大奥 4 (ジェッツコミックス)

  • 白泉社
4.06
  • (331)
  • (288)
  • (257)
  • (9)
  • (1)
本棚登録 : 2994
感想 : 136
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592143048

作品紹介・あらすじ

第13回 手塚治虫文化賞 マンガ大賞 受賞!!
美男三千人!男女逆転「大奥」完成の裏にあるドラマが…!? 堂々のクライマックス! 時代は少女将軍・家綱、そして五代将軍・綱吉へ…! 人々の様々な想いを飲み込んで、はさらなる進化を続ける――。 2008年12月刊。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 家光=千恵が女だということを公表したため、大名たちも女性の跡取りを持つものが増えてきた。皆男名を名乗った。

    千恵は大奥改革に着手。大奥の人員を整理し、暇を出したものを吉原に送る。
    また、「御内証の方」を死罪にすることも決定する。
    有功はそれに対し、素直にしたがって手配した。

    そして、女子の5分の1にまで減った男子が、4分の1まで回復。
    また、その年米が大豊作になる。
    女将軍はめでたいということになり、民衆にも受け入れられていく。

    ある日、千恵に夜伽に呼ばれた有功は「お褥すべり」を願い出る。
    千恵は納得し、ここに唯一将軍の側室から選ばれた大奥総取締・「お万の方」が誕生する。

    千恵はその後、流産や出産を繰り返し、慶安二年、それがたたったのか二十七歳の若さで亡くなってしまう。
    その死は千恵の遺言で父家光のものとして公文書には記されることになった。

    また、堀田正盛、阿部重次、稲葉正勝がその死に伴って殉死した。
    側室であった玉栄、お夏はそれぞれ出家し桂昌院、順性院と名を改めた。

    時は変わって千恵の娘、千代姫が四代将軍家綱として君臨。
    家綱の時代には女性大名がさらに増えており、全大名の半数以上にのぼっていた。
    家綱が14歳のとき、宮家から縁談が持ち上がる。しかし家綱は能や狂言、水墨画にしか関心がなく、恋などはとてもとても…。という感じの将軍だった。

    家綱の治世は家光時代の遺産ともいえる優秀な家臣たちが集まっており、幕政は安定の一途をたどっていた。
    しかし家綱自身は政治にあまり関心がなく、家臣にまかせきりにするため、「左様せい様」というあだながついてしまう。

    こまった家綱の大叔母、「保科正之」は、大奥総取締・万里小路有功に相談する。

    ある日家綱が「平家物語」を聞いていたとき、(有功の誘導によって)心優しい家綱は流罪人の境遇に心を痛め、暮らしを改正するため保科正之をよぶ。
    しかしこれが、彼女が将軍らしい所を見せた最初で最後のものだった。

    かねてから問題になっていた家綱の「御内証の方」には倉持(くらもち)という青年が自ら希望して選ばれ、死罪となる。

    明暦三年、江戸全体が大火災に見舞われ、江戸城本丸も焼け落ちてしまった。世に言う「明暦の大火」である。
    火災の中有功は家綱を抱えて火の手の遠い所へ逃げる。その道中、家綱は有功に抱きつき、「好き」と告白。「ずっとそなただけが私の男と思っていた」と。
    有功は愕然とする。

    江戸の町の復興が優秀な幕閣によっておこなわれ、また大奥も有功の指示により形を取り戻していった。
    だが有功はそののち、大奥から去る。剃髪して、吉宗が将軍になる五年前まで生きた。
    家綱は41歳でその生涯を終えるまで子を儲けることなく、妹の徳子(とくこ・千恵と玉栄の娘)が五代将軍綱吉として就任することになる。

    ここらへんから、男女の立場が入れ替わってゆく。
    綱吉は娘松姫を側室・伝兵衛との間に儲けた後、自分の自由にならない大奥のきまりに飽きていたが、御側用人・柳沢吉保の提案で、同じく御側用人・牧野成貞(ふたりとも女性です)の家で、能楽の宴を開くことになった。

    成貞は腕によりをかけて綱吉を歓迎し、上様好みの美男も用意。しかし、綱吉が指名した男は、成貞の夫、邦久―通称・阿久里だった。
    ここから綱吉の魔性の女っぷりが発揮される。

    綱吉の阿久里への寵愛は度を越しており、牧野邸へのお成りは32回に及んだ。また、牧野成貞には、下総国関宿の城主の座を与える。

    そんな綱吉に対して御台所の信平(のぶひら)は、京から美男を連れて来て綱吉の側室にし、自分の勢力拡大を画策する。
    一方側室の伝兵衛は、非常にあせり、ついには桂昌院(玉栄)に「少しは頭を使わんかい!」と怒鳴られてしまう。

