mother (花丸文庫BLACK マ 2-4)

著者 :
  • 白泉社
3.98
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本棚登録 : 299
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592851004

作品紹介・あらすじ

「天使のような子」と言われ天真爛漫だった真治は、バイト帰りにレイプされて以来、人間不信に陥ってしまう。けれど親友の塚越だけは、いつもそばにいてくれる特別な存在だった。支えてくれた塚越のおかげで再び社会に馴染めるかと思った矢先、自宅に差出人不明の封筒が届く。そこには自分のレイプ写真が…。淫らに乱れた記憶がよみがえり、自分は汚らわしい存在だという思いにとらわれた真治は、再び自分の殻に閉じこもろうとする。けれど塚越は、そんな真治をも受けとめてくれた。優しすぎる塚越に、いつしか真治は依存するようになり…。

感想・レビュー・書評

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  • 花丸文庫と花丸文庫BLACK、同じ出版社で何故こんなにも差があるのでしょう。
    と改めて思った一作です。

    個人的に花丸文庫は比較的あっさりしたさわやか作品が多いと思っているのですが、
    BLACKになったら名前の通り黒い、ねちねちした感じのお話だなぁと思いました。

    こちらの作家さんの作品は初読みだったのですが、
    読んでいる途中で何となく事件の犯人はあの人じゃ……と
    思いつつ読んでいたのですが予想が当たっておりました。
    でも内容が濃くてフラグも沢山だったので最後までハラハラしながら読み進めておりました。

    短編の方は攻め視点の独白が続いていたのですが、
    本編読破後に読むと本編 を読んでいる最中理解不能だった攻めの気持ちが
    少しだけ理解できたかなぁと思いました。

    勿論色々やっちゃ駄目だろこれは!
    というものもあるので全部が全部理解出来る訳ではないですが。

    普段よく読む所謂片思いから気持ちを伝えてハッピーエンド
    という様なお話ではなかったので読了後も重苦しい気分にはなりましたが、
    こういう作品もたまにはいいなとも思いました。

    挿絵の門地先生の絵が凄く奇麗でH度が増している様に思いました。

  • 受けのためなら手段を選ばない狂った攻めが好きです。
    大体展開は読めてしまうけど、中弛みせずさくっと読めた気がします。

    幼少期に母親から虐待を受けて育ったハイスペック、金持ち、イケメン攻め×天使と呼ばれてる美形受け
    母親の優しげな死相と受けを重ね、受けに母性のようなものを求めるようになる攻め。それこそ無条件に、自分の吐き出したものを掃除してくれるような…。
    結果、受けを1度壊すことになるのだけれども献身的に受けを支える友人のフリをしながら性事情までサポート。最終的に受けに全てを悟られるも別れることなく共依存ラスト。
    俺が、お前を無条件に母親を求める赤ん坊にしたんだ。ってセリフが印象的で、かなり昔読んだものなのにおぼえてました。

  • ベストオブ執着攻め。これぞ執着攻め。丸木文華の本領発揮作品。すべて計算づくの執着攻めと、頭緩めだけど何もわかってないわけではない受け、そしてラストはストックホルム系というか、あれ受けちゃん壊れちゃったかな?って感じのメリバ。後日談含めそこはかとなく不穏さが漂う終わり方で、一般文芸作品だったらこれはバッドエンドの気配濃厚かなっておもうところだけどBLなのでメリバだと思います。今のところわたしが読んだ丸木作品中最高。

  • 天真爛漫な主人公が何者かに強姦され、
    それを機に心境も生活も一変してしまう、という話。

    犯人が誰なのかを探っていくミステリー的な
    お話なのかなぁと思いきや、
    犯人は最初から分かり切ってました。
    あまりにも分かりやすかったので
    逆にフェイクかなと深読みしたぐらい。

    でも、これはミステリーではなかったんだな…
    激しい執着攻めの物語だったのですね。

    物語としてはとても単純です。
    攻めが受けに執着するあまり罠にはめたってことですね。

    天真爛漫というか、若干頭がゆるい受け。
    悪意がない・悪意が理解できないというのは
    ある意味、暴力的な事でもあるんだなと思いました。
    う~ん、神崎の気持ち、分かるなぁ。
    近くにいたら自分の卑小さが拡大されて辛いわ。

    でも自分でもそれに少し気づいていて、
    そのことに後ろめたささえ感じている。
    周りが「天使」と呼ぶことは決して
    褒め言葉だけじゃないのですね。
    ある意味「人間じゃない」ということかもしれない。

    攻めをあっさり赦して、それどころか
    慈愛の精神でもって包み込むラストは
    人間としては理解できないけど、
    「天使」としてはそれでいいのかもしれない、と思いました。
    人同士の恋愛じゃなかったんだな、最初から。

    バッドエンドではないけどハッピーとも言い難いかなぁ。
    塚越がどれだけ真治を抱いたとしても、
    真の意味で手に入れられる日は来ないのだと思います。

    攻め視点が欲しいな―と思ったところの描き下ろし。
    かゆいところまで手が届いてるw
    攻めの心境はおおむね予想通りだったのですが
    受けの元彼女…想像以上にユルい女の子で
    将来結婚しても子供放置して遊びに行きそうで
    軽く浮気もしそうな感じで、
    結婚しなくてよかったなって思いましたw

    エロは回数も多いし一回が激しいし長いです。
    小説には珍しいとも言える擬音の多さで
    汁たっぷりな男性向け的な感じのエロ。
    レイプのところは詳細には語られず、
    それによって後ろを開発されて淫乱になった主人公は
    何をされても基本喜んでいるので
    痛々しくはありません。

    う~ん、こういうエロはマンガで読んだ方が面白いかもしれない…
    門地さんがコミカライズしたら相当エロそうです。

  • あとがきで述べてらっしゃるように、丸木さんらしい内容だとおもいました。最後に黒い部分が見えるけれど、エンディングとしては暗いわけではないと思います。

  • 初めての丸木さん作品。
    みなさんの評価を見てから買ったのでハズレではないと思います。
    好みがわかれますねw

  • 病んでるなー(^^;)でも、作者があとがきで言ってるようにバットエンドとは言い切れなくて、だからってハッピーエンドってわけでもない…何とも言えない読後感。犯人は早い段階で予想はつくんだけど、確証は持てなかったからハラハラした。許されて、受け入れられて、色々間違えたけど母親の形見の指輪を外した祐紀が、これからは良い方向に変わっていけるといいなと思う。真治のためにも。

  • ★×5(甘め)
    丸木さんの真骨頂、執着しすぎるコワイ攻(絶倫)を楽しめました。
    私の中では「丸木文華」といえば「コイビト遊戯(一部ではトラウマボブゲと恐れられている)」であり、兄弟シリーズです。
    異常なまでに受けに執着する攻めは、丸木作品でしか楽しめないですよね。
    甘さは控えめで苦味が際立つ…カカオが多いビターチョコのような作品なので、読み手を選ぶかも?

  • 事件に遭うことで病んでしまっている受けだけれどそれ以上に攻めが病んでました!という内容。
    ま、おふたりが幸せならいいですいいです。

    怖いけど!w

  • 何度読んでも、塚越の母親のくだりで泣ける。
    そして、改めてこの作品のタイトルに込められたものに涙が出る

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著者プロフィール

埼玉県出身。BL、乙女小説、ゲームシナリオを中心にジャンルを跨いで幅広く活動中。近刊は、『双囚 ふたりの姫は愛獄に堕とされる』 (KADOKAWAジュエル文庫) など。

「2021年 『フェロモン探偵 花嫁になる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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