初恋姫 (白泉社花丸文庫 な 7-3)

著者 :
  • 白泉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592875789

感想・レビュー・書評

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    私は最近、「変な子」受けがツボみたいだなあとつくづく自覚している。
    よって、この作品の受けっこも当然のようにストライク。
    友人から借りた本だけれど、その友人には私のそんなツボを見透かされていた節がある(笑)。

    変な子にもいろいろあるけど、簡単にまとめると、
    「(どんな方向であれ)ズレている」それゆえに「純粋」
    もしくは「純粋」であるがゆえに「ズレている」
    という感じ。
    ここでいう純粋は、別に世間一般で言うような「良い子」ってわけじゃなくて、何かひとつのことをきわめていたり、追い求めていたり、こだわっていたり…という一途さ。
    そのために周りとズレていることに気づかない、もしくはズレていても気にしないというタイプにとっても弱い。

    それこそ話が少しズレたけど、この作品の主人公も、華族のおひいさまっていうド級の世間知らずで、周りとズレまくっている。
    でもものすごく一途だし。おひいさまと言われてる割に中身は骨があって男前だし。男前だけど、やっぱり可愛いし。とにかく受けのやることなすことが、いちいち可愛いのだ。
    攻めも「俺様」すぎず、受けが惚れるだけの理由があるいい男だと思えた。

    しかし主人公も設定もかなりぶっ飛んでいるはずなのに、不思議と読後の印象は地に足がついている。
    というか、登場人物の心の機微がどれも自然で、すんなり入ってくるものなので、ぶっ飛んだ話を読んだという気にまったくならなかった。

    あと、この作家さんは、ちょこっとした脇を書くのがうまいなあ。主人公の祖父も護衛役の真田もみんないいキャラしてる。

    蛇足だけど、主人公ふたりのやりとり、何かをほーふつとさせるなと思っていたら、「のだめ」の千秋とのだめだった。のだめも男だったら、いわゆるトンチキ受けだ(笑)。

著者プロフィール

1973年生まれ、京都市在住。2007年、BLジャンルの初著書が刊行され、デビュー。17年『神さまのビオトープ』を刊行し、高い支持を得る。19年『流浪の月』と『わたしの美しい庭』を刊行。20年『流浪の月』で「本屋大賞」を受賞する。同作は、22年に実写映画化された。20年『滅びの前のシャングリラ』で、2年連続「本屋大賞」ノミネート。22年『汝、星のごとく』で、第168回「直木賞」候補、「2022王様のブランチBOOK大賞」「キノベス!2023」第1位に選ばれ、話題を呼ぶ。翌年、同作の続編にあたる『星を編む』を刊行した。

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