3月のライオン 7 (ヤングアニマルコミックス)

著者 :
  • 白泉社
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感想 : 575
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592145172

感想・レビュー・書評

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  • 零君に「自分が役に立ったか」どうかより「ひなちゃんが楽になったか」どうかを先にして、まずはひなちゃんといっしょに喜んで欲しかった。
    でもここで、年下の中学生に忠誠を誓ってしまう零君が、やっぱり好きだ。大好きだ。
    「君を守る」という上から目線をやめて、小さな勇者に忠誠を誓ってしまう、その魂のあり方が、愛しい。かつて傷ついた零の魂だからこそ、ひなちゃんの強さがよーくわかるのだな。

    零君のそばにひなちゃんや二階堂や島田さんや将科部のメンバーがいたように、傷ついた誰かのそばに別の誰かがいてくれますように。零君が二階堂の言葉に助けられたように、将科部のささやかなお祝いに涙できたように、傷ついた魂が新しい温かさに気づきますように。本を閉じながらそんなことを思う第7巻です。

  • 「転校する者が出る程のいじめがあったのに お前ら38人もいて当事者以外誰一人声を上げず ここまで見て見ぬフリをして来た代償だから」
    学年主任の国分先生の介入。黒い霧を晴らそうとする大人の本気。
    「証拠なんてね出て来る訳が無い イジメではね 証拠が無いのが当り前なんですよ」
    この断言がどれほど心強かったか。

    ひなたに光が戻ってよかった。そして、張本人の高城に反省の色がないところが現実的。ここは9巻で深掘りされていて、その結末がとても印象深かったな。
    林田先生も相変わらずカッコいい。
    「結果は大事だけどな桐山 人に伝わるのは結果だけじゃない 世界は結果だけで回ってるんじゃないんだよ」
    こんなことを言ってくれる先生がいてくれたら幸せだろうな。

    「失望も淋しさも人間には必要な感情です 勇気を出して新しい世界に手を伸ばすのは『淋しさ』ゆえのこと…そうやって人は…自分の小さな世界を赤子のように手を伸ばして広げてゆくのではないでしょうか」
    この野口の言葉には「先生ー!!」ってなるね。

    将棋の方は、新人王となった零が記念対局で宗谷と戦うことに。嵐の中に入ってさえもいなかった自分と、嵐の最前線で歩み続ける将棋の鬼。この対局で何が生まれるのか楽しみ。

  • 何度読んでも同じ所で泣いてしまいます。
    最初は、銀が戻ってきた所で…
    それから…

    修学旅行先に桐山零が現れたことに感動するひなちゃんと家族。
    みんなで桐山君のお祝いにあんみつ屋さんへ。
    食べっぷりがすごくて楽しい。

    いじめでクラス崩壊がピークに達し、担任の先生が倒れるまでに。
    いじめられている側を責めるような態度に納得いかなかったが、これまでにも似たようなことが続いて苦労してきたらしい。
    担任は入院。
    学年主任が担任となり、いじめを見過ごさない姿勢を取る。
    しかし、いじめた側の親は、三者面談に呼び出されても強気で、うちの子がやったという証拠があるのかと詰め寄る有様。
    いじめには普通、証拠はなくて当たり前なのだと断言する先生。
    他の教師も協力し、生徒それぞれに本腰を入れて話を聞こうとする。
    その姿勢に、ついに空気は変わっていくのだ。

    結局何も出来なかったという零。
    驚愕して怒るひな。
    零が先生にそのことを話す下りも良いですねえ。

    おじさん達もそれぞれに面白い。
    宗谷名人との記念の対局が大きく取り上げられることになり…
    宗谷名人の浮世離れした将棋の鬼っぷりが今後を期待させる迫力!

    [追記]いじめが問題になっているので、トップに出しました。
    真っ直ぐなひなちゃん。
    学校で悔しい思いをしても、他ではこんなに温かい人に囲まれていたひなちゃんは、幸せだよね。
    学校でも先生がようやく本腰を入れてくれたし。

    新聞報道の事件は、いじめというよりも既に非行、りっぱな犯罪だけど。
    誰かに相談しても最初はダメかも知れない。世の中の大抵の人は、軽いいじめには遭ったことがあっても、ひどいいじめを解決したことはないから。
    でも諦めないで!
    心配してくれる人は必ずいる。いろんな方法があるから。
    逃げたっていいんだよ。今の学校やクラスがすべてじゃない。他の場所もあるから。何人かに相談してね。

  • たいせつな人、たいせつなものを守ることを覚えた零の、射るようなつよいまなざしがまぶしい折込イラスト!零くんがんばれ!

