- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784592875789
感想・レビュー・書評
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面白かった!
私は最近、「変な子」受けがツボみたいだなあとつくづく自覚している。
よって、この作品の受けっこも当然のようにストライク。
友人から借りた本だけれど、その友人には私のそんなツボを見透かされていた節がある(笑)。
変な子にもいろいろあるけど、簡単にまとめると、
「(どんな方向であれ)ズレている」それゆえに「純粋」
もしくは「純粋」であるがゆえに「ズレている」
という感じ。
ここでいう純粋は、別に世間一般で言うような「良い子」ってわけじゃなくて、何かひとつのことをきわめていたり、追い求めていたり、こだわっていたり…という一途さ。
そのために周りとズレていることに気づかない、もしくはズレていても気にしないというタイプにとっても弱い。
それこそ話が少しズレたけど、この作品の主人公も、華族のおひいさまっていうド級の世間知らずで、周りとズレまくっている。
でもものすごく一途だし。おひいさまと言われてる割に中身は骨があって男前だし。男前だけど、やっぱり可愛いし。とにかく受けのやることなすことが、いちいち可愛いのだ。
攻めも「俺様」すぎず、受けが惚れるだけの理由があるいい男だと思えた。
しかし主人公も設定もかなりぶっ飛んでいるはずなのに、不思議と読後の印象は地に足がついている。
というか、登場人物の心の機微がどれも自然で、すんなり入ってくるものなので、ぶっ飛んだ話を読んだという気にまったくならなかった。
あと、この作家さんは、ちょこっとした脇を書くのがうまいなあ。主人公の祖父も護衛役の真田もみんないいキャラしてる。
蛇足だけど、主人公ふたりのやりとり、何かをほーふつとさせるなと思っていたら、「のだめ」の千秋とのだめだった。のだめも男だったら、いわゆるトンチキ受けだ(笑)。詳細をみるコメント0件をすべて表示