BとIとRとD (MOEのえほん)

著者 :
  • 白泉社
4.08
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本棚登録 : 1024
感想 : 98
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  • Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592761358

作品紹介・あらすじ

ちいさな女の子の、澄んだまなざしの先にあるものは…。その女の子のこころの中に生まれるものは…。8編のショートストーリーで綴る、夢と現実のあわいの“不安"と“温もり"。珠玉の傑作絵本。 2009年6月刊。

感想・レビュー・書評

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  • もくじ
    1昼間の蒸気機関車

    2図書館

    3お友達

    412月

    5幼稚園

    6指しゃぶり

    7カミナリ

    8スイレン

    ※□ちゃんと親しいもの


    □(しかく)ちゃんが雪を見ている絵が一番好きでした。(12月より)

    □ちゃんが池の縁に立ってスイレンを見ている絵もいいです。(スイレンより)

    私も□ちゃんみたいな夢見る子どもだったら、今ごろ違う大人になっていたかもしれません。(□ちゃんと親しいものより)

    アメン坊がアメン坊を見テイタ

    BとIとRとDってどういう意味でしょうか。

    ベージュとブラック中心のすごくシックな色合いのおしゃれな絵本です。

  • 本書は、酒井駒子さんが「MOE2004年12月号~2006年12月号」に隔月連載したものをもとに、新たに全体を再構成し、全面改稿したものということですが、最初の二編も含めて、改めて統一感のある美しさを感じました。

    おそらくMOE繋がりで、装幀を担当された名久井直子さんの、表紙の素敵な文字や、テープで貼り付けたような手作り感のある素朴さは、ちょうど、ボール紙に描いた酒井さんの、ざらっと擦れた独特の立体感とも相まって、さながら子どもの為の展覧会といった趣で、こういった点に子どもへの愛情を感じさせられます。

    また、黒を背景にした絵には、どこか幻想的雰囲気の中に迷い込んだ、淡く儚い印象がありながらも、そこには確かに生き物たちの躍動感が存在している、そんな絶妙なバランス感も印象的です。

    それにしても、□(しかく)ちゃん、可愛い。
    「指しゃぶり」や「スイレン」も愛くるしいが、特に「幼稚園」は、おそらく、毎回「一番のりね」と言って欲しかったんだなと思うと、子ども特有のいじらしさがとても切ないですし、一人で歩くのが楽しいといった、当時の私の思いと共感できる文章には、酒井さんの託児所時代の経験が活かされているようで、なんだか微笑ましい気持ちになりました。

    それから、タイトルについて。
    何故、「BIRD」でなくて、「BとIとRとD」なのか?
    人間と鳥が共にある姿に何か神秘的なものや愛しさを感じさせられたりもしますし、それぞれが何かの言葉なのかもしれません。

    とりあえず、私は勝手に
    BirdとImaginationとRememberとDear
    と思うようにしています。

  • 絵本作家<酒井駒子サン>の〝夢と現実〟のショ-ト・ファンタジ- 8篇。 小さな女の子「□(シカク)ちゃん」の不安と温もり...お母さん、幼稚園の先生、指しゃぶり、カミナリ、睡蓮の花...そして、BIRD「鳥」との戯れ

  • 可愛い女の子が出てくる9つのお話。

    「お友達」は誰もが体験したことがあるのではないかな。
    お母さんに声をかけられた後のぬいぐるみの絵がなんとも言えない。

    「指しゃぶり」どこの親も早く指しゃぶりをやめさせたいもの。
    指しゃぶりをやめさせようと◻︎ちゃん(女の子)のお母さんが言った事は…?

    わかりそうで掴みきれない話が何作かあった。もどかしい。
    どの話にも酒井さんの絵が入っていて見応えあり。黒が多く使われている絵に惹かれた。

  • □ちゃんのあまりの可愛さ愛しさに涙が出てくる。
    酒井駒子さんの描く□ちゃんの日常はあどけない幼さの反面、大人の想像を越える繊細さを表し、読んでいて何度もハッとさせられる。
    子供だけが持つ世界観に対し、大人の常識を押し付けて簡単に壊してはいけない、と反省した。
    私の娘はもう大きくなってしまったけれど、あの頃、□ちゃんのような世界を持っていたんだろうな。

    ラストの『□ちゃんと親しいもの』の中の「知らないうちに入っているポケットの中の小さなゴミさん」には私自身、娘が小さい頃随分と悩まされた。
    紙切れにティッシュペーパーにボタンに石におはじきにビーズに…いつのまにこんなもの!?それに気付かずそのまま洗濯機に入れてしまい………。

