3月のライオン 5 (ヤングアニマルコミックス)

著者 :
  • 白泉社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592145158

感想・レビュー・書評

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  • 乙女チックな絵柄に騙されてはいけない。
    「あれ、これはきちんと読まないと」と思わせるマンガ。

    東京の下町を舞台に、将棋の世界に身を投じた少年、桐山零と、
    それを見守る三姉妹の物語。
    桐山君が苦悩と成長の果てに見出す世界を、その行く末を、見届けたい。
    乙女チックな絵柄と思わず微笑む(笑ってしまう)ような場面がなければ、胸が苦しくなるばかり、かも。
    その絶妙なバランス感覚に脱帽です。

    5巻、何度読んでも最後のところでどうしても泣けてしまう。
    林田先生も島田さんも、そしてあの後藤も、大人の男たちが素敵です。
    桐山君、ガンバレ。

  • 始まって数ページで涙ぐみました…
    島田さん………!

    主人公の零もちゃんと前に進んでいます。…先生、いいひとだなぁ。

    そんな中での、ひなちゃんのトラブル。

    せつなさ、さびしさ、戸惑い、そして、やさしさ。
    いろんな人の思いが、交差する巻でした。

  • 「気にせんでももとよりここは鬼の棲家 火の玉みたいに傲慢で気の強い人間しかおらんのにな」
    あたたかくも棋士の厳しい勝負の世界を象徴するような一言で好き。
    宗谷と隈倉の名人戦も見所。インタビューでは淡々としていた隈倉が壁を蹴破っていたシーンもいい。零だけじゃない。飼いならせない内なる獣とともに皆、戦っているんだ。

    島田への心ない言葉に腹を立てた後藤。
    「リングに上りもしねーで野次だけ飛ばすヤツを見ると虫唾が走るんだよ」
    己の獣と向き合えないと、人は外に攻撃してしまうのかなと感じた。
    後藤に対する零の複雑な感情。そして、読者としても後藤と香子の関係性を見て、印象は変わってきた。一筋縄ではいかないね。まさしく「混沌だな」。

    零の心にのしかかっていた学校への思い。
    「何かこう『思いがけないモノ』が入って新しい味が生まれるのもいいな」
    この言葉通りの放課後将棋科学部(将科部)のエピソードもよかった。お互いの宝物を交換し合うような。あのラムネの味は忘れられないだろうな。

    そして、その一方で学校という同じ場所で、ひなたに影をおとす事件が。
    「後悔なんてしないっ しちゃダメだっ だって私のした事はぜったいまちがってなんかない!」
    ちほを救えなかったひなた。しかし、この言葉は過去に孤立していた零のことを救った。この世界には手を差し伸べてくれる人もいるんだと。
    重く深いこのテーマをどう掘り下げてくれるかに期待したい。

  • どうしてこう、辛くて泣きたくなるのに
    美しくさえ感じるのだろう。
    チカさんは優しい。
    それは戦う優しさで、僕の求めたものだ。

  • 相変わらず全てのキャラクターが個性的でありながら、一人漏らさず魅力的に描かれています。
    島田八段のタイトル戦が終わって、5巻はちょっと箸休め的な内容かな、と思っていたら、
    最後のチャプターでいじめというシリアスなテーマがぶちこまれ、どうやら一息つく暇もなさそうでした。次巻が気になる…!

  • やっぱり林田先生好きだわー。ぐさぐさとやさしい。
    放将部のみんなもやさしい。

    香子はちょっとかわいいと思えてきたな。

    そしてひなちゃん。
    なんてゆーか、その健気さと強さとやさしさにただ涙。
    この漫画にわたしも救われるよ。

  • もう5巻目まで進んできたのに、
    毎回心をぐわしっと鷲掴みにしてくるこの作品。

    登場人物一人一人の生き様に、
    「お前はどうなんだ」
    「お前はきちんと生きているのか」
    「お前は自分の仕事に向き合っているのか」
    と問い詰められている気がします。

    だって、それぐらい
    一人一人が一生懸命「生」を全うしているんだもの。

    最後のシーン。
    零が一気に開眼しました・・・痺れる・・・

  • 人間将棋面白かったな。
    林田先生ほんとにいい先生だな。いてくれてよかった。
    部活の話はほっこりした。
    後藤と香子の関係が少し垣間見えた。思っていた感じとは違うのかもしれない。とはいえ、零君を殴ったのは許せないけれど。
    ひなちゃんの言葉に救われ、ひなちゃんを支えると決心した零君。胸の奥がキュッとした。

  • 良かった。桐山の内面がさらに深く描かれ、また新しい一面も見ることが出来た。キャラクターの泣き顔には心が揺さぶられる。

  • 2015.11.8市立図書館
    将棋のエピソードと、零の学校生活のエピソードと、川本3姉妹とくに真ん中のひなたのエピソードとがからまりあいながら、少しずつ少しずつ零が、人との信頼関係をとりもどす、というか築きはじめている。
    強くなればなるほどに負けたときの悔しさも大きくなる、闘志はあってもそれを表に出さずコントロールする「偽りの草食」棋士のシビアな世界。でも、いろんな人(一見、いや実際にとっつきにくい、むずかしい人)はいるけど、だれもがどこかに人間くさいよさをもっているという世界観がいい。
    勝負の世界の緊張ではりつめきった空気と川本家と和菓子屋さんのほんわかおいしそうな空気が絶妙にブレンドされた味わい。ところどころにはさまれた先崎学のライオン将棋コラムもおもしろい。

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著者プロフィール

東京都出身の漫画家。デビュー作品、 美術大学を舞台にした青春漫画『ハチミツとクローバー』が大ヒットとなり、アニメ化・映画化された。 2007年より『3月のライオン』の連載を開始。 同作はマンガ大賞や講談社漫画賞、手塚治虫文化賞などを受賞した。

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