日出処の天子 第3巻 (白泉社文庫)

著者 :
  • 白泉社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592880530

感想・レビュー・書評

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  • やっぱり昔からあるんやね、攻めが唐突に心揺れてしまう女の影ってやつが…
    王子が割と普通にショック受けてるのが、ちょっと意外だ…
    そらそうよね、自分が愛されるルートがあんま想像できない人なんだもんね…

  • 一巻の女孺、厩戸が操っていた傀儡かなんかかと思っていたのですが、フツーに厩戸女装男子だったんですね! そして毛人のこと好き過ぎか。やーい嫉妬しろ
    刀自古ちゃんがかわいい! 別人のように綺麗になってもどってきたと思ったら、おきゃんなところが残っていてそれが垣間見えると毛人お兄ちゃんと一緒になって嬉しくなってしまう。
    あと淡水と調子麻呂ね‥‥異父兄弟で昔は憧れていたけれど今は遺恨があってでも敬念は消せなくて‥‥みたいなの本当に性癖だから許してくれ‥‥調子麻呂ちゃんは要所要所色っぽいしあの厩戸に仕えてられるとか天使みしかない。
    梅原先生との対談もたぎりますね! 斑鳩にある尼寺は太子の第一~三夫人それぞれの居場所というか勢力圏、みたいなお話とっても面白い。そうして彼の地を思うと見え方が変わってくる。
    「女をもっぱら描く人は、やっぱり男性に対して関心の深い人ですね」「とすると、あなたは男性関係のほうはあまり、ということになりますかな(笑)」「実は」なんてくだりも二巻のインタビューの伏せ字のヒントなのかしら。興味深かった。

  • 2016.7.23市立図書館 →2021年9月、電書化ときいて大人買い
    コミック版の4巻を読み終えて、この巻のちょうど中ほどにつながった。(泊瀬部の即位〜)薬狩(菖蒲の節句)での大王による誤射〜毛人物部の布都姫(石上の斎宮)にひとめぼれ〜厩戸暗殺計画〜厩戸が布都姫を訪ねるところまで。
    巻末は梅原猛と山岸凉子の対談。

  • 蘇我氏が擁立した泊瀬部大王はしだいに手に負えない存在となり、ついには蘇我氏と激しく対立することに。安定を失ったまつりごとの陰で、厩戸王子はいかに動くのか?

    厩戸王子はじめ蘇我氏の力で泊瀬部大王の即位に成功するも、
    酒と女と権力に溺れ、徐々に増長する大王はやがて臣下の不興を買う。
    一方大王も、自分より常に抜きん出る厩戸王子を疎んじ始めた。

     毛人の妹・刀自古が母と共に実家に帰ってくるが、どこか様子がおかしく、
    毛人も気にはするが、自身の身を固めるよう迫る父をいなすので精一杯。
    同じ頃、額田部女王は娘の大姫を大王ではなく厩戸王子に嫁そうと画策していた。
     共にあるのが自然な王子と毛人だが、それは理解されず、また許されない。
    そして、ふたりの運命を大きく狂わせる女性、布都姫が毛人の前に現れる…

    …これまでは目立たなかった若手の女性達の動きが出てきます。
    天真爛漫だった刀自古の変貌、入内を望みながら王子にも揺れる大姫、そして布都姫。
     いずれにしろ複雑な事情の中で、調子麻呂と善信尼の淡い恋は一服の清涼剤です
    それを心から祝福する毛人と、素直に喜べず邪魔もしきれない王子。
    愛で幸せになれる可能性が有る者と無い者との、心の裡の差なのでしょうか。

     主張のはっきりした女性達の中で、時代に翻弄される布都姫は珍しく手弱女です。
    誰かを頼り切って手を引かれる姿は、厩戸王子の母・穴穂部間人媛を思わせます。
    王子が布都姫を嫌う理由は、毛人の想い人だからというだけでは無いのかも知れません。

  • 北見T

  • 毛人は自らも認める恋をする。

    少年から大人になったということだろう。

  • 物部氏との戦に蘇我氏側が勝利し、新たに泊瀬部大王が即位する。
    誰もが低俗で無能だと思いながらも大王に頭を下げる姿は滑稽だ。それに気付いているのかいないのか、宴で浮かれ騒いでいる大王は阿呆すぎる。
    賭弓(のりゆみ)の儀は見ものだった。「これより先の我が望みすべてかなうならば矢よ当たれ」と言い弓を射る厩戸王子と、蘇我氏の繁栄を願って弓を射た毛人。二人とも的のど真ん中に的中して爽快だったし、舎人たちの競い合いも面白かった。

    また、この巻は、毛人と物部氏の石上斎宮(巫女)である布都姫との出会いの巻でもある。
    布都姫はのちに蘇我入鹿を産む女性であるが、この二人は、ロミオとジュリエットのように、家が先の戦で争った敵同士だった。敵同士であると知りながらもひかれあってしまう二人の姿に心が揺さぶられる。
    布都姫は毛人からすれば母親の腹違いの妹、つまり叔母さんに当たるのだが、巫女をしているだけあって年齢を感じさせず、清々しい美しさを持っている。
    毛人への想いに気付いた厩戸は、毛人が布都姫に懸想していることを知り、女装して密かに石上へ赴く。厩戸が恋に狂う悪女のように、明らかに布都姫を憎んでおり、怖い。

  • 毛人への想いに気がついたか?
    しかし、毛人は・・・。。。
    あーイライラしちゃう‼でも面白いデス!

  • 刀自古はかわいくて好きなんだけど、山岸バージョンでは苛烈な運命を背負わされてて、かわいそう。こういう残酷な設定をきちんと書ききるのが山岸さんの素晴らしい才能でもあるんだけど。
    三巻のラストは、布都姫と皇子の対面シーン。これも怖い。
    今思うと、幼かった自分に恋愛の暗黒面というものを教えてくれたのが、厩戸皇子と刀自古の二人だなぁ。

    巻末対談は梅原さん。

  • 587〜589年

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著者プロフィール

山岸凉子(やまぎし・りょうこ)
1947年北海道生まれ。69年デビュー後に上京。作品は、東西の神話、バレエ、ホラーなど幅広く、代表作に「アラベスク」「日出処の天子」「テレプシコーラ/舞姫」など。

「2021年 『楠勝平コレクション 山岸凉子と読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山岸凉子の作品

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