金魚奏 (花とゆめCOMICS)

著者 :
  • 白泉社
3.87
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本棚登録 : 493
感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・マンガ
  • / ISBN・EAN: 9784592188506

感想・レビュー・書評

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  • 実家にあった分を久々に読んではまりなおしました。
    なんていうか、さらっと甘くて大好きです。

  • 誰がうまいこと言えと<br /><br />祭の和太鼓の演奏をしていた雅生に一目惚れした飛鳥。友人の兄だとわかり、紹介されるが雅生は聴覚障害者だった。それでもかまわず飛鳥は「好きです」と猛進するが・・・。<br /><br />こんな感じのあらすじ。<br />第一話は読切作品のように忙しく進行するが、人に聞いたらどうやら当初は読切だったものを好評につき連載したものらしい。道理で。<br /><br />ラブストーリーにおいて、男性側が聾唖というのは実は結構稀な気がしていて、自分の知る限りではドラマの「愛してると言ってくれ」ぐらいしか浮かばない。<br />この金魚奏はこの耳が聞こえない故のすれ違いをものすごく巧みに作劇に生かしている。<br />それがもっともあらわれているのが、二人の会話だ。<br />雅生は今でこそ耳が聞こえないが、後天的なもののため、話すことはできる。さらに読話ができるため、相手の口の動きを見れば相手の発言を理解することさえできる。それゆえ、通常時の飛鳥と会話している様子はまるで健常者同士の会話のように見え、読者にほとんど雅生が障害者であることを忘れさせる。<br />しかし、二人の重要な場面においてはその障害が不意に二人の間にあらわれ、読者をはっとさせるのだ。<br />例えば、飛鳥が雅生のそっけなさに不安を募らせるシーンでは、飛鳥はみんなの前で思いのたけを雅生に叫び散らしながら、そんな自分を雅生に見せたくないために、俯いて口を隠す。口が見えない雅生は読話が出来ないのだ。「誰に聞かれても良い、でもあなただけにはこんな泣き言聞かれたくない」という飛鳥の気持ちが紙面から溢れ出すように伝わってきて、私はこのページをしばらくめくることができなかった。<br /><br /><br />話自体は結構陳腐な王道展開だし、キャラクターもごく普通。月並といっていい。絵もあまり上手いとはいえないし、画面も全体に安い。つっこもうと思えばいくらでもつっこめる。だが、とにかく聴覚障害を生かす演出が冴え渡っているし、要所要所のセリフがいちいち響く。おかげで結果としてどこか新鮮ですごく面白いマンガに仕上がっている。<br /><br />最後の「すくわれたんだよ」のくだりは上手すぎて感動してしまった。<br />「誰うま」ってレベルじゃねえぞ。

  • 【支部通信第28号(2009年11月)より】
    今回は久しぶりにマンガの紹介です。しかも、普通の少女マンガで、見た目も中身もちょっと可愛い、普通っぽいラブストーリー。なんですが、ヒロインの恋する相手がなんと中途失聴の大学生です。10歳ごろに徐々に音を失い、そのとき出会った和太鼓にハマって和太鼓奏者に。もともと無口で、今は親しい人以外には自分から離しかけようとせず、発話リハビリを受けているが会話の多くは後から学んだ手話…という、結構リアリティのある設定なのですが、それを取り巻く友人や弟が「普通に、あったかい」。また、「口元を手で隠すから」「暗いから」「泣いているから」読話ができない、とか「夜は携帯画面を使って“筆談”する」といったシーンも、さりげなく細かく
    描かれています。
    作者さんが、これを描き始めた当初現役大学生だったそうで、学内でのノートテイカーの様子や手話サークルの様子なども描かれています。ヒロインも、彼を追いかけて同じ大学に入り、彼のためにノートテイクをするのですが、悩みがあって上の空で書いているとき、「大丈夫?いつも以上に意味不明だけど」と言われてしまうあたりは、要約筆記者には「うっ」と来てしまいます(^^;
    少女マンガでもまあ、読んでみようかな?という方はぜひどうぞ。一般書店で手に入ります。

    〔金魚奏①・②(ふじつか雪・著) 白泉社花とゆめコミックス 各巻 ¥410〕

  • 全2巻完結

  • 耳の聞こえない雅生との微妙なやりとりが切ない!私的には雅生から飛鳥にかけた電話のシーンが一番のお気に入り♪

  • 絵柄に惚れて買っちゃいました。
    とっても可愛いです・・。
    飛鳥の名字、私とおそろい・・!!
    青春だなぁ・・とか思いました。
    いいなぁこんな青春。

  • この帯の「私のくちびるでどうしたら、伝えられるの」という言葉に惹かれて購入しました。

    今は帯も重要なアイテムなんですね。


    耳の聞こえない彼と精一杯気持ちを伝えようとする女の子のお話しです。

    本当にピュア。

    2巻で最終巻なのですか、本当に泣けました。

    心理描写もとてもきれい。(1巻で終わりと思って油断してたら、いつの間にか2巻も出ていました)
    またこんな漫画があったら読みたいです。

  • 絵が可愛くて衝動買い。でも買ってよかった。こういうのに私はとことん弱い。

  • ある日お祭りに来ていた主人公が聞きほれてしまった太鼓の音。その太鼓を奏でていたのは失聴の青年で・・・・・。音のない世界に住む青年との壁を越えようとする主人公の物語です。

  • サークルの先輩が描いたお話で、よさこい×結びがキッカケになってるらしいです。ピュアなお話にキュン!聾者についても考えさせられます。

著者プロフィール

漫画家。2004年に第29回白泉社アテナ新人大賞優秀新人賞を受賞。『トナリはなにを食う人ぞ』(白泉社)など。

「2018年 『ピアノ・カルテット(2) 初恋は運命のはじまり!?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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