大奥 14 (ヤングアニマルコミックス)

  • 白泉社
4.34
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本棚登録 : 1007
感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592145486

作品紹介・あらすじ

将軍、家定に薩摩から輿入れした胤篤。その真の素顔と目的は!? 家定、瀧山、胤篤の関係は──!?
2017年2月刊。

感想・レビュー・書評

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  • 篤姫(胤篤)によって家定の傷が癒えてゆく様にほっとする。でも史実があるのでこの幸せは長くは続かないのかな。
    大奥の登場人物の中で政弘のバランス感覚がとてもすきだった。この時局に彼女のバランス感覚が徳川から失われたのは本当に痛い。政弘の「まさか己の翼が折れて飛べなくなる日が来ようとは思ってもみなかったのだ」この慟哭の言葉は本当に苦しい。

  • サボンだ……サボンの件で何かが込み上げてきた14巻。誰かの情熱が、その時は報われなくても時を超えて実を結ぶのね……

  • 彦根藩主の井伊直弼をはじめとする幕閣の連中は 「もし〜ならば」どうすれば最良の選択となるか…薩摩の学びは書物ではなく常に現にあるのです 生姜ななは体を温めてくれる効能がございます 確かに薩摩の島津斉彬公が何の意図もなく胤篤様を江戸へ寄越されたとは私も思うてはおらぬ 人は悲しいにせよ楽しいにせよ己の来し方を一つの物語に編んだ時どこか心が安らぐものでございます この謁見に於ける将軍家定の奇行はハリスの日記にも記されている どうせ貧しい京の公家と帝のこと金をつかませれば勅許など直ぐに出すに決まっているとたかをくくっておったな 

  • 篤胤が登場。
    家定と阿部正弘の別れのシーンは、本作屈指の名シーン。泣けてくる。

  • 家定(女)と篤姫(男・胤篤)の結婚生活、そして阿部正弘(女)の死がメイン。あまり盛り上がることはなかった感じ。
    井伊直弼(男)も登場した。

  • 史実に残っている家定評がこの作品中にも出てきて
    飽く迄も市井の噂であるという設定が非常に面白い。

    薩摩の事情を知っている瀧山も賢ければ
    大奥の以上を把握している篤姫も賢い。
    篤姫と家定の様子を見て、家定の幸せを思い心底喜んでいる正弘が可愛らしかった。
    篤姫に対して思う所のある瀧山だが、
    石鹸を贈られて素直に感謝できるところ、如何にもだと思う。

    桜が咲くのが楽しみだ、と思えたこと
    今まで先を楽しみにしたことがなかったのはお労しいが
    本当に良かった。
    あの瀧山がまるでじいやみたいになっているのは気の毒とは言え
    食事を美味しいと感じ馬に乗って楽しそうな様子はこちらも心温まるものがある。

    それだけに正弘の病は悲しかった。
    動揺する上様と瀧山は可愛らしく、
    カステラを持たせる上様も
    正弘の姿を見て思っていたより顔色が良いと嘘をつく瀧山も優しく
    悔しくて泣く瀧山、それに対して
    「私だって悔しいのだ」と返す正弘の言葉も泣けてくる。
    続いての御台様への告白のシーンも涙なしでは読めなかった。
    家定公に何も落ち度はなかったのを、
    打ち明け話を聞いてすぐに「手傷を負いつつも合戦に勝った侍と同じ」と言える篤姫
    本当に良い人を迎えることができてせめてもの慰めである。

    正弘に馬に乗る姿を見せようとする家定、御台、瀧山の心映えもまた美しく、
    上様の身代わりとなって自分が死ぬことで上様は必ず幸せになれると言う正弘。
    もうこうなっては、本当にそうなることを願うしか無い。

    史実上の家定が首をそらし足を踏み鳴らしてから発言し
    それが脳性麻痺の症状ではなかったかと言われているのを
    黒木の失態としてうまく織り込んでいるのも興味深い。
    家定が病弱というのも、妊娠していたとするところが面白かった。

  • 購入して読み。
    胤篤(篤姫)登場。阿部正弘退場。大老井伊直弼の誕生。

  • 二人が少しずつ仲良くなっていく様子が見ていて幸せ。
    正弘のことは悲しかったけど、死ぬ意味を見出せたのはある意味良かったと思う。

  • 2017-3-17

  • 2018.10.13市立図書館(長女) →2020.7購入
    ひさびさに回ってきた14巻。家定公のところに薩摩藩から胤篤(篤姫)がとついでくるところから。ちょうど今年の大河(西郷どん)と同時代になった。伊勢守の献身、家定の本音、胤篤の思惑、次は福子か慶喜か…
    家定を全力で守ってきた阿部伊勢守正弘の最後の登城場面に思わず落涙したが、壮絶に生き抜いてきた家定公と胤篤が睦まじく絵になるめおとになれたのはよかった…とはいえこのあとどう展開していくのか(史実を考えると)不安しかない…

    表紙は家定と胤篤。


    ***
    2023年ドラマ10「大奥2」(脚本:森下佳子)をみながら読み返している。
    8巻終盤から始まったシーズン2医療篇、第三回までで赤面疱瘡撲滅チームが悲劇的幕切れを迎え、第五回で医療編が終わり、幕末編になって第七回は胤篤の鹿児島時代の省略や話の順番の前後はあるもののちょうどこの巻まるまる一冊。伊勢守が病でその座を退き亡くなり、米国からの要求に対して堀田は悪手を打ってしまい、ついに井伊大老の時代へ。

  • 面白かった

  • 面白かったね。幕末。大奥もあとわずかで終わるんだな。前の巻から、もう一度読まないとな。いずれ、全巻一気読みしたいところだけど。

  • 史実を知ってても続きが読みたい!

