臈たし甘き蜜の形代 花降楼シリーズ第九弾 (白泉社花丸文庫)

著者 :
  • 白泉社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592876182

作品紹介・あらすじ

幼い頃、吉原の男の廓「花降楼」に売られた椛は、まだ禿であるにもかかわらず大貿易商の御曹司・岩崎に見初められ、高価な贈り物や新造出しの世話まで約束されていた。両親を亡くして以来、誰も愛してくれる人などいないと思っていた椛は、可愛がってくれる岩崎に対し淡い思いを抱き始める。だが岩崎は、以前この見世の傾城だった蜻蛉を身請けしようとし、直前に奪われるという過去を持っていた。椛はそのよく似た面立ちから、岩崎が自分蜻蛉の身代わりとして扱っているのを知り…。大人気・花降楼シリーズ第九弾。

感想・レビュー・書評

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  • 諏訪×藤野も気になる…っ!!!!
    それにしても、言葉攻め堪りませんorz

  • 華降楼シリーズ最新作。

    色子は毎回違う子だし、相方も違うので、バックグラウンドが一緒です。
    今回は以前『蜻蛉』に振られた男のその後です。
    好きだった色子『蜻蛉』に似た子を見初めて、禿時代から我がモノにしようと頑張った 岩崎 さん。
    当て馬だった岩崎さんも愛せる子が出来て何よりです。
    お話的には先が見えて多ので☆は2つ。
    ハッピーエンドなんですけど、椛(もみじ)のぐるぐる感が楽しかった。

    ところで、今回見開きのカラーイラストがないんですが、このご時世のせいでしょうか?
    大抵、ラノベ等にはカラーイラストが当たり前に描かれているんですが…
    樹さんのイラスト、好きなんでちょっと悲しかったです。

  •  読んだらなくなっちゃうから、かたくなに読むのを拒んでいたのですが、ついに読んでしまいました。
     最初、一回目の心の動きって、一回目にしか味わえないので、それくらい大好きなシリーズです。

     さて今回の主人公は、その昔、蜻蛉にいたく振られた岩崎さん。
     かなりの時を越えてからの再登場です。
     実は彼のことはかなり気になっていたので、もう一回出てきてくれて嬉しい。
     けど、ツンツンしてる蜻蛉を引き取ろうというんだから、もう少しできた大人の人なのかと思ったら実は中身はあまり成長がなく……(失礼)
     蜻蛉に似ている椛を見つけて、若紫計画をぶち上げてしまうような残念な人……。
     まあ、それだけ蜻蛉の残してきた傷は深い……ということだとも言えると思うので、相変わらず、蜻蛉は罪だねえ……と。

     まあ、そんな大人の思惑なんて知らない椛は、久々に優しくしてくれる大人が現れたことに大喜びで、あっという間に心の中が岩崎でいっぱいになってしまう。
     けれど自分は、蜻蛉の身代わりにされているに違いない……ということに気がついて……

     という椛側からしたら相当に切ない話。
     でも、もちろん最後はハッピーエンドなので問題はありませんでした。
     ただ、水揚げされてしまう前に、岩崎においしく持って行かれてしまったので、残念なことにあんまり廓っぽさはなかったかなあ……。
     想い人はただ一人なのに、他の人にも抱かれないといけない悲哀……っていうのが廓ものの醍醐味だと思うので、ちょっと残念。
     けど、こういう話もあっていいかなあ……とは思います。

  • ★3・8
    過去に蜻蛉に振られた岩崎さんのお話。岩崎さんこんなに黒かったとは(苦笑)でも、あの時は気の毒だったから、彼にも本当に好きな相手が見つかって良かった。そうなるまでがいろいろあったけど;蜻蛉に似てるからっていうのはやっぱりひどい。それを知った時の椛がかわいそうでせつなかった;知っても尚、健気に想ってるのが…!結局途中からはちゃんと椛として好きで大切だったっていうのがわかってホッとした。綺蝶と蜻蛉が元気に暮らしてるのがわかったのも良かったな~。

  • 蜻蛉編で振られてしまった岩崎さんと紅葉のお話。
    設定が現代と混じっている世界観の中での遊郭の話ということで、ついつい引き込まれて行ってしまった。
    ドラマCDが出ると言うことで、読んでみました。CDでは谷山紀章と島崎信長君なのでぜひ聞いて欲しいです。

  • 花降楼シリーズ第9作目。


    攻め:岩崎
    受け:椛


    禿の頃から岩崎に可愛がられてきた椛。
    新造出し、水揚げも岩崎様に、と思って慕っていたが、自分が可愛がられているのは昔岩崎が執心だった蜻蛉に顔が似ていたからだと知って…。


    CD化が決まったので慌てて読むことにしました。
    第2作目で蜻蛉の当て馬だった岩崎の救済作(笑)

    いろいろ突っ込もうと思えばあるけど、これはこれでいいということで(^_^;)

  • 2作目で、蜻蛉を身請け直前でかっ攫われた坊っちゃんが今回の攻。
    蜻蛉のトラウマを抱えてるせいか、若干ヤンデレ化。
    受は、前作の綺蝶と蜻蛉の宴の席に、禿として綺蝶に構われて
    いた子、椛です。健気属性がまた来ましたが、魔性受も含んでます。

    今回は結構せつなくて、きゅんきゅんしました。
    というのも、私の好きな身代わりものです。
    蜻蛉の面影を持つ椛を、幼い禿の時に見初めた岩崎が、今度こそ
    自分が手塩にかけて育て、本物の蜻蛉のようにして手に入れる、
    というとんでもない計画の犠牲者…。
    まさに若紫を育てる光源氏のようです。
    ハッピーエンドになってホント良かった。

  • <花降楼シリーズ>
    『君も知らない邪恋の果てに』
    『愛で痴れる夜の純情』
    『夜の帳、儚き柔肌』
    『婀娜めく華、手折られる罪』
    『華園を遠く離れて』
    『媚笑の閨に侍る夜』
    『白き褥の淫らな純愛』
    『愛しき爪の綾なす濡れごと』
    ⇒『臈たし甘き蜜の形代』
    『恋煩う夜降ちの手遊び』

  • 蜻蛉に振られた岩崎さんのお話。
    久しぶりに来た花降楼で蜻蛉に面差しの似た椛に出会う。幼い彼を光源氏のように育ててきた岩崎。
    一流の傾城になるため、椛に心得を教え込むが、それは全て蜻蛉の面影を追ったものだった。
    知らずに岩崎に懐いていた椛はある日事実を知り、岩崎を避ける。
    そうしてようやく、蜻蛉ではなく今の椛を愛しているのだと思い知る岩崎だったが・・・。
    って感じで。ちょっと・・・実は結構・・・黒い岩崎さんですが。蜻蛉に振られてかわいそうだったりもするので椛とはうまくいってほしいもんですね~

  • 花降楼シリーズ9 「ろうたしあまきみつのかたしろ」
    大貿易商御曹司・岩崎×椛
    蜻蛉に似た椛を身代わりとして扱う岩崎に、椛は…。

    結構、大人なはずの岩崎ですが、自分の心の内を分かっていませんね。
    遊郭物の受は、たいてい健気ですが、椛も当然のように健気に岩崎のことを慕います。
    いつでも苦労するのは鷹村さんですね。

    シリーズ全体の時系列が怪しくなってきた私。
    どこかで年表載せてくれないかしら?

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