mother (花丸文庫BLACK マ 2-4)

著者 :
  • 白泉社
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本棚登録 : 299
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592851004

感想・レビュー・書評

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  • ★×5(甘め)
    丸木さんの真骨頂、執着しすぎるコワイ攻(絶倫)を楽しめました。
    私の中では「丸木文華」といえば「コイビト遊戯(一部ではトラウマボブゲと恐れられている)」であり、兄弟シリーズです。
    異常なまでに受けに執着する攻めは、丸木作品でしか楽しめないですよね。
    甘さは控えめで苦味が際立つ…カカオが多いビターチョコのような作品なので、読み手を選ぶかも?

  • 人格障害の傾向があるキャラが登場するBLの中ではトップクラスではなかろうか。作者もその分野を勉強なさっているのが文章からも読み取れました。目的のためなら、罪悪感など皆無で他者を利用し、嘘をつき、傷つけ、暴力をふるう。そんな、身近にはいてほしくない攻の華麗なる暗躍と、その術中にはまったことにすら気づけなかった受の、なんとも暗いラブファンタジー。

  • 丸木文華ワールド全開なストーリーで、萌え上がりました。ダークで病んでるのはもはや看板メニュー。わりと読みはじめでこうくるだろうと、ファンならばオチがどうか気付いてしまうんですが、それでもなお面白いと思わせる手腕はさすがです。どんどん進化しているエロさにも磨きがかかっていました。

    外見も内面も天使を思わせる真治は、高校卒業間際バイト帰りに襲われて人間不信になってしまい、まともな生活ができなくなるほどの深い傷を心に負います。
    そんな彼を何かと親身になって助けてくれたのは、親友の塚越です。真治とは違って裕福で何不自由なく暮らし、女の子にもモテる塚越。
    彼に助けられ、護られることでようやく立ち直れそうになった真治ですが、忘れようとしていたあの日のレイプ写真が何者かによって自分の元に送りつけられ、再び恐怖にさいなまれることに。

    真治の心情がつぶさに描かれているので、非常に入り込んで読むことができます。やさしくて何でもしてくれる塚越に依存してしまう姿に納得。頷けました。
    真治は、あまりにも純粋できれいな心の持ち主ゆえに、他人の心に潜む憎悪や執着にとても鈍感です。うわべしか見えていないんですよね。
    「汚い」という概念が希薄です。
    印象的だったのは、自分を憎んでいた神崎の吐瀉物を真治が片付けるシーンです。
    そんなことができる男子高校生って、すごい。躊躇なく後始末するという行為は、まさに白衣の天使、もしくは母親です。塚越が抱く真治のイメージが明確に伝わってくる場面でした。

    塚越が最強ヤンデレでした。どこからどう見ても優しくて思いやりがあって、真治のためならどんな苦労も厭わない、最高の攻です。
    そして、ドス黒い執着心に背筋がゾッとさせられます…ここまで、相手をがんじがらめにしようとするその周到なやり口が怖い。
    しかし、ただ怖い存在だというわけじゃなく、どこか甘えるような依存心が垣間見えるところが切ないというか、ほっとけない気持ちにさせられたりするのです。
    真治はおっとりしていて気付いていないけど、周りは皆塚越の闇に気がついている、というのにも震えます。塚越、とんでもない男だよ。

    エロ的にも今回素晴らしく萌えあがりました。門地かおりセンセのイラストがはげしくエロス。内容に合っていて、すごく格上げしてました。
    粘着質なエロで、いろんなシチュエーションでのHが満載。いつもの独特な擬音も健在です。攻も喘ぐのがすごく煽られます。Hの描き方が上手すぎる…
    だんだん真治が塚越とのHに溺れていく様子がツボ。いろんな意味で嵌められてるなぁ、と感じさせるのがたまらない。
    震撼とさせられてなお、深い慈愛も感じることのできる秀逸な一冊です。

  • あとがきにもあるように、丸木さんファンにとっては出オチ…というか先の展開はなんとなく察しました。テンプレヤンデレキャラを書くのが上手い作家さんだなあと再確認。門地先生ファンでもあるので一度に二度美味しい一冊でした!

著者プロフィール

埼玉県出身。BL、乙女小説、ゲームシナリオを中心にジャンルを跨いで幅広く活動中。近刊は、『双囚 ふたりの姫は愛獄に堕とされる』 (KADOKAWAジュエル文庫) など。

「2021年 『フェロモン探偵 花嫁になる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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