ヘウレーカ (ジェッツコミックス)

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著者 : 岩明均
  • 白泉社 (2002年12月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・マンガ (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592135005

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ヘウレーカ (ジェッツコミックス)の感想・レビュー・書評

  • 電子書籍で買い直し。

  • 短いけどきれいにまとまってる。アルキメデスの武器は岩明先生向きだね。

  • ・時代の流れとその中での人の逆らい
    ・ついても良い嘘

  •  古代ローマ時代を舞台にした、後の『ヒストリエ』連載にも繋がる小編。シラクサという都市を巡る戦争の話だが、本作は重層的な読み方・楽しみ方ができる。

     一見すると古代ローマ時代の戦争モノなのだが、その中に登場する「兵器」が非常に興味深い。
     アルキメデスが発明・開発したとされる様々な「兵器」は、当時のテクノロジーを前提としているので、さながらピタゴラスイッチのようである(笑)。が、その破壊力・殺傷力は凄まじく、その様子が『寄生獣』のあの無機質なタッチで淡々と描かれることで、逆にその凄惨さが浮き彫りになっている。

     また、都市を守るためとはいえ、これらの兵器を発明・開発してしまったアルキメデスは、少しボケた様子の中でも「見るのもイヤだ」と、思い出すことすら拒絶する。兵器がもたらす結果をアルキメデス自身が一番よく知っているからであろう。
     アルキメデスの姿は、兵器を開発した科学者の苦悩そのものである。いつの時代にもある科学技術開発と、それがもたらす災厄の関係性。その狭間で苦悩する科学者の倫理性。本作では倫理的な主張を一切投げかけず、淡々と物語を描写していくが、却ってそれが我々の心の中に倫理的な問いを残してゆく。

     倫理的な問題と言えば、民族問題も読み取ることができる。
     カルタゴ側についたことで、ローマ軍の攻撃に晒されるに攻められているシラクサ。その城内で迫害されるローマ人たち。内通するなど城外の敵であるローマ軍に対して荷担しているのならともかく、シラクサで生まれ、シラクサで育ったシラクサ市民である彼らをローマ人であるということで危険視・敵視するシラクサの指導部。
     世界の歴史を見れば「どこにでもある悲劇」なのかもしれない。が、二千年以上も前から「どこにでもある悲劇」を繰り返し続けている人類の歴史に思いをいたした時、そこには別の大きな悲劇の存在を思わずにはいられない。

     現在連載中の『ヒストリエ』は似たような作風ではあるが、味わいは全然違う。本作を未読の方は、是非読んで欲しい。

  • 『ヒストリエ』を買うかどうか判断するために読んだ。

    面白かった。主人公らしい主人公がおらず、全員が脇役みたい。いい意味で。
    もっと人物やストーリーを分厚くしてほしいと思った。歴史がさっぱりなので、自分で含みを持たせて読めたらもっと楽しかったのかも。

    結局ヒストリエは買うことにした。

  • アルキメデスが浮力の原理を思いついた時に叫んだ「ヘウレーカ」を題名とする漫画です。
    プルタルコスの『対比列伝』のマルケルスの章をベースに、第二次ポエニ戦争で陥落したシュラクサイが舞台になっています。スパルタ出身の若者とローマ人の娘との悲恋、アルキメデスの技術とその最後が描かれているのです。エンターテイメントとしてはとても良く出来ていて、お勧めの一冊です。
    さてこの漫画ではアルキメデスが、研究以外のことについては痴呆状態であるかの様に描かれていますが、果たしてそうなのでしょうか。
    J.E. ゴードンの『構造の世界』によれば、古代の兵器の進歩はここシュラクサイで始まり、下級官吏から身を起こし僭主となったディオニュシス一世は、軍事政策の一環として世界で最初と思われる武器研究所を設立し、全ギリシャから最も優れた数学者と職工を集めた、とあります。
    私の推測では、アルキメデスの先祖が家業としての数学を携えて応募したとも考えられます。頭脳と技が集積したシュラクサイが辺境でありながら武器の開発で地中海世界でトップランナーなり、マルケルスを苦しめる技術開発を成し遂げられたのかもしれない。アルキメデスは若い頃学んだアレキサンドリアに自分の研究成果を書き送りますが、テーマは数学に限られます。彼自身も軍事技術に関わっていたに違いないのですが、これは軍事機密で公表されることが無かったので、記録にも残らなかったのでしょう。
    漫画に登場するシュラクサイ側の投石器は回転する一組のローラーによって球を打ち出す「ピッチングマシン」をモデルにしていますが、勿論古代にはこれを実現する技術はありえず、弾性体に蓄えたひずみエネルギーで石を打ち出すパリントノン(palintonon, ギリシャ)またはバリスタ(ballista,ローマ)です。バリスタと言っても電子デバイスではありません。
    スパルタ人ダミッポスがシュラクサイの女性を集めてローマの軍船を手鏡の反射光で焼き払う場面があります。作者の創作なのですが、この話の元ネタはヨハンネス・チェチューズの『歴史の書』です。この書は12世紀に書かれたことが『解読!アルキメデス写本』を読んで分かりました。これだけの衝撃的な戦闘ならば、記録に残るはずなのですが、「講釈師見てきたようなうそ」に違いありません。

