3月のライオン 6 (ヤングアニマルコミックス)

著者 :
  • 白泉社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592145165

感想・レビュー・書評

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  • 学校でのひなたへのいじめという大きなテーマ。
    「答えはどこにものってない いや『ここに居る人間の数だけ』の『答え』があるからこその この泥沼だ」
    彼女とその周りの人間たちが居場所を勝ち取るために、自分のできることで戦っていく。
    相米二がひなたの勇気を褒めて肯定したところが素敵だった。

    「『必要とされたい』『だから強くなりたい』それのどこが不純なんだ?と お前はお前に出来る事をまずいっこいっこやるしかないんだよと」
    林田先生の言葉は深呼吸のように体に染み込んでくる。
    人のことに気づけないと後悔していた零が、ひなたを見つけ出したシーンもよかった。

    将棋の方は新人王戦。二海堂の意気込み。そして、島田との過去。零はひなたへの思いも背負い、戦いへ挑む。
    「世界の中心は自分だとでも思ってんだろうな」
    と思ってる零も周りにしっかりツッコまれてて笑った。でも、こういう思いが闘争心に繋がるんだろうね。世界の中心という居場所を一生かけて奪い合う勝負の世界。なんて過酷な世界なんだろう。

  • 読むのがつらかった、でも、こんなにも読んでよかったと思える本もなかなか出逢えない。

    「戦っているんだ みんなたったひとつの 小さな自分の居場所を 勝ちとるために」
    ひなちゃんも、二海堂も、零くんも。そして、彼らを優しく見守る、一緒に闘う大人たちもいる。
    自分にも勇気を与えてくれた巻。

  • 人は一人で産まれて一人で死ぬ。
    けど、絶対に一人では生きていけない。

    誰かが自分の為に心を砕いてくれる。
    誰かが自分の居場所を作ってくれる。
    誰かが自分と同じ方向を向いてくれる。
    一人じゃない、誰かがいてくれることがどんなに素晴らしいのか。
    読み進めるほど「誰か」の存在に感謝し、胸が熱くなった。

    また、登場人物の関係も過去を交えて深くなっていった今巻。
    一人だった彼らがどんどん「みんな」になっていく実感を覚えた。

    主人公、零の成長も顕著。
    二階堂の存在で自分を確かめ、
    島田の存在で戦う意味をおぼろげながら見いだし、
    ひなたの存在で自分よりも大切な何かを見つけ、
    そして今は自分の足で立って戦うことを選び抜いた。
    みんなの心に触れて彩られた零は、
    きっとこれからどんどん豊かな表情になっていくのだろう。

  • 私もひなちゃんのおじいちゃんや零君、林田先生のように大事な人に何かあったとき全力で味方になれる人でありたいな。
    勝つ理由がわからなくなっていた零君が、誰かのために勝とうとしている。誰かと関わっていれば「必要とされたい」と思うのは当たり前で、だから頑張れることもたくさんある。
    そして二階堂の秘密。川本家の秘密。
    いろんな想いを抱えて戦う零君はすごくかっこよかった。

  • 桐山のなかに「人に必要とされたい」「大切なひとたちの力になりたい」という感情が生まれたということは彼にとって大きな進歩だと思う。みんなが、人を大事に思うが故に迷ったり葛藤したり苦しんだり、人間らしさが存分に出ている6巻。桐山がひなたを大事に思う理由に説得力がある。そして最後のページが良かった。

  • 人を大切に思うこと。
    大切に思うから、できること、できないこと。
    自分のために生きること。
    そのために、やらねばならないこと。

    人生の大切なことが、重く、ときにユーモラスに
    じっくりと読ませられる。

    ラストは、自分がなぐさめられているような感動…。

  • 第6巻。
    せっかく前巻でひなに「僕がついてる 一生かかってでも僕は 君に 恩を返すよ」と言ったのに、
    担任の林田が聞いたら、「だって彼女は僕の恩人なんです 恩は義をもって返す それが人としての理です」と、対局料を計算して現実的な数字で持って行こうとする、ズレている零orz

    新人戦に勝って、ひなが修学旅行の京都に駆けつけたシーンも感動モノのはずが、「ただただ心配だった」って、オカンポジションじゃないか…。

  • いや、参った。もう将棋マンガじゃ無いよね。

    いや、将棋マンガなんですけどね。僅かにスポコン的要素もあったりするね。

    薦められてる意味が分かって来ましたよ。すぐ次も読みますよ。

  • 桐山くん、やったね。
    二海堂くんとは心友だもんねー!!

    ひなちゃん、おねいちゃん、負けないで。
    なんてゆーか、女の子の親やってるとリアルにこういうことありそうで・・・
    胸が痛いです。

  • みんな、小さいけど確たる居場所を探すために必死に生きているんだな。

  • 「戦いの第6巻」は、まさに皆が必死に戦っている話だった。
    自分の為に、大事な人の為に「強くなりたい」と願いながら。
     それにしても表紙ッ!! 
    確かに何処から見ても二階堂くんなんだけど、
    予想外だったから これが探している本だと思わなくて、
    お店の中をキョロキョロしちゃったわよー
    ところで。モモちゃんのヌイグルミは、みつかったのかしら?

