銀の三角 (白泉社文庫)

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著者 : 萩尾望都
  • 白泉社 (1994年9月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592883012

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銀の三角 (白泉社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「萩尾望都SF原画展」に行ってきた。年明けからずっと楽しみにしていて、ワクワクしながら出かけたのだけど、期待通り、いやそれ以上に充実した内容で、深く深く満足した。帰宅してすぐ、取るものも取りあえず、「スターレッド」と「銀の三角」を読む。そうそう、このシーンのナマ原稿があったんだよねえ、一筆一筆手で書かれたのだということが何だか信じがたいような、すごい線だった、はあ~、とため息をつきまくりながら感動を反芻したのだった。

    四十年以上読んできた萩尾作品は、「ポーの一族」を筆頭にどれも大好きだけれど、とりわけSFには思い入れがある。SF的センスと叙情性が溶け合っていて、どれもすばらしいと思う。ブラッドベリ作品など、わたしのなかではあの絵柄と渾然一体となっている。(「みずうみ」の原画があって嬉しかった!)

    その中で特に好きなのが、「スターレッド」と「銀の三角」。SF度が高いのは後者だろうが、どちらも時空のスケールが大きくて、読後感の切なさたるや、言い表しようがない。萩尾作品ではいつもそうだけど、マイノリティに寄りそう深い思いを感じて、そこが心に響いてやまない。

    原画展の会場の一角、テーブルの上に数冊のスケッチブックが置かれていた。来場者が萩尾先生宛に感想を書くためのもので、会期が終了したら先生に届けられるのだそうだ。のぞいてみると、(わたしと同じように)長く読んできた方の思いのこもった感想が多く目につく。また、「母の持っていたコミックスを読んでファンになりました」という若い人の感想も見かけ、あらためて半世紀近い画業の素晴らしさを痛感した。ファンレターなどついぞ書いたことがないけれど、今回ばかりは是非先生への感謝を伝えたいと思いペンを取ったが、すごく迷った挙げ句全然たいしたことが書けなかった。トホホ。

  • ひさびさに読み返した大好きな作品。
    世界の運命を握るひとつの結び目。それを解き、世界を美しく留めるために時間と空間に干渉する謎の美女ラグトーリン。
    これって、時空の将棋、もしくは壮大な「もしもボックス」の話なんだ。
    小説じゃないから、スッと世界に入っていけるのだろうな。こういう話を小説で描くと、きっと、すごく難解で、読むのもタイヘンなのかも。
    それから、時空の話に音楽が登場するのが面白い。ストーリーの展開に直接係わってはこないのだけれど、音楽は時間の芸術だから。象徴なのかな?

    こういう話、他の萩尾作品にもあったなあと思い、探してみた。
    そしたら、小学館文庫の「半神」に入っていた。生まれ変わってもいつも同じ運命を辿る男女の話「酔夢」。「金曜の夜の集会」も繰り返す時間を扱っている。

  • 難しかった><

  • 萩尾望都により、1980〜82年に「SFマガジン」誌上で連載された長編SF作品です。

    時は未来。
    舞台は宇宙に散らばる色々な星系に暮らす人間達の世界。
    主人公「マーリー」は、政府機関で社会安定の為、データの収集と分析を行うセクションに勤務していた。
    彼は予知能力があり、社会変事を察知しそれを防ぐのだ。
    或る日彼は「エロキュス・ルルゴーモア」という歌姫の歌を聞き、その中に社会変動を感じて調査におもむく。
    エロキュスの死。
    謎を追ううちにトラブルに巻き込まれて、マーリーも死ぬ。
    スペアのために用意してあったクローンマーリー2の起動。
    辺境の惑星の王の元に忌むべき子供が生まれる。
    夜毎殺され、生き返る赤ん坊。。。