    大人にとって些細なものでも、子供にとっては「親しいもの」。
    子供の目線に自らの目線をキッチリ合わせた、酒井さんの優しくて素敵な作品集。

    • nejidonさん
      mofuさん、こんにちは♪
      素敵なレビューですね!
      私も読み直してみました。以前酒井さんの個展で買ったものです。
      そして「指しゃぶり」...
      mofuさん、こんにちは♪
      素敵なレビューですね!
      私も読み直してみました。以前酒井さんの個展で買ったものです。
      そして「指しゃぶり」が大好きだったのを思い出しました。
      私も猛烈に指しゃぶりをする子どもだったのです・笑
      挿絵のひとつひとつが本当に素敵で、子どもの愛らしさが際立っていて。
      これからも作品が出るたびに読みたい作家さん(画家さん)ですね。
      2018/01/17
    • mofuさん
      nejidonさん、こんにちは♪
      コメントをありがとうございます。

      酒井駒子さんの個展に行かれたんですか!羨ましいです。私も酒井さん...
      nejidonさん、こんにちは♪
      コメントをありがとうございます。

      酒井駒子さんの個展に行かれたんですか!羨ましいです。私も酒井さんの絵に囲まれてみたいです!
      酒井さんの子供に対する眼差しの柔らかさには感心します。
      ちゃんと子供の目線に合わせておられるんですね。私には娘がいますけど、酒井さんのようにする余裕がないです(^-^;

      nejidonさんは指しゃぶりされてたんですね。私はお気に入りのタオル等をチューチュー吸っていてよく母に叱られました(^-^;

      酒井さんの作品は私も追いかけて行きたいです!
      2018/01/17
  • (2021/9/19読了)
    なぜ読みたくなったのか?借りたのか?覚えてません。タイトルの意味も不明。bird?鳥にまつわる話はありません。
    とても評価は良いのだけど、私にはこの本を読み解く力が無いようです。
    しかし、絵も内容もとても可愛らしかったので星はふたつにしました。

  • なんて美しい本。
    子供の時の、一度失ったら二度と戻って来ない感覚が結晶しているような。その結晶の中から世界を見ているような。
    そこに、意味とかストーリーとかを求めたら消えてしまう、ただ流れる感覚の波をゆったり味わいたい。そして、やっぱり何かを失くし続けてることに気づいて、哀しみを覚えたりする。

  • ああ、これ、わかる……!子供の時、私は確かにこんな風に感じていた。小さ過ぎて言葉にすることはできなかったけれど、確かに□ちゃんと同じ気持ちを感じていた事があった。「お友達」の感覚はすごくよくわかる。でも、逆に□ちゃんの気持ちがよくわからない部分もあって、そこは歳をとってしまったからなんだろうか。なんだか切なくて、もどかしい。子供の頃はうまく言葉にできない感情を伝えられるようになった今、その気持ちを忘れてしまっているのはなんて皮肉なんだろう。

  • >ちいさな女の子の、澄んだまなざしの先にあるものは…。
    その女の子のこころの中に生まれるものは…。
    8編のショートストーリーで綴る、夢と現実のあわいの“不安”と“温もり”。
    珠玉の傑作絵本。 


    1 昼間の蒸気機関車
    2 図書館
    3 お友達
    4 12月
    5 幼稚園
    6 指しゃぶり
    7 カミナリ
    8 スイレン
      □ちゃんと親しいもの


    大好きな酒井駒子さんの絵本。
    タイトルは「と」をのけると・・・BIRD。
    あちこちに鳥がたくさん登場するからつけたのかな?


    お気に入りは「お友達」「カミナリ」

    「指しゃぶり」は私自身の子育ての苦い思い出と重なってちょっと痛かった。
    長女が長く指しゃぶりをして悩んだ時期があったので、□ちゃんのお母さんの気持ちも理解できるんです。
    指しゃぶりをなんとかやめさせようとして怖いことを言ったこともありました。
    かえって逆効果だったんですが(笑)
    長女には申し訳なかったなと改めて反省。

    子どもの頃の気持ちってこんな感じだったかも・・・と切ないような懐かしいような気持ちになりました。

  • 大人のための絵本です。
    こんな気持ち、拾い集めて。。。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「拾い集めて。。。」
      イメージから、色々な思いがフツフツと湧いてくる感じ。私は「図書館」と「カミナリ」が好きかな。
      「拾い集めて。。。」
      イメージから、色々な思いがフツフツと湧いてくる感じ。私は「図書館」と「カミナリ」が好きかな。
      2013/04/11
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著者プロフィール

1966年兵庫県生まれ。絵本作家。著書に『よるくま』『ぼく おかあさんのこと…』『ロンパーちゃんとふうせん』『金曜日の砂糖ちゃん』『くまとやまねこ』(文:湯本香樹実)、画文集『森のノート』 など。

「2022年 『橋の上で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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