秘密(トップ・シークレット) 12 (ジェッツコミックス)

著者 :
  • 白泉社
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本棚登録 : 810
感想 : 83
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (185ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592145424

感想・レビュー・書評

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  • たとえ二次元であっても薪さんがこの世に存在する奇跡について、薪さんと同じ世界に存在できる幸福について考える時、心から生きてて良かったと思える――それほどリアルに「この人のためなら死ねる」と思わせた真性の「魔性」を、新刊が発売するたびに味わい続けた10年間でした。

    薪さんがどんなに情に厚く正義感に溢れ仕事に妥協を許さず自分に厳しく人には優しく、いかなる国家権力にも屈しない強さと人を信じすぎてしまう弱さを持ち、そして、どんなに、美しかったか…!!!

    あーしかしそれにしても薪さんが青木のことを好きすぎるのはもう分かったから!青木が薪さんを「好き好き」言ってるのは尊敬の域を出ない(と少なくとも本人は思っている)としても、薪さんは完全に無理だから。
    途中までは私もいろいろ道を踏み外してるせいで穿った見方をしているだけって思ってたんだけど、だんだん雲行きが怪しくなってきて、滝沢登場のあたりからはもはやメロディに連載して大丈夫なのかと心配になるほど薪さんが想いを隠すのをやめすぎてる。
    そして、ここまであからさまに薪さんと青木のお互いを思う気持ちはもはや信愛敬愛の域を超えているということを随所で表現しておいて、なお決定的に描かない意図はなんなのか!蛇の生殺しか!「そういう相手を俺は家族っていうんじゃないかと思います」は確かに感動したけど!こんな手紙で救われたなんて思うなよ!出してねーし手紙!!ああ確かにお前は薪さんのことが好きだよ青木!愛してると言ってもいい!だが薪さんが欲しいのはそんな敬愛じゃない!もう抱いて欲しいんだよ!抱いてやれよ!!家族とか、実際に抱いてやるまで私は納得しないからな!!(落ち着いてください)

    全ての場面についてどんなに心奪われたか語りたいけど、ただセリフを抜き出して「ぐおお」「がはあ」などと謎の叫び声を上げながら体を震わせることしかできないのでやめておきます。
    密かに大好きなのが、9巻で「その顔、警察のブラックリストに入れたからな。一回アレに載ったら一生…」って無駄に小学生を怖がらせて面白がるお茶目な薪さんです。アメリカで思うさま青木を罵倒してる時の薪さんも本当に楽しそうで、「良かったね」って思う。
    三好先生が青木以外のいい人と結婚してくれて本当に良かったと思うし、薪さんが「4月の飲み会のあと誰と会う筈だったか」が本当に気になるので、80%損傷してても再現可能な最新技術で滝沢のMRIが見たい。

  • そして最終巻。すみませんちょっと暴走しています。

    うおおおおおおああああああいいいい何なのこの寸止め感はああああ!!!!!もうとにかく第九のメンバーが良い奴らで家族同然で、青木と薪さんに至ってはもう親愛とかいうレベルじゃない情愛があるのはわかったから!それをあえて友情だとか愛情だとかにしろとは言わないけれど!最終的にきちんと落ち着かせて下さい後生ですからああああ(泣叫)
    青木の手紙だけで察しろと言うには今までのこの人達の境遇を見てるものとしては酷です… 絵 で 見 た い ん で す … っ !それで安心したいんです。かりそめでも一時でもいいから!!!別に決定的なBLにしろとか言ってるんじゃないんだ!そういうのをとっぱらった想いの強さっていうのでそこはいいんだ!でも最終的に青木の写真に薪さんが入って疑似家族状態が一番幸せって解釈でいいんですか!?お前らどうしたいんだあああ!!!!!(発狂)

    すみません、どうしてもわかりやすい幸せを与えてあげて欲しかったんです。カラーのような空気を実際に見せて欲しかったんです。ちゃんとハッピーエンドという余韻である事には変わりないのは重々わかってはいるけれど、やっぱりはっきりとした何かが欲しかったんです。ごく個人的な我侭なのはわかっているんですが。

    このシリーズ最近は1冊読む度に「薪さん!!!」「青木!!!」「うわあああ!!!」って叫ぶ事しかできなかったんですが、この巻に至ってはなんかもう終始泣きそうになりながら読み、最終的に泣きたいのか叫びたいのかよくわからないけど絵を見る度に「ぐうぅ」ってなるという変な症状に…。

    秘密シリーズの感想は毎度暴走してお目苦しいこと甚だしくて申し訳ないですが…とにかく心を鷲掴みにされるすごい漫画であることに変わりはありません。でももうぶっちゃけ大黒幕の壮大さとかよりも薪さんと青木にハラハラしっぱなしでそれどころじゃなくなってしまった最終巻(苦笑)。だってやっぱり薪さんを幸せにしたい…です…例え本人が幸せなんだとしても泣き顔で終わらせないでくれ…(滂沱)。

    薪・鈴木編のスピンオフが開始とのことで、シリーズが続く事は嬉しいけれど、この状態で鈴木編とか読めるんだろうか…辛い…(苦)。

  • 連載開始当時(笑)から数年読まず、まんがParkで見かけたので懐かしくなり、読破。
    リアルタイムで読んでおけばよかったか(笑)。でも当時は殆どの漫画を手放してしまってので、仕方ないな。