  • 誰かのために頑張る零の成長と行動力。
    学校という閉鎖的な社会のヒエラルキー、いけすかないダメ教師に加害生徒。作中にも書かれてありましたが、こういう風景って誰もが見てきたものなんじゃないかという気がしますが、そこで正しいふるまいができている人を見たことがある人はほとんどいないのではないでしょうか。少なくとも私の記憶にはありません。それだけに、どうかひなの行いが報われますように、という思いで読み進めました。こういう現実にシリアスな問題を安易に解決に持っていこうとしない羽海野さんの描き方にも、きちんと向き合っている感じがして素敵です。
    そして二階堂…!二階堂と零の関係性にも胸を打たれる巻でした。

  • 2015.11.8市立図書館
    半年ぶりぐらいでようやく(しかし相次いで)めぐってきた第5&6巻。

    だれかに必要とされたい=強くなりたいという動機付け。
    邪道のようだけど、たぶんみんなそうなんだろうなぁ。
    ひとと交わるのが苦手で、自分のことでせいいっぱいで、ひとの気持ちになかなか気づけなくて、零に親近感を感じる。
    零くん、そして零くんや家族(学校の高橋くんも、零くんのもと担任も)に見守られて、自分のささやかな場所を勝ち取るために闘うひなたにエールを送りたい。

    ひなたの学校の問題をめぐって緊迫した展開、ずいぶん考えに考えて描かれているのだろうな。このあたりは小5次女も中2長女も身につまされながら読むんだろう。

    続きが気になるのに、次は29人待ち…

    2017.11.22 購入

  • 【出てくる食べ物:カツどん】

    ひなちゃんの学校のいじめの話が続き、話がちょっと重いです。

    家族の悩みを受け入れて、真剣に一緒に悩む。
    ひなちゃんの行動を受け入れるじいちゃん!に、
    家族を守りたいあかりさん。
    理想の家族ですねぇ。。

    ひなちゃんが苦しい時に現れるれい。
    王子様か!!?
    と思わずつっこんでしまいました。
    なんだか急に、少女マンガっぽくなってきました。
    いよいよ恋の話でしょうか。

  • 先生好きだな。笑
    恋のフラグかと勘違いしちゃうところ笑った。

    二海堂の言葉に自分を取り戻し見事新人王に。

    その後、ひなちゃんを探して京都を走り回る零くん。
    ひなちゃんはどんなに心強かっただろう。

  • 物事への取り組みは真摯でなくては、それこそ鼻血が出るくらい。
    でなくてはやる価値がないってこと。
    と一巻から本巻まで一気再読しましたが、いやぁ、このマンガはお薦め。歴史に残る作品と断言す、って当方が吠えても詮無いかもしれませんが。

  • みんなそれぞれ戦っている。小さな居場所を見つけるために。
    自分のことで精一杯でついまわりの寂しさや、悲しみ、苦しみに気づかないでいた零が、今度はささやかだけど大切な人のために頑張る回。人のためだと強くなれる。このマンガ、いろんなものが詰まってるなぁ。続きも読みます!

  • 人間、何かを護り通して、その中からその次へ進むための何かを
    得ようとすると、傷も深くなるけど強くなるもんだなあと感じました。

    零くんも、ひなたちゃんも、二海堂くんも、林田先生も、ほかの人々も。

    みんな自分の戦いを、そのために戦い続けている。
    這い上がって、這い上がって、それしかないから。

    誰かの為に、自分の為に。
    一生それは誰もが続ける。

    自分だけがキツいんじゃないなって、背筋が伸びました。
    戦ってきた自分も、自分はそっと胸に畳んであげればいい。
    次の為に。

    負けないで欲しいですね。このお話の人々の誰もが。
    ゆっくりでいいから、立ち上がっては歩き出す人でいて欲しいです。

  • 誰かの「必死さ」は
    別の誰かを動かしてくれるんだな。

    毎度毎度じーんとこみあげてきます。

  • 1~6巻まで大人買いして読んでしまったので、それぞれの巻での印象でなく、総評になってしまい、口惜しいです。
    とにかくスゴイマンガです。
    ただの将棋マンガではありません。ただの少年の成長物語でもありません。人が生きていくのは、ただただ「戦い」、周りとの、そして自分との。誰もその事に背を向けて、立って前に進むことはできない、それをこれだけ濃く濃く描けるのはこの作者以外にいません。本当に胸をえぐられるようでありながら、目が離せない作品です。
    この作品を産みだしてくれた作者に感謝です。

  • ひなちゃんのつよさはあぶなっかしくて、見てられなくて、でも、その怒りを諌める言葉は出てこない

  • 冒頭から涙、涙 だった。
    ひなちゃんを想う、じぃちゃんのあったかい言葉に号泣。
    零ちゃんのちょっとズレた優しさに笑い泣き。
    あかりさんの弱い優しさにしんみり涙。
    そして、最後、二階堂くんにまたまた号泣した6巻だった。
    読み終わった後、表紙を見て、しみじみ泣いた。
    すべてよし。ただ、もう少し厚みが欲しい、本に。

  • いじめに立ち向かう、ひなちゃんの健気さと、自身の病気と闘いながら将棋を打つ二階堂の勇気に感動です!