    そんな中、綱吉は自分の横で眠る阿久里の姿を見て、「この男、もう永くないかもしれぬな」と察知し、その息子である貞安を誘惑。貞安は妻の時江を離縁し、大奥に入ることに。時江は自害。阿久里も死亡してしまう。また貞安も大奥に入った一年後に病死。夫も息子も奪われた牧野成貞はうつ状態になり、綱吉のもとを去った。
    そのせいで綱吉の寵臣は柳沢吉保ただ一人となり、彼女は絶大なる権力を手にする。

    そこにやってきたのが信平が呼び寄せた右衛門佐という青年だった。
    たちまちその美貌は大奥中に知れ渡る。
    しかし、彼はなかなかのしたたか者で、桂昌院をして「曲者」と言わしめる人間だった。
    また、学問にも優れ、学問(儒学など)の講義をするようになる。

    無類の学問好きである綱吉は、右衛門佐の評判を聞き、かれと学問についての問答をする。満足した綱吉は、信平に、右衛門佐を自分にくれるよう頼むが、右衛門佐自身は側室になることを拒否。
    代わりにお万の方有功以来ずっと空席だった大奥総取締の座を要求したのだった。

  • 待望のシリーズ第4巻。

    家光と有功のその後の展開に続き、四代将軍・家綱、五代将軍・綱吉の時代へと物語は移ってゆきます。

    実際の歴史ときちんとリンクしているところがすごい。
    いまさらだけど、ちゃんと観てなかったテレビシリーズの『大奥』をコンプリートして、この『大奥』と比較してみたくなりました。

    ホントにホントに面白い。

    今後の展開にますます期待大。目が離せません。
    誰にでもオススメしたい作品です。

  • 初代女将軍・家光の死から、時代は四代・家綱へ。しかしこの四代目は影が薄い・・・。何も起こらないまま(笑)、あっさり五代の綱吉へ。この綱吉は、玉栄の娘。絢爛たる元禄時代にふさわしい、いささか淫奔な将軍様です。恋のお相手は野心家の右衛門佐。

  • 家光は繊細だけど為政者としては聡明に描かれている。
    家綱は可もなく不可もなし。
    綱吉はどうだろう?

  • 左様せい 閨には添い寝の者三十五過ぎの男には手を付けてはならぬあれも駄目これも駄目 こうして三代家光公の御世お万の方有功以来長く空席であった大奥取締の座を一人の男が手に入れたのである

  • 今回は3人の女将軍達の話。
    皆それぞれ、色々あり…。
    続きも楽しみに読みたい。

  • どんどん面白くなるなぁ
    良い物語です
    誰かが
    どこかで暗躍している
    でも
    やっぱり人が
    人として考えているから
    その思いがあるからこその
    歴史
    どこに流れていくのだろうか
    歴史を学びたくなる
    その方がもっと楽しめそうな気分になる

  • 有功と家光の間に子どもができていれば、2人の人生も他の人の人生も大きく変わっただろうに…
    もちろん現代とは寿命が違うけど、わずか27歳で亡くなってしまったのは妊娠と流産を繰り返した結果だよね…
    男なら1度に複数人の側室と子どもをつくれるけど、自分の身体で産まないといけない以上そうもいかないし…残酷すぎる

    有功にとって仕える上様は2人でも、家光同様心にいるのはたった1人だった…
    まあ子どもの頃から有功がいる家綱が、他の男を好きになれるハズがないから可哀そうなんだけど

    綱吉の時代…玉栄が変わってしまって悲しい…

  • 本巻は有功と家光の愛の昇華、二人の大奥総取締の話、四代将軍家綱の恋、有功の部屋子で家光の側室すなわち玉栄こと桂昌院の変貌、そして今後もキーパーソンとなる右衛門佐等、盛り沢山の内容となっている。本物の歴史よりある面、面白いかもしれない。加えてテレビ版の方も作りが素晴らしく、映像の華美だけではなく人間関係のドロドロさに拍車がかかっている。時代劇って本当に面白いですね。

    テレビではまず、哀れな吉沢悠(牧野成貞の夫)に目が行った。2人の御側用人柳沢吉保(倉科カナ)と牧野成貞との水面下の争いの犠牲となった。綱吉が牧野邸で堂々と元カレ(牧野成貞の夫)と32回も御成りする。挙句の果てに息子まで頂戴する。なんともいやはや。しかし、吉沢悠、老けたな。初老の設定の役柄にピッタリと感ずるも、ちょっと物悲しい。
    竜雷太(桂昌院)はNHKの大富豪同心(毎週日曜の早朝)でも良い味を出しているが、こちらでもはっちゃけた素晴らしい演技をしていて、ご褒美として倉科カナとの絡みを戴いている。実に羨ましい限りである。しかし、あの玉栄はどこへ行った?竜雷太の脚が見えたが典型的な老人の脚(異様に細い脚)をしていた。これには興ざめしたが、反面ドロドロとした関係性は予想以上に表現できていた。
    山本耕史(右衛門佐)は今巻ではまだ大人しいが、次巻以降での活躍に期待したい。