  • ヒストリエやっぱ読もう

  •  塩野七生の『ローマ人の物語』(途中でうっちゃってあるけど)で、カエサルにもまして面白いのがハンニバル戦記だろう。
     そのハンニバルがシチリア島を落とさんと狙う。対するは「ローマの剣」マルケルス将軍。シチリア島シラクサ市民会では、従来の親ローマ派と、ハンニバルの力を借りてローマから独立しようとするカルタゴ派が争っている。

     スパルタ人で「変な名前」と常に突っ込まれるダミッポス、彼が主人公だ。ダミッポスはローマ系の彼女クライディアとハイキングしている。平和なシラクサ。そこにカルタゴ派によるクーデター。ローマ系の住人は捕らえられ始める。クライディアの両親も捕らえられ、クラウディアを匿うためにどこかないのかとダミッポスが訊くと、使用人から出てきた名前は、アルキメデス先生。
     『ヒストリエ』のアリストテレス先生みたいな設定だが、まだ元気なアリスト先生と違ってアルキメ先生のほうは、ちとボケがはいっている。ダミッポスはスパルタ人なのに「軟弱」な優男で、でも知恵が回る。アルキメ先生にすっかり気に入られてしまう。

     シラクサを攻めるローマ艦隊に対するのは、アルキメデス先生の発明した数々の戦争機械。マルケルスはいったん撤退を余儀なくされる。
     戦争機械はアルキメデスにとっても作りたくなかった核兵器のような大量殺戮兵器である。アルキメデスの弟子扱いになってしまったダミッポスは、よそ者の身で、シラクサ内のローマ対カルタゴの闘いに巻き込まれ、シラクサ外のローマに知略で対抗しなければならなくなる。さて──
     これも面白いよ。ダミッポスの痛快な活躍と、それでも戦争をどうしようもできない厭戦感と。

     捕らえられたクラウディアを解放するために、女性ばかり集めて、平和的な方法でローマ艦隊に攻撃を加え、「どうかな? ローマ戦艦7隻に損害を与えたんだけど……」とシラクサの将軍にダミッポスが迫る場面、最高。ついでにマルケルスを怒鳴りたおす場面も。

  • なかなか読む機会がない漫画。偶然にもローマものを二冊借りた。
    流行の? 『寄生獣』の作者の読みきり。
    アルキメデスの偉大さや戦いの理不尽さはわかったけれど、この漫画の良さはわからず…。

  • あるかもな、というリアリティ。そしてワクワク感。なんかできそうな気がしちゃう発明とかの距離感。不思議。

  • タイトルの「ヘウレーカ」はアルキメデスが「アルキメデスの原理」を発見したときに叫んだ言葉で「わかった!」という意味だそう。
    シラクサの戦いが舞台の歴史漫画。
    登場人物が活き活きと描かれていて、面白かったです。

  • アルキメデスと彼の開発した古代兵器をめぐる人たちのお話。(ただし主人公はアルキメデスではない)。おもしろくないはずがない。ハンニバルかっこいい。ですが、岩明先生の関心は彼のような英雄よりも、人知れず歴史を陰で動かした人々にあるのでしょうね。