    さて、お話が面白いのはさておき、最終話まで読むと、「大団円」のように思える。皆それぞれの場所を見つけたというか。
    でも、この著者の特徴かと思うけど、リアリストというか、「どうにならない」、もしくは「もののあはれ」的なテーマは常に背景に流れ…っていうか、そういうものがあるからこの方の作品は魅力的。

    と、長くなってしまった。
    つまり、最終回のあの表現は、私の勘違いでなければ、まさにMRIの絵を表現する手法が使われており(一気読みしたので詳細には検証してないが)、つまり、彼の脳は将来的にMRIにかけられるような状況になってしまうと考えられるのではないだろうか。

    この点について、ネットで検索してみたが、最終回から年月が経っているせいか、または私のただのトンチンカンな推理のせいか、同じような意見は見当たらなかったので、
    自分用(あとで検証用)にメモしておく。


    そして、将来悲劇が待っているような暗示があるからこそ、この大団円は物悲しく、しかし美しいものになったと思う。
    さすがです。

  • 一挙に12巻読了。
    ややっ!何これ!面白い!

    MRIを使って死者の脳から記憶を5年前まであぶり出す…って設定からして傑作の予感。
    連続殺人鬼の脳なんか見ちゃったら 心が壊れちゃうよね。

    7巻が一番よかったかな。
    実際の拉致問題を彷彿とさせる内容で、ずっしり重たかったけど、薪の怒りがひしひしと伝わってきて あの巻からラストまでずーーっと盛り上がりっぱなしだった。(私が)

    まぁでもあれだ。
    何と言っても薪と青木の関係だよね!?皆が気になるのは!

    「朝 必ずこの人が『第九』にいてさえくれたら」とか
    「この人の下でずっと ずっと一緒に仕事ができたら」
    ……なんて青木は薪に全幅の信頼を置いているわけですが
    一生のうち一度でいいからそんな上司に出会いたい。

    好きとかよりもっと深い、なんていうかこう
    信頼と絆で固く結ばれている「共に闘う同志」みたいな。

    あと個人的には、岡部さんがいい味出してて好きです。

  • 何より絵がキレイ!
    そんでもって、設定がすごい面白い。
    薪さんと青木はできればずっと一緒にいてほしかったなー。

  • 終盤までの凄まじい盛り上がりにしては畳み方は物足りない。作者の趣味に走ったのか、原作者無しの限界で伏線に正面から向き合うことから逃げたのか。

  • 色っぽいのが終わったかと思うと、なんともかわいい薪サン(笑)。
    そしてまさかの雪子サンのラストは驚きました。絵ハガキで「こいつ誰?」って思ったのは私だけではないはずです。顔を見て思い出しましたが、結局職場結婚か。そして最後は青木の片思いで終わる…。なんちゅー話だよ(笑)。…でもこれで終わり。終わりなんだよ。番外編とか見たいなぁ。読みたいなぁ。

  • 完結かと思うと寂しいような気がします。テーマがテーマなだけに、どういう収束になるのか心配だったけれど、一応ハッピーエンド(薪さんガ無事だった)で安心しました。
    生々しい事件があったり、グロテスクな表現もあって、絵がキレイなだけに結構コワかったりしたのですが、ラスト2巻はキレイに終わった感じがします。
    いつか現実に人の脳を見られる時代がきたら、コワイなぁ、やっぱり。

  • わたしは同性愛に抵抗がないのだが、同性愛として描いたほうが薪さんと青木の関係がより自然なのではないかと思った。
    ボーイズラブという呼び方をするからいかがわしくなるのであり、『日出処の天子』のように潔く描けば嫌がる読者も振り落とせたんではないかと。
    そうでないとわざわざ青木の姉家族が殺されたことや、青木が雪子と結婚せずに独身を貫く理由など、いろんな箇所に説得力が欠ける…。はっきりそうであれば至極納得いくのに。

    最後に青木の脳が見ている薪さんも実際よりも妖艶だし、唇なんかもツヤツヤしていて、大統領の脳と同じように、青木にとって薪さんは性的対象として映っている気がしたけれど。そこははっきりとは述べずに、そうであるってことなのかしら。

  • 薪さん愛しさにmixiにコミュまで作って、隔月刊雑誌掲載という地獄の責め苦にも等しい日々を10年も過ごしてきました。
    いったい、この悲しい人はどんな結末を迎えたら「ハッピーエンド」と言えるのか、本気で私は悩んでいました。
    しかも清水先生なので、ハンで押したような最後になるとは思えず。


    でも、私の10年は、報われて余りある結末でした。

    あえてネタバレは書きません。
    読んだ人に読んだ人それぞれの捉え方ができる、
    そんなすばらしい作品、すばらしい結末だったと思っています。

    しかーーーーも!!!!!!
    新連載は薪さんと故・鈴木さん達が第九を立ち上げた当時の話!!
    また薪さんに逢える……(号泣)

    青木にもいつか逢いたいですね/笑
    巻末オマケまんがとか無いかな/笑

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著者プロフィール

十文字学園女子大学名誉教授。桐朋学園大学(ピアノ専攻)卒業後、NHKラジオ幼児番組「ピッポピッポボンボン」、教育テレビ「ふえは歌う」などにピアノのお姉さんとしてレギュラー出演。現在は後進の指導をはじめ、朗読ミュージカルのピアノ演奏、雑誌等での音楽あそびやリズムダンスなどを発表し好評を得ている。

「2022年 『保育のうたあそび決定版-ワクワク☆春・夏のうた-』 で使われていた紹介文から引用しています。」

清水玲子の作品

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