3月のライオン 9

著者 :
  • 白泉社
4.42
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本棚登録 : 5627
感想 : 353
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592145196

作品紹介・あらすじ

高校進学を前に、ひなたは零の通う高校を受験することを決意。零もそんなひなたに勉強を教えながら将棋を指す中で、今の自分にとってひなたの存在がいかに大きいかを自覚し出し…。おでかけニャーしょうぎ付限定版も同日発売です♪ 2013年9月刊。

感想・レビュー・書評

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  • ずっと買い忘れてて年末に買ったんやけど、
    積ん読のまま眠っていたのをハタと思い出して
    今やっとこさ読み終わりました(汗)

    いやぁ~、やっぱこの人の漫画は
    普通の三倍は濃密やし(笑)、
    読むと必ず、心があったまるこになるわ(*^o^*)
    (だから一冊読み終わるのにも時間がかかるし、幸福な時間が長く続くのですよ笑)


    つか、この巻を語るなら
    なんと言っても
    きつねの甘辛いお揚げさんと
    とろけるエビ天を贅沢にもダブルでトッピングした 
    『甘やかしうどん』に尽きますね!(笑)

    いつも思うけど、羽海野さんの
    言葉選びやネーミングセンスは
    詩人が選びに選びぬいて使う
    『コレしかないジャストフィット感』を感じさせてくれるし、

    昔からみなそれぞれ自宅では食べてた両方載せうどんが
    類い希なるネーミングの力だけで
    俄然キラキラと輝く食べ物に変わるんやから
    ホンマ不思議ですよね~(笑)

    それにしても立ち上る甘ぁぁ~いい湯気と
    麺つゆとお揚げさんの匂いと共に囁かれる
    「甘やかされたいひとはいますか〜?」の一言に
    抗える人がいったい何人いるんやろ~(笑)
    (そういう自分も読みながら思わず手を挙げましたもん!笑)


    そして羽海野さんの作品の特徴として
    脇役キャラの一人一人にまでスポットを当て、
    それぞれがそれぞれの世界で生きる(戦う)理由や意味を
    すっ飛ばすことなく丁寧に丁寧に描いているので、
    どのエピソードも心に刺さるんですよね(泣)
     
    いじめの標的にされ
    心を壊し転向せざるを得なくなった佐倉ちほちゃんや
    それを庇ったひなちゃんを
    極限まで追い込んだいじめの首謀者である高城は
    空虚な自分の気持ちを
    学年主任の先生に見透かされ
    初めて自分と向き合うきっかけになるのかも気になるところだし、

    死神と呼ばれ、棋士仲間からも疎ましがられる滑川七段の
    決して表には出さない苦悩、

    いつかいつかと名人になる日を夢見ながら
    どうしてもあと一歩届かない土橋九段の
    誠実であるがゆえの愚かしいまでの愚直さは
    自ら命を絶った実在したマラソンランナー円谷幸吉を彷彿とさせて
    どうにも胸を締め付けるし、

    それを影で支える家族の思いは
    誰もが気付かないところで
    本当は誰もが誰かに守られて生きてることを改めて教えてくれるし、
    とにかく下手な小説や映画を観るよりも
    深く強烈に心に残るのですよ( >_<)


    とうとうハチクロに追いついた記念すべき10巻は
    まだ先のようだけど、
    髪を切り高校生になったひなちゃんと零の淡い恋模様や、
    零の学校の先生が一瞬で恋に落ちた(笑)あかりさんとの仲は
    果たして今後進展があるのかなど(笑)
    読み手を惹きつける吸引力は
    まだまだ健在です!
    (あと、去年入院されたという羽海野さんの体調も気になるところ…)

  • ひなちゃんの表紙とモモちゃんのピンナップが可愛いいいっ!
    と、ほわわーんとなりながらめくった次のページで8巻の表紙再登場の落差(笑)