  • ヒストリエのパイロット版のような?
    頭脳派スパルタ人が主人公。
    話としてはヒストリエの方が面白い。
    1巻で完結しているのは評価。ヒストリエは終わる気配が無いので。

  • 思わず「ウーンうまい」と唸ってしまう構成力の高さ。少ないページ数でこんなにしっかり楽しめてしまうなんて、やっぱり才能なんだろうなぁ~凄いなぁ~。この無機質である意味記号的な絵柄がいいんだよ、また。。。ぜひ一読を!でも表紙はチョット怖い。

  • 同作者の連載作品「ヒストリエ」以前に書かれた、紀元前のローマの戦争を描く作品。槍合わせの部分よりも知恵を使って戦う部分がクローズアップされている。

    対立するカルタゴとローマの間で揺れるシチリア島のシラクサ市。有力者・エピキュデス将軍の一存により、カルタゴにつく意を表明し、ローマからの制圧軍と戦うことになる。
    このため、市内のローマ人が捕らえられるという状況にあたり、シラクサに住むダミッポスは、ローマ人の友人・クラウディアの危機を救うため、アルキメデスの兵器や自身の知恵を活かして、敵軍と戦う。

    物語がキレイにまとまっていて、さらにまとめるのはなかなか難しい作品です。古代ローマの戦闘を描くコミックであまりないですから、時代に興味のある人にはオススメです。

  • ポエニ戦争でアルキメデスの殺戮兵器が大活躍する話。殺戮のグロシーン、老いて痴呆気味となったアルキメデスの悲哀、上官エピキュデスのゲスっぷり、チョイ役のハンニバルの不気味さ、いつもながらの飄々とした切れ者の岩明主人公・ダメッピくん…もといダミッポスなどは楽しかった。が全1巻なのでやはりボリュームが薄く、作品としてもものすごく意味のある話というわけだはない。あくまで古代ギリシアの歴史書を換骨奪胎した短編という感じ。

  • 「あの絵」でキャラクターがふるまうだけで何か満足するところがある。
    アルキメデス先生の投石器で投げた石が人にあたるとぶつかったところがきれいに吹っ飛ぶ(体にきれいな穴が開いたりする)描写があるけど、さすがにやり過ぎでしょう。ジョジョのクリームにやられたみたいになってるで…

  • ヒストリエの前身って感じかな。古代ギリシアローマ世界が舞台。 カルタゴのハンニバル将軍、ローマのマルケサス将軍。ローマ側からカルタゴ側に寝返ったシチリア島の都市国家シラクサと、ローマ軍の攻防劇。

  • 古代ローマの話。
    アルキメデスの発明品が凄い。
    最後はちょっと悲しい。
    おもしろかった。

  • 研究室の整理中に読む。面白いです。一気に読みきってしまいました。今年は時間があるので、ローマものを読んでみようかな。塩野七生を読んでみるのも悪くない。

  • おもしろかった!!
    欲を言えば、ハンニバルもっと出てきてほしかったー。話の長さが中途半端ではあった…
    ヒストリエに続いてよかった。

  • 古代ギリシアのお話。
    「ヘウレーカ」から、アルキメデスが主人公だと思っていたけれど、
    アルキメデスに関わった、一人の青年が主人公だった。

    話は面白かったし、アルキメデスの発明についても触れられており、
    また、歴史も少しだけ分かる。
    が、どこか中途半端さも感じた。


    「ヘウレーカ」は、
    アルキメデスが銭湯に入っているときに、「浮力の原理」を発見し、
    嬉しさの余り、「ヘウレーカ」「ヘウレーカ」と叫びながら、すっぱだかで家に帰ったというお話が元になっているらしい。

    「ヘウレーカ」の意味は「みつけたぞ!!」

    ちなみに、このマンガでは上記の話はまったく関係がない。

  • 天才の苦悩。素晴らしい才能にはどんな人間も寄ってくる。

  • アルキメデスの死はあっけないものだと聞いていたが、岩明さんのこの淡白な描き方は最高に合っている。

  • アレキメデス先生すごい。ハンニバルかっこいい。

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