3月のライオン (1) (ヤングアニマルコミックス)

著者 :
  • 白泉社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (185ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592145110

感想・レビュー・書評

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  • ヤングアニマル(白泉社)で、羽海野チカ先生の
    『3月のライオン』の連載がはじまりました。
    『ハチミツとクローバー』で人気を博した羽海野先生の
    青年誌での新作とあって、期待してしまいますね。

    では、作品の軽い紹介と、第一話の感想でも。
    主人公の少年、桐山零は、17歳のプロ棋士。
    第一話では、詳しく明かされませんが、家族と溝があり、
    一人暮らしの様子。
    対局後に、家の晩御飯のカレーに誘う3人がヒロインなのかな?
    家は零の一人暮らしの殺風景なマンションと違い、いかにも下町
    なかんじ。
    彼女達と零の関係は次回以降明かされると思うけど、
    気になりますね。
    将棋の師匠の血縁とか、そういう感じなのかな?

    今回は舞台は将棋界だけど、ラブストーリーになるらしいですね。
    前作のハチクロでは美大でのラブストーリーだったけど、今回も
    ある意味、特殊な業界を舞台にしてるのが、興味深いです。
    読んだ感じ、相変わらず心理描写に共感をおぼえる部分が多いです。
    人の心の寂しさを描くのが本当に上手。
    言葉がキレイすぎる傾向はあると思うけど、登場人物の抱く、
    不安や孤独に自分を重ねてみてしまう部分は多いんじゃないでしょうか。
    私はといえば、第一話で既に感情移入して読んでしまいました。
    ハチクロでは、竹本くん、真山、山田さんに感情移入する部分あったなあ。
    この作品、寂しさの後に、どこか救いがあるような気がして、
    そこがまたいいんですよね。
    弱い自分だって幸せになれるかも、ってこれを読むと思えるというか。
    普段、人間に対して暗たんたる気持ちを抱えている自分でも、
    この作品の登場人物には素直にエール送っちゃうんですよね。
    羽海野先生の作品にはそんな力があると思います。

    この『3月のライオン』も好きな作品になるといいなあ。

    2007年07月16日(月)

  • 久々の1巻から16巻までの一気読み。
    やはり、色あせない名作だった。
    自分は将棋は全くわからないけれど、静かに胸を熱くさせられた。
    漫画でしか表現できない、目にはみえない孤高の世界がここにある。

    主人公、零くんも中身の濃い17歳だけど、それが霞むくらいそれぞれのキャラが癖があって魅力的。
    繊細で内気な少年も、枯れたじいさんも、虚弱体質でネガティヴ思考も、みんな中身はゴリゴリのファイターなのだ。
    (藤井聡太さんも知的で静かな印象だけど、きっと中身は屈強な猛者なのかも☆と妄想が膨らむ)
    そんな中、絶対的王者である宗谷冬司は儚くて、頼りなげな不思議ちゃんに描かれているが、人間力も精神論も全部すっとばして強いやつがとにかく強い!という、常人を拒絶したこの世界の身も蓋もなさを示す象徴的なキャラになっている。
    それぞれのひたむきさに触れ、始めはウザく感じていた二階堂も、いつの間にか『もっと二階堂のシーンくれ!』となっている自分に気づく。そんな風に曲者ほど愛すべきキャラに変貌しているのだ。
    そしてじいさん達の悪あがきがカッコいい!(こんなにいろんなおじいさんが出てくる青年漫画ある?)
    そんな棋士たちの言葉のいらない関係性が尊い。
    ”ガツン”と”ほっこり”がなぜか共存してるこの世界。それはもう羽海野マジックとしか言いようがないのだ。

  • 「ブクログって、面白いよ」
    高2の姪と話しながら、画面をあちこち見ていると、
    突然、
    「あっ、この本、素敵だよ。私、持ってる」って。
    私が初めてフォローした人の本棚にあったので、
    「この人のレビューは、はなまるが多いでしょう。自分の読書の参考にしているんだよ」
    と私。
    「それじゃ、この本貸してあげる。読んでみて」
    と、話が弾んで、
    「三月のライオン」を読み始めました。
    年齢差46を、容易に超えて、盛り上がります。

    • まろんさん
      e-kakasiさん、こんにちは。

      46歳年下の姪御さんにコミックを貸してもらって盛り上がる・・・素敵ですね。
      『3月のライオン』は、ひと...
      e-kakasiさん、こんにちは。

      46歳年下の姪御さんにコミックを貸してもらって盛り上がる・・・素敵ですね。
      『3月のライオン』は、ひとりで戦う厳しさ淋しさも、人と繋がることの温かさも
      若さ故の無力感も、老いの苦しみも、卑怯きわまりないいじめも
      ただ不器用に寄り添うことでじんわりと癒される瞬間も
      すべて詰め込まれた、大好きな作品です。
      e-kakasiさんが読み始めてくださったこと、とてもとてもうれしいです。

