当て屋の椿 9 (ジェッツコミックス)

著者 :
  • 白泉社
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本棚登録 : 157
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592145899

作品紹介・あらすじ

謎の人物“鈴懸"の正体が、ついに明らかに…!! 謎が謎を呼ぶ大江戸吉原ミステリー、待望の最新巻!! 2014年4月刊。

感想・レビュー・書評

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  • 人間の業が縺れ絡まり描き出す陰惨な悲劇を絢爛美麗な絵で描く大江戸吉原ミステリー第九巻。
    今巻には「あがほとけ」編の結末と新章「天網」の序盤が収録されている
    「あがほとけ」編では預言者として祭り上げられた鈴懸の皮肉な末路が哀切を醸す。当て屋の椿は時代こそ江戸だが現代に通じる要素も多く、鈴懸を崇める群衆の姿に新興宗教の教祖と信者の構図がオーバーラップ。
    「俺の家族は幸せを横取りすることはもちろんだけど不幸までも俺から掠めとろうとする とんでもないだろう」と笑って言う鳳仙は勿論の事、鈴懸を庇う侘助の漢気が際立った。彼もまた主人公格だと思う。
    作者の描く肉感的な女体は魅力的、過剰とも言える程のエログロ描写への偏執的こだわりは特筆に値する。
    幼女の非力な細腕で人体切断が可能なのか、死体損壊描写が不自然では等ツッコミ所は多々あれど、前巻の起→承から一気に転→結へとなだれこむ展開には息をも吐かせず引きこまれる。
    イノの脳内会話といえど、コズチの思いがけぬ再登場も嬉しい。遅々としながら着実に進展する恋愛方面ではとうとう己の気持ちを自覚するモノ、それに好感を抱くモノありと、微妙な心の動きに注目。
    しかし今巻ではそれを上回る衝撃が!
    詳細はぜひ読んで確かめて欲しいが、主要等人物の一人がこの上なく無惨な形で退場する事になるので、心の準備をしておいてほしい。

    8巻ではただひたすら天真爛漫純粋無垢な面が強調されていた孔雀の本性とその豹変ぶりには戦慄すること必至。
    不幸な子供が不幸なまま壊れて死ぬのはキツイので救われて欲しいのだが……

  • 毎度のことだけど、言葉回しに鮮烈なセンスを感じる。
    特に「他人の幸せには飛び付く癖に、不幸の毒は共有しないんだな。」――からの、「当たり前」という返答。
    不幸の毒を共有できるのが『仲間』なら、「幸せに飛び付くだけの集団」は、一体何なのか。考えるだけで空恐ろしい。
    だからこその結末。
    作中のセリフ通り、「因果は巡る」。

    重要人物のログアウトによって、
    物語が新たな展開を迎えるようです。
    飄々としていたけれど、案外熱い御仁だったのだなぁと、そんな所感をおぼえました。

  • 今巻の最終話はなかなかショッキングだった。他は、やや退屈、というか流れが読めるというか。うーん。

  • よきこと教編と多重人格編かしら。
    少し主人公とイノの距離が縮まりましたね。勇気を出して告白したイノは可愛かった。
    ただ、イノの傷の真相は明かされてないのでバッドエンドになりそうでもあって心配。。
    それより準レギュラーの篝がまさかああなるとは。。。ショック。
    椿にも辛いこともばかりでキツイな。
    早く続きが読みたい!

  • 相変わらずのエログロだが、ついに篝が…
    これまで感情の動きが上っ面だった椿の内面が垣間見れるのだろうか?

  • 前回からの続き「あがほとけ」の完結巻ですね。
    相変わらずにグロイ描写は多いですが、そこはいいとしまして、まさか、あの方が亡くなるとは。
    反則的な力は使い方次第であるかもですが、ここでいなくなっちゃうとは思ってませんでした。
    イノさんと先生の仲睦まじいのもいいですが、怒った椿さんが予想以上に怖そうです。

  • 201404/初期の頃より、謎解き後の切なさが描かれることが少なくなり、物語自体よりもこういうシーン・構図を描きたいんだろうなってことのほうが増えてきたような。とはいえ、衝撃の展開で続きが気になる。

  • 2014/04/28読了

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