- Amazon.co.jp ・マンガ (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784592883135
感想・レビュー・書評
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マンガ界の「教授」「仏」
とも慕われるカーラ先生。
マンガ好きの友人に「笑うミカエル」を
教えてもらったことをきっかけに、
ほぼ全作拝読しています。
SF大作へのオマージュ、野球、ゲーム、
庶民派グルメ、
ときに労働問題をも織り交ぜて。
ダメ人間へのあたたかな眼差しも
さることながら、
動物たちの表情やキャラクターが、
いじらしくて、かわいくて、
本ごとぎゅっと抱きしめたくなる。
「大地の貴族」に登場する
聖なる牛さま・バースが、
たまらなく好きです。
「笑うミカエル」の黒犬・ダミアン、
「オペラ座の怪人」の怪熊・ルドルフも好きー!
「アンドロイドはミスティブルーの夢を見るか?」の続編
「ブレーメンⅡ」では、動物たちがむしろ主役に。
宇宙サイズでものごとを俯瞰すると、
ちっぽけな人間の存在そのものも
見直さなくては…とも思わせてくれる作品。
哀しいできごとを哀しいままで終わらせない、
ラストが好きです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
Twitterの某クラスタで見かけたので読んでみた。
昭和の香りを感じる。
悪くないが残るものもない、という感じ。 -
農業系の3篇はどれも楽しいが、架空の森が実は一番好きかも。
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心からなごむ。言葉のひとつひとつ好きだなと思うからこれは大好きなんだろうと思う。
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80年代白泉社系漫画の特徴かもしれないが、川原作品の知識量・情報量には驚くばかり。そして、めっぽう面白い。主人公はたいてい一匹狼的な変わり者で、あまり他人に興味がない。でも突飛な行動力で困難に立ち向かう、その姿はまさにヒーロー(ヒロインというより)。川原作品に「女子力度」は低いが、そこが最大の魅力でもある。
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「農業」や「森」といった植物に関連する作品を多く収めた短編集。
収録作品全てが面白いからすごい。
「架空の森」という作品に出てくるおしゃべり少年・御門織戸のおしゃべりが、川原作品らしい言葉の面白さに満ち溢れていて楽しい。
なんか川原さんのデフォルメの使い方って独特だなーと思った。
普通キャラクターをデフォルメして描くのはギャグの場面がほとんどだったりするのだろうが、川原作品では、作品中で最も盛り上がる場面でも容赦なくキャラクターがデフォルメ化されている。
この本で言うと、「大地の貴族」の牛に乗ってヒロインを救いにパーティー会場へ乗り込む場面や「森には真理が落ちている」の恋が成就する瞬間とか・・・
少女マンガ的には「ギャグ絵になっちゃいかんだろ」という場面だが、なんとなく照れ隠しのようで微笑ましく、思わず口元が緩んでしまう。 -
この作者さんの作品を、初めて読みました。
孤独や寂しさに浸りきらない強さというか、しなやかさというか、どの話の主人公も、時にはのらりくらり、でもしっかり芯を通してすっくと自立している感じが好ましい。独特の台詞回しも読んでいて気持ちが良いです。
「架空の森」のラストが特に好きでした。
あの姿を笑い飛ばせる織人くんと、一世一代のユーモア皮に身を包んで肩を抱かれる苑生さんと。
織人くんのように、朗らかに笑いたくなるような、なんともおかしみのある可愛らしいラストでした。
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おもしろかた