    さてさて、ひなちゃんの学校問題が一応の終息を迎え、進路は・・・という巻。
    ひなちゃんの学年主任の先生、いい先生だなぁ。こんな先生、実際にどのくらいいるんだろう。
    高城さんがこの先どう変わるのか、または変わらないのか。さすがにもう出てくることはないのだろうけれど。

    三月町のお祭りもだけど、将科部夏の自由研究の流しそうめん会(?)も楽しそう!
    先生がおねいちゃんを見たコマで「人が恋に落ちる瞬間を――」というセリフが聞こえた気がしたのはきっとわたしだけではないはず(笑)

    迷いの夏が終わり厳しい秋冬を越え、新しい春がやってくる。
    旅立つ子も残る子も、みんな三月町のこども。

    将科部の部長さんが卒業しちゃったのが何気に淋しい!
    零ちゃんの学校生活がとんと描写されなくなっていたけれど、部活には参加していたのかなーと想像というか脳内補完。
    ひなちゃんが入学してきて、今後は学校での零ちゃんも出てくるのかな。

    将棋サイドは、零ちゃんの試合のお話はないものの昇級が決まったこと、宗谷さんの子ども時代からのライバル(というのとは違うなぁ。でも仲間とか戦友というには宗谷さんが孤高の人過ぎるし)土橋さん登場など。滑川さん・・・には触れないでおこう、うん。

    ・・・・・・・・・・・・・・・
    今回の個人的残念覚え書き。
    ニャー将棋が買えなかった。しくしく。
    毎巻できるだけ発売日、遅くても3日以内に本屋さんに行くのだけど、今回いろいろあって出遅れた。めそめそ。
    付録的なものは上手に保管できないズボラーなので、いつもは通常版しか買わないけれど今回のは欲しかったのにー。ぐすぐす。

    • nejidonさん
      九月猫さん、お久しぶりです!
      また楽しいレビューを読むことが出来てほっとしています。
      羽海野チカさん、私も好きですよ~
      こんなに嫌なと...
      九月猫さん、お久しぶりです!
      また楽しいレビューを読むことが出来てほっとしています。
      羽海野チカさん、私も好きですよ~
      こんなに嫌なところが全然ない方も珍しいですよね。
      「ニャー将棋」が買えなかったのは残念ですが、そういう方も他にたくさんいらっしゃるようです。
      心がけていても、逃してしまうときってあります。
      かく言う私もそうでしたもの。
      これに懲りず、また次回へ繋げてくださいませ。
      次なるレビューも楽しみにお待ちします。でも無理しないでね♪
      2013/11/02
    • 九月猫さん
      nejidonさん、こんにちは♪

      コメントありがとうございます!
      すっかりご無沙汰してしまってm(_ _;)m

      羽海野チカさん...
      nejidonさん、こんにちは♪

      コメントありがとうございます!
      すっかりご無沙汰してしまってm(_ _;)m

      羽海野チカさん、いいですよね♪
      ホント大好きです。
      出てくる食べ物がどれもおいしそうなところはもちろん、
      優しさと強さ(その前の弱さもきちんと)の描かれ方がすごく好きです。
      ところで、nejidonさんも「ニャー将棋」買い逃されたのですか?
      見ることも叶っておりませんがきっと可愛らしかったんでしょうね~。

      さてさて、あらためまして・・・ワタクシですが。
      9月は夏バテをひきずり+α、
      10月は父(相方側のですが)が入院(継続中)、
      2週間ほど前から相方が風邪で体調を崩し、
      仕事を休めないせいか長引くなーと思っていたら気管支炎で、
      こじらせて肺炎手前だったという・・・
      そんなこんなで、通常運転にはまだまだ・・・なのですが、
      たまーにでもブクログに顔を出せたらなーと思っています。
      近いうちにnejidonさんの本棚にレビュー読みに伺いますね♪
      2013/11/02
    • 円軌道の外さん

      お疲れ様です!
      ひさかたぶりのコメントですが、
      覚えててくれてるのか
      かなり心配です(汗)(≧∇≦)


      夏から新しい仕事...