  • (2017-08-05L)

  • 波乱の幕末と家定×胤篤の仲睦まじい夫婦愛。
    阿部正弘の早逝が惜しまれます。長生きしていれば、歴史が変わっていたかも。
    大奥誕生から始まった物語が、終焉へと向かっています。
    描き切ったなぁと少しまだ早いですけど、感嘆しています。

  • 読了:2017/7/16

    相変わらずめちゃくちゃ面白いのだがやりきれない展開が多かったなぁ…広い空さえあればどこまででも飛んでいけると信じていたのに、自らの翼が折れてしまった阿部正弘、その正弘の志を受け継いだはずの堀田正睦の失政により(ただ攘夷派と開国派の両方から圧力をかけられ続け、譲歩せざるを得ない堀田正睦も少し気の毒)、正弘なら絶対に選ばなかったであろう井伊直弼に老中首座の役割が与えられ…

    そして最後の将軍慶喜は、人の心が欠けた人物として描かれている。この先どうなっていくんだろう…後味悪くなりそうでこわいなぁ。

  • 正弘、瀧山ともっと活躍してくれるのかと思ってたのに・・・。志半ば、無念と誇りの”身代わり”が辛い。
    慶喜、大政奉還後に自転車乗って遊び暮らした人だったような日本史の記憶がうっすら。やっぱり人の上に立つ器じゃない人なのかー。プライド高くて怖い。
    胤篤(篤姫)、傷ついた彼女の心を開く所が有功をなぞるよう。せっかくオメデタなんだけど、毒で流産させられちゃいそうな気がしてめでたいというより不安だ。

    混迷の幕末が始まる。この大事な時にきちんと先を見て相撲を取れる人がいないタイミングの悪さ。強硬派の井伊大老も出てきてこじれるんだろうなー、っていうかこのきな臭さって昨今の先進国のニュースに似てないか?歴史は繰り返すってやつなの??「ここで終わるの~?」てなモヤモヤした引きだったので評価は低め。

  •  篤姫がやってきた!!

     これがいい男なのだ。
     なんか、軽そうなんだけどしっかり気配りできて、心が広い。
     でもって、家定も周りも、心ひらかせていく。

     健康は精神っていうのは、とことん強いよな。
     薩摩という、辺境にあったからこそ、篤はまっすぐに育ち、人間に大事なことの本質をとらえている。
     食事と運動で、家定の体を健康にしていくあたりで、胸が熱くなったよ。
     うん。
     人間、健全な肉体にこそ健全な魂がやどるもんだ。

     とはいえ、時代は幕末で、二人の関係が平和である故に、時代の荒波が地響きのように伝わってきてつらい。
     
     …帯に、徳川歴代将軍と老中がセットで覚えられる! ってあるんだけど、それはいかがなものかと思うのだよ。
     まぁ歴史はピンボールみたいに、一つの物事が次に当たってそれがまた次に動いてって連動してるものだから、その大きな流れをとらえるのはいいと思うんだけど。
     「昨日なにたべた?」と、セットで実用書として売ろうとしているのか?www

  • 知識としての歴史がさっぱりでも、
    こういう風に人間が動く様が描かれると本当に、
    歴史って、人間って面白いんだなあ…
    としみじみ思う。
    よしなが先生すごいなあ…

  • 男女逆転大奥史上、最高のラブラブっぷりの家定と篤姫。愛情を交わしたカップルは多いけど、幸福度は最大ではないでしょうか。プライベートでは蜜月が続く二人ですが、歴史の流れは個人の幸せを歯牙にもかけず勢いを増していきます。

    最大の腹心の阿部正弘の死。これにより、将軍継嗣問題・外交問題を抱えた幕府内の政争が激しさを増します。後の幕末の動乱へ続く原因の一つに、この政争があったわけですか。しかし、関ケ原以来の緊張関係という幕府と外様大名の関係性。それを200年以上保ち続けられる執念。恐ろしい。島津斉彬が篤姫を大奥へと送り込んだ理由。徳川慶喜を推す理由も、そこにあるんじゃなかろうか。先の先を見据えての布石。雄藩連合への布石かな。

    そして、ついに井伊直弼が表舞台へと登場します。
    もう、歴史の流れは怒涛のように勢いを増すばかり。動乱の中心は京都になるわけですが、その裏で江戸城大奥では何が起こっていたのか、ですね。
    これが楽しいんじゃないかな、楽しみだなぁ。

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著者プロフィール

東京都生まれ。代表作の『西洋骨董洋菓子店』は2002年、第26回(平成14年度)講談社漫画賞少女部門受賞。2006年、第5回(2005年度)センス・オブ・ジェンダー賞特別賞、第10回(平成18年度)文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。ほかの作品に、『大奥』『フラワー・オブ・ライフ』『愛がなくても喰ってゆけます』『愛すべき娘たち』『こどもの体温』などがある。


「2022年 『きのう何食べた?(20)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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