどがある。
    それでも、「娘」にとって、「母」が、「不完全なひとりの女性なんだ」と腑に落ちるまでには、長い長い旅路があるんですねえ。



    「自分」にとって「自分」は主人公で、「他人」は脇役です。
    だけど、「他人」にとって「自分」は脇役。その「他人」にとってはやっぱりその人が主人公。
    それは、家族であっても変わりません。
    そして、家族は家族であるのだから、何でも許される訳でも無く、はじめから「愛情」というバリアが守ってくれるわけでもなく。
    家族の中だって悪意や競争は、当然のようにあるし、起こり得る。

    それでもとにかく、「家族」というのは「他人」と「自分」の隙間のような、皮膚の下に食らいつくような不思議な「肌」なんですよねえ。

    #

    絵柄、ちょっとしたやりとり。
    この漫画家さんは、どうやらもっと、ベタベタなエンターテイメントも書けそうだし。
    いっぽうで、Hな内容のものとか、もっと変化球でアンダーグラウンドなものも書けてしまう筆力があるんだろうなあ、と思いました。

    よしながふみさん、という漫画家さん、全く知らなかったので、発見の愉しみがありました。

  • また懲りずに母娘の恩讐モノ読んでるんかい!と思われそうな感じのタイトルですが、そしてそのような言葉でまとめることもできる内容ではありましたが、そういう系とくくってしまうにはもったいない、とてもカッコいい女性たちの話で、後味スッキリの読書でした。

    1話、3歳年下の義父ができる話
    2話、悪い男が好きな女の話
    3~4話、聖女な友人の話
    5話、かつての同級生の話
    6話、私と母と母の母の話

    衝撃的だったのは3~4話、好きだったのは5、6話。特に5話では、まだ電子メールというものがない頃の話のようでしたが、手紙、ってのもいいもんだなあと思いました。

  • 莢子のエピソードは、着地かたには戸惑ったけど、お見合いのくだりは不意につかれたというか共感できるところがたくさん。

    そして母と娘の間の外見や生き方についての態度や決め方。ぜんぜん逆方向に行ったようにみえる祖母と母のわが子に対する態度が、実は姿勢が似ている。
    女性の仕事の関わり方について、明言してはいないものの、肯定的なメッセージ性にありがたみを覚える。


    十組いれば十一通りある母娘の関係性。
    娘として、自分と母の関係を顧みたいと思わせる話。いつか母になる機会があれば、念頭に置いていたいとも思う。

  • かなり昔のよしながふみの漫画。家を掃除していたら奥から出てきた。懐かしい。母娘の関係が年をとって変わっていく様子を生々しく描いている。

  • 女性はいつまでも娘であり母であり女である、とか思った。仲の悪い母娘も、仲の良い母娘も、その原因はそう変わらないのかもしれない。

  •  祖母、母、娘にまつわる連作短編集。作中にあった、「母というものは要するに一人の不完全な女の事なんだ」という言葉が全てだと思う。雪子の母・麻里がまさに私の母らしく、私自身も母を女だと思い続けて生きてきたので、全体を通して胸に刺さるものがあった。
     また、第三話主人公の「恋をするって人を分け隔てるという事じゃない」という言葉にはハッとさせられた。そんな風に考えたことがなかったし、その考えゆえにした主人公の決断に驚かされる。女には本当に色んな生き方があって、どれも間違いじゃないと感じた。

  • 以前友人に借りて読んでからずっと忘れられず、数年ぶりに再読。いくつか読んだよしながふみさんの作品中、個人的には『大奥』とは別の意味でこの一冊を「恐ろしく凄い」と思っている。