      お疲れ様です!
      ひさかたぶりのコメントですが、
      覚えててくれてるのか
      かなり心配です(汗)(≧∇≦)


      夏から新しい仕事を任されて
      携帯を開く暇もなかったことと、
      多忙から身体を壊したり、
      ずっと寄り添ってきた愛猫が亡くなったりで、

      あんなに好きだった本や小説をいざ開いても
      まったく読めない精神状態になっちゃったんですよね(汗)


      今はなんとか少しずつ
      リハビリに励みながら
      気持ちも上向きになりつつあります(笑)(^_^;)


      気が付けばもう
      師走ですが、
      九月猫さんはお変わりないですか?


      心の片隅にでも覚えていただけてるなら、
      またヨロシクお願いします!




      ってことで、
      自分もライオンの9巻やっとこさ
      昨日手に入れました(笑)

      けどけど
      自分もニャー将棋は
      手に入れ損ねましたよ~(泣)( ̄・・ ̄)

      小学生時代に将棋部だったので
      「久々に腕が鳴るぜ~っ!!」って
      やる気満々やったのになぁ~( ̄○ ̄;)


      肝心の中身の方は
      もったいなくてまだ読めてないので(笑)
      一日一話ずつ
      贅沢に堪能したいと思ってます♪



      2013/12/12
  • 気持ちにささくれができちゃったな~って時に、よく読み返します。
    将棋のことは未知だけど、とても癒されます。
    キャラクターがみんな、ガラス細工のように、繊細だけど透明でキレイで…
    テーマは結構重いのに、3姉妹の温かさに救われます。
    笑って泣いて、スッキリしたい時におすすめです

  • 零が三姉妹に感じる「好き」があったかくて、将棋の世界の神童でもずっと孤独で救われなかった彼が「家族」に巡り会えた奇跡が嬉しくなる。

    • みじんこさん
      はなまるつけてくださってありがとうございます。僕もこの漫画好きです。本棚、参考にさせていただきます。
      はなまるつけてくださってありがとうございます。僕もこの漫画好きです。本棚、参考にさせていただきます。
      2013/12/28
    • hetarebooksさん
      みじんこさん

      こちらこそコメントありがとうございます♪すごく深いマンガですよね。
      みじんこさん

      こちらこそコメントありがとうございます♪すごく深いマンガですよね。
      2014/02/04
  • 零が大人になっていく。
    大切な人を守る強さをともなって。

    ひなたが知らないところで泣いている、ピンチに立たされていることに耐えられないーーー
    零の想い語りがいい。

    ひなたの表情がいつにもまして輝いていた。
    笑顔が零れていた。
    あーいいなと。

    ひとつひとつ強くなっていく物語。
    重なりあう想いのある物語。

    ステキです。
    3月のライオン。

  • 巻を追うごとに、どんどん引き込まれていく棋士の世界。
    そのストイックさや凄さを知ると同時に、その世界を魅せるものにする羽海野さんの表現力はすごいなぁと思う。
    ここぞという時の人物描写がきちんと骨格を感じさせるものだから、リアリティーがあり真に迫る描写になるんだろうな。心象風景と語りを織り交ぜながらのエピソードに今回もぐいぐい引き込まれました。

    孤独でストイックな棋士たちの場面、学校に居場所を見出そうとする等身大の主人公の姿、茶の間に集う家族のようなほのぼのとした食卓の場面を織り交ぜながら描き出す零の日常が、優しさと温かさに満ち溢れていて。

    スケッチブックに描かれた和菓子だったり、あまやかしうどんだったり、学校でやる流しそうめんと、天麩羅の差し入れだったり、食べ物を交えた一つ一つのエピソードが魅力的。読んでたら、白玉作りたくなってきちゃった。