    無意識のうちにお互いを深いところで救いあっている、最近の零くんとひなちゃんに泣かされます。

    でも、なんといってもこの第7巻のヒーローは、ひなちゃんの新しい担任になった国分先生!もう、あの不敵な笑みに釘付け!

    ひなちゃん、零くんのような若い世代をみずみずしくリリカルに描きながら、その一方で本当の大人の凄味を余すところなく描けるところが羽海野さんの素敵なところです。

    • まろんさん
      いいですよね~、「3月のライオン」!

      最初、羽海野さんが将棋マンガを描くと聞いたときは、「ええ~;;よりによって、なんで将棋?!」と不安い...
      いいですよね~、「3月のライオン」!

      最初、羽海野さんが将棋マンガを描くと聞いたときは、「ええ~;;よりによって、なんで将棋?!」と不安いっぱいだったんですが、どんな世界を描いても、やっぱり羽海野さんらしく、人と人とのつながりが丁寧に、あたたかく描かれていて。。。

      そうですか~、円軌道の外さんは、私なんかよりもっと深い部分で、零くんの孤独に共感されてたんですね~!
      私は、超ひ弱な子供で、入退院を繰り返していたので、退院後、久しぶりに幼稚園や小学校の教室に入るときの怖さ、なんとなくできあがってしまっているクラスの空気の中での疎外感を、ひなちゃんに重ね合わせながら読んでました。

      そうそう、羽海野さんといえば、にゃんこですよね!毎回、羽海野さんのかわりに著者近影のところに登場するブンちゃんをはじめ、ひなちゃんちの食卓をいっしょに囲んで、ちょうだい、ちょうだいしてるにゃんこたちとか、かわいすぎ♪♪♪

      羽海野さんデザインのにゃんこグッズとか販売してくれないかなぁ!たまに、「3月のライオン」掲載誌に羽海野さんの付録がつくと、ほしいな~と思うのだけれど、あの雑誌をレジに持っていく勇気が出なくて(>_<)

      2012/05/03
    • 円軌道の外さん

      うわぁぁぁーっっ!!
      にゃんこグッズ大賛成です!!(笑)

      絶対大人買いします!!(^O^)


      羽海野さんの原画展が
      ...

      うわぁぁぁーっっ!!
      にゃんこグッズ大賛成です!!(笑)

      絶対大人買いします!!(^O^)


      羽海野さんの原画展が
      去年東京であって、
      今年ついに大阪にも来たんですけど、
      仕事で行けなかったのが
      悔しくて悔しくて…(泣)


      余談ですけど
      零くんのライバル・
      二海堂のモデルになったと言われる、
      実在の棋士を描いたノンフィクション小説
      『聖の青春』は
      是非ともオススメします!!
      (かなり前に読んだのでタイトル間違ってたらスイマセン汗)


      2012/05/07
    • まろんさん
      じゃあ、羽海野さんにゃんこグッズ実現を祈る会の副会長に、円軌道の外さんを任命させていただきます!

      私も、去年の東京での原画展に行けなくてシ...
      じゃあ、羽海野さんにゃんこグッズ実現を祈る会の副会長に、円軌道の外さんを任命させていただきます!

      私も、去年の東京での原画展に行けなくてシクシク泣いてました!あのかわいらしくも美しい原画を、間近で鑑賞したかったなぁ。。。

      ふくふくした二階堂くん、実はかなりのお気に入りキャラなので、『聖の青春』、さがしてみますね!
      2012/05/08
  • 泣いた。


    なんでこう羽海野さんは鼻の奥がツーンとなるような作品を描けるのか。

  • うーん。そうか。
    ....私が考えうる限りの一番ちゃんと納得のいく展開で、問題は一応の終結となりました。ひなちゃんは、すごくがんばった。強い子だなぁ。
    主任先生はどうしてもっと早く介入してくれなかったのだろう、と思うけれど、これって1学期間のお話なのですよね。そう思うと、やっぱりこれくらいはかかってしまうのが現実的(むしろスピード解決なくらい)でしょうね。
    高城さんの反応というのは本当に....これまた現実的で。これで泣いて反省でもしちゃったら、私の中にはありゃりゃ、な気持ちが渦を巻いてしまうな、と思うので、これは、やっぱりこうならざるを得ないのだろう。彼女が邪悪な人でなくなるときはくるのだろうか?ちゃんと、心の痛む人になるときがくるのだろうか?彼女はひとりぼっちになるだろうか?そのときに孤独に悩んだりするのだろうか?それとも、やっぱり彼女を受け入れる世界で、同じようにしているのだろうか....?私は母なので、母として、彼女の母になってしまうことは容易に想像がつく。気をつけなくては。きちんとみなくては。

