いつかの青春 (花とゆめCOMICS)

  • 白泉社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592196792

作品紹介・あらすじ

古都・金沢から離れた温泉街。高一・結衣のクラスに現れたのは、25歳の同級生・井塚だった…! 今話題の北陸を舞台に、青春が爆発する♪ 他によみきり「イロトリドリの世界」収録。 2015年4月刊。

感想・レビュー・書評

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  •  緒川千世作品は読んだことあったけど高木しげよし作品は初めて読んだのだけども、最高でした。
     いつかくんのかっこよさも然ることながら、主人公の結衣ちゃんがかわいすぎて、これはいつかくんも好きになっちゃうよ〜と思った。すごくいい子……。「25歳なので クラスメイトとは 恋はしちゃだめ!」ってところでなんてまっとうな世界なんだろうと思った。こんなご時世だから本当に強く思った。まあ結局恋に落ちちゃうんだけどね!
     いつかくんが結衣ちゃんと指切りして「フ あったけえ 子供の手やなぁ」って言うところとか、ソフトボールで負けちゃったあとのくだりとか、お団子を食べているときの結衣ちゃんの顔とか、銭湯で助けてくれたときのいつかくんとか、お祭りのときの結衣ちゃんの「ルールを 破れるのは 今の内だけやで」ってセリフとか、お面越しのキスとか、もうときめきシーンが多すぎた。
     二人の年齢差にまつわるエピソードの挿入の仕方もすごくうまくて、甲子園には年齢制限があるからいつかくんが野球部に入ったとしても甲子園には行けないってところは切なくなった。特に禁煙してたいつかくんが学校を辞めようとしてからはまた煙草を吸い始めるところは、すごく印象的だった。
     あと作中で話されている石川の方言がすごくかわいくて、なんて優しい響きなんだろうと思った。
     ともかくすごく上質な少女漫画でした。他の高木しげよし作品も読んでみようと思った。同時収録の短編も素敵なファンタジーでした。

  • 久しぶりに、ストンと気持ち良いくらいに、心に落ちてきた少女漫画
    絵柄とストーリーの優しさが、巧く噛みあい、更に胸の内側を温かくしてくれる
    大雑把に言うと、学園系
    だが、この『いつかの青春』が他の学園系の少女漫画とは違うな、と感じさせる要因は、話の舞台が今、話題の北陸だからだけでない。もちろん、趣きの在る古都・金沢だからこそ、と言うのも否定できないが、それ以上に大きな理由がある
    表紙と帯、なにより、あらすじで、既にネタバレてるが、主役の一人の男子高校生が25歳、と言うのはインパクトが大きいだろう。25歳となると、男子高校生っつーより、男性高校生なんだろうか
    そんな特異な設定だけ聞くと、『第三次性徴期!大塚くん』を思い出すが、あちらはあちらで面白い学園コメディであり、この『いつかの青春』と被っている感はほぼ無い
    昭和生まれ、25歳の同級生、そんな設定にストーリーが振り回され、展開が破綻していない点も高ポイント
    何より、少女漫画らしく、クラスメイトとの恋愛に発展するトコが、少女漫画好きの男からすると、もう、堪らない!!
    25歳の井塚と15歳の結衣、年齢や立場の溝が埋まり、二人が近づいていく展開にはどうしたって、ニマニマしてしまう
    結衣が年上の大人だけど、どこかズレている井塚の人間性に惹かれていき、自分の淡いけれど純粋な恋心を押し殺し、家庭の事情で行けなかった高校に、期待を持って通っている彼の夢のために、奮闘する懸命さ、これにキュンキュン来ない読み手はいまい
    そんな結衣の、子供らしい必死さに何度も助けられ、失いかけた青春を掴め直せた井塚が、彼女の前で自分に素直になる、最早、トドメだ
    これぞ、青春
    あくまで、私の感覚だが、この『いつかの青春』は女子中高生よりは、二十歳を超えている読み手の胸を衝くな。多分、今、青春真っ盛りの子供には、ピンと来ないやも
    ラストの話は綺麗に話を纏めていて、見事としか言いようがないが、これほど読み手の心を揺さぶれる漫画が、一冊で終わるのはダメだろう
    是非、続きを。もっと、井塚の学園生活もそうだが、触れたいのに触れられないジレンマに苦しむ結衣を見たいッッ
    と、ここまで、表題作をベタ褒めしてきたが、正直なトコ、私により強いインパクトを与えたのは、最後の読み切り『イロトリドリの世界』
    受け取り方は人それぞれだろうが、本編よりも、高木先生の少女漫画家としての実力が初読みの読み手にハッキリと感じさせるのは、コチラじゃないだろうか?
    ファンタジー感が強いが、それでいて、恋愛要素がリアル
    三組の男女が登場し、それぞれが相手を真摯に想い合っているのが伝わってくるストーリーになっている
    一緒にはいられない理由がある、けれど、離れたくない衝動が、ただの少女にルールも理も、その身一つでブチ破る勇気を与え、それから生じた奇跡は、未来に生きる人々に前を見つめ、上を見られる心の強さを与える
    人は誰でも、自分だけの、他人に負けない、綺麗な色を持っている。その唯一の無二の美しさを、多少の困難に見舞われようとも穢されずに生き続けるのも、自分の全身で「美しい」と感じた他者の色と混ざり合うのも、形こそ違えど、どちらも尊い心の強さ
    自分にしか出来ない事を頑張れる人がいるからこそ、この世界は多くの色が混ざり合い、もっと美しくなっていく。時に、戦争や災害で、悲しい色が世界を染めてしまう時もあるけれど、人はその色すら、希望と言う名の色で美しく出来る
    自分の色、個性が嫌い、と言う人はきっと、他者の目で見た色を見ているんだろう。きっと、自分の目で、自分の色を見れば、自分をちゃんと好きになれる。そして、自分の色を美しい、と言ってくれた人の色も
    この台詞を引用に選んだのは、同じくらい相手が好きでも、決して男が敵わない、恋する乙女の底力を見たから。まぁ、なるべくなら、自分の殻に閉じこもらない方がイイに決まってるんだが、男が自分と世界を断絶した時、その自分でも開けられないくらい重い扉を押し開けられるのは、いつでも、そんな女々しい男の良い所を知っている娘だけ、か。そんな無茶をしてくれる女の子がいる男は、自分が幸せ者だって気付くべきだよなぁ

  • やっぱ雰囲気好きだなー。
    LOVEは薄目。高校生になって青春してみたいという大人な25歳の新入生、普通に同級生と恋愛はナイワ…てことに目を閉じればとてもキューンとするお話だったw

    同時収録は、前半と後半で主人公代わるから戸惑う(笑)色の擬人化?世界だけどヒロインのピンクが可愛くないよー(T-T)いや、普段は可愛らしかったんだけど死にかけのときとかリアルすぎてヒロイン扱いされてない?(笑)

  • 高1の結衣と25歳の井塚は同級生。担任と同い年の井塚にクラスメイトは動揺。そんな中、井塚と仲良くするように頼まれた結衣は井塚と高校生活を楽しむためのルールを作る。
    金沢にある温泉街が舞台となっているため、方言がバンバン出てきます。最初は慣れなかったけどね(笑)10歳違うと色々と違う所があるよね!2人のギャップが可笑しかったけど、青春な感じで2人が仲良くなっていく過程はキュンとしました。読み切りの話も深くてなかなか良かった。

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