  • おもしろいにゃー。

    しかし、ひなちゃんに対するいじめっこの物言いが的確ではないような。
    ああいう聞こえるように言う陰口って、どこか本人に少しだけでも思い当たるような文句でないとずきんと来ない。…と思う。

  •  ひなに学校でのいじめを打ち明けられた零は、彼女を守ろうと決意。元担任の林田に相談し、自分にできることを探そうと必死になる。しかし、事態は悪くなる一方で……。そんな中、「心友」の二階堂が対局中に倒れたと聞いて……。

     表紙が「ぶはは……」って感じで、少女漫画の表紙じゃないなぁとか思ったんだけど(まぁ、島田さんときもそうか)、6巻読んで、表紙を見ると、二階堂くん元気になってほしいと切に願うのみ。
     今回も、ひなちゃんは本当に読んでいてつらく、彼女を守ろうと一生懸命な零くんは、空回りも含めて、とっても愛しい。
     林田先生がいいなぁ~。ひなちゃんの担任の態度に、煮えくり返るほど腹が立って、林田先生にすごく共感して……。

     今回はあかりさんの弱い面や3姉妹の父親のこと、二階堂くんが零くんに見せなかった顔など、知らなかった面が多々あり、身につまされたけど、そういうのをたくさん知って、零くんがまた成長していくのが、なんとも頼もしかったりもする。
     もったいなくて、じっくりじっくり読んだけど、読み終えたら、また読み返したくなって困った。

  • オビの通り、戦いの第6巻。零自身が“純粋な欲じゃない”と自覚しながらも、勝ちを欲する様は、さながら一皮剥ける男。かっこよすぎる。
    また、二海堂やヒナもそれぞれの戦いに臨んでいる。ヒナの苦悩と零の不器用ながらも必死にサポートする様は熱いものを感じた。
    ある意味残酷に突きつけられる現実と、それに対してどこまでも直球勝負で挑む展開に、羽海野チカ先生の真骨頂を感じた。

  • 羽海野チカ
    白泉社 (2011/7/22)
     (ジェッツコミックス)

    ますますよくなるこのコミック
    切なくていとしくて もう いいわぁ

    きりっとした作者の目線、表現力 言うことありませんね

    ただただ次巻をまっています

    負けるな!ひなちゃん!

    零君(ちょっとずれてるけど)の成長が楽しみです
    めがねほしい!

    ≪ 乗り越えて 羊の三月 早く来い ≫ 

  • 読むのを途中で止めてしまう。

    というのがたまにありますが。

    決しておもしろくなくて止めてしまうのではなく…
    羽海野チカの作品からは感情が滝のように流れてくるので、それを受け止めるこちらの器がいっぱいいっぱいになるからなのです。
    こんなになるお話ってあんまりないのですが、それだけ私が感情移入してしまうってことなのでしょう。
    羽海野作品で嫌いな人物はいない…気がします。
    超嫌な子(だった)香子ちゃんも好きです。
    どの人のことも一緒に感じてかみ砕いて。あちらの世界に入り込んでしまう。
    気持ちが溢れそうになったら少し止めて、自分の中に落としこんで。

    今回も何度それでストップさせたか笑。
    それは再読を重ねようと変わりません。

    零くんが決勝戦まで上り詰めるところ、二階堂が病をおして対局にいどむところ、ひなたちゃんが泣きじゃくるところ勇気を出すところ…
    一人一人の人物が、それを描いてる作者がみんなが必死なのだなぁと感じます。
    だったら読むこちらも必死にならなきゃだめじゃないですか。

    と、一人で精いっぱいの力をかけて私はいつも読んでいます。

  • ウミノ漫画は、スイートな絵とは裏腹に
    ビターなストーリィと人間描写というギャップが素晴らしいです。
    なにかがあるということは、何かがかけているということと同義。
    其の欠けているものを手に入れたくって、人は成長してゆくものだと思います。

  • 良かった!! 大っっっ好きです!!
    もう、涙なしでは読めなかったです。いろんな気持ちがヒートアップしてきたこの巻。おじいちゃんの言葉や二階堂の強さ、零の決心の強さがすごく心に響いた。続きが気になる!!

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著者プロフィール

東京都出身の漫画家。デビュー作品、 美術大学を舞台にした青春漫画『ハチミツとクローバー』が大ヒットとなり、アニメ化・映画化された。 2007年より『3月のライオン』の連載を開始。 同作はマンガ大賞や講談社漫画賞、手塚治虫文化賞などを受賞した。

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