    さて、でもようやく将棋が、零君が主役の世界に戻りました。
    零君のこんな明るいところにいつのまに、というシーンはほんとによかったね、と。
    宗谷名人と、どんな対局になるのかな、わくわく。

  • ああなんて素晴らしい漫画なんだろうと改めてしみじみ感じた7巻。
    冒頭の順慶の話は、コンパクトな中に順慶の人となりや棋士としての努力、苦悩が詰まっていて、あの短さにここまでエッセンスを凝縮しているのもすごいし、
    将科部の部長と零と先生のコミカルな交流は相変わらず面白くて笑いなしには見られない。
    ひなの学校の例の闇のようないじめ問題は、本巻で急転直下の展開を見せるが、安易な片づけ方はしていないんだけど小気味良いスカッと感もあり、ひなたちや教師の向き合い方に感動もありで素晴らしかった。(ただやっぱりそうは言っても高城はひとしきりぶん殴ってやりたい。)
    そしてそして零と宗谷名人との記念対局が決まり…ーという胸熱な展開…!羽海野先生天才だわ…と読後しばらく余韻に浸ってました。

  • ひなちゃんが笑っていることが何より嬉しい。
    良かったなぁと思うのは単純過ぎるだろうか?
    ひなちゃんと高城さんが笑い合う日がくるといいなぁと思うのは間違っているだろうか?
    「許さなくてもいいですか?」の問いに「いいよ」と答えたい気持ちもあるけど、苦しくもある。
    思い返すと私も無神経な言葉や行動で人を傷つけてしまったはずで、その傷の深さは私には一生分からない。そう思うと苦しい。
    どうしてあの時に気づけなかったんだろう…と自己嫌悪。

    桐山くんサイドに癒やしがなかったら読み切れなかったかもしれない。
    桐山くん在籍の将棋部はなんだか非常に面白いことになっている。このノリはツボ。
    桐山零とゆかいな仲間たちの新しい冒険が楽しみだけど、あんまりそこは掘り下げないだろうなぁ…。

    • まろんさん
      はじめまして。フォローしていただいて、ありがとうございます!まろんです。

      本棚を見せていただいて、読書量もさることながら
      読み終えた作品へ...
      はじめまして。フォローしていただいて、ありがとうございます!まろんです。

      本棚を見せていただいて、読書量もさることながら
      読み終えた作品への洞察の深さと、
      的確で、ストレートに心に届くレビューの数々に
      うわ~、すごいなあ!と、ただただため息でした。

      『3月のライオン』、
      ひなちゃんの学校生活に光が射し始めて、私もほっとしました。
      「許さなくてもいいですか?」に、私は一緒に泣きながら
      「いいよ!今はそれでいいよ!」って言ってしまったので、
      それをきっかけに過去の自分と向き合っているtakanatsuさんのレビューに、
      私って、なんて心の狭いやつなんだ~!と恥じ入っているところです。

      高城さんに関しては、娘にも
      「高城さんってかわいそうな人だよね。自分がかわいそうな人だって気付けないとこが、さらにかわいそう」
      と言われ、完全にひなちゃんの保護者気取りでいたことに気づかされて
      負けた!娘に完全にヤラレタ!
      と、かなりショックを受けました。

      takanatsuさんのレビューを読んで、読みたい本が怒涛のように増えてしまったので
      今、手帳に必死でメモしていますが
      今後もすばらしいレビュー、楽しみにしています。
      よろしくお願いします!
      2012/06/06
    • takanatsuさん
      まろんさん
      私にはもったいないお言葉の数々、ありがとうございます。

      まろんさんのお嬢さんは大人ですね!凛々しい女の子を想像してしまい...
      まろんさん
      私にはもったいないお言葉の数々、ありがとうございます。

      まろんさんのお嬢さんは大人ですね!凛々しい女の子を想像してしまいます。
      親子で本の話が出来るなんてとても羨ましいです。

      私の方こそよろしくお願いします!
      2012/06/06
  • 今の歳になると先生の辛さがよくわかってくる。教育ってすごい言葉だなぁ。次の巻からはまた将棋の話が主になりそうなので、それも期待!!

  • 鳩が全部持っていった。

    鳩。

    鳩(涙)

    日本野鳥の会会員にはたまらんす。

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著者プロフィール

東京都出身の漫画家。デビュー作品、 美術大学を舞台にした青春漫画『ハチミツとクローバー』が大ヒットとなり、アニメ化・映画化された。 2007年より『3月のライオン』の連載を開始。 同作はマンガ大賞や講談社漫画賞、手塚治虫文化賞などを受賞した。

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