    零とひなちゃんのことを語る大人達の話がほのぼのとしていてよかった。高校生とかいてヤングアニマルと読ませるところに笑ってしまった。
    掲載が青年誌だからかもしれないけれど、女の人の描き方が魅力的だな。あかりさんの汗かいた肌に遅れ毛が素敵。

  • 新刊、いつも楽しみにしてます。

    文才のない私には言い表せなかったけど
    いつだったか私も感じたことのある気持ちが
    文章と絵で表現されてます。

    そうそう!あのとき感じたのはこういう気持ちだ!
    私には見つけられなかった言葉がここにある感じ。

    あと、読んでるとお腹がすきます。
    おやつもごはんもよだれが出るほどおいしそうに描かれてます☆

  • 学年主任の先生が高城に放った言葉がずっしり重い。あのあと高城に何か変化はあったのだろうか。その後のエピソードは描かれていないけど、この先の巻で高城は再登場するのか、個人的に気になる。
    ひなの高校受験のチャプターから俄然甘酸っぱいにおいが…!零にとってまた新たな展開が生まれる予感。
    9巻で初登場した棋子二人は他の面々に負けず劣らずキャラが立ってて面白い。
    いろんな展開が詰まった9巻でした。

  • 冒頭でいじめ問題のその後が語られる。
    「『何をしたのか解らせる』のも仕事のうちだ」
    国分先生の言葉に「『迷惑をかけた人間』の方がこんなに手厚くかまってもらえるなんて…」という新担任の反発も痛いくらいに伝わってきた。
    「『教える』に『育てる』か…『育』の字が無けりゃとっくに放り出してるぜ」
    7巻でのこの言葉を思い出す。

    国分が高城へ最後に話した言葉が心に残る。
    「お前が何にもがんばれないのは自分の大きさを知ってガッカリするのがこわいからだ だが高城 ガッカリしても大丈夫だ 『自分の大きさ』が解ったら『何をしたらいいか』がやっと解る 自分の事が解ってくれば『やりたい事』もだんだんぼんやり見えてくる そうすれば…今のその『ものすごい不安』からだけは抜け出る事ができるよ それだけは俺が保証する」

    教えるだけなら、新担任の言うようにペナルティをかけたら済む話だと思う。ただ、育てるという意味において、国分は高城の不安を見抜いて、今回の罪やそれが生まれた理由と向き合って言葉にしているんだと。いじめる方の心の闇まで丁寧に深掘りしていてとてもよかった。

    ひなたの受験、高橋くんとの別れなど変わっていく日常。
    「自分が『正しい』か『間違ってる』かは 裁判みたいに他人に決めてもらわないといけない事だと思っていた」
    そんな零が「私のした事は間違ってない」と言ったひなたに見つけた光。幸田を「お父さん」と呼んだ背中のあたたかさ。

    後半では『家族』がテーマになって、名人戦に挑む土橋とその家族の姿も描かれていて読み応えがあった。様々な家族の形。次巻では川本家を大きく揺るがす訪問者が登場し、その家族という言葉へ深く潜ることになる。

  • コミックが出るのがゆっくりペースの羽海野さんの作品なので、1ページ、1ページ大事に読みました。もうなんというか、ひなちゃんの可愛さ、それを見守る桐山くんのまっすぐさに思わず走り出してしまいそうになりました。桐山くんのひなちゃんに対する独白「僕は自分の中に無かった光を見つけた」という言葉にしびれてしまい、もう無性に走り出したくなるのを何とかおさえました。羽海野さんのマンガは読むたびに発見があります。また時間をおいてから読み返そう。

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著者プロフィール

東京都出身の漫画家。デビュー作品、 美術大学を舞台にした青春漫画『ハチミツとクローバー』が大ヒットとなり、アニメ化・映画化された。 2007年より『3月のライオン』の連載を開始。 同作はマンガ大賞や講談社漫画賞、手塚治虫文化賞などを受賞した。

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