  • 女の子もエロく描く。すごい。そして面白い。3.5

  • 「恋をするって人を分け隔てるという事じゃない」

    この莢子のエピソードでのセリフが心に突き刺さりました。

    女性特有の繊細な心理描写がうまい。よしながふみだから、なんとなく男性を扱った漫画が多いのかと勝手に思ってました(大奥やきのう何食べた?など)。

    何気なく手に取って買ってみて、大正解でした。

  • 突き刺さる言葉ばっかりだった。手元に置いておきたい漫画。

  • よしながふみの漫画に出てくる女性は、皆どこかしらサバサバしてる。自分のことを鈍いと言ってる麻里の母親でさえ、自分がこうと決めたら突き進む。DV男が好きで冴えない舞子も、博愛精神を持った美人の莢子も。
    優柔不断に物事をあーだこーだと悩んだりぶれることが少ない。いっけん、人の描き分けパターンが少ないのかなと思ってしまうが、じっくり読むと、皆それぞれに個性があって、心理描写もしっかり描かれていて凄いと思う。
    1話の母子の物語から最終話の母のそのまた母の親子の物語での締めくくりは、本当によかった。様々な女性の人生をじっくり見せてくれる一冊。

  • 不器用な女の子達の切なくて、可愛いお話がつまっている一冊。
    主人公の女の子はそれぞれで違うので、いろんな話の短編集かと思いきや、世界観は統一されていて、1話目に出てきた娘の周りの女の子の話だった…。
    うまーくつながりを持って描かれていて、読んでいてはっとなる部分がすごく多かった。
    私は、娘と母の話がすごく好きです。

  • 母と娘
    誰もが思い当たることがあるのではなかろうか。
    引用の言葉。
    母ももともとは娘なのだ。

  • 「でもあたし気づいてしまったの。恋をするって人を分け隔てるという事じゃない」

    よしなが先生の短編集
    よしなが先生はBL出身の方なんだけど
    女性視点の漫画も面白いからすごいなあ
    いやBL自体も女性視点から見たものじゃんと言われればそれまでなんだけど、なんとゆーか、一般紙でもBLでもこの人の漫画にはちゃんと「人間」が描かれてる。そこにすごく魅力を感じます。あとよしなが先生の描くきっついおばさん、おばあちゃんがすき。

  • 初めて読んだよしながふみ作品。

    よしながふみといえば「大奥(=BL?)」という偏見を持っていたのですが読んでびっくり。
    女性の感情の機敏を描くのがこんなに上手い作家さんだったんですね。

    5話収録されているのだけど、どの話も素晴らしい。
    個人的には1話が秀逸。

    娘→母の視点で描かれる1話。
    母が連れてきた若い再婚相手。外見も人柄も良く、気が利いて、真っ直ぐに夢を追いかけている彼を、主人公が最初は疑いの目で見るものの、だんだんケチのつけどころがなくなっていく過程がリアル。

    「わかってるわよ だからあたしも出て行くのよ」
    「ずっと私だけのお母さんだったのよ」という台詞に泣けた。

    自分にはできないことをサラッとやってのける再婚相手。
    この人は自分なんかよりもっとずっと母を幸せにできるんだ、っていうショックや敗北感や悔しさ...
    色んな感情が、上の台詞に余すところなく表現されていて、心にせまった。

    出てくる登場人物がみんな素敵。雪子も麻里も健も、冷静で、自立していてカッコ良くて、ちょっとひねくれてたり毒舌だったり。

    4話に出てくる雪子、牧村、佐伯の中学時代の会話もいい。
    将来は公務員がいいとか、定年まで勤め上げるんだとか。
    うんうん、中学生でも女の子はこれくらいしっかり考えてるよねーと共感。

    派手なエピソードはないけど、表情と台詞のリアルさに唸り、共感の波に心をがつんと持っていかれた作品でした。

  • 第3話の結末は唐突に感じて理解できなかった。
    印象に残ったのは第4話。 

    すべての女性たちへ。すべての「愛すべき娘たち」へ。

  • 色んな女性の色んな人生。

  • うわ、マンガでこんなことまで表現できるんや。言葉が刺さる、痛いな。

  • 女の心情は女が一番分かっているといった感じでしょうか。ちょっと重たいけれど、ぐさりとくる言葉です。

  • 女性の抱える問題をさらっと描いている。こういうさりげなさが好きです。「親だって人間だもの機嫌の悪いときだってある」と娘に向かって言い切る麻里さん(お母さん)、男前だ。

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