    すべての原因は、「銀の三角」といわれる星に住んでいたすでに滅びた種族に起因した。
    彼等は音楽に対して特殊な能力があり、予知能力を持ち、非常に長命であったが、その予知能力のために、他の種族に狩られて滅んだという。

    謎の吟遊詩人、黒髪のラグトーリンは何者か?
    すべての謎はからみあう。
    幻覚、現実、幻想、実相、夢想、夢幻、消失と再生。

    ネムラセテ ソシテ
    ワタシヲ 岸辺ヘ カエシテ…

  • 萩尾望都のSF作品の中でも最高傑作だと思います。めくるめくような、絡みとられるような、物語と言葉の波に流されてしまいます。
    萩尾作品は少年愛的な作品がいくつかあるためか、何から手を出したらいいのか躊躇する男性も多いかと思いますが、断言します。萩尾SFにははずれがありません。
    女性ならではの、きめ細やかに創りこまれた世界観は世のSF作品のどれと比べてもひけをとらない出来だと思います。難解な部分は読み込むことで解消です。SFファンなら押さえておくべきかと思います。

  • SF漫画としてはやや単調。でも、この世界観!
    音楽と宇宙が絡み合った、幻想的だが規律的な風景。

    大学時代の哲学の授業で、「天球は音楽を奏でている」という言葉を習った。それを残したのは、有名な直角三角形の定理を生み出したピュタゴラス。
    彼は相互に一定の距離を保ちつつ動く天体の軌道に興味を持ち、それを観察した結果「比」の存在を発見する。また、この「比」の応用から、有名なドレミファソラシドの7音階を生み出す。宇宙と数学、そして音楽が係累関係にあることがわかり、その驚きを、ピュタゴラスは「天球の音楽」という言葉で現す…
    「銀の三角」を読んで思い出したのはこの逸話だった。黄金比もピュタゴラスの発明なので、「銀」の「三角」というタイトルや、音楽と宇宙の関係性からして、もしかして起源はピュタゴラスに…? と思ったり。

    物語の冒頭部分はまったく全体像がつかめないのに、読了した後は完璧に把握出来るようになっている構成もすごい。異星の風俗を細かく描くのは、ジェームズ・ティプトリー・ジュニア作品に似ている。SF雑誌に載っていたためか、萩尾望都作品らしい耽美なロマンチックさはあまりない。そのためか、キャラクター造形がちょっと簡素。いっそ「ポーの一族」レベルに耽美さを加えてもよかったと思うけど、それは好みの問題かな。
    SF作品として秀作なことに代わりはないのに、萩尾望都の作品ということで期待値が高くなりすぎてしまう。先生なら、もっと素敵にやれたはず!

  • 小さい頃難しい本を読んで、つまらなくはないのだけれど、理解できなくて 不思議な感覚を覚えたが
    久しぶりにそんな気持ちになった。

    時空とか、夢とか、人種とか、太陽とか。。。

    でも何より線が綺麗!!

    流れるようで、涼しげで、ふっと消える感じがして。

    他の人も感想で書いていたが
    小説で無くて良かった。。。漫画ならではの良さが詰まった作品。

    また再読して挑んでみたい。

  • 何度読んでも理解しきれないが、萩尾作品の中で一番好き。アメリカでゴリゴリのCGで壮大に映画化してほしい。

  • 漫画で良かった。小説なら間違いなく途方に暮れてた。本来なら5作品分くらいの内容が1冊なので、散らかっておかしなエンディングになりそうなところを丁度良い謎解き具合と浮遊感でまとめられている。最近オチの意味を長々とキャラが解説し始めたりする作品に胸やけを起こしていたので嬉しくなった。「アニメ:サイコパス」の原型をここに見た。と勝手に妄想。

  • 人が再生できるって言う設定のおかげでえらい複雑な話になってて読みごたえが凄いあります。
    一気に読まないとわけがわからないので時間が取れる時に読むことをお勧めします。疲れてる時に読むのはお勧めしないです。

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