動物たち

著者 :
  • 白泉社
4.31
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本棚登録 : 559
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592711094

作品紹介・あらすじ

あてどない生き様。寄る辺ない生き物。それでも「彼ら」はそこに居る。生き続けてゆく───。panpanya待望の最新刊。日記はもちろんカラーページもたっぷり収録。あなたの目に映るままの森羅万象をご堪能ください。
2016年11月刊。

感想・レビュー・書評

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  • 雰囲気の良さと
    タイトルに惹かれて購入したが、自分的には大当たり本だった。

    日常に潜まない日常的なストーリーには
    目が覚めるよなワクワク感♪
    『慕う』以外何もない動物たちが愛おしすぎる。

  • 毎巻カバー絵のタイトル紹介って入っていたんだっけか。
    「空き物件を占拠する貉の群れ」という絵とタイトルだけで期待が膨らむ。


    収録話も期待と私の好みないい具合の非日常・幻想加減。
    日記もかなりキレがあって好き。


    まず日記「蜂」がもう面白い。確かに、蜂の帰巣メカニズムってどうなってるんだろう。

    「ついてない日の過ごし方」では珍しくちゃんと犬として登場するレオナルドがみられる。

    引っ越しシリーズの一編「引っ越し先のルール」のドタバタも面白い。自らごみ袋に這い入るミドリガメが悲壮かつかわいい。

    「猯」「貉」はどちらも傑作!めちゃくちゃ面白い。
    「猯」では珍しく「オワリ」という表記で話が終わる。

    「示談の手引き」も現代のお伽噺という感じで好き。動物の動画でバズりたい人はこのくらいの根気と真摯さが必要だよね。

    日記「物損」の微妙でささやかな感情もなんかわかる気がする。

    panpanya先生の描く動物たち、とりわけこの作品集では人間社会に溶け込んでいるように見えていても、やはり決して相容れない存在であって、どことなくもの悲しい。



    1刷
    2021.9.19

  • panpanya先生の描く風景はうにょうにょしていて曲線が楽しい。まさにその生きているような有機的描線のなかで描かれるのが《動物たち》、というテーマの作品集はなかなか楽しくてよかった。かわいい。何気ない日記の文章も好きだ。なんでもないものをこぼさないように、ていねいに日常を見つめる視線がすてき。読むだけでそういう視線に憑依したような気持ちにもなって、物語にはそういう力があるよなーとかぼんやり思う
    最後の笹舟の話が特にお気に入りです

  • この作者知りませんで、初めて読みました。
    表紙や絵柄からホラーテイストを予感して警戒していましたが、全体的に優しいお話で安心しました。
    すごい地味な感じの漫画ですが、読み始めると主人公の呟きに共感を感じて(重複表現?)一気にお気に入り作品になってしまった。
    現世と異世界の敷居が低い感じが某たぬき合戦や神隠しに似ているかもしれない。
    それでいてわかる人にだけ刺さるエネルゲンとかサンエブリーとか(^^;)
    いやいや、この世界観、クセになる。
    これは他の本も買い集めねば。

    追記。
    このあとクセになってpanpanya作品、何冊も読みましたが、初期の作品はディープでアクの強い感じで、続巻になるにつれ、だんだんとこなれていって読みやすく、ライトになっていきます。
    振り返ると、この単行本「動物たち」はこの個性と読みやすさのバランスが初めて読む人にちょうどいいな、と思います。
    なので、最初☆4にしていましたが、panpanyaワールドの入口として、☆5に変更しました。

  • 魔魅



    読めない漢字いろいろあった
    でも全部あとで丁寧で分かりやすい説明がされているのがpanpanyaさんの漫画の特徴
    panpanya作はこれで三冊目
    今のところ『二匹目の金魚』がベスト

  • 当たり前のルールも出来事も、それをこなすのが「動物」になった途端、強烈な違和感を感じる。怖くはないけど不気味。不気味なのに、やさしい世界。

  • 占いを気にして、用心する挙句、ブーメランを買ったり、犬に吠えられたり、探し物が見つかったり。引っ越しの話は、新居で明かりを消すと、遠くから車の音。夜、寝てみないとわからない事情というのはある。『猯(まみ)』は帰巣本能の強さゆえ、増えすぎて大混乱するも、職員の巨大マシンで一掃…のはずが?
    どの動物も無表情ながらもペーソスがただよい、ときには哀しげでもあり、主人公はほっておけない。

  • 書き込まれた背景と対を成す
    簡略されたと表現して良いのかわからないが、
    最小限の線で表された人間を含めた動物の頭部が渋い。

  • 私たちの当たり前の生活や会話への眼差しが、
    非常に鋭いのだなと。

    そしてユーモアセンスも抜群。
    退廃的な絵にシュールな登場人物。

    「くすっ」と、声に出して笑った。

  • ■動物たち (2016年12月)4冊目
    残念だったこと
    ついてない日の過ごし方
    朝ぼらけ
    引っ越し先さがし
    引っ越しの日
    引っ越した夜
    引っ越し先のルール
    引っ越しの可能性
    一〇〇年後の日常「家」
    「楽園」ご紹介漫画
    年越しと本


    示談の手引き
    手段
    正直者の傘
    グラスホッパー・アドベンチャー

    panpanyaにして「動物たち」とは、思い切ったタイトル!
    擬人化された動物とされていない動物が混在しているのが、ゆるくてまたよい。
    申し訳なさそうにしていたりあたふたしていたりする猯(まみ)の可愛いこと。

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著者プロフィール

漫画家。作品集『模型の町』『魚社会』(白泉社刊)ほか。ホームページ https://www.panpanya.com/

「2023年 『代わりに読む人1 創刊号 特集:矛盾』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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