  • ここへきて中だるみ感。
    江戸時代の歴史をただ単に男女を入れ替えてなぞっているだけという感じがしてきた。
    これだけ評判のよい漫画なのでそれだけで終わるはずはないと思っている。次巻以降に期待。

  • 家光と一緒にいられない有功の思いの吐露が切ない。
    家光が「特別だった」と言ってくれることだけが救いだ。
    悲しいけれど、純粋で幸せな一つの形だったのかもしれない。

    時代は四代将軍・家綱、五代将軍・綱吉へと続いていく。
    有功がいなくなった後の大奥がどうなっていくのか、怖くなってしまう。

  • ちょっと退屈になってきたでしょうか。この調子で幕末まで行くのでしょうが、男女逆転がこの辺りの時代だと苦しくなってきているように思いました。

  • 有功の身の引き方が素晴らしかった。
    政治力の無かった家綱の後を継ぎ、綱吉がどのような手腕と恋愛を展開するのか楽しみ。

  • 家光の宣言がかっこいい。将軍としての覚悟と、有功への変わらない想い。有功にとっては離れた方が気持ちは楽だったのだろうが、大奥総取締として家光に尽くしたかったのかな。その辺はあっさり描写。
    家光も有功も、その死は静かに語られる。ドラマの2人も思い出して切なかった。

    家綱に想いを寄せられ大奥を去った有功。そりゃ身近にあんな美しくて賢く優しい男がいたら他の男より魅力的にみえてしまうかもなあ。しかも母が最も信頼した男ということで余計に。

    そして綱吉の時代。有功そっくりの男が現れる。側近の夫と息子を奪うエピソードはえぐい。

  • 2015.2.14市立図書館 →2020.4.3購入
    家光から第4代家綱の短い時代を経て第5代綱吉の時代へ。
    テレビドラマになった有功編は切なく終わって、
    はかなく悲しい4代将軍(父も気の毒な人であったけれど、姫もまた…)はかけあしに去り、映画化された右衛門佐編は綱吉も凄ければ柳沢吉保もしたたかなこと。
    表紙は玉栄。

    娘は有功がお気に入りだったようで、残念がっていた。
    神原家はさとが死んでしまって、このあとどう展開していくのかしら。

    ***
    2023年ドラマ10「大奥」(脚本:森下佳子)をみながら読み返している。
    ドラマは第1話が吉宗・水野祐之進、第2〜4話で家光・有功編を描き、第5話は女将軍の誕生から家光の死、左様せい様を経て(生前に面識のある綱吉への興味にはやる吉宗が読み飛ばしたという体で家綱編は割愛)いよいよ綱吉・右衛門佐編のはなやかな元禄の世へ。徳子(綱吉)仲里依紗、右衛門佐山本耕史、柳沢吉保倉科カナという主な配役もばっちり。牧野家の顛末はややコンパクトに描き、京から右衛門佐がやってきて大奥で地盤を固めていくところまで。巻末の右衛門佐が大奥総取締になるところが次回(第六話)冒頭か。

  • 玉英がかなりの野心家だったということがわかる一冊。最初は駒使いだったのに、結構食い込んできますね。

  • 三代将軍徳川家光~四代家綱(千代)~五代綱吉(徳子)
    万里小路有功(ありこと)
    右衛門佐(えもんのすけ)

  • 綱吉登場。

  • 有功と家光の関係が切なかった。彼らの時代が過ぎ去ってしまうのが残念です。有功は大奥の良心だったのに、有功が去った後の大奥は怖い。魔性の綱吉と野心満々の右衛門佐。この二人の組み合わせで、今後が益々怖くなりそうな予感。

  • 家光さんが亡くなって、ちょっと物語がバラけちゃった感じ。
    さと姉ちゃんのサイドストーリーは結局何だったんだろう?
    どうも話が大きくなって、焦点が定まらなくなってきたように思うなぁ…。

全136件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

東京都生まれ。代表作の『西洋骨董洋菓子店』は2002年、第26回(平成14年度)講談社漫画賞少女部門受賞。2006年、第5回(2005年度)センス・オブ・ジェンダー賞特別賞、第10回(平成18年度)文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。ほかの作品に、『大奥』『フラワー・オブ・ライフ』『愛がなくても喰ってゆけます』『愛すべき娘たち』『こどもの体温』などがある。


「2022年 『きのう何食べた?(20)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

よしながふみの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×