      高2にして、この本を「素敵」と言える姪御さんも、ほんとうに素敵。
      どうぞよろしくお伝えくださいね。
      2013/02/04
    • e-kakasiさん
      まろんさん、投稿、ありがとうございます。
      最近、コミック原作のテレビドラマが増えているって言われますが、この「3月のライオン」を読んで、テレ...
      まろんさん、投稿、ありがとうございます。
      最近、コミック原作のテレビドラマが増えているって言われますが、この「3月のライオン」を読んで、テレビドラマにしたくなるようなコミックが多いんだって初めて分かりました。
      でも、この本のギャグのコマは、時々、二度読み、いや三度読みして理解したり……やはり、年齢差がここにありました。
      2013/02/05
  • 久々にこういう人間ドラマ的な漫画でいい作品を読んだ。
    いい意味でオタクっぽいけど悪い意味でオタクっぽくないバランスの良さとユーモアのセンス(これ私的にすごく重要)は作者の漫画家としての才能だろう。
    主人公・零という人間の芯にある弱さ哀しさ生きづらさがきちんと考察されて丹念に描かれているあたりが、全体に現実感と重みを与えていて読み応えがある。それでいて零をとりまく人たちのキャラクターが魅力的で、重くなりすぎないバランスの良さも併せ持っている。次巻に期待が持てる。

  • 東京の下町に暮らす17歳のプロ将棋棋士・桐山零の物語。
    1話目の構成がすごい。香子の強烈な言葉たちから始まった開幕。そこから零が目覚め、将棋会館へ向かう時の、下町の音だけが響いてくる静けさとの対比がいい。
    そして義父との対局後、初めてのセリフ「うそだ」の切れ味。ここもその後の川本家の描写とのメリハリがきいているよね。現実の冷たさも温かさもしっかり詰め込んだ1話だと思う。

    川本家は人物だけじゃなく、料理やお盆の風景など画面の端まで丁寧に作り込まれていて、それが家族の温かさに真実味を与えているんだと感じる。
    そして、それは将棋盤と最低限の物しかない零の部屋と対比にもなっている。事故で家族を失い、引き取られた家で生きるために将棋に打ち込むも、虐げられてきた彼。
    居場所も何もかも失った零が、これから何を手に入れていくのか。そして、生きるためについた「将棋が好き」という嘘。プロ棋士として生きていく中で、彼がその気持ちとどう向き合っていくのかに期待したい。
    ライバルの二海堂もとてもいいキャラだよね。子供将棋大会のエピソードも好き。零のことをガンガンかき回して欲しいね。

    義理の父の「他人が説得しなけりゃ続かないようならダメなんだ 自分で自分を説得しながら進んで行ける人間でなければダメなんだ」は前作の『ハチミツとクローバー』でも感じた羽海野先生の哲学だなと。現実の厳しさの中で、あたたかく瞬く人間模様をまた見せてもらえたらいいな。

  • 事故で家族を失って、自立するために
    プロ棋士になった少年の話。

    話が全体的に暗い!けど
    これから良い方に変わっていきそうなお話でした。

    ウミノ作品にはいつも見守る人が出てくる(その人も傷ついてるけど)。
    ウミノさんにそういう人がいるのか、理想なのかはわからないけれど
    理解して見守ってくれる人がいたらきっと心強いでしょうね。

    二海堂がなんかよかった。
    好きとか嫌いとかじゃなく。
    負けたくないと、負けるのが悔しいと、
    素直に想って(口に出てるけど)ところが、なんだか胸打たれてしまった。
    負けず嫌いって自分はとても苦しいのにね。

  • こまった!はまってしまった。

  • CD付の10巻を買ったものの、やっぱり全部読まないと意味ない気がして1〜9巻をまとめ買い・読みしました。

    以前、レンタルで4・5巻位までは読んだことがあります。
    何故読むのを止めたかというと、登場人物の生き方が剥き出し過ぎて、自分には何だかキツかったからのような気がします。

    今回は、それから年月が経っていたのでだいぶ大丈夫だったし感動しましたが、やはりこの漫画は自分がたるんでると自覚がある人間にはちょっと辛いです。

    だって実際「努力できるのも才能の一つだ」って、お酒を飲みながら何回も言ったことがあるし...。

    でも、私みたいな、そういうたるんだ人間が多い現実だからこそ
    このお話の人物達の、何が何でも絶対条件として前を見る!っていう生き様に感動するんだとも感じました。

    特に、「この次のコマでは、きっとこの人が辛そうな顔してるんだろうな」って流れで
    不敵な笑みだったり、ギャグっぽい笑いだったり、満面の笑みだったり、「え、笑ってる!」って事が何回かあって、
    彼らのそういう強さに憧れたりもします。

  • 今日本で一番マンガがうまい人だと思います
    二位は 冨樫義博です

    特にコマ割りが二人とも抜群にうまい

    これは二人が天才型でなく漫画オタクで子供の頃から研究してきた成果だと思います

    後は…
    登場人物へのスポットの当て方が不規則で良くわからない、計算ずくなのか気分的なのか

    義姉は再び登場するのか義弟は?
    家族問題は解決するのか

    ハチミツとクローバーでも後半一気に話が展開していきましたけど、先が読めない作家です。
    目的地を決めずに書いているんでしょうか?

  • みんな、それぞれの針を胸に飲んで生きている。それをわからずして他人を否定なんできない。ましてや、わかっていたらもっとできない。

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著者プロフィール

東京都出身の漫画家。デビュー作品、 美術大学を舞台にした青春漫画『ハチミツとクローバー』が大ヒットとなり、アニメ化・映画化された。 2007年より『3月のライオン』の連載を開始。 同作はマンガ大賞や講談社漫画賞、手塚治虫文化賞などを受賞した。

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